桂三四郎、新喜劇メンバーでの実演も! 「多言語会場字幕付き公演」発表会見
5月2日(月)、東京・NHKグローバルメディアサービス本社にて、『「多言語会場字幕付き公演」発表会見』が行われました。
この度、よしもとクリエイティブエージェンシーとNHKグローバルメディアサービスとがタッグを組み、英語・日本語字幕を会場で表示する公演を実施。
6月5日(日)の『桂文枝「字幕」落語会』(東京・神保町花月)、6月9日(金)~12日(日)の『THE 舶来寄席2016』東京公演(東京グローブ座)の2公演にて、英語と日本語の字幕を付けることが発表され、この会見もステージ後方に設置されたスクリーンを使い、日本語、英語での会場字幕演出をリアルタイムで再現しながら行われました。
まずは、MCのタケトが登場。
今回、字幕の文字は、4人のオペレーターによる入力で行われ、そのチームワークの良さや入力の速さに驚いたタケトは、さらに好きな芸人を訊ねると「辻本茂雄さんです。アキさんです。Bさんコースです」と表示されたため、「解散した(タケトを含む)3人の名前はやめてもらっていいですか?(笑)」と苦笑いを浮かべます。
よしもとクリエイティブ・エージェンシーとNHKグローバルメディアサービスの両担当者から、挨拶と概要説明、今後の展望などが語られた後、落語家の桂三四郎、吉本新喜劇座員の伊賀健二、高井俊彦、レイチェル、鮫島幸恵、そして字幕用翻訳を担当するチャド・マレーン(チャド・マレーン)が登壇。
チャドが「おっ、おっ、おっ...オーストラリア人で~す!」と師匠のぼんちおさむ譲りの挨拶をすると、その字幕の正確な再現も相まって笑いを誘います。
そんなチャドですが、これまで松本人志や板尾創路監督作品、三池崇史監督『ヤッターマン』などで翻訳を担当してきたそうで、Netflixで配信されるドラマ『火花』も担当とのこと。
タケトから「お笑いはニュアンスを伝えるのが、難しいと思うんですけど苦労とかありますか?」との質問を受けたチャドは、お笑いがウケるための3要素があるとし、ひとつめが発想で「日本のお笑いが、圧倒的なニーズと文化があって、面白いんですよ」と語り、他に"間"と"伝え方"を挙げ、「間というのは一番難しいところで、字幕を付けてるときはフレーム単位で頑張ってやってるんですけど、お笑い文化っていうのは海外にも伝わる」と自信を覗かせます。
次に実演へ移り、先に桂文枝の愛弟子・桂三四郎が学生時代のエピソードを漫談形式で披露すると、字幕はマンガの吹き出しのように表示。
字幕に背を向けているため、その様子はわからないという三四郎ですが「タイムラグ、ほとんど感じないんです」と手応えは感じたようです。
続いて、お馴染みのテーマ曲で始まった新喜劇は、チャド翻訳による英語字幕が表示され、ヤクザ役の伊賀健二への新幹線いじりが連発。
途中、実物の新幹線の写真が表示される演出もあり、「誰々そっくりですねとかいう新喜劇ネタがあるので、写真が出たらより面白いかもしれないですね」と高井も期待を寄せます。
さらに、チャドからは、字幕と動きのシンクロに満足しつつも「多言語言うてるから、英語だけじゃなくて、ゆくゆくは3Dメガネをかけて、言語もそれぞれ好きな言語に設定して、そしたら座り位置も関係なくなっていくんちゃうかな」と新たな提案も。
仕事の都合で高井が退席した後に、質疑応答が行われ、リアルタイムでオペレーターが入力、翻訳する手法に加え、あらかじめ台本に合わせて用意したものを字幕表示する"テイク"などで、「多言語会場字幕付き公演」を進めていくそうです。
また、『桂文枝「字幕」落語会』については、文枝の弟子でカナダ出身の桂三輝(サンシャイン)が字幕翻訳を務めるとの発表も。
なお、『THE 舶来寄席2016』東京公演は公式サイト(http://the-hakurai.com/)、『桂文枝「字幕」落語会』は神保町花月の公式サイト(http://www.yoshimoto.co.jp/jimbocho/)にて詳細をご確認ください。
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