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2016年6月17日 (金)

「やっと足並みが揃って来た」と手応え十分!! 7月24日、今年2回目となる単独ライブ『ねた・寝た・妬・ネタ』を開催する相席スタートへインタビュー!

東京・ヨシモト∞ホールを拠点として活動している話題の男女コンビ・相席スタートが、7月24日(日)、東京・シアターモリエールにて今年2度目となる単独ライブ『ねた・寝た・妬・ネタ』を開催します。
今年5月5日(木・祝)に5回目の単独ライブ『ソトの気分』を大成功で終わらせた2人。この単独ライブで披露された漫才とコントはこれまで以上のチャレンジに満ちたものばかりで、さらなる飛躍を感じさせました(前回のレポートはこちら→http://news.yoshimoto.co.jp/2016/05/entry49183.php)。そんな2人が3ヵ月経たずして、次なる単独ライブ開催を発表! なぜ短いスパンでの開催を決意したのか? また、前回の単独ライブから現在のネタに対する思いなど詳しく語ってくれました。

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(向かって左:山﨑ケイ/右:山添寛)

 *  *  *  *  *

――まず、5月に開催された5回目の単独ライブ『ソトの気分』を振り返っていただきたいんですけれど。非常に素晴らしい単独でしたね。

山崎ケイ(以下:ケイ)&山添寛(以下、山添) ありがとうございます!
ケイ 単独が終わってすぐは"稽古不足だったかな"と思いました。今回、ネタづくり的に今まででいちばん切羽詰まってた感じだったというか。
山添 ボリュームもあったから。
ケイ そう。今まで60分の単独だったのが90分になって、伸ばした30分の分苦しめられたというか。本来なら台本が上がって稽古ができるっていう期間に、まだネタをつくらなきゃいけないっていう状況が発生してしまったので、本番はとにかく間違えないように、ミスしないようにっていうことばかり考えてました。
山添 もちろん、素材には手を抜いてないですけど。
ケイ こだわってつくりましたけど、完成という意味ではここからどう叩いていくかっていうところですね。

――前回の単独は、漫才もコントもバリエーションが豊富で。特に、1本目の漫才はいろんな人から誉められたと思うんですけど。

ケイ うふふ......そうですね、いろんな人に誉められましたぁ~!
山添 自分で言うんや(笑)。確かに手応えはありました。進化形が見えたと言いますか。
ケイ 昨年の『Mー1グランプリ』の準決勝、特に敗者復活戦の漫才に、コンビ組んで3年間でつくったパーツみたいなものを全部詰め込んだというか。今までの色んなネタのウケるフレーズみたいなものをかき集めて盛り込んだんです。で、これでダメだったら、ストックしていたものはゼロになるっていうのが、私は特に不安で。言うなら、この3年間のものって、私にとってはその前の(コンビでの)5年のものも入っているから。
山添 貯金を全部使い果たしたというかね。
ケイ そうなんです。完全に盛り込んでしまった状態で、ここから先どうやっていこうかなと考えてしまったんです。
山添 でもまぁ、僕としては......男女コンビならではの新しいものを組み込みたいとは思ってたんです。けど、どうしても評価されるのはケイさんが今までやってきたフレーズの部分やったから、そこを使わざるを得なかったというか。それに頼り切るかたちになっていたっていうのは、必然でもあるんですけどね。

――周囲に求められていましたからね。

山添 はい。でも、前回の単独ではコンビとしての新しい1つ目の部分が出せたのかなって思ってます。
ケイ コンビ組んだばかりの頃は、私が漫才のコントインする感じとか、ちょっとやってみるみたいなことがすごく苦手で、「そういうのはやりたくない!」って言ってたんですよ。

――以前のインタビューで「ネタで嘘をつきたくない」と言ってましたもんね。

ケイ そうです、そうです。
山添 やから、できる幅がある意味、すごく狭かったんですよね。
ケイ 山添は(前のコンビで)そういう漫才もやってたから「動きを入れることで、より伝わりやすくなりますよ」って言ってたんです。けど、私は「できない」って拒み続けて。尖り続けてたんですけど、昨年(積み重ねを)全部捨ててみて、"あれじゃあ勝てないんだ"ってことがわかって。
山添 まぁ、あそこで自分達のてっぺんを叩いた感はありましたもんね。
ケイ そう。マックスを出し切った直後は、もう漫才はつくれないって。ライブに臨むものはつくれるかもしれないけど、賞レースでいけるようなネタを思いつけないだろうっていう絶望があったんです。で、いざゼロになってみたら、山添が言うような遊びみたいなものも入れていかないとウケないよな、って考えるようになった。あと、昨年の準決勝で跳ねてる人達を舞台袖から観ていて何が足りないのかなって考えた時に、私たちはちゃんと聞かせ過ぎてるんだなって。つい笑っちゃうみたいな要素があんまりないというか、文章を読んで面白いレベルで、声に出してゲラゲラ笑ってしまう要素はなかったなぁと思ったりもして。
山添 ケイさんのフレーズの部分ってコンビの核にめっちゃなると、僕はずっと思っていて。ただ、そこをメインにし過ぎるとお客さんが構えてしまう。そういう脇を締めた状態で観られると、どうしてもバカみたいに笑うほうにはいかれへん。ジャブのような軽いものもあるっていう振り幅を見せられると、核の部分も今まで以上にウケるんちゃうかなとは思ってたんで、前回の単独はそこが見せられた感じはしました。
ケイ だから、単独の1本目のネタはチャレンジでしたね。
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――2本目の漫才も今までとはひと味違っていて、山添さんのいい意味での浅さが活かされていましたしね(笑)。

ケイ ふふふ......でも、あれはもうちょっとウケる予定だったんですよ。作家さんとかとゲラゲラ笑いながらつくって。
山添 ふははは!「これはとんでもないものができたぞ!」って。
ケイ 「下手したら、賞レースあるぞ!」くらいのテンションでつくったのに、あんまり跳ねなかったっていう(笑)。
山添 でしたねぇ、もっとウケる予定ではあったんですけどね。

――ははは! 今までとは違うアプローチでしたし、コンビの関係性も変化があって面白かったですよ。先ほど「今までを全て出し切った」と話してましたけど、コンビ結成1年も経たないうちに『THE MANZAI 2013』のワイルドカードに進んで、自己紹介的にスタイルが世間に知られた。で、そのスタイルを観たいと求められる分、ネタづくりにおいて縛りを感じる部分があったというか、苦しい気持ちもここ1~2年はあったということですかね。

ケイ ありましたね。私は「自分の中で言いたいことはもう全部言った」っていう感覚がずっとあって。
山添 それ、僕も聞いてました。
ケイ 山添はもちろん良かれと思って「ケイさんの思想とか考え方がないと(ネタに)重みが出ない」って言ってはくれたんですけど、私は「思想とかもうない。言いたいことは全部言った」って言っていて。あと、私のことを知らない人にはちゃんと説明しなきゃいけないけど、知ってる人にはその部分はもういいよって思われるっていうのがあったりするんですよね。そういう意味で、前回の単独ライブの1本目は、知っていても知らなくても自己紹介しながらも進めていけるというか。
山添 いい意味でのバカさ加減が、ケイさんっぽく乗っかってるところが良かったなと思います。

――また、これまでは下ネタ的な要素は目立つネタも多かったですけど、前回はそうじゃない視点のネタが多かったのも印象的でしたよね。

山添 下ネタは1本あればいいなという感じで、今年はそうじゃないネタをつくれたらいいなと思いながら挑んでいて。
ケイ その辺はこの3年間、下ネタでここまで来たっていうのと下ネタに苦しめられたっていうのと両方あります。
山添 一昨年は深夜でしかネタができなくて。で、賞レースで勝とうという思いで、昨年は練りに練ったネタで勝負したつもりなんですけど、それでもある人からは「相席スタートのネタは、テレビだと22時台だね」って言われたんで、今年はゴールデンへ行けて、さらにコンビのいいところを見せるネタを考えているところです。僕らって性格が真逆なんですよ。ケイさんはネガティブで僕はポジティブなので、僕は例えば「男女コンビやからこそ、ほかの人にはあんまりでけへん映えやすいネタがある」って考えるんですけど、ケイさんは「絶対、男女じゃないとダメっていうネタの縛りがあるから制限がある」って考えるタイプで。
ケイ 私は常にこれがこうなって、こうなって......って、もしもみたいなことを悪いほうに考えるんですけど、山添は何も考えない......。
山添 いや! ほかの言い方してよ!
ケイ うふふふ......まぁ、わかりやすい物事の考え方をなさるのでね?
山添 なさるって! そこだけ尊敬語使ってもダメですよ?
ケイ (笑)それに、私は「大丈夫ですよ」って言って欲しいみたいなところがあるんで、その辺を山添が理解してくれて「大丈夫です、大丈夫です」って声を掛けてくれるから。
山添 うん。「やってみればいいんですよ」ってね?
ケイ 強めに言ってくれると、「えーー......そ~ぉ?」みたいな感じになるんですよ。
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――それで新しい挑戦もできたと。コンビを組んだ当初より、関係性もより良くなってるってことですね。で、5月から短いスパンで次の単独を開催する訳ですけど、その真意は?

ケイ 山添先生が「賞レースが始まる前に単独をやろう」ってことを、ずーっとおっしゃっていて。
山添 山添先生って......まぁ、はい! その期間、ケイさんは旅行とお酒を控えていただいてね。
ケイ (笑)私はすぐサボりたくなっちゃうんで、心の中では"マジかよ......"って思ってます。けど、頭の中で理解できてるので、"まぁ、しょうがない"っていうか。
山添 そのあとに、もっと楽しいことが待っていると思ってもらえればいいんかなと。ケイさんはサボり癖があったとしてもめっちゃ現実的な考えを持ってはるから、もしここでやらへんかっていい準備ができずに賞レースで負けたとしたら、"あの時サボったからや"ってすぐわかる人なんです。やから、今やっといたほうがいいっていう結論になってるはずなんですけど。
ケイ そう。"あの時やらなかったから"って思うのはイヤなんですよ! 今がんばるのか、来年も同じように辛い期間を長く過ごすか。どちらがいいかを考えたら、今がんばるってなりますよね。ただ、単独をやると決めたら早めに取りかかりたくなっちゃって......そうなるのもイヤなんですよぉ~!
山添 ははは! 早くネタ合わせしようってなりますもんね。
ケイ そうそう。やるって決めちゃった日からずっと、単独の本番までネタのことがちらつくから。
山添 そういった意味ではめちゃくちゃ責任感が強いんですけど、僕に「大丈夫? 大丈夫?」って投げかけてなんとか責任転嫁するところもあったりする(笑)。
ケイ 「大丈夫って言ったじゃん!」ってね。
山添 まぁ、とにかくまだ球数が少ないんで、次の単独で(賞レースへ向けての)いいネタが揃ってる状態にしたいですね。
ケイ 『THE MANZAI』が一旦終わって、『Mー1グランプリ』になって昨年経験したじゃないですか。『キングオブコント』に比べるととんでもなく予選の回数が多いので、(勝負できる)ネタを何本持ってるかが相当大事なんだなって思ったんです。特に、私たち若手は準決勝に上がりたいっていうのもあって、早めに勝負ネタを出してしまうんですよね。予選の多さだったり、いろんな可能性を考えると(勝負できる)本数が多いに越したことはないので、準決勝でやるって決めたネタと同じくらい強いネタがもう1本つくりたいなって。
山添 最低2本ですよね。3本で勝負できるのがいちばんいいですけど。

――そのためには、次の単独ライブがかなり大事になりますね。

ケイ 大事ですねぇ!『キングオブコント』もありますし、コントはこれかなって思うものがまだ見つかってないので。でも、この前打ち合わせした中に面白くなりそうなものはあったよね?
山添 あぁ、ありましたねぇ。あれでしょ?
ケイ そう、あれ(笑)。あれはちょっと面白いよね。久しぶりに設定の面白いコントです。

――楽しみです。コントのほうが先に思いつくんですか?

山添 ええ設定さえ出たら、つくるのは早いです。それは2人とも前のコンビでネタをつくってた側やったのがデカいなと思いますね。こっちの役やったらこうやったほうが面白いっていうアイデアがぞろぞろ出て来るんです。
ケイ 逆に、漫才はどっちもネタをつくる側だからこそ、時間がかかるのかもしれない。一文字が変わるとニュアンスが変わるからぶつかるんでしょうね。ただ、私は前のコンビは聞かせる部分しかなかったというか、笑わそうとする気がなかった。言いたいことをとにかく言わせてっていう感じだったけど、今は"笑ってください"っていう気持ちがあるから。今年はちょっと......ネタでいいところまで行きたいですね。
山添 この(意識の)変化は、快挙やと思います!

――確かに。コンビを組んだ頃とは違う心境が芽生えてると思うんですけど、何かきっかけがあったんですか? 今年はテレビの露出も増えて来てますけど、それも関係していますか?

ケイ そうですね。私はどうも押しが弱いところがあって。テレビとかに出させてもらっても自ら前に出ることがなかなかできないし、振られた時には100点の返しをしなきゃいけないって自分でハードルを上げてしまってるところがあるんです。『アメトーーク!』の「立ちトーーク」に出させてもらった時にめちゃくちゃ凹んで......。そのあと"できないことはできないんだ"っていう現状を受け入れたら、賞レースを獲りたいと思うようになったんです。賞レースの決勝とかに行けたら、今までは振りにくいと思っていた人に安心感を持って、「ケイちゃん、どう思う?」って振ってもらえるようになるかもしれないなって思って。
山添 やっぱり説得力が出ますからね。
ケイ 賞レースで結果を残せば、より安心感のあるキャラクターになるだろうし。尚且つ、山添も一緒に出られたらよりいいじゃないですか。
山添 今、ケイさんが(テレビに出て)コンビ名を売ってくれてる流れに乗ってね?
ケイ 最初は2人で出たとしても、私を引き立てる感じになると思うんです。けど、私が前に出られない分、山添は(前に出やすいように)引っ張ってくれるし、山添自身のキャラも......浅くて意外とプレイヤー側だっていうのがバレると......。
山添 何? バレるって。いいところが出る、でいいじゃないですか!
ケイ ふふふ。遅かれ早かれバレてくるはずなので、山添のプレイヤー的なところも活かして一緒に出ていけたらなって思ってます。......若手にオーラが見える子がいて。私たちはあんまりそういうのは信じないんですけど、その子によると山添は今、とんでもなく輝いてるらしいんですよ!
山添 僕、すごいらしいです。
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――えぇ!! 本当ですか? ますかけ線ととんでもないオーラのコンビになったと(笑)。

ケイ そう。私は天下取りの手相を持ってるって言われたことがあるんですけど、山添は眩しくて見えないくらい輝いてるらしいです!
山添 くくくくっ!
ケイ コンビ組んだばかりの頃、出雲阿国さんに生年月日で占ってもらったことがあって。「ついでに相方もいいですか?」ってお願いしてみてもらったら、3年後か4年後に「山添くんが賞レースの決勝に行く人の部屋に入る」って言われたんです。当時、コンビ結成してすぐ『THE MANZAI』の認定漫才師になって、この流れで早々に売れるぞ!くらいのテンションでいたから、"あと3年もかかるのか"って一瞬がーんとなったんですけど、それが確か今年なんですよ。そうだよね?
山添 はい、たぶんそうです。
ケイ 運気的に来てますよ、山添! 競馬こそ当たらないですけど(笑)。
山添 そこも、また違う占い師さんから僕が不幸になればなるほどコンビにとってはいいと言われたことがあって。個人の不幸はコンビのためになるし、めちゃくちゃ眩しくて見えへんし、今年決勝に行く人の運勢やし! 全てが繋がってるんじゃないかなと思ってます。
ケイ ただ、私にはなんっのオーラも見えないけどね。
山添 メガネ越しやとわからへんだけちゃう? ケイさんにいい感じで光を当てて、よりいい女に見せるライト的な存在になってるかもしれないですよ?

――ふははは! そういう、いい運気をものにしたいところですね。

山添 そうですね。それにこの3年間、コンビのことをびっしり考えてきて、やっと足並み揃った感じがしてるので、今年はめちゃくちゃ楽しみなんです。だからこそ、次の単独はより見物になると思います。
ケイ そうですね。今まで5回やった単独全部、手は抜いてないです。次の単独も手を抜かない自信があるので、ぜひ来て欲しいですね。


【相席スタート】

相席スタート単独ライブ『ねた・寝た・妬・ネタ』」公演概要

日時:7月24日(日)開場15:00/開演15:30
会場:新宿シアターモリエール
料金:前売2,500円/当日2,800円
チケットよしもとにて、明日6月18日(土)10時より一般発売スタート!