KANPEIみちのくマラソン、今年は福島がスタート!
「忘れたらアカンで~!」
東日本大震災から5年。
今なお復興への長い道のりが続く福島・岩手・宮城の3県を、お笑い芸人たちがたすきをつないで駆け抜ける。被災地に元気を届けるプロジェクト「RUN FORWORD KANPEI みちのくマラソン2016」が、10日、福島県双葉郡のJヴィレッジからスタートした。
総監督を務める間寛平(67)は「復興に向けて忘れられないようにせんと。景色を見ても、少しずつ復興は進んでいるけど、まだまだ先は長い。これからもずっと続けていきます」と、アピールした。
5回目となる今回は、スタート地点を福島県楢葉町の「Jヴィレッジ」に変更。懸命な復旧作業が続く福島第一原発からはおよそ20キロの距離で、震災以降は、復旧作業に携わるおよそ7千人の作業拠点として稼動しており、11面あった天然芝のフィールドも、現在はすべて駐車スペースとして使われている。
「サッカー日本代表の合宿とかをやる、少年たちの夢の場所だったのに、その頃の面影はない。現状を聞いてホンマ寂しかった。でも2年後には復活するそうやし、さらなる復興のシンボルとなれるようにという思いを込めて、ここからスタートすることにしました」
Jヴィレッジ取締役の小野俊介氏によれば、同施設は18年に再稼動し、新たに全天候型サッカー場やホテルを建設する計画もあるという。
寛平は、小野氏によるスタートの掛け声「アメマ~!」をリクエストしてJヴィレッジを出発。この日は福島県の住みます芸人・ぺんぎんナッツや地元局のアナウンサーらも参加し、いわき市内までたすきをつないだ。ゴール後は近くの仮設住宅などを訪問する"ふれあいイベント"も開かれる予定だ。
「毎回、みなさんの邪魔になってるんじゃないかと心配ですが、道中で『待っとったよ、また来年も来てね』と応援の声をかけてもらえると、ますます頑張らなアカンと思います。みなさんに喜んでもらえるなら、"一心同体"で何でもやりまっせ!」
ゴールとなるのは岩手県宮古市役所。計14日間にわたって36市町村をめぐり、過去最長となる計684㎞を走破する。
「阪神大震災も復興まではすごい時間がかかったけど、みんなの支えがあってここまでこれた。東北も時間はかかるかもわからんけど、必ずゴールは来ると思うから、みんなで頑張りましょう」
この日のゴール地点となった福島県いわき市南台の応急仮設住宅を訪問した。
一般募集で選ばれた地元ランナーと伴奏しながらゴールした寛平は、疲れも見せず、すぐにイベントを開始。会場には仮設住宅やその周辺住人らおよそ100人が詰め掛けた。会場には子供たちや高齢者の姿も多く見られ、暖かい笑い声に包まれた。
「KANPEIマラソン」は今年で5回目となるが、寛平は開口一番、「久しぶりやね~、元気やった? 今年も来たで~」と挨拶。「ここは(仮設だけど)高級住宅街みたいや。住んでる人らの顔見ればわかる。みんな明るいもんな」と笑いを誘った。
参加者の一人は「忘れないで、こうして来てくれることがうれしい。今年は暑いけど、最後まで頑張ってください」と感謝の気持ちを口にした。
イベントでは、この日のたすきをつないで走った若手お笑いコンビ・ぺんぎんナッツ、げんきーずの二組もネタを披露。その後、スイカ割りなどで住民たちと触れ合った。
震災後、すぐに吉本の住みます芸人として福島県に移住し、地元密着の活動を続けてきたぺんぎんナッツ・中村陽介は「復興は着実に進んではいますが、それでも、仮設から移っても新しい生活になじめなかったり、仕事や健康の不安が消えなかったりと、苦労は続いています。それでも寛平師匠と触れ合った人たちは、皆さん本当にいい顔になってくれる。本当にすごい事だし、僕たちもやりがいがあります」と話した。
寛平はイベント終了後も、途切れることないサインや記念撮影の求めに応じ、住民たちとの触れ合いを楽しんだ。
「大変やろうけど、皆さん明るくて本当にいい笑顔を見せてもらいました。みんなのパワーをもらって、明日からもウンバラバー!」
この日、福島県Jヴィレッジをスタートした同イベントは、この後福島、宮城、岩手を走り、24日の最終ゴールとなる岩手県宮古市を目指す。
走って触れ合って笑いを届けながら、東北を走り抜ける寛平の熱い夏が始まった。
公式ホームページで期間中の様子をご覧ください。
http://run-forward-kanpei.com/
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