桃井かおりさん、超満員の客席に「一人ひとりにキスしたい!」と感激!! 映画『火 Hee』公開記念・初日舞台挨拶
8月20日(土)、東京 シアター・イメージフォーラムにて映画『火 Hee』の公開記念・初日舞台挨拶が行なわれ、監督の桃井かおりさん、原作者の中村文則さんが登壇しました。
本作は、2005年に第133回芥川賞、2014年にアメリカのデイビッド・グーディス賞など数々の文学賞を受賞している純文学作家・中村文則さんによる短編小説『火』を映像化したもの。アメリカでクリニックを務める精神科医が、ある日、エレベーターで遭遇した女性と対話するという物語で、桃井さんは監督のみならず、脚本と主演も担当。今年2月、ベルリン国際映画祭フォーラム部門のワールド・プレミアで上映されただけではなく、各国の映画祭に出品と、世界から注目を集める作品となっています。
大雨にも関わらず、会場は立見も出るほどの超満員。そんな客席を見渡した桃井さんはにっこり微笑みながら「入ってくれて良かった」と呟き、「オリンピックの中、また雨の中、本当にありがとうございます」とお礼。中村さんが「雨と雷の鳴る中で、家を出た頃は相当だったと思います。本当にありがとうございます」と伝えると、頷きながら「一人ひとりにキスしたい!」と愛情たっぷりに感謝を示します。
本作について、中村さんは「僕の原作を捉えてくださいながら、桃井さんの世界にもなっている。原作と世界が同在して成立しているのは、非常に刺激になりました。ありがとうございました」とコメント。「こちらこそ!」と返した桃井さんは「憧れの、私はファンだから、中村さんのものを映画にできて幸せです。原作者が良しと言ってくださると、本当にありがたいです」と笑顔を見せました。
舞台挨拶終了後には、囲み取材も。多くの報道陣に囲まれて「芸能界、長くいてよかった!」と嬉々とする桃井さん。監督・脚本だけではなく、主演も務めたことには「桃井かおりを使うのが、いちばんリーズナブルだったから!」と説明。「中村さんは小説と文壇において、勇気を奮っている。だから、私が勇気を奮うのは当然のことなんです」と続けます。
監督業については「話し合いの時間がなくていい」とサバサバ。ロサンゼルスの自宅で、10日間で撮り切ったと語ると、「ライブ感のある撮影。それが結果的に素晴らしくなったんですね」と中村さん。「本番も1回だけで。諦めなきゃいけないこともいっぱいありながら撮影しました」と、相当な覚悟を持って挑んだことを明かしました。
中村さんが「満席でしたね」と話しかけると、「そう! 感動しました。みなさん、手を振ってくれて......泣くわよ! オリンピックじゃなくなって泣いていいはずよ!」と独特な表現で喜びを露にしました。
「テレビでは放送できない作品です。暴力的な病社もないのに過激というのがすごい。楽しんで観てください」(中村さん)「むしゃくしゃした日に、最悪な人を観た日に、自分って最低だなと思った時に観てください。自分のほうが幸せだと思える作品です。晴れの日も雨の日もお越しください」(桃井さん)とアピールした映画『火 Hee』は、東京 シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。上映についての詳細は、公式サイトをご覧ください!
映画『火 Hee』
原作:中村文則(河出書房新社/河出文庫『銃』収録「火」
監督・脚本・主演:桃井かおり
公式サイト: http://hee-movie.com