マジシャンが大集合!マジックショーで観客を魅了した「マジックパーティ」
感動と驚きの極上エンターテインメント・マジックの祭典「マジックバザール」が京都市のロームシアター京都にて開催されました。イベントは10月9日(日)と10日(祝・月)。世界で活躍するマジシャン・引田天功など多くの魔術師たちと、新喜劇のメンバーが「イリュージョン新喜劇」と題して登場し、観客を魅了しました。今回は9日に同会場のノースホールで行われた「マジックパーティ」の模様をレポートします。
会場ではメインステージと、ステージ両脇に並んだテーブルでマジックが行われました。メインステージに登場したマジシャンはあやつるぽん!、TSAUKU、ロシアのマジシャン、トゥイチー・カーンなど計5名。おなじみのマジックアイテムを使ったショーや観客参加型など、様々なパフォーマンスで会場を盛り上げました。
マジックの他には、元祖・お笑い番組の名プロデューサーで知られる、放送界の大御所・澤田隆治氏のトークショーを3度開催。最初のテーマ「マジックの魅力と今回のイベントについて」では、かつて担当を務めた大ヒット番組『てなもんや三度笠』での思い出話を中心にトークが進みました。
例えば日本で最も有名なマジシャンの一人・島田晴夫氏が、幼少のころにマジシャンとして登場したエピソードを披露。マジシャンには仕込みの時間が必要なことを知らずにリハーサルをすすめてしまい、いざ本番を始めようとしたところ島田少年から「仕込みの時間がないのでマジックができない」と言われて大変だったとか。「マジシャンはいつでもどこでも、何でもすぐにやってくれると思っていたが、ショーをやるにはそれなりの準備が必要ということを知りました」と語りました。
また澤田氏がかねてよりコレクションしていた昔のマジシャンポスターも、10日(祝・月)まで同会場の2Fプロムナードで展示中。こちらもお楽しみに。
よしもとの劇場でも出演している女性マジシャン・あやつるぽん!のステージでは、あやつるぽん!が「あやつる」と言い、「ぽん!」と観客がかえすという呪文をキーワードに、カードやリング、ロープを使ったマジックを披露しました。ハイライトは親指を縛った「脱出マジック」。世界最速の、たった3秒で脱出するというもので、ステージに上がった観客の少年があやつるぽん!の両方の親指をしっかり針金で結んだあと、スカーフで隠しました。
そこで「これから3秒で脱出します」と右手の指を3本立てて宣言するあやつるぽん!でしたが、すでに右手がスカーフの外に出ており、観客は驚いた様子で行方を見守ります。しかし何度かスカーフを外しても親指は縛られているまま。そこでもう一度だけスカーフをめくったあやつるぽん!。今度は予想通り(?)に両手の親指が脱出できた様子をみせて大成功となりました。さらには彼女が「脱出成功!」と、ワインを入れたグラスを手にしている様子には、大きな拍手が会場から贈られました。
そして再び澤田氏が登場。「私の一番好きなマジシャン」と題した映像が上映されました。映像はイギリス出身で昭和初期に活躍した伝説の奇術師・カーディーニ。燕尾服をまとい、シルクハットに白手袋、ステッキを身に着けた伝統的なイギリス紳士の風貌で、扇のように広げたカードが指先から次から次へと出現したかと思えば、火のついたたばこを口や耳からとめどなく出す姿に会場全体が釘付けになりました。カーディーニはたばこを使ったマジックが得意だったとのことですが、健康志向の現代では主催者から嫌がられること、消防法の都合で火を使うマジックは許可をとるのが大変で、マジック自体を見ることが少なくなったそう。
またカードマジックといえば韓国のマジシャンのテクニックがハイレベルで、世界大会でも数々の賞を獲得しているとのこと。中でもマジック用に造られたモバイルフォンをカードのように扱う華麗なショーには、澤田氏も驚いたと語っていました。一方、日本ではシニア世代が健康や楽しみのためにマジックショーを行っており、日本で一番忙しいほど人気で注目されている、といった日本の奇術事情も紹介していました。
再び登場した、あやつるぽん!は、ロープを使ったマジックで会場を魅了しました。観客の女の子にロープの半分を切ってもらったはずが、半分にならなかったため「元に戻すね」とロープに息をふきかけると、一瞬で切ったはずのロープが元どおりに! さらに輪っかを半分に切り、結び目に「あやつるぽん!」と呪文をかけると結び目だけが落下し、切れ目が消滅し元通りになる、というテクニックも披露しました。
ほか世界を股に活躍する気鋭のマジシャン亜空亜SHINは、仮面と素顔を瞬時に切り替える中国伝統の技・変面や、複数の鳩を出現させたり消したりする驚きのステージを軽快に披露。またロシアのマジシャンで大掛かりな脱出マジックを得意とするトゥイチー・カーンも会場に駆けつけ、観客を大いに楽しませました。
そしてイベント終盤に再登場した澤田氏は、かつて担当した放送番組を紹介。おなじみのマジシャン、ゼンジー北京が奇術の本場・中国の北京で脱出ショーに挑戦する、という映像で会場を楽しませました。澤田氏曰く、脱出ショーはゼンジー北京の芸風ではなかったそうで、アマチュアのマジシャンから脱出用の道具を借りて練習したのだとか。
続いてよしもと芸人でパフォーマーのTASUKUが見事なバランス芸であっと会場を沸かせると、亜空亜SHIN、トゥイチー・カーンが再びステージへ。オーソドックスなチャイナリングやコインで観客を巻き込み、閉幕となりました。
引き続き10日(祝・月)も、ノースホールではマジックショーを開催中。フィナーレを飾る19時からのマジックバザール・ガラショーでは、日本奇術界の至宝・島田晴夫氏と、ダイナミックなマジックが魅力のプリンセス天功の出演が決定!奇跡の2ショットが実現するかもしれません。こうご期待!
【あやつるぽん!】【TSAUKU】