漫才で10年の足跡を振り返るもやはり物騒なワードが頻出! えんにち結成10周年記念単独ライブ『極める道』レポート
昨年12月30日(金)、東京・ルミネtheよしもとにて、「えんにち結成10周年記念単独ライブ『極める道』」が開催されました。
2006年1月1日を結成日としているえんにち(アイパー滝沢、望月リョーマ)。
現在は、埼玉県の大宮ラクーンよしもと劇場をホームに活動していますが、11周年を直前に控えたこの日、満を持してルミネtheよしもとでの単独ライブに臨むと、多彩な漫才を軸に、コント、VTRで約100分間、幅広い層の観客を楽しませました。
開演時間を迎えると、歓声に迎えられて登場したえんにちの2人は、望月が「どーもー!」と愛想よく挨拶すれば、アイパーはサングラス越しに睨みをきかせての「ホゥ!」を連発。
改めて、「本日は、えんにち結成10周年記念単独ライブにお越しいただきまして、誠にありがホゥございます」と挨拶するアイパーは、客席の前列から一人ずつにあてて書いてきたという感謝の手紙を読み上げますが、「出所したてで、ありがとうございます」などと、さっそく際どい発言で、望月を慌てさせます。
また、セットのパネルが『極』『道』になっているとの指摘を受けたアイパーは、「メルヘンの『める』が足りなかったな」として、天井から『める』の看板を降臨させ、晴れてタイトルの『極める道』が完成。
オープニングVTRに続いて始まったのが、極める漫才『なぞなぞ』です。
10年というコンビの足跡を振り返り、「いいことばかりだったろ? 『笑いの金メダル』2代目チャンピオン」と輝かしい栄光を口にするアイパーに対して、「チャンピオンになれなかった藤崎マーケットといとうあさこさんの方が爆発的に売れたよ」と嘆く望月。
さらに「NHK『爆笑オンエアバトル』、俺ら無敗の15連勝だぞ」というアイパーに対しても、望月は「16連勝を目指そうとしたら、暴力団排除条例が適用されて、NHKに出入り禁止になったんだよ!」といった事実(?)を明かすのでした。
その後、ドラッグや闇金といった犯罪を連想させるワードを散りばめながらも、なぞなぞを題材にした漫才を展開。
続く、レストランを舞台とした極めるコント『矢沢くん』では、YAZAWAになりきった新人アルバイトのアイパーが、「やっちゃえ日産」の神の啓示を受ける度に暴挙に走ると、次の極める漫才『アイパーくん』では、アイパーがセカンドバッグを抱えた一層濃いキャラで、英語や算数を題材に笑いを誘います。
極める漫才『編み物』では、ホビー大賞ユニーク賞を受賞したり、個展やワークショップを開くといった編み物の腕前を持つアイパーの作品を紹介。
チャカカバー、ドスケース、「海外の犯罪者みたいだろ!」(望月)というブランケット&クラッチバッグ、さらには松方弘樹さんに向けたマグロケース、哀川翔さんに向けたカブトムシケースなどを次々発表し、場内は感心と爆笑に包まれました。
続く極めるコント『任侠くん』では、ランドセルにドスを忍ばせるなど、小学3年生にして、その道のオーラを醸し出す任侠くんを描き、極める漫才『いじめ』では各界でのいじめを笑いに昇華。
ラストのネタとなった極める漫才『新えんにち』では、新メンバーに音響さん、照明さんを迎え、SEやスポットライトなどの演出を加えた漫才を披露します。
終盤には、アイパー滝沢プロデュースのキャラクター・パーさんもお目見えし、賑やかなムードのまま一本締めで終演。
一方、幕間には、過去の単独ライブで流したVTR傑作選に加え、渡辺直美、向井慧(パンサー)、インポッシブル出演による通販番組風のVTR、2枚のイラストの間違い探しあて、2017年血液型ランキングなど、いずれもきな臭さが含まれた映像で楽しませました。
エンディングトークでは、改めて来場者に感謝をしつつ、パーさんグッズなどの物販をアイパーが必死にPR。
その理由について望月は、給料日直後なのにも関わらず、「やべえ、1000円しかねえ」とアイパーがボヤいていたとか。
また、温泉の素と紅茶もこの日のために用意された物販グッズですが、「アイパーさんは、粉と葉っぱと呼んでます(笑)」(望月)、「それで宣伝していいですか? って訊いたら、よしもとからすげー怒られた(笑)」(アイパー)といった裏話で沸かせました。
最後の最後まで、自分たちのスタイルを貫いた2人。
改めて「よー!」という掛け声を合図に、威勢のいい一本締めで締めくくられました。
【えんにち】