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2017年1月 7日 (土)

『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』大阪での上映がスタート!初日舞台挨拶に中島貞夫監督&福本清三さんが登壇

昨年12月の東京・名古屋・福岡・京都に続き、1月7日(土)、大阪・テアトル梅田にて、『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』が公開初日を迎えました。中島貞夫監督にとって17年ぶりの新作となる今作は、京都で生み出された時代劇の"ちゃんばら(殺陣)"を、さまざまな角度から考察するドキュメンタリー映画。監督自身による殺陣師や俳優、評論家など"ちゃんばら"に関わる人たちへのインタビューのほか、東映剣会の出演によるちゃんばらシーンのメイキング、さらにはその完成作まで、時代劇とちゃんばらの魅力がぎっしりつまった作品となっています。上映後の舞台挨拶には、中島貞夫監督、本作にも出演している斬られ役のレジェンド・福本清三さんが登壇。作品に込めた思いやこれからの時代劇映画について、熱いトークを展開しました。

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中島監督は、「我々にとって、ちゃんばらとは何なんだろうということを考えるために作りました。そして、もうひとつの大きな理由が、何としてもちゃんばら映画を作りたい、と。そのためにも、一度いろんな形で考え方を整理しようと思いました。皆さんのお力を借りながら、次なるちゃんばら映画を作るための前哨戦として作った作品だと思ってください」と挨拶。客席が立ち見も出る大入り満員となったことについては、「これだけの方が入っていただけたということで、実は内心ホッとしています」と笑顔を見せました。

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本作でも見事な殺陣を披露している福本さんは、「僕らは『どうしたらかっこよく死ねるか』を考えてやってきたが、それが監督のおっしゃる"美学"だったのかな」とコメント。「見ていただいた方に『あいつ、上手いな』と思っていただける、というのが僕らのテーマで、それを一生懸命考えてやってきたし、これからも継続していきたい」と立ち回りへのこだわりを語ります。

続いて中島監督は、「斬る・斬られるというのは命のやりとり。『死ぬか生きるか』というのは最高のドラマ」としつつ、映画でも触れられたちゃんばら映画の禁止やアメリカ流の勧善懲悪スタイルの流入、テレビの普及などにより、「ちゃんばらの持つ本来のドラマ性が、日本映画から消えてしまった」と説明。自身も本格的なちゃんばらシーンのある映画を手がけるチャンスが少なかったものの、『木枯らし紋次郎』を監督した際にちゃんばらについて改めて考える機会があったそうで、「ちゃんばらにはそれぞれにテーマがある。その中にドラマがあると気がついた」。さらに「この年になって、最後に何をやるんだろうと考えた時、もう一度ドラマと絡んだちゃんばら映画を作ってみたいと思った」という、現在の心境を明かしました。

数々の現場をともにしてきた福本さんに関しては、「彼は中学を卒業して、そのまま撮影所に飛び込み、ただただ斬られ、斬られ、斬られてきた男。その中でいろんなことを考えて、斬られ方の美学を必死になって探し求めてきたんです。彼のそういう生き方はすごい」と称賛。これを聞いた福本さんは「いえいえ。とんでもない。ただ斬られてきただけです」と謙遜しながら、「一分一秒でも長く画面に映るため、いかに自分をアピールするか考えてきただけで、それが美学だとは考えたことはなかった。しかし、今回の作品を通して、斬られ役はもちろん、あらゆる分野にそれぞれの美学があり、それらがひとつになって映画が出来上がることに改めて気がついた」と話していました。

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やがて、話は「これからの"ちゃんばら映画"のあり方について」へ。中島監督は、「ちゃんばらは、人間同士のコミュニケーションとして、非常にいいひとつのパフォーマンス。そういう意味で、パフォーマンス芸術としてのちゃんばらというものも、これから全面的に押し出していく必要があるだろう。しかもそこには、日本刀の持つ精神性が介在しており、高度な日本的パフォーマンスの面白さを持っている。そして、さっき申し上げたように『生きるか死ぬか』という究極のドラマがある。これらが噛み合って初めて、面白いちゃんばらになる」と分析。「そういった作品にチャレンジすることを、これからの残り少ない人生の目的にしたい」と締めくくりました。

福本さんも、「時代劇は、日本からなくならない。これからも続いていくと思う」とキッパリ。時代劇が減っていく中で、後進の育成についての不安を述べながらも、「監督に頑張ってもらって仕事を増やしていただき、ちゃんばらをやる若い人たちが増えるよう願っている。『時代劇は面白いな』と思っていただけるように、時代劇が増えていくように...。監督、ひとつよろしくお願いします(笑)」と期待を寄せていました。

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終了後は、劇場ロビーでのサイン会も実施。作品を見終わったばかりで興奮冷めやらぬなか、中島監督と福本さんにひとこと感想を伝えようと、多くのお客さんが列を作っていました。

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●作品情報

『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』

1月7日(土)より 大阪・テアトル梅田、北海道・ディノスシネマズ札幌劇場にて公開!


http://www.chambara.net