ユウキロック×チュート・徳井がお笑いガチトーク 「芸人迷子」発売記念ライブ開催
1月26日(木)、東京・神保町花月にて、ユウキロックが芸人といて歩んだ半生を綴った著書『芸人迷子』の発売を記念したトークライブ『元芸人と芸人~ユウキロック「芸人迷子」発売記念2』を開催。大阪時代から交流のあるチュートリアル・徳井義実を迎え、2人の出会いから『M-1グランプリ』への思い、芸人としての成功と挫折、ハリガネロックとしての最後の漫才など、お笑いのコアなところへ突っ込んだトークを繰り広げました。
満員御礼の会場、大きな拍手に迎えられ登場した2人は、どちらも黒い皮ジャン姿。「ユウキロックさんやから、ロックな感じにせなあかんかなと思って」(徳井)と、まさかの"服かぶり"に2人も会場も爆笑します。
そんな気の合う2人のトークは、まずはユウキロックの著書『芸人迷子』を読んだ徳井の「ホント生々しい。芸人の僕らかが見ると目をそむけたくなるようなこともあって。お笑いに興味ある人には特に読んでもらいたいなと思いました」という感想からスタートしました。
すぐさまbaseよしもと時代の若手の頃の話へ。
関西で放送されていたバラエティ番組『マジっすか!』(註:毎日放送にて2001年4月15日~2003年 3月18日放送)でのロケVTR対決でチュートリアルとロザンを擁するハリガネロックチームが、次長課長らのいるFUJIWARAチームなど強豪がひしめく中、常に1位を獲得。その勝因を、徳井は「松口さん(ユウキロック)の戦略がすごかった。チーム全体のことを考えてやってて、この人すごなと思った」と分析します。
人に相談はしないタイプだという徳井が、これまでに唯一相談したのがユウキロックなんだそう。「バラエティ番組での面白いボケが分からない」という悩みに「限られた時間の中、短く面白いこと、かつロケの内容に即したことを言わなきゃいけない。この番組に関しては、例えツッコミががええと思う」とアドバイスをもらって何かがつかめたと告白。それを聞いたユウキロックは、「それがあっての今の徳井なわけやから、(稼ぎの)10%もらわなあかん」と笑わせます。
そんなこともあり「先輩ながらお兄ちゃんみたいな感じ」と言う徳井に、ユウキロックは「こんな頼りないお兄ちゃんおらへん」と言いながらもうれしそうでした。
続いて『M-1グランプリ』の話へ。
2001年の初回、ハリガネロックとチュートリアルはともに決勝進出したものの、チュートリアルは最下位という結果に。中でも松本人志の50点という得点がショックだったという徳井は、「もう終わった」と打ち上げもそこそこにホテルに戻り、一睡もできないまま朝を迎えます。帰りの新幹線でもずっと「辞めよう」と考えていたそうです。
ユウキロックがそれでも諦めず挑戦し続けた理由を問うと、「人の評価はどうでもええかなと思った。2年目出なかったら逃げたと思われるのが嫌だった」と徳井。それを聞いたユウキロックは「かっこえーなー。抱かれてぇ~!!」と叫び、会場を笑わせます。
大阪時代、チュートリアル・徳井と、ブラックマヨネーズ・吉田をライバルとしてあおっていた張本人が、ユウキロック。2005年の『M-1』決勝に初出場したブラマヨがチュートリアルより先に優勝してしまった時の気持ちに切り込むと、「ブラマヨが決勝行った時点で終わったと思った。ブラマヨの面白さが、どうかバレませんように」と祈っていたと話す徳井。それでも翌年しっかりと優勝したチュートリアルを高く評価するユウキロックは、以前"松口VS小林"としてコンビを組んでいたケンドーコバヤシの現在の成功などもあげて「ただ面白いことをやっていたい、それをやり続けてたから今があるんやな。俺みたいなの、時代に合わせにいったら、こうなった」と自虐を交えながら、徳井たちの芸人としての姿勢と成功を称えました。
その後、ユウキロックのお笑いのルーツの話題へ。
子供の頃、『THE MANZAI』を見て当時アイドル的人気だったザ・ぼんちのファンになり、いろいろ見るうちに本格派の漫才に目覚めることに。「このフリがあるから、このオチがある」など気づいたことをメモしているうち、「これが間違ってないかを試してみたくて、NSCに入った」ことで芸人としての道がスタートします。
しかし、それだけ漫才が好きなユウキロックが最初に組んだコンビは、プロレス技でツッコミを入れる漫才とは程遠いスタイルの"松口VS小林"。徳井にそこを突っ込まれたユウキロックは、「同期に天才・中川家がいたから。中川家がやってきたことは自分はずっとできず、自分が同じ立場になった時もできなかった。それが初めてできたのが『M-1』やから、特別やった」と、最大のライバルへの複雑な思いを告白しました。
さらに、2014年12月、ハリガネロックとしての最後の舞台の話を。
仕事で劇場に見に行けなくなった徳井はDVDを入手し、家で1人で見ながら泣いたそう。漫才が終わった後、舞台上でユウキロックが相方の大上へマイクを通さずつぶやいた言葉が何だったのか、ずっと気になっていたという徳井。その話を聞いたユウキロックは、「自分の漫才は最後やけど、初めて来たお客さんもいるはずやと思って、その人たちに面白い漫才師やと思ってもらいたかった」との思いで、最後のステージに立ったこと、そして大上への言葉についてなどを明かしました。
詳細は『芸人迷子』に詳しく書かれているので、ぜひともご覧ください。
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