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2017年2月23日 (木)

2020年オリンピック・パラリンピックムーブメント事業 大谷佐知子講演会in熊本市立長嶺中学校

2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会。その成功に向け、市民の理解を深めると同時に興味・関心を高めることを目的として、早稲田大学は現在、国内の3カ所(岩手県、広島県、熊本県)にオリンピック・パラリンピックムーブメント推進教育コンソーシアムを設置し、全国各地の小・中・高等学校や特別支援学校で様々な体験や活動を通したオリンピック・パラリンピック教育を実施しています。


その中で熊本県は「くまもと元気アップアソシエイツ」というコンソーシアム(構成団体:熊本県教育委員会、熊本市教育委員会熊本大学、熊本県体育協会、熊本県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会、熊本県障害者スポーツ文化協会、ひとづくりくまもとネット)を立ち上げ、県内20の小中学校へオリンピアン・パラリンピアンを派遣し、講演や実技パフォーマンスを提供してもらう取り組みを行っています。


平成29年2月22日(水)、熊本県熊本市立長嶺中学校で、女子バレーボールでロサンゼルスオリンピックに出場し銅メダルを獲得した、FA(ふるさとアスリート)の一人である大谷佐知子による講演会が行われました。同校体育館には1・2年生合わせて約650名と先生が集まり、彼女の話に熱心に耳を傾けていました。

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冒頭、同校長が「大谷さんの話を聞き、自分自身を大きく成長させるきっかけにして欲しい」とあいさつし、大谷が中学時代に出場した全国大会の決勝の様子や、広島の高校生に熱心にバレーボールの指導を行う様子をまとめた20分ほどの映像を流しました。

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その後、大谷の講演に移り、夢を持つことや何事にも負けない心を持つことの大切さ、困難を乗り越えたその先にあるものなど、自身の経験を交えながら分かりやすい言葉で生徒たちに伝えていました。大谷は中学2年生からバレーボールを始め、中学3年生で全日本選手に選ばれるという実力の持ち主。講演の前に流した映像について説明をした大谷は「中学時代の映像を流すのは、当時世界一練習し、苦しみ、それを乗り越えて大舞台に立ったという自負があるからこそ。時間の長さではなく何をしたか、中身が重要」だと語ります。「絶対に日本一になって世界と戦うのだという揺るぎない信念を持つからこそ、死に物狂いで一生懸命に練習する。その困難を乗り越えれば、自信になる。そしてそれが本当の意味で勝つ喜びや負ける悔しさとして返ってきて、それを仲間と分かち合えることができる」とも語っていました。

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講演の後は、運動部と文化部のキャプテン20名ほどが前に出て、男女に分かれてバレーボールのトスリレーを披露しました。一人が打ったら入れ替わり、男女交互にボールをトスして全員に回るまで続ける、というもの。心を一つにして協力し合うという団結力が試される実技でしたが、なかなか思うようにいかず、初めは静かに見守っていた大谷も、前半のVTR内で高校生を指導していたときのような大声と大阪弁で指導がスタート。生徒たち一人ひとりの名前を呼び、イジりながら笑いを誘いつつ「相手を思って自分が何をしなければいけないか」というチームプレイの要を時にやさしく、厳しい口調で熱心に伝えていました。見守る生徒たちも徐々に空気に飲み込まれていき、惜しいところで失敗すると落胆や悲鳴に近い声が挙がるなど、会場が一体となった瞬間でした。

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最後に同校バレーボール部の副キャプテンが、大谷へのお礼と共に「これからも仲間と共に一つの目標に向かって一生懸命頑張っていきたい」という言葉で締めくくり、今回の講演は終了となりました。会場は終始、緊張と緩和の連続でしたが、大谷が退場するときには、トスリレーで大谷にいじられていた生徒の一人が彼女をエスコートする、というサプライズで場を沸かせ、和やかに幕を閉じました。

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