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2017年3月29日 (水)

芸能生活50周年を迎えた六代 桂文枝が「なると第九」PRマスターに!

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ベートーベンの大作『第九』が徳島県鳴門市にてアジアで初めて演奏されて2018年で100周年を迎えます。これを記念して芸能生活50周年を迎えた六代 桂文枝が「なると第九 PRマスター」に任命されることとなりました。

その第一弾となるのが5月14日(日)に鳴門市文化会館で行われる「桂文枝 独演会」です。公演当日はオーケストラ・コーラスとコラボレーションした創作落語『「鳴門第九物語」~ラゲールに響く交響曲~』を披露いたします。

3月29日にはPRマスターの任命式が開かれ、文枝と泉理彦鳴門市長が出席、司会は鳴門市文化会館専属芸人のずばり!タコ介が務めました。

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まずは泉市長がなぜ『第九』が鳴門市にゆかりがあるのかご説明されました。鳴門市はベートーベンの『第九』がアジアで初めて全曲演奏された場所です。それは1917年4月にドイツ人1000人を収容した坂東俘虜収容所が開設されたことに遡ります。収容所は四国88カ所の1番札所の霊山寺と2番札所の極楽寺の真ん中に位置しており、友愛の精神を育みながら地元の方々と交流を深め、所長の松江豊寿の人道的配慮によって世界で稀に見る「奇跡の収容所」と呼ばれています。その地で1918年6月、初めて『第九』が歌われたのでした。

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「来年6月でベートーベン『第九』のアジア初演100周年になります。そこで文枝師匠に創作落語を作ってもらい、PRマスターになっていただこうと思いました。2016年に師匠が鳴門文化会館で落語会を開いてくださったのですが、師匠に創作落語で第九を表現してもらい、師匠の人気で日本はもとより、全世界に鳴門をPRをしてほしいと思いお願いしましたら、快諾してくださいました」と泉市長。

依頼を受けた文枝は、俘虜に関する資料を展示している鳴門市のドイツ館に足を運びました。

「100年前に1000人ほどのドイツ人が四国の坂東に俘虜で連れてこられました。当時、1000人の皆さんが故郷を思いながら、望郷の念にとらわれながら寂しく過ごしていたと思います。俘虜のうち9割は志願兵で、その中には音楽が出来る人、ものを作れる人、技術者、パン職人などもいて、商店街があり、ボウリング場もあったそうです。それは世界各国に日本は後進国でないというアピールをしたかったんだと思います。また、ドイツ人の皆さんが快適に過ごせるようにと音楽、演劇、出版物を出したりしていたそうです」と文枝。

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続けて「『第九』の落語を作ってくださいとお話をいただきましたが、鳴門の俘虜収容所の話が落語になるのは初めてだと思います。市長にはベートーベンの『第九』のネクタイをいただきまして、今日は市長も同じものをして来られると思っていましたが私だけでした。市長、どないなってんねん(笑)」と文枝、会場を和ませました。

『「鳴門第九物語」~ラゲールに響く交響曲~』は只今創作中です。「収容所の皆さんは日本人との交流も盛んで、地元の方の家に宿泊することや、遠足が楽しみだったそうです。そのこともうまく『第九』につなげたらと思って、ストーリーもいろいろ思いついて作っています。言葉も徳島弁の発音は関西弁に似ているので、タコ介くんがずっと鳴門にいるということもあり、困ったことがあればタコ介くんに手伝ってもらいたいと思います」と構想を語りました。なお、チラシやポスターの配色は、ドイツの国旗にちなんでいます。

続いて任命式が行われ、泉市長から文枝に任命書が渡されました。そして、地元の子どもたちによるドイツ語での『第九』が披露されたほか、収容所と地元の子どもたちの姿を描いた演劇も一部のみではありますが、上演されました。

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文枝が務める第九PRマスター。ほかに決まっていることをたずねると、「今年の4月9日が俘虜開設の100周年で、来年が『第九』アジア初年100周年になります。まだ発表できる状態にはありませんが、文枝師匠にPRマスターになってもらいますので、また新たに発表させていただこうと思います」と泉市長。

文枝への期待感については、「文枝師匠に落語をお願いした際、作っていただいた創作落語が100年先の200周年のときにも鳴門で口演してもらうことができればという思いを伝えました。師匠の人気も素晴らしいので、師匠に鳴門の『第九』についてお話していただくことによって興味を持っていただく方が増えると思いますし、また一段とPRもできると思います。師匠に『なると第九』という言葉をどんとん使っていただきたいと思っています」と語られました。

文枝の創作落語は今、どういう段階にあるのでしょうか? 「ストーリーは出来ています。1000人の方が収容所におられて、毎日の生活をそのままお話しても面白くないので、落語にするにはどこをどう面白くするかと考えています。重いテーマですが、日本各地の収容所の中でも坂東の収容所はのちのち皆さんから感謝されるくらい手厚く扱ってもらったそうですし、終戦後に収容所を閉鎖しても日本に残ったドイツ兵が結構いらっしゃるそうなので、そういうこともうまく人間愛として出して、それをうまく笑いにできたらと思っています。落語は市井のものなので、一般の人と収容所の中でのこととうまくつながりができれば。一応サゲまでは考えたています」と文枝、概要を明かしました。

『「鳴門第九物語」~ラゲールに響く交響曲~』は地元のコーラスの方々が100人、徳島交響楽団の皆さんが80人参加されます。どのようにコラボレーションするかは当日にぜひ楽しみください。

『第九』は年末に演奏されることが多いですが、鳴門市では初演が6月だったので、毎年6月第一日曜日に演奏会を開いています。坂東収容所も来年、ユネスコの世界記憶遺産に登録申請をされる予定で、「坂東俘虜収容所は戦争のプラスの遺産になっていることを証明したいです」と泉市長、意気込みを語りました。

なお、『桂文枝独演会』の会場となる鳴門市文化会館は吉本興業が指定管理者として運営をしています。

【桂文枝】