横澤夏子の同窓会への複雑な思いを聞いた辛酸なめ子さん「ピュアな部分を垣間見ました」 文春ムック『文藝芸人』発売記念イベント
3月30日(木)、東京・HMV&BOOKS TOKYOにて、文春ムック『文藝芸人』発売記念イベント『横澤夏子さんと辛酸なめ子さんが語る「私が同窓会の帰りに泣く理由。」』が行われました。
既報の通り、文藝春秋とよしもとがコラボし、総勢152名のよしもと芸人が参加した文芸ムック『文藝芸人』(3月16日発売)。
ピース・又吉直樹へのインタビューを始め、ダウンタウン・松本人志による「若手芸人との共同論文」、博多華丸・大吉の博多大吉による「地方芸人の生態論」、ブラックマヨネーズ・吉田敬の座談会など、充実の内容で反響を呼んでいます。
その中で、横澤夏子は、同窓会における複雑な女子の心境について綴ったエッセイ「私が同窓会の帰りに泣く理由。」を寄稿。
開演前の囲み取材に応じた横澤は、「同窓会に行くと必ず涙するんですけど、その理由をとくとご覧あれという感じで、コンプレックスの塊を全部文章にしてみました」と自身のエッセイに込めた思いを語ります。
コラムニストやイラストレーターとして活躍する辛酸なめ子さんは、今日が初対面という横澤のエッセイについて「同窓会をここまで書けてる方がいるのは、新鮮でしたね。あと、真面目な方だからそうやって、本気になって同窓会に出られるのかなって、ピュアな部分を垣間見ました」と好印象を持った様子。
続けて、リポーターから同書に登場する152名のなかで何番目に面白いかと訊かれた辛酸さんは「一番目で」と答えて横澤を喜ばせるも、「まだ全部読んでないので(笑)」と付け加えて笑いを誘います。
初エッセイとなる横澤ですが、編集者から「赤ペン先生のような感じ」で直しが入り、何度もやりとりしたことを明かし、「本を作るってこんな大変なんだってこともわかりましたし、作家さんの職業体験が出来た気分でした」と執筆を回想。
噂の彼氏は、未読のようですが、「あんまり読んでもらいたくない部分でもあるんですけど、自分の彼女がこういうコンプレックス抱えているんだなって、知ってもらっておいた方がいい事実かもしれないですね」とここでも複雑な女子の内面を覗かせます。
同窓会の帰り、必ず泣くという横澤へ「彼氏から慰めて欲しい?」とのリポーターの問いかけには、「慰めの代わりに結婚という文字が欲しい」と答えると、辛酸さんは「ピンク色の服を着ていて、幸せオーラが出ているから大丈夫じゃないですか」とエールを送りました。
一般の観客を前にしたトークが開演すると、辛酸さんも自身の著書『大人のコミュニケーション術 渡る世間は罠だらけ』(光文社新書)のなかで「同窓会の反省」なるエッセイを寄稿していることもあり、同窓会という独特な空間のトークで花を咲かせた2人。
辛酸さんは、同窓会の際、ブランドバッグをレンタルして行くも、汚れをつけてしまい、トイレでの汚れ落としにほとんどの時間を費やしたり、女子校ながら、一人称が「ボク」だったクラスメートが、同窓会で「オレ」になっていたといったエピソードを披露します。
一方の横澤は、同窓会を「人生の発表会」と位置づけ、各自がそれ相当のネタ(話題)を用意するとして、普段の3割増しで家族や彼氏自慢をする相手に対して、「ジャニーズの方と共演した話」が最大の武器と告白。
また、"生きる原動力"とも言い切る横澤は、今では幹事を務めているそうで、「同窓会でこれだけ悔しいと思った、じゃあまたがんばろうって、同窓会のために稼いで、同窓会のために生きている状態」「負のサイクルかもしれないけど、同窓会とフェイスブックはやめられない」と総括します。
そして辛酸さんは、「前回でしばらくいいかなっていう気持ちになったので、今後はスカイプで参加するとか」と語ったところで、トークは終演。
最後は、サイン入り特製Tシャツのプレゼント抽選会で来場者を楽しませました。
【横澤夏子】
『文藝芸人』
文藝春秋 刊
定価:740円(税抜)
※電子書籍も同時発売