感動の大団円で22期生がラストを飾る! NSC東京22期卒業公演 LIVE WEEK「SHOW CASE」
3月26日(日)、東京・神保町花月にて、NSC東京22期卒業公演 LIVE WEEK「SHOW CASE」が開催され、NSC東京22期生が在学中最後のNSCライブを行いました。
3月20日~3月24日と26日の6日間にわたり、全14公演が行われた「NSC東京22期卒業公演 LIVE WEEK」。本公演はその最終公演にあたり、NSC東京22期の選抜メンバーによる芝居やダンス、楽器演奏などが行われた盛りだくさんの舞台となりました。
オープニングは、楽器選抜メンバーによる「楽器隊」の演奏。意外に渋めでジャジーな演奏が行われたあとは、演技選抜Aチームによる芝居「美女とカエルと」が始まります。
本作は、黒魔術の失敗によりカエル人間になってしまった小南大地と、大地を助けるために立ち上がった幼なじみやオカルト研究部の面々が織りなすオカルト系青春冒険活劇。
生物部から逃げ出したカエルのキャサリンの存在に気づかないまま、オカルト研究会の部室で自分に黒魔術をかける大地は、途中で倒れてしまい、気づくとカエル人間に......。
みんなに見た目を気持ち悪がられ、変身した自覚のない大地は鏡を見て自分の姿に驚き「まるで『THEフライ』だケロ!」とマニアックな映画名を出した上に語尾が「ケロ」になる始末。
そこにいたみんなで元に戻す方法を考えるのですが、その中にカエル化した大地を面白がって写真に撮り、SNSにアップした人がいたために大地の写真が拡散し、オカルト雑誌『ランティス』の記者が取材にやってきます。
記者をなんとか大地から遠ざけ、元に戻す方法をみんなで考えていると、オカルト研究部の部長の遠い親戚に「昔、キツネの顔をした人間を直したことのあるエクソシスト」がいることが判明。藁にもすがる思いでそのエクソシスト・黒森の元へ向かう一行でしたが、初めて会った黒森は「どうも、よろエクソシスト」などというくだらないダジャレで全員を凍りつかせた上、大地をじっくり診たあと、たっぷりとした間をとってから「大学病院に行きなさい」と言い放ったため、新喜劇ばりのずっこけ(笑)が発生していました。
そうこうしている間にも、どんどんカエル化が進行していく大地にみんな焦りを隠せません。すると黒森が「本当に大地を思っている親友を6人集めて六芒星の形を作り、大地を励ますと元に戻れる」とアドバイスしたため、大地の幼なじみの海と小春は親友集めに奔走します。
なんとか6名を集め、儀式を行う海たち。途中で死神が出てきて、死神に抵抗した黒森がカードに閉じ込められるハプニングなどがありつつも、無事6人全員から励まされ元に戻ることができた大地。
最後のネックになったのは、大地とその親友・海がどちらも小春を好きだったことによる三角関係だったのですが、2人の美しい友情の力で見事黒魔術の呪いを解くことに成功し、事件は一件落着します。
奇想天外なストーリーものながら、学生時代の淡い恋愛ものの要素も入った、個性あふれる面々による面白くも爽やかな作品となりました。
続いては幕間の「ラッキィダンス」。ストーリー仕立てになっており、地球を征服しようとしているカッパによく似た「カッパッパ星人」が、地球についていろいろと調査をし、生活していけそうかどうかを検討するのですが、トンカツを食べて「うまい!」と感動したものの、「ブルドッグソース」がかかっていると聞いて「ブルドッグが入っているなんて!」と吐き出し、「この星にはデリカシーというものがないのか!」と怒り心頭のカッパッパ星人。
同じ調子で、ビールを飲んで感動するが「キリンビール」と聞いては「キリンが入っているのか!」と吐き出し、ウグイスパンを食べて感動しては「ウグイス」と聞いて吐き出すカッパッパ星人でしたが、きわめつけは「かっぱえびせん」でした(笑)。
そこからカッパダンスが始まるのですが、続いて地球防衛軍によるダンスが始まったため、その後はお互い戦うのかと思いきや、なぜか最後は一緒に踊り出します。短いながらも中身がぎゅっとつまった、NSC生らしい幕間のダンスとなりました。
続いては演技選抜Bチームによる芝居『リスタート』。なんの生きがいも感じられず、釣り雑誌の編集の仕事をしていた真梨子にとって、唯一の心の救いが地下アイドルグループ『スーパー☆男子』だったのですが、メンバーのショウがひとりだけ先に売れてしまったことでグループ内格差が生まれてしまい、グループは自然消滅状態になってしまいます。
そんなある日、真梨子は『スーパー☆男子』のサトシと道端で偶然再会し、もう一度ライブが見たいと必死に頼み込みます。最初は「スーパー☆男子は私の生きる希望なんです」などと普通にお願いしていたのですが、そのうちエスカレートしていき、地面を拳でドンドンと叩き出し、道に転がり、足をバタバタさせながらお願いし始めたため、その常軌を逸したお願いの仕方にドン引きするサトシ(笑)。しかしその熱意に突き動かされ、真梨子と一緒にメンバーの元に再結成を呼びかけに行くことに。
アイドルだったのに、なぜか今はアキバのアイドルオタクとなっていたトモキ、ギャンブル依存症になっていたタカト、金融屋を営むシュウジと、いずれも元アイドルのかけらも見えない変貌をとげてしまった元メンバーに次々会って再結成を呼びかけるサトシと真梨子。みんな、最初こそ乗り気ではなかったものの、『スーパー☆男子』への思い入れは深く、4人は真梨子をマネージャーにし、『スター・ボーイズ』として新たなアイドルへの道を歩み始めます。
一方、トップ俳優として名を馳せていたショウは、「豊洲と心の穴、埋めます」がキャッチコピーの大物女性政治家・小池桃子と不倫の関係に......。
その頃、とあるアイドルイベントに出演したスター・ボーイズは、心ない観客から罵声を浴びせられますが、ライバルであるはずの『ファイブモンスター』が彼らをかばってくれ、その出来事をきっかけに2グループは急接近。
『ファイブモンスター』は、その名の通りアイドルには似つかわしくない『モンスター』っぽいキャラクターだらけのイロモノ的なアイドルグループで、付き人の小次郎とともに彼らの強烈な個性が光ります。
小池桃子との不倫スキャンダルが明るみに出たのをきっかけに、俳優ではなく、仲間と再びアイドルを目指すことにしたショウも加入し、5人となったスター・ボーイズは、その後世界的なアイドルグループへと上りつめていくのでしたーー。
時々常軌を逸した行動をとる真梨子、ショウと小池桃子という異色カップル、節目節目に出てくるファンキー(?)な女子高生2人組やファイブモンスターの強烈なキャラなど、どこをとっても気になるキャラクターだらけで、肝心の『スター・ボーイズ』がいちばん地味(笑)という結果になっていましたが、最後の公演にふさわしい、"新しいスタート"の物語になっていました。
エンディングはダンス「落書き」。ステージで息のあった歌とダンスが繰り広げられる中、この日の出演者が全員会場を取り囲むように登場し、一緒に歌います。卒業公演らしく、なかには感極まって泣いている生徒も。
「僕たちは今日でNSCを卒業しますが、まだまだこれからでもNSCに入れますので、今日の公演を見て興味を持っていただいた方はぜひよろしくお願いします!」と最後にはNSCの宣伝もしていました。
これからはよしもと所属のお笑い芸人としてキャリアを積んでいく彼ら。今後の活躍が大いに楽しみです!