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2017年4月14日 (金)

5月17日(水)、DVD『6人のテレビ局員と1人の千原ジュニア』発売記念!  千原ジュニア×高須光聖スペシャル対談

2016年3月25日に開催された超実験的ライブ『6人のテレビ局員と1人の千原ジュニア』。チケットが即完だった話題のライブが、このたび約1年という時を経て、満を持してDVD発売されることとなりました。

人気バラエティ番組を手がける、今をときめくテレビ局のディレクターたちが千原ジュニアを自由にプロデュースするという本作。各局のディレクターが千原ジュニアを使った舞台を企画・演出し、ひとつの舞台でそれぞれ全く異なった世界を作り出します。

先日行われたDVD特典の副音声収録では、スペシャルゲストに高須光聖氏を迎え、コメンタリー収録が行われました。約10年前に行われた『6人の放送作家と1人の千原ジュニア』では作家としてジュニアと舞台を作り上げた高須氏。収録前に軽く打ち合わせをしただけの2人はさっそくブースに入り、収録がスタートします。

10年前の心境を聞かれた高須氏が、「全部自分にかかってるというのがイヤだった」と、今だから言える当時の心境を吐露したり、ライブ後にジュニアが日本テレビの土屋氏から熱いメールをもらったエピソードを披露したりと、貴重な話の連続で、かなり聞き応えのある内容となっていました。

そんなコメンタリー収録直後のお2人に、本作についてのお話を伺いました。
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(左:千原ジュニア 右:高須光聖)

*     *     *     *     *

ーーコメンタリー収録を終えての感想をお聞かせください。

千原 まったく覚えてなかったですね。

ーーでは、ご自身のライブではあるけれど、今見ても新鮮というか......。

千原 そうですね。あと、だいたいわかるじゃないですか、こんだけ長いこといろいろやってると。......あの日、だいぶ調子が悪かったですね(笑)。

高須 (爆笑)。そうなん?

ーーそうですか!? 面白かったですよ!

千原 いやいや、だいぶ調子悪いなぁ。

高須 僕はジュニアと違って裏方の方なんで、しかもやったことがあるので、ディレクターの気持ちを考えて「うわぁ~1発目イヤやなぁ」とか、「ああいう感じの後のこの空気でやんのイヤやなぁ」とか、そういうのを今見てもひしひしと感じるから、この企画、絶対裏方イヤやなぁと思って。

ーーみなさん、オファーを受けた時に「どうしようかと思った」とか、「これは正直やりたくないけど、だからといって、断って他の人にこの話がいくのもイヤだ」とか、葛藤されてますもんね。

高須 やっぱり呼んでもらえるのは名誉ですからね。「お願いします」って言われたら、「千原ジュニアにそう言われたらやるけど、イヤやなぁ、おもろなかったら」と思うからねぇ。

ーーライブ後にディレクターさんたちと話はされましたか?

千原 全員で打ち上げ行ったんですよ。それはすごく面白かったですね。何人かの人は初対面でしたけど、「あそこもうちょっとこうしたらよかったんちゃう?」みたいな話になってましたし。

高須 ああ、ディレクター同士が? なにそれ!

千原 ひとつのテーブルに6局のディレクターが揃うというのも普段ないでしょうから。濃い打ち上げでしたね。

高須 それも(カメラ)回しとけばよかったのにね。

ーー当日、終わった直後はどう感じましたか?

千原 なんかねぇ、不思議なライブで、ウケたらウケたでそれぞれの演出された方の手柄やし、スベったらスベったでオレの責任やから、意外とオレ、うまみないんすよ。

高須 (笑)。ホンマやなぁ。

ーー充実感、というのではない感じですか?

千原 う~ん、まぁ、ありますけど、ホンマそうなんすよ。だから......ねぇ。思い出しました。もう二度としないです。

ーー(笑)。でも、コメンタリー収録中も「次やるとしたら」って結構おっしゃってましたし、ホントはやりたい気持ちもあるんじゃないですか?

千原 やっぱり、知らない人とものを作るっていうのは面白いですからね。

高須 だって、明らかにプロモーションになりますからね。テレビへの。各局の売れっ子ディレクターさんですから、その人たちが千原ジュニアと向かいあったときに「あ、こんなんできんのか」ってなって。こんなにしっかり1人の芸人さんと向き合うことってあんまりないので、やると、「ああ、ジュニアってこういうとこすごいなぁ」って再認識するじゃないですか。たぶん『6人の放送作家~』のときも、それまでそんなに絡んでない人も多くて、そこで「あ、ジュニアってこんな面白いねんや」ってたぶんみんな持ち帰ってるんで、そっからねぁ、これまぁ、ジュニアの結構小ずるいとこやと思うんですけど、各局の番組に出るんですよね。ジュニアさんてこういうのがいいですね、ってその6人がポロポロ言い出すんですよ。だからディレクターもたぶん、知らない人の方がええよね。藤井はよかったですけど。全然知らん人の方が、いい意味でプラスになるんちゃうかなっていう。

千原 その場のうまみはないが、のちのち......。

高須 そう。あとで回収できるんじゃないかと。

千原 なるほど~。......もっかいやりますわ(笑)。

高須 (笑)。

ーーあまり覚えていなかった中でも、特に印象深かったと思うものを挙げるとしたら、どの作品ですか?

千原 やる側で言うとやっぱりキノコの......(『daiben.com』)。めちゃめちゃ話長いんですよ。それをキュッと縮めてしゃべるって意外と難しいし、あと、キノコの名前とか、専門用語みたいなのもあるんで、それも覚えなあかんし。それですっげぇ脳みそかなり回したなっていうのを記憶してます。あと、全体のライブとしてはやっぱり藤井くんの(『ジュニアvsジュニア』)、後半全部巻き込んでいくみたいな感じがすごかったですね。

ーー確かに藤井さんの作品は、見ていて興奮してくるというか、ミラクルが起こってましたよね! ところで高須さんは、以前『6人の放送作家と1人の千原ジュニア』に参加されていましたが、今もう一度この企画をジュニアさんとやるとしたら、どんな企画をやってみたいですか?

高須 こういう企画のときって、みんな「ジュニアがこう言うんじゃないかなぁ」という想定のもと考えていくんですよね。だから、ちょっとジュニアと打ち合わせするとき、ヒントはこぼしていってると思うんですよ。「こんなことをやると思う」って。みなまで言わないまでも。それを受けたジュニアならこう動くだろうなぁっていう道しるべだけ出しといて、こっち側では3つぐらいパターンを用意して。基本はそういう作りやと思うんですよ、みんな。で、「ここだけは絶対笑いがほしい」っていうところだけは、練習はしないまでも、「もしもこうきたら、こんなことどうかな」ぐらいは言って決めていくというか......全部をちゃんとしっかり用意してない感じで作ってるのがテレビマンぽいなと思ったんですよ。TBSの藤井ともしゃべったんですけど、台本をこの人には全部見せて、この人には見せなくて、この人には違うこと教えといて、とか。そしたら現場でみんなが会った時にこういう風になるんじゃないか、っていう。(台本を)全部見せちゃうと芝居になってしまって、芸人さん(のいいところ)が死んじゃうので、死なない、いい感じでの相乗効果というか、面白いことになっていくように台本を足したり引いたりして。今回のジュニアのやつなんかは特にそういうのに長けた人たちがやってると思うし、やっぱり僕が今度作るときもそういう作りになると思うんですよ。

ーーディレクターさんぽい作り、ということですか?

高須 いやいや、(放送)作家もおんなじやと思いますよ。もちろん、宮藤(官九郎)ちゃんみたいに書く人はいますよ? ワ~っと本に仕上げて「演じてくれ!」っていうのもありますけど、僕なんかがそれをやっても絶対宮藤ちゃんの作品よりよくはならないので、ジュニアをちょっと困らして、照れ笑いするとこでも笑いが起こることはないかなぁという、バラエティの作家が考えるずる~い考えを足していって(笑)、そこかしこに保険を打つんですけど。だから今度やるものもそうしたいんですけど、ほぼほぼみんながもうやってるのでね。12人ぐらい、このパターンを。

千原 そうですねぇ。そうそう、言うの忘れてたけど、藤井くんはオレのめちゃめちゃ近い後輩で1回(シミュレーションを)やったって言ってましたね。

高須 ああ、オレもそう。オレはジュニアのそばにいた作家の松本(真一)に、「ジュニアにこんなこと言うたらどんな風になる?」て聞いて、「たぶんこんな風に言いはるんじゃないですかね」って言われて「じゃあ置いとこか」とか、「困る?」「いや、困りはりませんね。困ったとしても、こう言いはりますね」「なるほどな」とか。僕も、ジュニアに見立てた身近な放送作家に聞いて、なんとなく探りましたね。

ーーじゃあ、シミュレーションされてたんですね。

千原 向こうはね。

ーーそれにしても藤井さん、すごいですよね。準備に膨大な時間がかかったでしょうし......。

高須 あれをようやろうと思いましたよね。だって、自分がイメージする面白い言葉が実際あるかどうかもわかれへんし、全部揃ってるかどうかもわからへんのに、たぶんいけるやろなって思ってやるというのは......。

千原 それこそ40歳(『千原ジュニア40歳誕生日ライブ』)の時に、オレが昔やってる大喜利のやつ(『千原ジュニア×昔の千原ジュニア』)があったじゃないですか。あそこからみたいなところかもわかりませんね。

高須 ああ、あれか! 

千原 こっちは大喜利の答えを覚えてないんですよ。

高須 あそこからヒントを得てるかもね。

千原 あのライブ、トータルの演出藤井くんなんで。

高須 なるほど。あれで「やれるかな?」って思ったんかもしれんね。

ーー『放送作家』と『ディレクター(TV局員)』ではどんなところが違いましたか?

千原 やっぱ作家さんは「ペンを持つ」ってところですね。(台)本を書きはるという。ディレクターはやっぱり、「指示を出す人」っていう。それは如実に違いますよね。

ーーちょっと話はずれるんですけど、今、高須さんが「こんなテレビ番組をジュニアがやったらいいんじゃないか」と思うものってありますか?

高須 1回フジテレビで竹内が「ジュニア枠」っていう、ジュニアだけでいろんなことをやるというのをやってて、それを一緒にやってたんですけど、やっぱりそこでも、ちょっとジュニアを困らせたくなるようなものがいいかな、って。言っても「千原ジュニア」って、芸能界じゃもうそこそこ圧もある、それなりの年次を重ねた芸人さんなんで、なんとなく立ち位置ができあがってるというか、この辺の位置でこういうことする人やなぁというのがあるから、そうじゃない位置のジュニアが見たいなと思うので。だから今回の舞台なんかも「そんなこともすんねや」っていうのがよかったですね。だって一発芸をやらされることなんてないじゃないですか。でも芸人さんのすごいところは、意外とその空気持ち帰って、今までやったことなかったのにできるようになったりするんですよね。「できるもんやな、オレ」って、本人も再認識してることが結構あるので。だから僕はジュニア自身が「こんなことやったことない」っていう立ち位置でやってほしいですね。でも、ベースは話が中心になるのかな。VTRでロケうんぬんかんぬんていうのよりも、スタジオでの設定を決めたトーク番組の方がジュニアはいいかなぁと。それもまぁ、型にはまってるといえばはまってんねんけど。

ーージュニアさんは、「こういうのはやったことないからやってみたいな」と思う番組ってありますか?

千原 オレ自身が毎週絶対見んのが、『渡辺篤史の建物探訪』なんですよ。

ーー私も毎週見てます!

千原 あ、そうすか。

高須 オレも毎週見てるよ!

千原 あ、マジすか。あれって、ほめ大喜利じゃないですか、渡辺さんの。いかにどうでもええ家をほめるかっていう。

ーーどうでもよくはないと思いますけど......(笑)。

千原 いやいや(笑)。で、最近周りでいろいろ家を建て出してて、「ああしといたらよかった」みたいなのが結構あるっていうんですよ。だから、後悔してる部分も紹介する「建物探訪」みたいなのがめっちゃやりたいです。

高須 そんなんやりたいの?

千原 はい。

高須 人の家、好きなの?

千原 はい。オレねぇ、オヤジ設計士なんですよ。それの血が流れてるのか、建物めっちゃ好きなんですよ。

高須 なるほどね。渡辺篤史さんは、自分で家建てたんやって。でも、『建物探訪』で家を見すぎて大失敗したらしいで。

千原 え~!

高須 あれも入れようこれも入れたようと思ったんで、ごちゃごちゃしてしまったんやって。

千原 なるほどなるほど。

高須 ホントはドーンと作った方がいいねんけど、どうしても「あの家のこういうとこよかったなぁ」ってやってしまって、チェック項目がありすぎておかしな家になってんて。だから、知りすぎると辛いよね。

千原 へぇ~。だから、7ほめる、3後悔聞くっていう。

高須 なるほど。面白いね。

ーーそれこそ、渡辺さんのお家も行きたいですね。

千原 ねぇ。いや、渡辺さん、めちゃめちゃオモロいときあるから。玄関見て、「わぁ~、いい......(空を見上げて)青空だぁ」って。

高須 (笑)。

千原 もう、困ってるっていうのがね。

高須 家かぁ。面白いやん。それホンマにやろうや。

千原 やってくださいよ。めっちゃやりたいんすよ。

高須 ええやん。それええわ。

千原 で、オレ、今ロケ番組がないんで、ちょうど。

高須 ああ、そっか。

ーーぜひジュニアさんに家のロケに行ってもらいたいです! では最後に、これからDVDを見る方にメッセージをお願いします。

高須 普通にテレビを見ていて、「こんな素晴らしい、こんなすごい番組をやってる」と思う人たちが「千原ジュニア」と向き合って舞台をやったらどんな風になるのかっていうのはドキドキするし、テレビでは見られないジュニアが見れるから、僕はやっぱり貴重なDVDかなって思うので、そういうところ、ジュニアの緊張してるとこも踏まえて、アドリブというか、ドキュメンタリーが流れてるんで、そこを楽しみに見たら面白いんじゃないかなと思います。

千原 ここ10年でいちばんしんどかった日ですね、あれ。1日でいうと。それがこう、映像に収められてるのはなかなか見ものじゃないですかね。

高須 10年でいちばんて......相当疲れてるなぁ。

千原 いやぁ、前半なんか特にもう、「これどうすんねん」みたいな。でも、どうあがいていいかわからんていうか。

高須 それを思ったらもうやりたくないって思えへんの?

千原 ......なんか忘れるんですよね。アホなんでしょうね。

ーー(笑)。覚えてないっておっしゃってましたもんね。

千原 ねぇ。

高須 すごいねぇ。

ーー忘れるのも才能ですね。

高須 才能か、めちゃめちゃ頭悪いかですね(笑)。

千原 ね(笑)。

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【千原兄弟】【千原ジュニア】

DVD『6人のテレビ局員と1人の千原ジュニア』

発売日:2017年5月17日(水)
価格:3,800円+税 
品番:YRBN-91129  

収録内容:
末弘奉央(NHK)「どんぶりにストロー」
内田秀実(日本テレビ)「千原ジュニアを知らない世界」
藤井健太郎(TBSテレビ)「ジュニアvsジュニア」
佐久間宣行(テレビ東京)「千原ジュニアのフリートークvs○○ 3本勝負」
竹内誠(フジテレビ)「daiben.com」

★DVD特典/(副音声収録)千原ジュニアと高須光聖によるコメンタリー

※本DVDに収録している内容は公演時と一部異なります。