NGKを走り抜けた! 熱い演技と笑いで魅了した「吉本新喜劇 佐藤太一郎企画その19『風のピンチヒッター'17』」
7月4日、5日、なんばグランド花月で吉本新喜劇座員、佐藤太一郎による「吉本新喜劇 佐藤太一郎企画その19『風のピンチヒッター'17』」が行われました。『風のピンチヒッター』は、佐藤が吉本新喜劇入団前に所属していた劇団、ランニングシアターダッシュ(現在は解散)の代表作で、佐藤はこの作品を観て深く感銘を受け、当劇団に入団を決めたといいます。野球への愛だけは人一倍あるものの、エースにはなれない平凡な男子高校生を中心に弱小野球部が奮闘する姿を描いた青春物語です。
なんばグランド花月で本格的な芝居をしたいとの思いから実現に至った本公演。佐藤のほか、吉本新喜劇の鮫島幸恵、吉岡友見も出演。そして、関西で活躍する役者の方々が多数出演、迫真の演技はもちろん、コミカルな表現でも笑いを誘いました。
舞台は球場を思わせるシンプルな美術で、佐藤は主人公のミナミを演じました。転校生として大阪府立第三高校にやってきたミナミ。時同じくして、廃部目前の弱小野球部の救世主と噂された少年も転校生として第三高校へ。ミナミとぶつかった拍子に帽子が入れ替わり、ミナミが救世主に間違われることに。ところがミナミは驚くほどの運動音痴。野球への愛はあるものの、即戦力としては頼りにならず...。ですが、ミナミが入部したことをきっかけに、徐々に野球部に活気が戻り、ある夏、甲子園出場をかけて数々の奇跡を呼び起こしていくのでした。
野球部の部活のシーンが多いだけに、とにかく舞台上を走り回り、コミカルな動きではそれぞれアニメのキャラのような濃さで笑いを誘います。特に女優の田川徳子さんは芸人顔負けの演技で盛り上げていました。佐藤も、男子高校生の役柄ながらも、時折目玉いじりもあり、吉本新喜劇座員の顔も覗かせます。"教育ママ"役を演じた吉岡は貫禄たっぷりに魅了。着物姿が似合っていました。また、男勝りな野球部監督演じた鮫島、快活で、声を大きく張るシーンも多く、吉本新喜劇とはまた異なる姿が新鮮でした。
スペシャルゲストも登場。神様を呼び出すシーンで舞台に出てきたのは、間もなく吉本新喜劇初の女座長となる酒井藍。サプライズゲストに会場は大いに沸きました。もちろんノリツッコミのやり取りもあり、盛り上げました。
エンターテイメントコメディと銘打った本公演。笑いはもちろん、迫真の演技で涙を誘う場面もありました。佐藤はひと夏の間に急成長するミナミを全身全霊で熱演。吉本新喜劇でも熱い演技で魅せる佐藤ですが、その真骨頂を惜しみなく披露していました。人に言えない家庭環境や忘れたい過去など、様々な思いを抱きながらも野球を通じて一つになり、辛い思いを乗り越えていく部員たち。そんな姿に幾度も胸を打たれました。
エンディングでは写真撮影OKタイムもあり、全員集合で笑顔を届けました。そして「芝居を続けてこれたのは皆様のおかげです。関西にはいい役者、面白い役者がたくさんいます。演劇にも興味を持っていただき、NGKにも興味を持っていだだければと思います。これからも笑って、感動して、元気になる芝居を続けていきたいと思います!」と佐藤が挨拶し、幕を閉じました。次回の佐藤太一郎企画は20回を迎えます。次はどんな舞台で楽しませてくれるか、ご期待ください!
【佐藤太一郎】【吉岡友見】【鮫島幸恵】