ダンス、漫才、新喜劇で大盛り上がり! 先生応援プロジェクト「先生のためのお笑い教室」『よしもと式コミュニケーション育成講座』
7月24日(月)、東京・新宿区立四谷小学校にて先生応援プロジェクト「先生のためのお笑い教室」『よしもと式コミュニケーション育成講座』が開催され、講師としてYU、インディアンス、芦沢和哉、庄司卓生が登場しました。
本講座は、新宿区立教育委員会とよしもとが共同開催しているプロジェクトの一環として行われているもので、新宿区内の小・中・特別支援学校の教員を対象とし、先生がお笑いに触れ、体験し、実演することにより、「人前で発表する」「相手を認める」「知らない他人を喜ばせる」などの対人コミュニケーションで重要な事柄を実践的に学ぶとともに、学級運営にお笑いの要素を取り入れ、明るく楽しい雰囲気作りを目指すものです。
まずはダンスのグループワークから始まったこの日の「お笑い教室」。講師のYUが壇上に登場し、A、B、Cそれぞれのダンスのパターンを教え、少しずつダンスを覚えていきます。最終的にはそれらをつなげて1曲丸々踊るのですが、さすが人に物を教える仕事に従事されているだけあって、振り付けを覚えるのが早い! YUも声を枯らして熱い指導を行います。
この日はイベントを盛り上げるメンター芸人として、プール、褒めて伸びるタイプの2組が参加。2組とも大きな声を出して、先生たちを鼓舞しながら全体を盛り上げていました。
なんとなく全部を覚えられたかな?と思うあたりで、YUが「次は僕は踊らずに、みなさんを見ます!」と宣言。若干不安そうな先生たちでしたが、始まってみるとほとんどの方がきちんと踊れています。さらに最後は先生同士が向かい合う形でダンスを踊ることに。「相手につられないように気をつけて!」「自分を信じて!」などの声が上がる中、きっちりと踊りきる先生たちでした。
続いてはインディアンスによる漫才グループワーク。これは、即席でコンビを組み、穴埋め形式の漫才テキストに沿ってそれぞれネタを考え、簡単な漫才を作成する、というもの。
たまたま近くに居合わせた先生同士でコンビを組み、ネタを考える時間も少ない中、一斉にネタを考え、ネタ合わせをする先生たち。
テキストは、「夏の大三角形ってわかりますか?」「( )でしょ?」など、カッコ内のボケを考えるようなものになっており、例文も書かれているため考えやすくはなっているのですが、それでもこの短時間でネタを考え、覚えて披露するのはかなり難しいとおもわれます。
4~5組のコンビがみんなの前で漫才を披露。どのコンビの先生たちは手にテキストを持たず、ネタを覚えた状態で披露しており、インディアンスもこれには驚きを隠せません。
先の夏の大三角形のボケを「ランちゃん、スーちゃん、ミキちゃんでしょ?」と、キャンディーズでボケて「年代ですか?」とツッコまれたり、「しょうゆ、みそ、塩でしょ?」とラーメンでボケてみたりと、バラエティにとんだネタを見せてくれる先生たち。なかにはインディアンス・田渕いわく「即席じゃない感じの夫婦感」を出しているコンビもいたりと、終始楽しく充実した漫才グループワークとなりました。
続いては「新喜劇稽古」。参加者を大きくA、Bの2つのチームに分け、教室で稽古します。60分しかない稽古時間の中で、配役決め、本読み、立ち稽古までこなさなければいけないため、講師であり、うどん屋の大将役も務める芦沢もスピード感を持って稽古を進行させていきます。
稽古では、配役を決めた後、いきなり始まった本読みにもかかわらず、声も出ていて感情も入ったセリフを話す先生たちに「うまいな」「めちゃくちゃうまいな」と驚きながらもほめる芦沢。さすが先生、ふだん子どもたちの前で授業をしているだけあって、初めてとは思えない本読みのクオリティでした。
しかしさすがにアドリブで入れるセリフ部分には苦戦する先生も多く、中にはう~んとしばらく考えた末、「......出てこない(笑)!」と頭を抱え、苦笑する先生も。芦沢も「そらそうですよね(笑)!」と返し、「本番までに考えておいてもらえたらいいですから。なんでもいいですよ!」と、先生のプレッシャーを和らげる言葉をかけます。
2クラスに分かれて行われた稽古ですが、立ち稽古はどちらも芦沢が担当。台本はあるものの、その中に自由度をかなり持たせており、「理想の教職員像」をそれぞれ言ってもらう箇所があったり、役によっては自由にボケていい箇所もあるため、稽古でいろんな先生のキャラクターに触れ、同じ台本でもそれぞれ違った面白さが出てきます。そんな先生たちのボケを拾っては笑いにつなげていく芦沢が、自身も楽しそうに指導している姿が印象的でした。
駆け足で稽古を終えた後は、いよいよ体育館に戻って本番です。まずは今日の講師であるインディアンスの漫才&YUのダンスパフォーマンスから。プロのさすがの演技に大きな拍手が沸き起こります。
続いて、Aチームから新喜劇を披露。
Aチームでは、うどん屋のバイト・たいしの教職仲間の中にみやこさんとはるみさんという方がいて、配役決めの自己紹介の際に「都......はるみ? 奇跡起きましたよ!」と稽古の段階で盛り上がっていたのですが、本番でもそれがウケたり、オネエのダンス教室の先生役の方が独特のダンスで観客を沸かせたりと、台本に書かれていない部分の面白さが出ていたいい公演となりました。
ラストはBチームの新喜劇です。
Aチームと同じ台本なのですが、やはり出演者が違うと雰囲気も違って見えるもの。芦沢にほめられたカップルの女性が照れて芦沢の顔をバッグでしばくシーンでは、素人ならでは(?)の、本物の新喜劇でもなかなか見ないようなフルスイングがお見舞いされ、芦沢も「久々のフルスイングでしたね」と痛がりながらも感心!
「理想の教職員像」を挙げるシーンでは、「『昼顔』のような恋愛をしたい」「私のいうことを全部聞いてくれるクラスがいいな」「教員やめます!」などとメチャクチャなことを言い出す先生が続出で大爆笑を誘います。また、号令をかけるシーンでは、流れるようなスピード感のある号令が続き、「練習の成果すごいな!」と芦沢も感心したツッコミを入れていました。
ダンスのシーンでも、チューチュートレインのダンスを取り入れるなど、アドリブを効かせた演出で見せるBチーム。小島よしお的なダンスの先生も、なぜか踊ると井森美幸さんの昔のオーディション映像のようなダンスになり、そこでも爆笑が起こります。
両チームとも、ラストにフラッシュモブのダンスシーンが組み込まれるのですが、そこでは最初のグループワークで覚えたダンスが生かされ、両チームともバッチリ! ラストもそれぞれ味のある終わり方で、どちらも即席チームとは思えない一体感の出た新喜劇のショーとなりました。
最後の総評では「よかったなと思います」という芦沢の言葉に、感極まった(?)様子のプール・まさきが黙ったため、芦沢に「......泣いてんのか(笑)?」とツッコまれる一幕も。
芦沢は、「教える職業の方って覚えるのが早いですね。先生方も、キャラクターの立ってる方が多くて、新宿区も捨てたもんじゃないというか、こんな先生方のいる学校なら面白そうやし、僕も子どもを通わせたいなと思いました」と言ったあと、続けて「......あ、オレ結婚してなかったわ」と笑わせていました。
大盛況&大成功に終わった、この日の先生応援プロジェクト「先生のためのお笑い教室」『よしもと式コミュニケーション育成講座』。子どもたちとのコミュニケーションの取り方に日々悩むことの多い先生にとっても、これからの子どもたちへの指導のヒントとなるような何かが得られたのではないでしょうか。
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