日本を良くする法案を考えてプレゼン! 『ロザンの日本向上委員会』
7月30日(土)、よしもと祇園花月で『ロザンの日本向上委員会』が行われました。このイベントは、日本をよりよい国にするための政策、法案を発案し、発表するというものです。MCのロザンとゲストは事前に考え、イベント当日に持ち込んだ案について考えた理由や活用法などを発表。出演者みんなで討論し、ブラッシュアップしていきます。そして、その日最もよかった案を観客の拍手で決定します。
47回目を迎える今回のゲストは、西川忠志、笑い飯・西田、スーパーマラドーナ・武智、かまいたち・濱家、トット・多田、そしてとにかく明るい安村です。
ゲストを呼び込む前に、ロザンの二人でオープニングトークを。話題の芸能ニュースで盛り上がりました。そしてゲストが登場。よしもと祇園花月の花道を通って舞台へ。ゲストのドレスコードは「正装」でしたが、武智、安村の衣装に注目が集まりました。異論も上がる中、「それぞれの正装ですから」と忠志、場を和ませます。また、安村が2ヶ月で16キロ痩せたという話題や、初登場の多田の意気込み、2回目の濱家が前回思ったよりも話せなかったためのリベンジを誓う場面などがありました。
そして本題へ。まずは濱家の法案からです。濱家は「反省の意を込めて丸坊主禁止法」。濱家いわく、3ヶ月後に髪が伸びたら反省をやめていると受け止められるため。この案には、宇治原が「丸坊主にしたら"反省している"とする態度に問題あり」、忠志が「"反省していると思ってくださいね"という記号になる」と同意。土下座も同じだと盛り上がり、「土下座のハードルには個人差があるから、濱家の気持ちも分かる」と宇治原。濱家は「反省する髪型はオレに決めさせろ」という考えのようで、反省すべく人物が嫌がる髪型が丸坊主ならそれでいいそうです。やがて話題の的はイベントには出ていないギャロップ・林になり、林の場合は反省の証は髪型ではなく「思いっきりしばく」(濱家)。最後に宇治原が「濱家の言わんとすることは、本人の"これでいいやろ"というお茶の濁し方が嫌なんやな」とまとめました。
続いて多田の案を発表。多田は「もっとありがとうと言おうということで『ありがとう法』を提案します」。たとえば、彼女に鼻毛が出ていることを指摘した際には、「彼女は"教えてくれてありがとう"、彼氏は"きれいなあなたでいてくれてありがとう"とお互いがありがとうと言えばいいと思います」と多田。この案には当初、「お互いがありがとうと言ったら丸く収まる」(宇治原)、「ありがとうは"有難う"、有ることが難しいと書くので、"ありがとう"といえるのは奇跡なんだと僕も聞きました!」(忠志)など同意する意見が多かったのですが、「法案化したら感謝の意識が下がる」という濱家の意見から、次第にマイナス面へのスポットが当たり始めました。「義務化すると、本当に言ったときも本心かどうか疑われる」(武智)といった意見も上がったため、「今のありがとうがよかったら、相手にスタンプを押す」と新システムも追加する多田。しかし同意できない武智は、「行きすぎると怖いことになる。実は危ない法案」だと警鐘を鳴らしました。一方安村は法案化すると「侘びさびがなくなる」ことを危惧。背中で語る「ありがとう」もあると主張しました
そんな安村の法案は「高校野球の地区予選いい球場廃止案」。聞けば、全国大会の高校野球地区予選の決勝がスタジアムなど設備の整った会場で行われていることに疑問視しているそうです。安村自身、高校野球経験者であり、その目線からしても、人口芝と天然芝ではボールの跳ね方も違うのでそれもよくないと。この意見には、「そういうこと考えたこともなかった」とパネラーたち。安村は「地区予選は河川敷でいい!」と主張、設備の整っていない球場から勝ち上がってこそ、甲子園に立つ感慨もあるのだとか。野球経験者にはピンとこない"聖地感"。それを芸人にたとえてみると、「本選がなんばグランド花月なのに、大阪予選もなんばグランド花月ですると思ったら分かりやすい」と宇治原が説明すると、一同「あ~」と納得した様子。それでも「(いい球場で予選をするのは)思い出作りにいいのでは?」という忠志の意見に対し、「それ違います! ボロボロの球場で負けた悔しさが大人になってからの糧になる」と力説する安村でした。
日々、飛び込んでくる政治のニュース。相次ぐ辞職も政治家の資質を見抜けない有権者にも問題があるという菅が提案したのは「政治家ドッキリ大作戦」。発表した瞬間に拍手が起こりました。「ドッキリをしかけたリアクションで、人となりが分かるから」と菅、政治家になったらいつドッキリを仕掛けてもOKというようにしたいそうです。「その法案を政治家がねじ伏せてくるのではないか?」という武智の疑問に、「そのためにも第三者委員会など、政治を取り締まる団体を置く」と菅。政治家のリアクションをすべて録画し、インターネット上で配信することで周知するとのことです。資質を見られることで政治家が萎縮をしてしまわないかと危惧するのは濱家。「野生を持った、ぎらぎらした人に政治家になってもらいたいと思っている人にとっては、つまらないことになるのでは?」という濱家の意見には、「何を見ていいと思うかは人それぞれ」と宇治原。菅は政治家のいいところも、悪いところもすべて見たいのだそうです。選挙運動経験者の忠志にも意見も聞きました。過酷だった選挙活動のエピソードに、みな、驚きの声を上げていました。
子どもの虐待やいじめに憤り、心を痛めている武智が発案したのは、虐待現場に踏み込むための「催眠術師育成法案」。国家公務員としての催眠術師を育て、虐待の疑いがある親たちに催眠術を施すことで本音を答えさせるといものです。「虐待といじめ、この二つはしのごの言っていられない。時間の問題なんです!」と声を大にする武智ですが、西田が「マジで催眠術が絶対と思ってる?」と冷静に尋ねます。催眠術にかけられたことのある宇治原は経験上、「かけられに行くぐらいに思っていないと、催眠術はかからない」との意見を。ならばウソ発見器や自白剤でもいいのでは?との案も上がりました。議論の終盤、「そもそも武智が何を言っているか分からない」といい始めたのは濱家。白熱した議論だっただけに、その温度差に驚く一同。武智の思いを汲んだ宇治原は「とにかく1件でもなくすことが大事」とまとめると、その隣で忠志が大きくうなずいていました。
西田は「ネクストダイベンキーズサークル法案」。空港や駅の男子トイレで、小便器に並ぶ列はできているが、大便器の個室に並ぶ列ができていない場合、個室に入りたくて扉の前に並ぶと小便器の列に割り込みしたような形になってしまうことや、もっと違う目的でそこに立っていると怪しまれるという、男性ならではの不便さを説く西田。この意見には登壇者全員、大きくうなずいていました。その不便さを解消するために西田が考えたのがネクストバッターサークルならぬ、「ネクストダイベンキーズサークル法案」。トイレの床に個室を待つ人のため用のサークルを記してほしいというものです。加えて宇治原が「和式でもOKとか、もっと分かりやすくしたい」、濱家が「個室に今入ったところとか、もうすぐ出ますとか、時間が分かりやすいランプもつけてほしい」など要望しました。
「廊下に立たせます!制度」を提案したのは忠志。49歳、二人の子を持つ父親として学校参観に行った際の疑問を法案にぶつけました。学校行事などに参加していると、校長先生の挨拶の際、校長先生は子どもたちの挨拶の声が小さいとやり直しと言うけれども、親たちに挨拶をした時、会釈程度で返しても何も言わないという光景に違和感を持った忠志。最初は大きな声で「おはようございます!」と返していたものの、返事をする親は自分ひとり、浮いてしまうことを考えて次第に挨拶をしなくなったそうです。そんな自分を戒めるためにも、この「廊下に立たせます!制度」は親たちを対象にしたものです。「普通に声に出して挨拶する仕組みがほしい」と訴えると、「すばらしい!」と一同。会場からも拍手が沸き起こりました。
最後は宇治原。女性の社会進出がめざましいとも言えども、議会での男女比率はまだまだ男性が圧倒的に多いというのが現状。それを打破するための法案がこの「男女別二院制」です。衆議院、参議院ではなく、男性、女性に分かれて議論を重ね、勉強会も男女別など、時事ネタも取り入れながら熱弁をふるう宇治原。LGBTの問題もあるので、簡単には二分化できないけれどもと前置きしながら「男性議員による女性秘書へのセクハラもなくなると思う」と、セクハラ問題解消も視野に入れた法案であることを語りました。
すべての法案のプレゼンが終わり、観客拍手。一番多かったのは、ロザン・菅の法案「政治家ドッキリ大作戦」でした。
次回は9月24日(日)に開催予定です。次はどんな法案が飛び出すか、ぜひ遊びに来てくださいね!
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