芸人たちが描いた絵が沖縄花月のマスコットキャラに!? 選ばれたのは・・・「クリエーターズ・ハイ~楽しいイラスト編~」
8月26日(土)、よしもと沖縄花月で「クリエーターズ・ハイ~楽しいイラスト編~」が開催されました。絵を描いたり、ものを作ったりするのが好きだという、沖縄の"クリエーター芸人"たちが登場する今回。自分の作品を発表し、ものづくりの楽しさを皆さんに知ってもらおうという企画です。この日のメンバーは、けんたくん、ぼんじょるの・おりた、オーシャン・りょうじ、オーシャン・心輝、カシスオレンジ・仲本、ハイビスカスパーティー・ちあきの6人。MCは空馬良樹が務めます。
さらに、本公演のスペシャルゲストとして登場したのは、CGアーティスト・漫画家の渡嘉敷拓馬さん。この日出演したクリエーター芸人たちとほぼ同世代という渡嘉敷さんですが、『少年マガジンR』(講談社)で漫画「カンブリア」を連載するなど、これまでの経歴が紹介されると芸人たちも興味津々の様子です。
漫画家を目指した学生時代のエピソード、デビューするまでの経緯など、さまざまな質問に気さくに答えてくれた渡嘉敷さん。貴重な話の数々に、カシスオレンジ・仲本が「1時間じゃ足りない!」と漏らすほど、話題の尽きないオープニングとなりました。
そして、ここからはいよいよ各芸人の絵心をチェックするコーナーへ。「カメラ目線のゴリラ」「フリスビーが直撃するイヌ」「食事中のコアラ」の中から、各自が事前に描いてきた絵を会場で公開。渡嘉敷さんはご意見番として、芸人たちの作品を講評します。
まずは「食事中のコアラ」を描いたぼんじょるの・おりたから。コアラの左横の木が男性のすね毛に見えるとMCの空馬がイジり、会場から笑いが起こりますが、渡嘉敷さんは「コアラがしっかりユーカリの葉を持っているところを描いているのがいい」とコメント。コアラの顔がかわいいという声も上がり、上々の滑り出しです。
続いてはハイビスカスパーティー・ちあきの「フリスビーが直撃するイヌ」。作品が披露されるやいなや、本格的な絵のうまさに芸人たちから驚きを通り越して爆笑が起こります。渡嘉敷さんからも「明日からうちにアシスタントとして来てほしい」とオファーが。隠れた絵の才能を存分に発揮しました。
3番手はオーシャン・りょうじが描いた「カメラ目線のゴリラ」。もともと画力に定評のあるりょうじですが、圧巻の出来栄えに「これ1年ぐらいかけて描いただろ!?」と芸人たちも感嘆。「アシスタント2人目が見つかった」と笑顔の渡嘉敷さんからは「目線を合わせる絵を描くのは意外に難しいんですが、とてもよく描けている」とプロならではの感想が飛び出し、りょうじも「本当にうれしい」と喜びの表情を見せました。
ここまで素晴らしい作品が続きましたが、その後、カシスオレンジ・仲本の「カメラ目線のゴリラ」、オーシャン・心輝の「フリスビーが直撃するイヌ」が披露されると、前の作品とのあまりのクオリティの違いに、渡嘉敷さんが「落差がなぁ...」と絶句。「...これコメントしなきゃいけないですか?」とボヤき、芸人たちも大笑いです。
また、けんたくんが描いた目力強めの「食事中のコアラ」にはお客さまから怖いという声が上がりますが、渡嘉敷さんが「一般的にかわいいと言われているコアラをこんな風に描くのはある意味アートですね」と別の角度から感想を語ります。しかし、空馬から「それは(出来栄え的に)悪くはないということですか?」と問われた渡嘉敷さんは「悪いは悪いですね」と即答。正直な表現にメンバーから大笑いが起こったところで、芸人たちの絵心チェックが完了しました。
続いてのコーナーは「キャラクターをつくろう!」。8月10日にリニューアルオープンした「よしもと沖縄花月」のマスコットキャラクターを芸人たちが作成し、最終的に渡嘉敷さんに選ばれた作品が劇場のマスコットキャラとして事務所に推薦される権利を得る、という画期的な企画です。
まずは、先ほどのコーナーで好評だったおりた、ちあきがそれぞれ自身の作品をプレゼン。おりたが考えたキャラ「ハイビスカス月子ちゃん」について、渡嘉敷さんから「ぱっと見てテーマカラーが分かりやすいし、子どもでも描けそうでいいですね」と高評価。キャラ化するうえで「足元まで描かれていたらなお良かった」とアドバイスを送ります。
お笑いの世界を戦国時代にたとえたりょうじは、侍キャラの「花月っちゃん」を披露。さまざまな意味を込めた着物について、渡嘉敷さんは「遠くにいるお客さんがパッと見て分かるよう、着物の絵柄は大きい方がいい」とコメント。ためになる助言に芸人たちもなるほど、と感心しきりです。
続いて、空馬いわく"ダメダメ3人組"のうち、心輝と仲本がそれぞれ創作したキャラを発表します。心輝はキャラの特徴をひとしきり説明した後「渡嘉敷先生、おいしくしてください!」とすべてを丸投げ。渡嘉敷さんは「素材が悪けりゃどんな料理もおいしくできない」と見事に切り返して笑いをさらった後、「色味が暗いから、明るい色に変えて子どもでもまねできるようにした方がいいですね」と的確なアイデアを提案しました。
最後の発表はけんたくんが考えたキャラ「地獄のそうべえ」。墓石をかじる不気味なビジュアルですが、おりたから「これどないして歩くんですか?」と聞かれたけんたくんは「そうべえとお墓を別個にして、2つをそれぞれ歩かせる」と斜め上の回答。さらに、お客さまを"笑い死に"させる、という斬新なコンセプトを明かしました。
全員のプレゼン後、渡嘉敷さんが選んだマスコットキャラは...なんと、けんたくん作の「地獄のそうべえ」! まさかの展開にメンバーから驚きの声が上がるなか、選出理由を聞かれた渡嘉敷さんは「マスコットキャラとして、動いたときに一番面白そうだと思ったのが『地獄のそうべえ』だった。お墓も一緒に動くという説明を聞いて、見てみたいなと思った」と説明。うれしいコメントに、けんたくんがガッツポーズで喜びを爆発させます。
しかし空馬から、今回は劇場のマスコットキャラとして推薦される権利を得ただけで、正式決定になるかは事務所の判断次第だと説明されると、けんたくんは「えー、だったら絶対選ばれないでしょー! お墓なんか選ぶわけないさー!」とやけっぱち状態に。保険として、優勝した特典がもうひとつ欲しいとゴネるけんたくんでしたが、ここで渡嘉敷さんがある粋な計らいを提案。もし実現すれば知る人ぞ知るお楽しみとなる思わぬサプライズに、けんたくんはもちろん、会場も驚きと歓喜に包まれました。
芸人たちの個性あふれるイラストと、渡嘉敷さんの的確かつユーモアいっぱいのコメントが印象的だった今回の公演。エンディングでは渡嘉敷さんが、第2弾の開催があったらまた参加したいと笑顔を見せ、和やかな雰囲気で公演を締めくくりました。
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