「パラスポーツフェスティバル ㏌ 宮城」開催レポート
2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催まで、いよいよ1000日を切りました!
そんな冬晴れの11月、宮城県多賀城市で、体験型の「パラスポーツフェスティバル ㏌ 宮城」が開催されました。トップアスリートたちの活躍によって、パラスポーツのおもしろさやカッコよさが徐々にメジャー化してきた昨今ですが、実際にプレイしたことのある人はまだまだ少数。
今回のイベントは、そんなパラスポーツに実際にチャレンジして、そのおもしろさをもっともっと知ってほしい!というのがテーマです。われらが吉本のお笑い芸人たちも、ほとんどが初チャレンジという多彩なパラスポーツにみんなワクワクしながらの参加です。
開会式を始め、メインMCを務めたのはキングコング・梶原雄太と高野祐衣。
まずは主催であるトヨタカローラ宮城の吉岡博文さんよりご挨拶を戴き、仙台出身の元メジャーリーガー・斎藤隆がスペシャルゲストとして登場! 「パラスポーツは初体験」という斎藤さんですが、持ち前の運動神経の良さに期待がかかります。
そして、本日、ステージでライヴを披露&参加者の皆さんと一緒に競技を楽しむよしもとのメンバーが壇上に勢ぞろい。「楽しむぞー!」というワクワクがボケの連発となり、会場に集まったみんなをさっそく爆笑させていました。そしてみんなに競技の基本的な楽しみ方やルールを教えてくれる講師の方々の紹介があり、参加者全員で気合の記念写真をパチリ。
第1回目のトークショー、幕開けは爆笑コメディアンズです。ふたりは現在、「宮城県住みます芸人」として活躍、ツッコミの半澤弘貴は宮城県名取市出身ということもあり、宮城にはいちだんと思い入れが深いのです。鉄板の音楽ネタにジョジョ立ちネタで、会場を大いに沸かせました。
続いてはとにかく明るい安村。減量成功のお蔭???でパンツが緩くなり、「履いてますよ。でも見えてますよ」にならないよう気合を入れてのネタ披露!大人はもちろん、ちびっこたちにも大ウケでした。
なかやまきんに君は会場からひとりの男の子を相方にピックアップ!意外過ぎるオチに会場からはどよめきが。急きょ相方を務めてくれた男の子、ありがとう。黒帯、カッコよかったよ!
1回目の競技体験会を前に、ボッチャと車いすバスケのプレイの仕方や基本的なルールなどを講師の方が教えてくれました。
ボッチャを教えてくれたのは、宮城ボッチャ協会の山尾純子さんと及川節夫さん。車いすバスケを教えてくれたのは、「よしもと ふるさとアスリート」の齋藤祐介さんと佐藤太一さん。ちょいちょいボケてくる及川さんの解説に、時間押し気味で協議体験会へと突入しました!
第1回目の体験会は、シッティングバレーにガンバレルーヤ、ボッチャに爆笑コメディアンズ、ゴールボールにハイキングウォーキング、車いすバスケに大西ライオンが参加。
まずはどの競技も基本的な体の動かし方などのレクチャーから始まり、続いて実践的なゲームへ。
意外に運動神経がいいガンバレルーヤの活躍もあり、シッティングバレーのコートからは大きな歓声がたびたび上がります。
ポッチャは、ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競うスポーツ。比較的大きく身体を動かしたり、走ったりする必要がないうえ、障害によりボールを投げることができなくても、勾配具(ランプ)を使って自分の意思を介助者に伝えることができれば参加できるので、3歳くらいのちびっこも一緒に楽しむことができました。
ダブルドリブルがOK、といった多少の違いはあれど、ほぼ一般的なバスケットボールと同じ車いすバスケ。競技用車いすで全速力、激しいターンや競り合いもあるダイナミックに、「いちどやってみたかった」という子供たちで大賑わい。まずは初めて乗る競技用車いすの運動性の高さに驚き、次に車いすをこぎながらドリブルすることの難しさに驚いていました。でも、講師の方々の指導でみんな徐々に慣れていき、最後にはパス回しからのシュートにトライ!大西ライオンのよく通る「がんばれ!」の声に、みんな真剣にボールを追いかけていました。
2回目のトークショーには、さっきまで車いすバスケで駆け回っていた大西ライオンが登場。一緒にプレイしていた子供たちの声援を受けて、いつもの「心配ないさ~!」が響き渡りました。
ガリットチュウは、二段構えのネタでマニアック物まねを炸裂! せんとくんに扮した福島のイジリで会場のお客さんに翻弄される熊谷に、会場はまた爆笑!
2回目の競技説明は、ゴールボールと車いすテニス。目隠しをして鈴の入ったボールを転がしあい、ゴールを競うこの競技では、手で触った感触で自分の立ち位置を知ることと音を聞き分けることがとても大切。
講師の高橋源一さんのユニークなキャラクターが、わかりやすく楽しく競技の魅力を説明してくれます。車いすテニスは、自身もトップアスリートの須田恵美さんによるアクティブな説明に斎藤隆さんも果敢にチャレンジ。競技用車いすの取り回し方やダイナミックなスイングに、「初めてとは思えない!」と須田さんも絶賛でした。
2回目の体験会は、シッティングバレーに爆笑コメディアンズ、ボッチャにガンバレルーヤ、ゴールボールにガリットチュウ、車いすテニスに大西ライオンが参加。
ゴールボールは、アイシェード(目隠し)を着けた1チーム3名のプレーヤーで行われます。コート内で鈴入りボール(なんと1.25kgもあるのです!)を転がすように投球しあい、味方のゴールを防御しながら相手ゴールにボールを入れれば得点ゲット!ボールを投げるときにはガリットチュウの明るく賑やかな声がみんなを後押し、鈴の音を響かせて転がるボールを追いかけるときは静かに耳をすませて。静と動のコントラストがまた、ゴールボールの面白さでもあるんですね。
車いすに乗るのもテニスラケットに触るのも初めて、という子供たちが多かった車いすテニス。タイヤ部分がハの字に開いたかたちは、こぎやすさと安定性、運動性に長けていて、ボールの動きに素早くついていけるスピードやターン力を有しています。「けっこうスピードが出るんだね!」「くるくる回るよ!」と歓声を上げる子供たちは、順応性も抜群!「車いすをこいでボールに追いつき、ラケットを持ち換えてボールを打つ」という一連の動作に奮闘しながら、ぽーんぽーんとリズミカルにボールを打ち返していました。
いよいよラストのトークショーには、ガンバレルーヤとハイキングウォーキングが登場!大ブレイク中のガンバレルーヤの人気ネタで会場はヒートアップ。ほんわかしたふたりのキャラクターは保護者の皆さんからも大人気です。
ハイキングウォーキングも鉄板のチャレンジネタで勝負。コーラ一気飲み後に宮城県の市町村を全部言い切る!と豪語するも、爆笑のお約束オチ。松田が投げたマシュマロをQ太郎が口で受けるネタでは、壇上から落っこちたマシュマロをちびっこたちが拾ってくれる一幕も。
シッティングバレーの競技説明では、MC梶原の思わぬ才能が開花!お尻を床から離さないよう動かなければならない基本動作がこの競技のキモなのですが、「ちょっとおれ、自信あるかもしれん」と言い出した梶原がチャレンジしてみると、講師の佐竹 香さんも驚くほどの素早さ!
続くブラインドサッカーの競技説明でも、小学生の時にサッカーで大阪代表になった経験を持つ梶原が果敢にチャレンジ。経験者だけに、目隠しをしてボールを追いかける・蹴ることの難しさに「すごいわ!なんでこんなんできるの!」と講師である加藤和孝さん、齊藤舞香さんを絶賛していました。
最後の体験会では、シッティングバレーにハイキングウォーキング、ボッチャにガリットチュウ、ゴールボールに爆笑コメディアンズ、ブラインドサッカーに梶原とガンバレルーヤが参加。比較的小さなちびっこも多かったゴールボールでは、爆笑コメディアンズが隣のお兄さん的にみんなをサポート。ちびっこたちと同じ目線で、本気で競技を楽しむ彼らにちびっこたちもめいっぱい懐いていました。
お尻を床から離さない、座ったままの姿勢で行うということ以外は、ほぼ通常のバレーボールと同じシッティングバレー。「体育の授業でやったことがある」という人も多かったので、基本的なレクチャーの後はすぐ試合を楽しむことに。低い姿勢からのサーブがなかなか大変なのと、やっぱり座ったままの姿勢で素早くボールを追いかけることの難しさが、俄然みんなのやる気に火をつけました。ハイキングウォーキングのふたりも、ボールを逃した時は本気で悔しがり、得点を入れた時には思わず叫ぶほどにヒートアップ!思わず立ち上がってチームメイトとハイタッチしそうになり、審判に笑いながら注意される場面も。
ブラインドサッカーには、ガンバレルーヤとともにトークショーでやる気満々になった梶原も参加。目隠しとボールの感触に慣れたのち、ガンバレルーヤチームと梶原チームに分かれてPK合戦を楽しみました。チームで円陣を組んで「みんながんばろうね」と声を掛け合ったガンバレルーヤチームは、キーパーをかって出た梶原のディフェンスを思い切ったキックで何度も突破。しかしこれが梶原のサッカー魂に火をつけてしまい、味方からも「梶原、大人げないぞー」とツッコまれるほどの本気ディフェンスにシフトチェンジ。その本気に後押しされるように梶原チームも次々とシュートを決め、接戦の末に梶原チームが勝利を手にしました。敵味方を問わずひとりひとりに声を掛け、笑いを生んでいたガンバレルーヤと梶原に、初めてのブラインドサッカーも大盛り上がりでした。
熱く楽しい1日もあっという間。閉会式ではサイン寄せ書き争奪ジャンケン大会が行われ、会場がまた一体に。
斎藤隆さんの、「パラスポーツは障がい者の方だけのスポーツじゃなく、誰もが一緒に、みんなで楽しめるスポーツなんだ、ってことを改めて感じました」という言葉に象徴されるように、健常者・障がい者の枠を超えて楽しむことに最大の意味があるのがパラスポーツ。それを、この日会場にいた全員が深く実感したのでした。
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