YCCの特別講義に2017年M-1チャンピオンのとろサーモンが登場!
2008年、エンターテインメント業界を支えるスタッフ養成を目的として開校したYCC(よしもとクリエイティブカレッジ)。エンターテインメント業界で働くための知識や発想を身につけたマネージャーやディレクターなど、様々なクリエイティブスタッフを育成する「総合コース」と、台本や脚本、企画書、ネタなど幅広い「書く能力」を身につけ、エンタメ業界で活躍する作家を育成する「構成作家コース」、2つのコースを用意。実際の番組制作、イベント制作などが学べるほか、一流講師陣による座学も実施されるなど、充実した内容で吉本式のエンタメのノウハウを学べるようになっています。
2月18日(日)にYCC大阪校で行われたのが、昨年のM-1グランプリチャンピオンに輝いた、とろサーモンによる特別講義。生徒たちの待つ教室に2人が登場し、まずは久保田が「作家を目指している人はどれくらい? こうしていきたいって決めてる人いる?」と質問。講義がスタートしました。
「ネタを書くのが好きなので、漫才作家、コント作家を目指したい」という生徒には、作家で稼ぐのは難しくなってきてる、と久保田。その上で「とにかくつながりが大事」と、実際に大阪と東京で活躍中の作家を知っているからこそのアドバイスを送ります。そして改めて「パイプを作ること、つながりがめちゃくちゃ大事」と強調していました。
久保田はそのあとも現実的な意見を連発。将来について明確ではない生徒には、想定ができてない、意思が弱いと飲み込まれる、自分のやりたいことをやるという信念を持った方がいい、と率直な感想をぶつけ、「面白いネタはどこから浮かんだのですか?」という質問には、生きていて悔しいこと、許せないことをストレスに感じるんじゃなく、ネタにしようと思ったら厚みが出る、と話します。
続いては「社員になりたい人、手挙げて」と総合コースの生徒たちから話しを聞くことに。まずは「どういうつもりで社員になりたいと思った?」と生徒たちに質問。そしてマネージャーは芸人さんの一生を背負う感じでやってほしいと要望を伝えます。「こういう社員さんならうれしいというのは?」という質問には、まずハートを持つこと、業務的にならないでほしいと注文。そして機転、気が利くということを心がけて、芸人さんがこれだけやってるんだから、という気持ちを忘れないでほしいと話しました。
「今後どういった仕事に挑戦したいですか?」という質問には、なんでもござれです、と答えつつ、「ボケなくてもいいという番組に一回出てみたい」と本音を吐露。続いての「M-1に優勝して夢が叶って、もう夢が無くなってしまったということは?」という質問には、「高望みして幸せの究極を求めてダメになっていくやつもおる...」と久保田が話すと、村田が「説法感が出てきた」とツッコミを入れ、教室は笑いに包まれます。
ほかにも「二人は仲がいいんですか?」「M-1の舞台裏の雰囲気を教えてください」「これまでマネージャーのこの対応が良かったというのは?」など生徒からの質問が飛びます。「芸人を続けてきた一番の支えは?」という問いに、村田は「苦しい時期はバイトもしてたし、支えはなかった」と本音をポロリ。しかしそんなときでも劇場に出て漫才をして、そこでウケるときの感触があったから継続できたと振り返りました。久保田はやめようと思ったことはない、と発言。地獄みたいな生活してるヤツは芸がすべってやめようかとはならないと続け、だから(社員の人は)苦労している芸人さんほどハートで話さないと熱量が合わなくなってくると話しました。
そして「社員になったら"どっかで久保田さんが言ってたな"ってこの話しを思い出してほしい」と久保田がデータを取ったという説を披露します。まず何人かの生徒に好きな芸人、キライな芸人を聞いたあと、「好きな芸人はすぐ出る、キライな芸人は考える」とそのリアクションを解説したうえで「おもしろくない、スベっているものに対して、女子は興味がない」と自説を展開。だから社員になって、すべって落ち込んでいる芸人に「大丈夫ですよ、すべってるっていうのは視聴者にとってはアイツすべってるってなってないからいいじゃないですか、前向きに行きましょうって久保田さんが言ってました」って声をかけるべきだと力説、生徒たちの笑いを呼んでいました。
それからも「何を最終目標として芸人をしているか」「若手の芸人さんをマネジメントするときどうすれば伸びていくか」「これまで、この仕事は断ったというものは?」などの質問に、人気番組の裏話などを交えつつ、しっかりと解答。「大阪と東京の劇場の違いなどはありますか」という質問には、「言葉遣いやと思う」と村田。関西はある程度汚い言葉でも受け入れてくれる、でも東京はそのままだとちょっと怖がるから、多少きれいな言葉に直したり...と話すと、久保田からは「俺は全然感じへんかったけど」と真逆の意見が飛び出すひと幕も。さらに苦しい時代にも仕事を増やそうという意識は常に持っていたと村田が答えれば、久保田はいけるんじゃないかっていう自信だけ、それしかないからその自信を自分で信じてやっていたと当時を振り返るなど、コンビ間の思いや考えの違いなども、そのまま生徒たちに伝えていました。
ラストに4月から現場に出ていく生徒たちへのメッセージとして、村田は「大変なこともあるでしょうけど、社員さんは芸人さんを大事にしてあげてください、腹立つこともあるやろうけど、大きな器で包み込んであげて」とお願い。そして作家志望の生徒にも「なかなか大変やけど、辛抱強くがんばってください」とエールを送りました。久保田は「つらいときもやめたいなってときもあると思う、でも人と違う仕事を選んだのは自分なんで、意思だけは強く持ってほしいなと思います」と話し、「汚い大人も出てくる、でも飲み込まれないように生きていってください」と生徒たちに語り、特別講義は終了しました。
YCCでは現在2018年度4月生を募集中です。授業は毎週土日に行われるため、社会人、学生も通いやすく、Wスクールも可能。一流講師陣による充実のカリキュラムで、エンターテインメント業界の即戦力を育成します。学費が抑えられていることに加え、就職バックアップが行われていることも魅力のひとつ。少しでも興味のある人は、よしもとクリエイティブカレッジの公式サイト(http://ycc.yoshimoto.co.jp)をチェックしてみてください!
【とろサーモン】