ノンスタ・石田、神谷役のオファーに「よしもと、正気か?」!!舞台『火花~Ghost of the Novelist~』制作発表会見
3月2日(金)、東京・紀伊國屋ホールにて、舞台『「火花」~Ghost of the Novelist~』の制作発表会見が開催され、主演の観月ありささん、植田圭輔さん、NON STYLE・石田明、ピース・又吉直樹、脚本・演出を担当する小松純也さんが登壇しました。
第153回芥川賞を受賞したピース・又吉による初めての純文学作『火花』。2016年にはNetflixにてオリジナルドラマに、2017年には板尾創路監督がメガホンを執って映画化されてきた今作が、3月30日(金)より同劇場にて舞台化されることになりました。
本作は原作者である又吉本人のところに、女優・観月ありさ本人が現れたことをきっかけに、小説の世界をなぞりながら展開される『火花』の世界観と原作者の世界観が交錯するという、映像作品とはまったく異なった面白みが感じられる物語です。
登壇早々、MCのタケトに「先生の和装に笑っちゃいました」といじられた又吉。「朝から用意されてました」と、自らの意志ではないことを訴えます。
脚本・演出を手がける小松さんは、『ダウンタウンのごっつええ感じ』『笑う犬の生活』『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタリー』シリーズなど数々の人気番組を手がける共同テレビのプロデューサーであり、舞台なども手がける演出家。原作は以前から読まれていたそうですが、「もういっぺん読み直したところ、又吉さんがこのお話を書かざるを得なかったパッションがにじみ出ているところが何ヵ所があって。そこを舞台として描けば又吉さんが書いた物語もドラマティックになるんじゃないかなと思って、脚本を書きました」とコメント。2つの世界を描く構成にしたことについては、「文字というものが構成要素となるのは、舞台ならではないかと思いまして、そうしました」と説明します。
本人役と『火花』登場人物の真樹を演じる観月さん。「脚本を読ませていただいたら、新しいストーリーが展開されていて、あっという間に読み終わってしまいまして。楽しい舞台になりそうだなとワクワクしたので、やろうと思いました」とオファーを受けた決め手について言及します。
『火花』に登場するお笑いコンビ「スパークス」のボケ・徳永を演じる植田さんは、「(映画の監督を務めた)板尾さんと一緒にやっていた舞台の千秋楽が、映画の公開日で。観に行かせていただきましたし、(オファーを受けて)小説を読ませていただいたときに運命的なものを感じたというか。ほんまにすごく嬉しいなと思いました」と話します。
「目から火花出るんちゃうかなと思った」と続けると、タケトが「石田さんが今、"やるなぁ!"という顔をしてますよ」と、ニヤリとしている石田を指摘。「このあと喋るの、緊張する!」と話すと、すかさず又吉が「私にはもう質問しないでください」と懇願し、タケトに「いやいや! 原作者ですから!」とツッコまれます。
ドラマや映像ですでに役者さんたちが演じた役を担当するというプレッシャーを感じていると言うのは、徳永が憧れるお笑いコンビ「あほんだら」のカリスマ的なボケ・神谷役の石田。「神谷ですよ? どっちかっていうと、僕は神谷みたいな人に虐げられてきたタイプ。オファーが来たとき、"よしもとは正気か? お前ら、原作読んだんか?"と思った」と吐露。タケトに「スカジャンに違和感がある」といじられると、ポスターの自身を指して「こういうポーズ、井上に任せてるんです。もうあいつをいじれないですよ!」と嘆きます。
さらに、「恥ずかしくて言いたくないんですけど、ドラマ『火花』のオーディション落ちてるんです。あの中でいちばん、俺が漫才うまかったのに!」と訴えると、「噂では聞いてました。石田くんがいちばん漫才ウケたのに落ちたって」と呟く又吉。ドッと笑いが起こる中、「この俺の次点感。舞台で見返したいと思います!」と意気込みました。
本人役で出演することについて、又吉は「僕ですけど、僕なのかどうなのか」と話しつつ、「ポスターを観てもらうと、ほぼ幽霊」と自虐的なコメントを。小松さんが演出について「又吉さんは又吉さんのままでお願いしたいので、特に芝居を付けていない」と話すと、「自分っていうのを一度忘れて、ゼロからの又吉を入れ直そうとしてます。まずは、又吉を知るところから始めます」と持論を展開して、石田に「やかましいわ!」とツッコまれます。
本作の脚本を読んだときは「ビックリした」そうですが、「お芝居はあんまりやったことがないんで、できるかなという感じやったんですけど、お話の内容を聞いてやってみたいなと思った」と発言。も、「今、又吉は入ってないので、ゼロの状態。誰でもない状態で話してます」と先ほどのキャラクターままに語ります。さらに「今までになかった視点」と考察しつつ、「小説を書いて以降の過ごし方が含まれている作品。僕は1つの本を2回読んだり、時間を少し置いて再読したりということをやるんです。読むたびに違う話のように感じるのが本の面白さで、今回の脚本はまた違う見え方をしているというか。今やからできる読み方や演劇になったらどうなるのかというところが面白かったので、やりたいなと思いました」とコメントするも、「合ってますかねぇ?」とまさかの問いかけ。タケトに「それは又吉にしかわからないよ」と返されると、再び先ほどのキャラに戻って「又吉やったらこう答えると思います」としたり顔。石田が「矢沢みたいに言うな!」とツッコむと、大きな笑いが起こりました。
稽古に入っているとあって、すでに和気あいあいとした空気が漂いますが、ここでよりチームワークをよくするためにそれぞれが気になっていることをぶつけてみることに。
師弟関係的な役どころを演じる石田と植田さん。石田が「(神谷役が)井上じゃなくてよかったですよね?」と尋ねると、植田さんは大爆笑。「徳永は神谷に憧れを抱く役ですので、本当に井上さんじゃなくてよかったです!」と断言します。そんな植田さんは「怒られるんちゃうかな?」と前置きして「僕と井上さん、どっちがかわいいですか?」と質問。「愚問です」と切り出した石田は「植田くんです。あいつが勝つ訳ないやん!」と言い切りました。
観月さんに「稽古中、本当に照れるのはやめて!」と言われた又吉。「積極的な役で、まったん(又吉)を抱きしめたり、好きとか言ったりするんです。そのとき、すごく照れた顔をされるとやりづらいの!」と訴えられるも、「観月さんに抱きしめられて笑わん(照れない)ヤツがおったらおかしい。又吉として忠実にやってるから、ああなりますよ」と弁解。すかさずタケトに「さっき、又吉をゼロにするって言ってたじゃん!」とツッコまれると、照れくさそうな表情を浮かべます。
一方、又吉は観月さんへ「もっと話したほうがいいですか?」と質問。プライベートでも交流があるそうですが、「定期的に食事会などへ読んでくださるんですが、僕はいつも端っこに座っていて、ほぼ観葉植物(のように黙ってる)。だから、もうちょっと話したほうがいいかなって」と説明します。また、小松さんからの「本番も来てくれますか?」という切実な問いかけには大笑いしながら、「絶対来ますよ」と断言しました。
報道陣からの質疑応答で、「原作を読んだ印象や感想を改めて聞かせてください」と言われた石田。「同期は明るくて嫌われるヤツが多いんです。井上、村本(ウーマンラッシュアワー)、西野(キングコング)、山ちゃん(南海キャンディーズ)がおるっていうすごい世代の中、どっちかって言うと暗くて静かに見守る側で。僕も小説が好きなので、よく話していた又吉がこんなん書いたということで読んだらすげぇなって。芸人にしか書けないことを生々しく美しく書いていて......。あぁ、この人とこのジャンルでは勝負できないなと思った」としみじみ語りながら、「あれ以来、書籍のオファーは全部断ってます!」と発言。又吉に「え? 読みたいよ?」と声をかけられるも、「圧倒的なものを見せつけられたので、やってないです」と言い切りました。
舞台『「火花」~Ghost of the Novelist~』は、3月30日(金)から4月15日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて開催。原作、ドラマ、映画とはひと味違う世界観を、ぜひ劇場で体感してください!
【又吉直樹】【ピース】【石田明】【NON STYLE】【タケト】
舞台『「火花」~Ghost of the Novelist~』
脚本・演出:小松純也
出演者:観月ありさ、植田圭輔、NON STYLE・石田明、ピース・又吉直樹、井下好井・好井まさお、 宮下雄也ほか
<東京公演>
日程:3月30日(金)~4月15日(日)
会場:紀伊國屋ホール
<大阪公演>
日程:5月9日(水)~5月12日(土)
会場:松下IMPホール
チケット料金:一般8000円 、学生5000円(平日公演のみ)※全席指定