NSC東京23期生による卒業公演 芝居公演『SHOW CASE』ライブレポート
NSC東京23期生による卒業公演が、3月19日(月)~25(日)の期間、東京・神保町花月にて『NSC東京卒業公演LIVE WEEK』と題して行われました。
芸人を目指すべく、NSCの門をたたいてから1年間で学んだ全てをぶつける、まさに集大成となった本ライブ。
ここでは、3月23日(金)に行われた芝居公演『SHOW CASE』の様子をレポートします。
オープニングは、ムウマ岡本みずほ(ベース)、北原(アルドサックス)、ギブソンジュニアなかじ(トランペット)、レア原人しょーじろー(テナーサックス)、ジョニー岩楯(ドラム)、ぶすうすん(ギター)、愛甲瑞紀(フルート)による楽器隊で幕開け。ジャズの名曲「シング・シング・シング」をスイングしながら演奏し、会場を盛り上げます。
芝居「オン・ザ・ラン」は、無難な学生生活を送る暗い大学生ケンジ(橙感 河井芳憲)の恋と友情と笑いの青春物語。二十歳の誕生日を目前に幼なじみのミサキ(久川みみ子)に告白することにしたケンジは、友人の提案で、ミサキの好きな人気バンド"クルーザーズ"のラジオ「オールナイトジャポン」のハガキ職人になること決意。ケンジが周りの人を巻き込みながら、成長していく姿を描きます。
まずは、仲良し3人組ケンジ、アキラ(ファイティングボンバー片倉涼汰)、ヨシキ(花ちょうちん 千田大成)のキャラクターが面白い。目立たないタイプの3人は仲間内では威勢がいいものの、バスケ部のパリピな2人、ナオト(マリリン松村正太)とタクヤ(パンケーキ やじ)を前にすると萎縮してしまうというあるあるに会場から笑いが起こります。
クルーザーズのラジオにもニヤリとするポイント多数。ギターのヤスハル(ルパン しゅん)、ボーカルのタイチ(ルパン ゼンツ)のミュージシャンらしいしゃべり方や独特のボケ方、マネージャー(ミセス トゥーム)ら裏方イジリ、スタッフの過剰な笑い声など、ラジオあるあるをふんだんに盛り込み笑わせます。
ケンジをハガキ職人として特訓してくれる落語研究会の先輩・田島(シドニー和泉壮)もアクセントとなるキャラ。落語にのめり込みすぎて、左右に顔をふると人格が変わる田島は、左を向けば「お前らに教えることなんかない。帰れ帰れ!」と追い返し、左を向けば丁寧な口調で「お役に立てることがあれば何でも教えましょう」と優しくなり...を何度も繰り返すシーンには会場も爆笑でした。
そしてもう一人、名物ハガキ職人"シャイニークラッシャー"こと真田(町ルダさん)もインパクトあるキャラ。ミサキに執拗に迫る気持ち悪さに、会場の女性客からは悲鳴も。エンディングでは、同期の仲間たちから「この人ホントに変なんです」とイジられていました。
要所要所に笑いを盛り込みながら、ケンジの恋と友情の物語をしっかりと演じ、さわやかな感動を呼ぶ舞台となりました。
ここでラッキィ池田振り付けによるダンスを。周りから"浮いている人"を勧誘するダンスを披露しながら、「みなさんの街にも日常生活の中で浮いてる人はいませんか」「みなさんも我々の仲間になりませんか」「業界イチ安い授業料!新入生募集中です。ぜひNSCへ!」とPRしました。
芝居「僕だけのレストラン」は、再建請負人・小熊健(ミセス ケート)が、依頼を受けた店を再建していく物語。かつて人気レストランだった「フラフープ」をもう一度人気店にするため、レストランNo.1を決める「Y-1グランプリ」優勝を目指して小熊と従業員たちが奮闘する姿を笑いをまじえて描きます。
いたって真面目、常にシリアスな小熊と、どこかおかしい周りのキャラクターの対比でクスリを笑わせる展開。まず「フラフープ」の従業員たちは、小熊に再建を依頼した芝島美香(杏子もなか あみた)は救いがあるものの、芝島亮(原点頂点 Kazu)、田中和也(中條裕貴)、鴨川優(モリス やざわゆうた)は現状への危機感もなく、テキトーに仕事をこなす毎日。このダメ人間っぷりが笑いを誘い、中でも常に筋トレを欠かさない筋肉バカの田中は、何にでも筋肉ネタをからめ笑いをとります。
そして凋落の元凶である二代目総料理長の山崎茂(橙感 小野澤慶太)と、その父親で先代の料理長の山崎武(無人武骨 高比良くるま)の親子の確執も見どころ。シリアスな場面ながらボケを放り込んでくる先代料理長が、この芝居の最大の笑いどころとなりました。
しかし、この先代と筋肉バカの田中の間でとんでもないアクシデントが。先代が従業員たちに秘伝のレシピを記したノートを伝授するシーンで、なぜか田中のノートだけない!? この後「Y-1」で披露する「筋肉料理」に繋がる重要なポイントだったため、焦りながらもなんとかアドリブで繋ぎました。
その他、小熊の昔のライバルでもあり「Y-1」で優勝を争うこととなる塚田雄一(せみほたる 大島誠也)の絶妙な嫌味っぷり、ホームレスのおじさんかと思いきや意外な顔を持つ謎の男(ミセス ゴン)の独特なキャラクターもよきスパイスに。
一丸となっての特訓から「Y-1」に向けスピード感あふれる演出で引き込み、ラストにはほろりとさせ、爽快感のある舞台となりました。
エンディングは全員が登場し、歌とダンスで締めくくりました。NSC東京23期生の今後の活躍にご注目ください。
なお、NSC並びにYCCでは、2018年度入学生の願書受付を4月末まで延長して募集中。
詳細は公式サイトでご確認ください。
NSC公式サイト<a href="http://www.yoshimoto.co.jp/nsc/">http://www.yoshimoto.co.jp/nsc/</a>
YCC公式サイト<a href="http://ycc.yoshimoto.co.jp/">http://ycc.yoshimoto.co.jp/</a>