映画ロケ地の撮影当事と現在を見比べて楽しむ企画、第10回島ぜんぶでおーきな祭 カウントダウンイベント~沖縄ヒストリカルムービー番外編~ウチナー映画ロケ地巡り『海燕ジョーの奇跡』を実施
3月31日(土)、沖縄・よしもと沖縄花月にて、「第10回島ぜんぶでおーきな祭 カウントダウンイベント~沖縄ヒストリカルムービー番外編~ウチナー映画ロケ地巡り『海燕ジョーの奇跡』」が開催されました。
沖縄で撮影が行われた『海燕ジョーの奇跡』(1984年)を取り上げ、当時と現在のロケ地の様子を写真とトークで紹介する企画です。沖縄を舞台にした映画がスクリーンで見られるうえ、当事のロケ地と現在の場所がわかるという楽しい企画に、地元沖縄の人たちも興味が強いようで、客席はほぼ満席状態での開催となりました。
進行役として最初にありんくりんが登場し、場内を盛り上げます。そして解説として呼び込まれたのは、シネマラボ突貫小僧の代表・平良竜次さんと、"ロケ地探偵・ロケ地小五郎"の愛称を持つ當間早志さんです。
「この作品は、1974年に沖縄で実際に起きた旭琉会理事長射殺事件を元に作られた映画です。」と、平良さんと當間さんから簡単な作品紹介が行われ、さっそく上映が始まりました。上映中、お客さんは食い入るように映画に見入っている様子で、とても静かな鑑賞時間となりました。
上映が終わると、いよいよ「うちなー映画ロケ地巡りの旅」と題した撮影時と現在のロケ地の様子が解説されます。映画を見て実際にその場所に行き、沖縄県立芸術大学の生徒達の協力を得て再現写真を撮影してきたというお2人。映画のシーンと現在の場所、2つの写真を見比べながらトークが展開されました。
主人公の所属する暴力団が解散する場面。このシーンを探し当てるため、映画に映りこんでいる看板や店舗、当事の地図も駆使し現在の場所を特定したといいます。その場所がコザ十字路の近くだとわかり現在の写真を公開すると、場内からは「おおー」という感心の声が上がりました。写真を使って見せるスライドトークショーは、わかりやすい解説で観客も感心しきりの様子でした。
しかし、どうしても探し出せず困難を極めた場所があったそうで、諦め半分で知り合いに聞いてみたところ、あっさりと場所を特定してくれたというエピソードも披露。当事の建物は無くなっていたものの、そこが現在の市役所の駐車場だったことが告げられると、またもや客席からは「へぇー」という驚きの声が漏れていました。
現在の場所が分かるごとに、ありんくりんは「あぁー!」という驚きの声をあげ、「よく見つけましたね」と関心した様子。ありんくりんだけではなく、客席からも「おー」といった感心する声や「へぇー」といった驚きの声が場所を特定するたびに飛び出し、時折大きな拍手も起こっていました。
主人公の恋人が働くスナックの場所は桜坂での撮影。そのシーンには心霊写真のようなおばちゃんの顔が映りこんでいると平良さんが指摘すると、ありんくりんの2人は「こわいこわい」と叫び、場内からも「ひえー」という悲鳴に近い声が上がりました。でもそれはたまたま映りこんでしまったその場所にある商店のおばちゃんだろうと解説。実際にその商店に映画のシーンを見せて本人に確認を取ると「かもねー」と言われたとのこと。このエピソードには大きな笑いが起こり、先ほどまで恐怖に包まれていた会場でしたがムードが一変するという一幕もありました。
また、撮影地だけではなく実際に事件が起きた場所なども教えながら解説を行う場面では、お客さんの関心も高い様子で、お2人の話に真剣に聞き入っていました。
主人公が逃げ込む警察署は宜野湾市警察署だと判明。現在とまったくと言っていいほど姿が変わっていないことが示されると、笑いが起きていました。
時任三郎さんと田中邦衛さんが沖縄のお墓、亀甲墓を横切って駐車場に行くシーンでは、場所を特定したのですがいまいち確信が持てなかったとのこと。しかし、ブロック塀の傷が全くの一緒だったと解説すると、会場からはまたも大きな拍手が起きていました。
お2人の観察力の深さと鋭い洞察力に、ありんくりんだけではなく観客も終始関心している様子が伺えるイベントとなりました。そして大盛況のうちにイベントは幕を閉じました。
【ありんくりん】