DVD『南海キャンディーズ初単独ライブ「他力本願」』をリリースする南海キャンディーズへインタビュー! 山里「南海キャンディーズでやる漫才って楽しい」としみじみ語る!!
4月11日(水)、南海キャンディーズがDVD『南海キャンディーズ初単独ライブ「他力本願」』をリリースしました。
こちらは、南海キャンディーズが芸歴15年目にして初めて開催した単独ライブ『不毛な議論 presents 南海キャンディーズ初単独ライブ「他力本願」』の様子を収めたもの。山里がパーソナルを務める冠ラジオ番組『JUNK 山里亮太の不毛な議論』(TBSラジオ)にて単独開催を発表し、リスナーから募った漫才のネタ、ラブレターズ・塚本直毅さん作のコント、そしてオリジナルの長尺漫才で大きなグルーヴを起こした単独ライブの熱狂そのものを味わえる内容となっています。
このたび、南海キャンディーズが合同インタビューに応じ、単独を終えての率直な感想を語りました。
(向かって左:山里亮太/右:しずちゃん)
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――まず、初単独を終えた感想を訊かせてください。
しずちゃん すごく楽しかったですね。やる前は怖かったですし、あんなに新ネタを一気にやったことがなかったので憶えられるか不安でいっぱいでした。けど、幕が開いたら、お客さんが温かく受け入れてくださったので、どんどん楽しくなりました。
山里 初めての単独でしたが、"うわぁ、南海キャンディーズでやる漫才ってこんなに楽しいんだ"とネタの最中、ずっと感じられました。来てくれたお客さんや、ネタを作ってくれたリスナーのおかげでもあるんですけど、今までやって来た中でいちばん楽しい漫才が今回の単独で。全部の漫才が人生でいちばん楽しかったですし、しかもその楽しいなっていう記録が1回目、2回目とどんどん更新されていって。最終公演の最後の漫才なんて、"俺はこんなに楽しんでるけど、みなさんにもこの楽しさはちゃんと伝えられてるんだろうか"と考えてしまうくらい、本当に楽しかった。こんな日が来るんだな、単独って大事なんだなと思えたライブでした。
――このタイミングで、初めての単独を開催するに至ったいちばんの理由はなんだったんですか。
山里 コンビ結成して15年になるんですけど、紆余曲折があったというか、そんなに仲がよくない時期も長くて。
しずちゃん (笑)。
山里 その頃、僕の中には単独ライブでネタをつくってる時間があるなら、自分を磨いたほうがいいだろうという野心もありまして。相方は心の奥で単独をやりたいってずーっと思ってたんでしょうけど、僕がそう言わせる空気をつくらなかったし、手を差し伸べることもなかった。しずちゃんが心を許した歴代のマネージャーさんが何人かいるんですけど、その人達がちょこちょこ僕に「単独やらないの? しずちゃんはやりたいって言ってるよ」って言いに来ていたんです。けど、「まぁまぁ時がくれば」って濁し......それが7~8年続いたんですけど、いよいよしずちゃんの単独やりたい欲がマックスに来ていることがわかりまして。あと、『~不毛な議論』のリスナーのみなさんには『M-1グランプリ』参戦に向けて南海キャンディーズを盛り上げていただいていたので、"支えてもらった恩返しってなんだろう?"って考えたときに、単独をやろうと。だから、2人の思いが合致したタイミングでしたね。
――1本目は『M-1グランプリ2014』の決勝で披露したネタでしたが、あの漫才をオープニングに持ってきた思いを教えてください。
山里 南海キャンディーズが世に出るきっかけとなったネタですからね。あそこからスタートしますたよっていう意味と、もう1回、ここから南海キャンディーズ第2章がスタートするという意味で観てもらおうと思いました。
しずちゃん ただ、昔より体のキレが悪くなってるなぁって。
山里 いやぁ、悪かった! 動きが遅くなってたわぁ! あと、仲がちょっとよくなった弊害でもあるなと思ったのは、しずちゃんの攻撃が弱くなっていること。ボクシングで手が凶器になるということを憶えてしまったので、腕をぶん回すところとか殴るところがゆっくりになっちゃったんですよ。もっとぶん回さないとさぁ。
しずちゃん (笑)。いつもトレーナーに言われていた「人を殺すくらいの気持ちで」を思い出したいと思います。
山里 サンドバッグに、俺の写真を貼ってたもんね? しずちゃんの弱点は優しいことだから、人を殴れないという壁を越えなきゃいけなくて。コーチがサンドバッグに俺の写真を貼ったら、幕之内一歩みたいにズドン!って音が出たって聞きましたよ。
――(笑)。"他力本願"というテーマにしたのは?
山里 リスナーの方はもちろん、リスナーじゃない方も"初めての単独なんだから、自分達でネタやれよ"って思われるのが普通だと思うんですけど、シンプルに南海キャンディーズとしてコンビで戦うっていうことが怖くて。で、そう思ったときにいつも助けてくれたのがリスナーなので、今回も一緒に戦ってもらって、僕がこの恐怖から逃げないようにしてもらおうという気持ちはありました、まぁ、相方がこのシステムについて、どう思っていたかはわからないんですけど。
しずちゃん あぁ、よく考えたなぁって思ってるよ。採用されるリスナーさんも喜んでくれたし、いいシステムですよね。いいネタだったので(営業や劇場の出番でも)使わせていただいていますし。
山里 うん、むちゃくちゃいいネタだったもんね。
――ラブレターズ・塚本さん作のコントも面白かったです。初めてコントに挑戦されたと思うんですけど、やってみていかがでしたか。
山里 僕はドラマにも出たことがないので、演技は大根で......。こっちは、練習のときから女優感出しやがって!
しずちゃん 出してないよ!(笑)
山里 「こっちの角度のほうがいいですか?」みたいな空気出してくるのは、うるせーな!と思いながら観てました。
しずちゃん ふふふ。山ちゃんが演技できないので、本番ではできるだけ喋らんように、台詞がすくないようにって、塚本くんに1回ネタを修正してもらったら、ナレーションばっかりが増えました。
山里 最初はめちゃくちゃ台詞があったもんね? もっともらしい感じで「ちょっと俺が喋ると雰囲気が壊れるなぁ」って繰り返したら、絶妙な台詞量になったけど。
しずちゃん うん。決まった台詞はほとんどなかった。
山里 なかったね、「山里さんが好きなことを喋るゾーンです」って言ってくれて。(塚本さんの相方である)溜口(佑太朗)も誉めてくれたもんね?
しずちゃん あぁ、童貞感?
山里 そうそう。「童貞感、出すのがうまいですね」って。『キングオブコント』のファイナリストが認めたんだから、セミファイナルくらいはいけるかなと思ってます。
――稽古はかなりされたそうですね。
山里 めちゃくちゃしました。ラブレターズに「単独の稽古って大変だな。2人はどれくらいやってんの?」って訊いたら、7時間くらいやってるって言ってて。僕はめちゃくちゃ稽古したなと思って4時間くらいだったから、相方に7時間もやってるってバレちゃいけないから「帰れ、その情報は出すな」って言って(笑)。昔はどっちかって言うと、しずちゃんのほうが稽古サボってよね。台詞を憶えてこなかったりしたじゃん。歳を重ねたら、むちゃくちゃ稽古したがるようになってたよね。
しずちゃん そうやなぁ。山ちゃんのほうが、もっとやろうって言うてたな。私は今回、不安でしょうがなかったから、稽古して安心したかったんです。
――初合わせの際に、しずちゃんさんはすでに台本を持っていなかったとか。
山里 そう! 女優面をかましてきてねぇ。台詞入れて来てますよ感を出してたんですよ。
しずちゃん ちゃんと頑張って、憶えてるんやからいいやんか(笑)。
山里 昔は僕、てにをはを間違うのも許せなかったんです。「今のは"が"って言ってるけど、"で"だから」っていちいち言ってたんですけど、今は気にしなくなったから、しずちゃんも憶えやすくなったのかもね。だから、今のシステムはしずちゃんに合ってるんじゃないかなと思います。
――2016年、2017年と『M-1グランプリ』に再び参戦されましたが、出ようと思ったのは?
山里 『M-1グランプリ』に出ている同期......例えば、ダイアンがめちゃウケてるのを観て、あの場で漫才がウケるのってすげぇカッコいいなと思ったんです。僕もオードリーの若ちゃん(若林正恭さん)とかと一緒にやったりして漫才で心を満たしてきたはずなんですけど、戦いに行く漫才はコンビでしか出ないんだから取り組むべきだな。でも、参戦して変な感じで負けるのも......。今から超現役の若手たちとの戦いに挑んで、南海キャンディーズってやっぱりロートルじゃねぇかって言われるんじゃないかっていう怖さみたいなものがあったんですけど、しずちゃんがボクシングをやってから戦うことへの意識が高まりまして。「どうしても戦いたい」って孫悟空みたいなことを言い出したんです。
しずちゃん そうですね(笑)。ボクシングをやったからか、できるだけ人と殴り合いたいっていうか、やり合える場所に行けるならっていう思いはありました。ボクシングで引退して、何で戦えるのかって考えたときに、『M-1グランプリ』がありがたいことに芸歴15年まで出られるようになったので、資格があるならやりたいなと思ったんです。
――ボクシングでオリンピックを目指していたときにも、漫才のことは考えていたんですか。
しずちゃん どうやろう?......あんまり考えてなかったかな(笑)。強くなることしか考えてなかったもしれないです。
山里 なかっただろ? 顔面を腫らして、楽屋に来てたんだから。ネタ合わせもしないで、ずーっとシャドーやってるんですもん。なんでか知らないけど、生のニンニクをバリバリ食いながらね。あれ、イヤだったわぁ!
しずちゃん (笑)スタミナを付けるために食べてたんです。でも引退してから、自分が何者なんだと思ってきたというか。芸の基本、ベースになるものがないのに、単発でお仕事をいただくことが怖いなと。やっぱりベースとなるものをつくらなあかんなって、すごく不安になったのが大きかったですね。
――15年間、紆余曲折があったそうですが、現在、お互いの存在ってどんなふうに考えていますか。
山里 どうですか?
しずちゃん まぁ、昔よりはだいぶ仲よくなって、世間話もたまにするようになりました。おじさんとおばさんになったこともあるんでしょうかね。ボクシングをやっていて離れていたときから、(関係性が)変わりつつあるとは感じてましたけど。
山里 過去を振り返ったときに、今がベストだと思います。昔は死ぬほど仲が悪かったですから。......東野(幸治)さんは僕のこういう記事を全部読んでるんですけど、こういう話になったときに(話している部分を指しながら)「山ちゃん、あかんやん。自分の仕事が増えたから、仲よくなったんやろ」って言われますけどね(笑)。まぁ、さっきも言いましたけど、南海キャンディーズで漫才をやって楽しいと思える日が来るとは思ってなかったんですよ。だから自分なりの楽しみを見つけたり、ユニットを組んで漫才をしたりして、ネタへの欲求は満たしていると思っていたんです。けど、南海キャンディーズっていういつでも漫才ができる場が、そうなれたのは本当によかったし、いい関係になれたんだと思います。
――今回の単独ライブは『~不毛な議論』の企画から始まりましたが、改めてリスナーへの気持ちを聞かせていただけますか。
山里 1回目からリスナーにいちばん助けられている番組。せめてネタだけでも面白いと思わせてやろうと、たくさんのリスナーさんが投稿というかたちで協力してくれて。その集大成である今回の単独ライブでは、僕らのためにリスナーがネタを書いてくれました。言ったって、もらえるのはバッヂですよ? なのに、めちゃくちゃ時間を割いて、僕らの新しいかたちを探してくれたし、僕が避けていたなかで単独ライブの良さをずっと教え続けてくれていた。南海キャンディーズの漫才からも逃げないように、いい意味で追いつめてくれたからこそできた単独で、リスナーがいなかったらもっと早い段階でコンビは終わっていたのかもしれないとすら思います。
――山里さんにとって、『~不毛な議論』は大切な存在なんですね。
山里 むちゃくちゃありがたいです。いろんなときに自信をなくすんですけど、"俺、1人でラジオやってるんだ"っていうのは大きな心の支えになっているというか、なかったらどうなってたんだろうと思うくらい大切なものです。相方は知らないと思いますけど、早い段階でしずちゃんをゲストに呼ぼうとしてたんですよ。でも、「イヤです」って断ってました。「しずちゃんをラジオには関わらせたくないです。僕の場所なんで」って言ったくらいだったんですけど、ラジオに出た相方はシンプルに面白かったんです。
しずちゃん 『M-1グランプリ』に挑戦しようっていう生電話で出させてもらったんですけど、私は岩手県にいたのに、スタッフさんがわざわざ電車から下りて車で2時間くらいかかるところまで来てくれたんです。やっぱりラジオは山ちゃんのもんやと思ってたから、私のためにスタッフさんがそこまで動いてくれることにまずビックリしました。で、今回の単独でリスナーさんの存在の大きさを感じて......。普段、1人でライブをやらないので、お客さんと触れ合うことがあんまりなかったんですけど、(今回、単独を開催して)2人を応援してくれる人がこんなにいるんやと知ることができて嬉しかった。ファンって、こういう人達のことを言うんや。この人達のおかげで、単独ができたんだなと感じましたね。
山里の誕生日である明日4月14日(土)には、東京・タワーレコード渋谷店1F「CUT UP STUDIO」にて、発売記念イベントを開催。詳しくは、よしもとミュージックエンタテインメントの公式ページ(http://yoshimoto-me.co.jp/artist/nankaicandies)をご確認ください!
【南海キャンディーズ】
DVD『南海キャンディーズ初単独ライブ「他力本願」』
価格:3780 円(税込)
商品コード:YRBN91209
収録分数:本編145分+特典映像25分
南海キャンディーズ初の単独ライブをDVD化!
TBSラジオ「水曜JUNK 山里亮太の不毛な議論」の企画で南海キャンディーズが初の単独ライブを開催!
コンビ結成15年にして初めての単独ライブが実現!
リスナーの応募の中から選ばれたネタを披露するほか、本人達の手による新作漫才、 さらにラブレターズ塚本直毅、書き下ろしによる南海キャンディーズ初の本格コントも収録!
<SPECIAL CONTENTS>
■南海キャンディーズがライブを振り返るオーディオコメンタリー!
■2月28日に放送された「山里亮太の不毛な議論」にカメラが潜入!
聞くことしかできなかった「単独ライブ延長戦」の一部を貴重な映像でご紹介!
■各公演のジャケット撮影写真スライドショー
*2018年2月17日(土) 東京グローブ座にて収録