ノンスタ・石田の発言に井下好井・好井が唖然!? 舞台『火花~Ghost of the Novelist~』紀伊國屋ホール公演記念トークイベントレポート
4月5日(木)、東京・紀伊國屋ホールにて、舞台『火花~Ghost of the Novelist~』による紀伊國屋ホール公演記念トークイベントが開催されました。
第一部「『火花』から広げる読書」は、『火花』の原作者であるピース・又吉直樹と、現在、紀伊國屋書店新宿本店にて開催されているフェア「『火花』から広がる読書」の担当スタッフによる対談。スタッフがこのために制作した、又吉作品から抽出したキーワードとそれに添ったオススメの書籍を紹介するフリーペーパーをもとに、トークを繰り広げます。
まず、又吉が食いついたのは"散歩"。「僕は歩くのが大好きで。自分では気付かなかったんですけど、こんなに主人公が歩く小説は珍しいとよく指摘されるので、面白いキーワードやと思います」と感想を語ります。
ネタを作ったり、文章を書いたりする時によく歩いているそうで、「歩いていると、そこにいる人の会話が入ってくるんです」と又吉。井の頭公園で実際、見聞きしたエピソードを語りつつ、「人との待ち合わせがうまくいかへんとき、どうしてるかが思い浮かんだりする。文章を書こうと思っていても、(自分の発想だけだと)知っている材料からしか書けない。そこから、どうやって逃れるのか。友達の悩みみたいなものを聞いている時、『こうしたら?』っていう提案は今まで閑雅てなかったいいことが言えてるじゃないですか。あのモードにどう入っていくかなんですよね。で、外からの刺激を取り入れるのに、いちばん手っ取り早いのが散歩なんです」と表現の思考の広げ方について説明。「『東京百景』っていうエッセイはわかりやすく実践したエッセイなのかな」と自身の作品を例にして話すも、「本の宣伝みたいになってしまいました」と我に返ったように笑いながら呟きます。
"住居"というキーワードでは、「小説と密接な関係がある」と切り出した又吉。「ドアをバーン!と閉める人いるでしょう? ああいう人はお金持ちやったんちゃうかなと思う。僕は大阪の文化住宅に住んでいて、隣りの黒田さんが音楽をかけたらテレビを消して一緒に聞くくらい、壁が薄かった」と自身の経験を話しながら「日本家屋は声が響くから、小説での会話ではこれくらいの音量で喋られていたんだろうなと推測できる。建物で声の大きさや話し方は変わってくるから、どんな家なのかをイメージしながら読むと、頭の中で再生される声は変わってくるんです」と説明しました。
1つ1つのキーワードについて没頭して話す又吉ですが、あまり時間がないということでいきなり「もう終わりましょうか?」とポツリ。「本屋さんの上に劇場があるっていいですよね。本と舞台が繋がっている感覚があって」と場内を見渡しながら、「短い時間ではありましたが......」と締めました。
第2部は「『火花』出演者によるステージトーク」ということで、観月ありささん、植田圭輔さん、NON STYLE・石田明、宮下雄也が登壇。MCを井下好井・好井まさおが務めます。
観月さんから順に呼び込もうとしますが、「全員、一気に呼んだほうがいいですよね」と好井。すでに上手から出て来ていた観月さんへ「1回、はけてもらっていいですか?」とお願いして、全員同時に呼び込みますが、誰も出て来ず。セオリー通りの展開に、好井は「いや、来ぇへんのかい!」と軽快にツッコみます。
30日に初日を迎えた面々。「稽古期間が長かったので、初日を終えてほっとしました」と話した観月さん。植田さんが「ここまで連日、たくさんのお客さんに来ていただいて、感謝の気持ちでいっぱい」と話すも、好井に「初日を迎えて? ずれてる」と質問の意図通りの返答を要求されると、笑顔で「ホッとしてます」と話します。
石田曰く、「又吉は舞台慣れしていない」そうで、「(又吉の真似をしながら)ぼそっと『役者さん、すごいなぁ。毎日こんなん出けへんわ』って。鏡の中の又吉と又吉が会話してる。『今日初めてくるお客さんもおんねんな。頑張ろう』とか言うたり」と話して、好井が「独り言のラリーをしてる」と同調すると、客席からドッと笑いが起こります。
「M-1王者である石田さんと漫才やるのは緊張するし、未だに緊張が取れない」と話す宮下。アドリブ満載の漫才は毎回、展開が違うそうで、宮下が「いつもオチだけ教えてくれるんです。『パンみたいに言うな。もうええわ』で締めて」と言えば、石田は「本番前に『やっぱりピザで』と言うたこともあった」と回想。「毎回、どきどきしますよ!」と胸の内を明かす宮下です。
好井から、石田へ「『お笑い不感症やねん』って言うてますけど、あれなんですか?」という質問も。「ウケるネタの作り方はある程度わかってきたから、そのシステムで笑いを取っても快感を得られない。ないシステムで笑いと取ると、すげぇ気持ちいい。その感覚がたまらないんですよ」とニヤニヤして答えながら、「NON STYLEの漫才はスベったらあかん。それがストレス。やから、スベってる時間はめちゃくちゃ気持ちいいのよ」と話すと、好井は「お笑いドスケベやん......」と感嘆しました。
途中で又吉も加わると、芸人と役者それぞれの立場から演じることについてトーク。
宮下が「芸人さんのほうが真面目な気がします。ダメ出しを受けたところは直してくるし、役者さんっぽい」と話すと、「自分でむっちゃ真面目やなと思う」と答えた又吉。ただ、それはどうしていいかわからないからだとして「水たまりがあったとしても、そこに立っている」と話しつつ、「観月さんとか植田さんは自由に演じているというか、緊張してる感じがせぇへん」と分析。「サッカーで言うと、ブラジル代表みたいな感じ。アップはそこまでやってないけど、本番でできるみたいな感じやねんなぁ」と羨ましそうに話すと、「又吉は毎回、緊張してるもんな」とニヤリとする石田。本番のエンディングで観月さんを紹介する瞬間ですら緊張しているそうで、又吉が「"観月ありさ!"って紹介するあれ、何回か練習しました」と話すと、ドッと笑いが起こりました。
最後は、好井の提案で「よ・し・い・ま・さ・お」を題材としたあいうえお作文で、好井、観月さん、又吉、植田さん、宮下、石田の順番で、舞台のPRを行なうことに。
「よくできた話を」(好井)「知らなかった部分にも光が当たり」(又吉)「いつもより今日は華やかに」(観月さん)「まだまだ続く公演ですが」(植田さん)「作品に全力を注ぎ」(宮下)といい感じで続いてものの、トリの石田は「俺は今日、休みます!」と発言。予想もしないオチに、いっそうの笑い声が響きました。
舞台『火花~Ghost of the Novelist~』は、4月15日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて、5月9日(水)から5月12日(土)まで大阪・松下IMPホールにて上演。ぜひとも来場ください!
【又吉直樹】【ピース】【石田明】【NON STYLE】【好井まさお】【井下好井】【宮下雄也】
舞台『「火花」~Ghost of the Novelist~』
原作:又吉直樹(ピース)
脚本・演出:小松純也
出演:観月ありさ、植田圭輔、NON STYLE・石田明、ピース・又吉直樹、井下好井・好井まさお、 宮下雄也ほか
<東京公演>
日程:3月30日(金)~4月15日(日)
会場:紀伊國屋ホール
<大阪公演>
日程:5月9日(水)~5月12日(土)
会場:松下IMPホール
チケット料金:一般8000円 、学生5000円(平日公演のみ)※全席指定
詳しくは公式HP(http://hibana-stage.com)をご覧ください!