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2018年4月24日 (火)

目の前に恋人のコピーが現れたら!? 舞台『幻影かもしれない』に出演する光永&かたつむり・林へインタビュー!

5月24日(木)から27日(日)までの4日間、東京・神保町花月にて舞台『幻影かもしれない』が上演されます。

主人公・形代悠の同棲する婚約者・弦本永太が事故に遭遇したことから展開していく今作。事故が起きてから発見までの記憶がないものの、元気な姿を見せた永太に喜ぶ悠ですが、のちに「大破した車の中から、永太の遺体が見つかった」との報告を受けて......。愛した人の死、その愛した人と全く同一のコピーなど、恋愛観や死生観を問う物語の結末を、今作では観客が選ぶというマルチエンディングストーリーがどうなるのかにも大きな注目が集まります。

今回、悠を演じる光永、永太を演じるかたつむり・林大介にインタビューを敢行。稽古前の心境を語ってもらいました。
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(向かって左:かたつむり・林大介/右・光永)

 *  *  *  *  *  *

――光永さんは主人公・悠を務めますが、今回のお話をいただいた時、まずどんなことを思われましたか。

光永 最初にマネージャーさんに「難しい役の仕事が入ってくると思うんですけど、大丈夫ですか?」って聞かれて。「ぜひ挑戦させてください」って言ったんですけど、プロットを読ませてもらったら本当に難しそうな役だなという印象を持ちました。主演の経験は今まで何度かあるんですけど、元々の明るさを活かした役が多かったので、今回のような何かを背負っていてどうしようって悩むような感じの役は初めてで......。
林 いつもはバカみてぇにやってるだけだもんなぁ?
光永 おいっ!
林 (笑)光永とは、神保町花月の公演でも何回か一緒にやったことはあるんですよ。上から目線で言うつもりはないですけど、女の子の部分がめっちゃあるというか。
光永 えぇ、もちろんそうですよね! ちゃんとありますねぇ!
林 ふはは! そういう役を演じているのも何度か観てますし、基が器用なので楽しみですね。

――そんな光永さん演じる婚約者・永太を演じるのが、林さん。かなり見せ方が難しそうな役ですけれど。

林 まぁ、難しくするのかしないのかは、自分次第ですから。
光永 うざい!(笑)。難しくしてよ、じゃあ。
林 ははは! プロットを読ませてもらった感じで言うと難しいというより、どういう感じになるのかなというのが楽しみでもありますし、怖い部分でもありますよね。実際、すべての流れが見えた時、どう感じるかが今はまだわからないので。でも、話自体はむちゃくちゃ面白そうなので、演じるのも楽しみですけど。
光永 私は、林さんを観て笑わないかが不安です。本番に入ればいいんですけど、稽古の段階では"林さん感"を出してくるので、笑っちゃうんですよね。自分が真剣に芝居しているのを目の前で見られるのも、ちょっと恥ずかしいですし......。

――クラッシャータイプですもんね、林さん自体(笑)。

光永 そうなんです。何を言い出すかわからないから不安です。
林 僕は台本に忠実に演じるだけです!

――プロットでストーリーを追った印象はいかがですか。

光永 遺体とコピーをどうやって同時に見せるんだろうとか、気になるところがたくさんあって。どんな演出がされるのか、全く想像できないなと思いました。
林 だから、俺に話が来たんでしょうね。"こんな難しい役は、林にしかできない"って。
光永 ............え!?(笑)
林 ふはは! ほかの共演者も芝居がうまい人が多いじゃないですか。まず、シューさん(シューレスジョー)がいるし、大谷さんも1~2回一緒にやったことがあるんだけど、上手。ヒラノくんもめちゃくちゃ上手ですよね。
光永 大西ユースケは、大阪の同期なんですよ。最近、俳優班として上京したみたいなんですけど、昔から面白くて。たまに奇をてらうようなこともするんですけど、お上手ですよ。あと、三木美加子さんの色気にも注目です。舞台上が、いい匂いに包まれると思います。
林 ふふふっ、そうなの!?
光永 稽古場に差し入れでパウンドケーキとか焼いてきてくれるんです。最高っすよ!
林 そういうタイプね。楽しみです、脚本も福田さんですし。
光永 で、演出は足立さん。万全ですよ、これは。
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――現段階で、それぞれの役について想像していることは何かありますか。

林 光永も言ったように、僕の役はコピーがいるという設定なんですけど、どう見せるのか。今はクエスチョンマークな状態なので、これから台本を読んで福田さんの意図と足立さんのやりたいことを聞きながら役を固めていくことになりますよね。やったことのないお芝居なので、楽しみですけど。
光永 私が演じるのは恋人のコピーが現れるという役なので、自分にほんまに好きな人がおって、死んだのはわかってるけど目の前におるってなった時、どっちを選ぶんやろうと考えてみたんですけどわからなくて。今回の舞台って、お客さんに結末を選んでもらう訳ですけど、役の感情の持っていき方次第で結論が偏ったりするんじゃないかなって。その辺は楽しみでもあり、プレッシャーでもあったりします。
林 確かに、どう演じるかでお客さんの選択も変わってきそう。
光永 そうなんです。私がコピーを受け入れる体勢で演じていたら、お客さんも受け入れてしまう気がして。だから、演じ方は重要になってくると思いますね。

――今、光永さんが話してくれたように、今回、観客が結末を選ぶという新たな試みがありますよね。そういうお客さん参加型のお芝居って、あんまりないような気がしますけれど。

光永 結末を選べるってことは、2つのパターンの稽古をしないといけないってことですよね?
林 そういうことだね。僕は今までやったことがないかたちなので、どうなるのか。アンケートを集計している間、何をするのかも気になるし。
光永 ダンスですかね? 神保町花月でたまにあるじゃないですか。
林 ふはは! それに、全公演が2つあるうちの1パターンになるっていう場合もあるんじゃない? その辺は、お客さんが何度も観に来てくれて、こっちは観たから次はこっちを観たいと思ってくれたら嬉しいですよね。
光永 プロットの段階では、お客さんって優しいから、受け入れるほうが多いんじゃないかなって思ってたんです。でも、全員の演じ方次第で、受け入れない可能性もあるのかなって思ってきました。

――その辺、林さんがどう演じるかにもかかってますよね? めちゃくちゃ感じの悪い人だったら、「あの人よりほかにいい人がいるよ」ってなりそうっていうか。

林 そうですよね。めちゃくちゃ嫌われたら、ぜってー受け入れねぇ!って思われそう(笑)。
光永 私たちも毎回、結末がどうなるかわからずに演じていかないといけないですからね。めちゃくちゃ受け入れられない感じでやっていたのに、お客さんが受け入れるほうを選んだりすると、芝居を変えることになるんですかね?
林 どうだろう? その辺もどうなるのか、楽しみですね。
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――もし光永が演じる悠と同じような状況に置かれたら、お2人はどうしますか?

林 恋人が死んで、そのコピーが出て来たらってことですよね? 俺は......記憶も全部一緒だったとしても受け入れられないですね。
光永 私は受け入れます。
林 はえーーー!!!
光永 コピーにも好きな人だということに変わりはないので、受け入れないってことは悲しませることになりませんか?
林 でも、俺の愛した肉体ではない訳じゃん?

――肉体を形成している物質は同じでも?

林 だって、恋人は死んでるんですよ? 記憶も含めて何もかもが一緒だとしても、人生の中で培って来た喋り方とか、違う部分が出て来ると思う。そこに気付いた時、苦しくなる。......お互いね? お互いだよ? 俺だけじゃないよ。俺だけ苦しいなら、我慢できるけど......(と、言いながら泣くフリをする)。
光永 えぇ!?(笑)
林 ははは! だから、全て同じだとしても受け入れられないですね。どう?
光永 (その意見を)聞いても受け入れられますね。記憶も性格もコピーされているのであれば、型番が変わっただけであって、全部一緒なんじゃないかなと。だから、脱皮したんだくらいの感覚で、その人を愛すると思います。その人が愛してくれるのであれば、ですけど。
林 今回は事故で死ぬけど、殺されたとしたらどう? それでも愛せる?
光永 で、恋人のコピーが出て来ると。
林 うん。殺した奴はどうするんだろうとかって思うじゃん? 事故だからコピーを受け入れられるかもしれないけど、第三者が出て来るとまた変わってくるんじゃない?
光永 ............私もコピーになることはできないかな?
林 ははは! コピーを作る技術があるなら、できるかもしれないね。
光永 ですね(笑)。まぁ、帰り道にこんなことを考えてもらえる作品になったらいいですね。

――お2人ともこういったお仕事が少なからずあると思いますが、お芝居は好きですか?

林 好きですね。例えば、自分達で考えてやるコントって、ウケるかウケないかがいちばんじゃないですか。だけど、お芝居は今回だったら福田さんが脚本を書いてくれているし、ウケるかウケないかはそこまで関係ないので気が楽ですよね。もちろん、笑いを取るシーンもあるんでしょうけど、与えられた役を演じるのは普段やらない分、楽しい。芸人だから芝居をやるのは......みたいな気持ちは、2年目でなくなりました(笑)。
光永 その2年間で何かがあったんですか?
林 とがってた時期もあったけど、神保町花月に出続けたら麻痺したというか。年13回出ていると、そんな気持ちはなくなりました。まぁ、面白いですよ。稽古を通して、みんなとチームになれるのも楽しいですしね。
光永 仲よくなれますよね。
林 うん。あと、5公演全てが同じかというと、そうじゃない。本当は全公演コンスタントにやれるほうがいいんでしょうけど、やっぱり舞台は生ものだから、ここはこういう反応なのかとか毎回、違う反応を感じられるのも面白いですね。
光永 私もお芝居は、自分の性格や人生と違う人を演じられるので楽しみです。で、稽古を一緒にやった先輩や後輩と友達みたいな関係になったり、一緒に青春のシーンとか演じられたりするのも楽しいですね。
林 特に、光永はピンだから。
光永 そうですね。いつも1人なので、稽古場に行くのも楽しみです!

――では、最後によしもとニュースセンターを読んでくださっている方々へメッセージをお願いします。

光永 主演って言ってもらっている以上、絶対来てくれないと困ります!(笑)今作はちょっと難しい話ではありますけど、必ず楽しませるので来てください。お待ちしています!
林 来ないと体験できない作品だと思うので、初日に来ていただいて、もう1つのエンディングにも興味を持ってもらえるようなお芝居にします。考えさせられるテーマでもあるので、"今日観たものは、幻影かもしれない"って思ってもらえたらいいなと。
光永 おっ、いいですねぇ!
林 ははは! 楽しい芝居になりますので、恋愛している人、していない人、結婚している人、していない人......いろんな方に観に来てもらえたら嬉しいです!


【林大介】【かたつむり】【光永】

舞台『幻影かもしれない』

脚本:福田晶平
演出:足立拓也(マシンガンデニーロ)
光永、林大介(かたつむり)、ヒラノショウダイ、大西ユースケ、シューレスジョー、三木美加子、西田どらやき、大谷麻乃、根本秀大(サンタ)、村田翔平(全自動サーカス)
料金:前売2,500円/当日3,000円
チケットは、チケットよしもと(http://yoshimoto.funity.jp)にて好評発売中!

<公演日時>
5月24日(木)19時開演
5月25日(金)19時開演
5月26日(土)14時開演/17時開演
5月27日(日)13時開演

<あらすじ>
形代悠(かたしろ ゆう)は同棲する婚約者、弦本永太(つるもと えいた)との結婚を間近に控え、温かな幸せの中にいた。 そんなある日。 車で出張先へ向かったはずの永太と全く連絡が取れなくなってしまう。
事故に遭ったのでは?と心配する悠だが、それらしいニュースもない。不安な日々を過ごす悠の元へ、大破した車と永太が発見されたという連絡が入る。 悠は一体何があったのか尋ねるが、永太は事故が起きてから発見されるまでの記憶が全くないという。不思議に思いながらも元気な様子の永太に悠は素直に喜ぶ。
ところが、次の日、警察の事情聴取から帰ってきた永太の顔色は悪く、部屋に閉じこもってしまう。翌日も永太はふさぎ込んだまま。本気で心配する悠に心を決めたらしい永太は、悠をある場所へ連れて行く。そこはとある医療施設。受付で悠たちを迎えたのは公安職員を名乗る男だった。 男の説明は悠には信じがたいものだった。
「……崖下で大破した永太さんの車、そして…永太さん自身の遺体が発見されました。」
悠の目の前に運ばれてきた遺体の顔は永太と全く同じ。それでは「今」ここで生きている彼は一体? さらに男の説明は続く。 何らかの超常的現象によりコピーが生まれ、そのコピーのDNA、身体的特徴、また記憶までも全てが死んだはずの永太、オリジナルと全くの同一だと言うのだ。
すべての説明を聞いて混乱する悠。 目の前には愛した人の遺体と、そしてその傍には愛した人と全く同一なコピー人間が伺うようにこちらを見ている。 もしもあなただったらどうしますか? 彼を受け入れますか? それとも……。
観客の皆さんの投票結果で、彼女の未来が変わります。 彼女の未来を決めるのはあなたの一票、なのかもしれません。
決して一つではない答えを考えてみませんか?