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2018年8月 3日 (金)

劇団コケコッコー第二回公演「恋の文」上演! プリマ旦那・野村インタビュー

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よしもと漫才劇場を始め、劇場やテレビで活躍している若手コンビ、プリマ旦那。ボケ担当の野村尚平は、コンビでの活動のほか、芝居の脚本・演出、落語など、その才能を多岐にわたって発揮しています。10月19日(金)、20日(土)には、野村自身が主宰する劇団コケコッコーの第二回公演「恋の文」がABCホールにて上演。今回も脚本・演出・出演の三役をこなす野村に話を聞いてみました。


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----今回はどんなお話ですか?

「タイトルにあるように、手紙をモチーフにしたお話で、昭和の香りが残る片田舎の古めかしい郵便局が舞台の現代劇です。そこは街に住んでる方々がバタバタと集まってくるようなところなんですが、事情を抱えた男が郵便局員として赴任してくる、と。そして、そこで出会った一人の女の子が、ある手紙をしたためるんですけど、その手紙にもいろんな思いがあって...というお話です」


----今回の脚本を書こうと思ったきっかけは?

「2年ほど前にラジオで"愛と恋の線引きを教えてください"というリスナーさんからの問いかけがあったんです。それでラジオ局の広辞苑を持ってきて調べることになったんですけど、その時の広辞苑が本当に古くて。意味を調べてみると、恋の定義が"いっしょに住めない、亡くなっているなどの理由があって、いっしょにいることができない人に対して募らせる想い"みたいなことが書いてあったんです」


----なんか古風な感じですね

「その言い回しが、僕は時代背景もあるのかなと感じて。今みたいに電話やメールがない時代ならではの感覚なのかな、と。その時に手段としてなんとなく手紙を連想したんです。その当時、大事にされてたものだろうなって。僕ら世代もそうですけど、今ってあんまり手紙を書く文化が無い、でも当たり前にある普遍的なものでもある。そんな"手紙"をモチーフにしたお話を書きたいという気持ちが、その頃から漠然とありました」


----それが2016年?

「そうですね。ざっくり2年くらいは悶々と」


----じゃあ、仕上げようと思ってからはどれくらいで出来上がったんですか?

「それがバラバラで...。プロットや草案は、それこそ並行して10本前後はあるんですが、そのうちのひとつなんです。今あるプロット、そこからさらに思いつくものがあれば、何個かのプロットの設定をかけ合わせたり。今回は、キャラクターとかもスライドさせたりしましたね」


----そもそも芝居に興味を持ったのはいつごろなんですか?

「芝居というか映画は2歳、言葉を覚えたくらいから毎日見てたみたいです。幼稚園のお遊戯会で演出つけて、洋画の役者さん、監督とかの名前を出して、先生に心配されて親が呼び出し食らうっていう。その頃からなんか言いたい、作りたいっていうのはあったみたいです」


----じゃあ子供の頃からの夢だったんですね

「映画が好きで、お話を考えるのも好きだったんです。僕は喜劇役者になりたくてこの世界に入ってきたので、それを形にするためにはチャンスを待っててもこないですしね。それで自分で機会を作ろうと思った時期と、諸先輩方がお芝居を企画されてる時期が重なって。飲みに連れて行ってもらったりしていく中で、僕に書かせてもらえませんかって話をして、そこから何本か書かせてもらえるようになったんです」


----劇団コケコッコーを作ろうと思ったきっかけは?

「ある程度自分が書きたいものができたときに、コンスタントに(芝居を)打てる母体がほしいなと思ったことですね。そして僕の作り方を面白がってくれる人と一緒にものを作っていきたいなってなったときに、じゃあ劇団を。ということになりました」


----その劇団について教えてください

「良くも悪くもウソのつけない連中です。パーソナルなところでやっぱりなんかおもしろかったり、いいやつだったり、人間くさいなとか。だから人くささが劇団のカラーって感じはありますね」


----メンバーはどうされたんですか?

「何度かご一緒してるフリーの方とか後輩とかも含めてお声がけしました。けっこう女性陣は、芝居経験豊富な人が揃ってます。男性陣に目をやると、本当に線の細いやつが集まってて。普段一緒に飲むやつが多くて、ちょっと人間的に欠けてる人がコンセプト、というか結果そうなったんですけど。人間味があって本当にその人が言ってる言葉にウソがないので、それが見てる人に伝わるかなと思います。それでいうと新喜劇に新しく入団した北野くん。声もハスキーで、それこそ滑舌とかは終わってますし(笑)。でも一生懸命しゃべるんですよ。それが笑っちゃうときもあれば、なんかグッと泣きそうになるときもあったりっていう。いいキャラクターですね」


----コンビ結成当時からお芝居というのは頭にあったんですか?

「僕はありましたね。元を正せば、渥美清さんとかジムキャリーとかが好きで。それが何から手を着けたらいいのかわからず、同級生にそそのかされて漫才の大会に出て、今度は吉本の社員さんにそそのかされ養成所に入って。なんかどうしていいかわからんから聞いていったら、聞いた相手が悪くて(笑)。お芝居をやるまでにはすごく時間がかかったんですけど、まあおもしろいことを作りたいということには変わりはないので。漫才なのか、コントなのか、落語なのか、お芝居なのか、というところで僕はなんか一個に絞らず、やりたいことをやれればいいなと思ってやってきてる感じですね」


----芝居の面白いところってどういうところですか?

「あのオープニングの登場のとこでやってたあの動きってこういうことやったんか、ていうのが1時間半後にわかるってことができたり。あと僕らは普段お客さんの笑いを揺さぶりに、笑かしにかかる仕事なんで、それだと表現しづらいものができる、お芝居はそこの格子を外してくれるような感じがありますね」


----演出の面白さはどういうところに感じますか?

「みなさんがお持ちのメソッドとか理屈とかを、いい感じに壊して、ちょっと無理言ってでもこっちの方がおもしろさが伝わる、なんか泣けちゃうとかがあれば、ちゃんと敬語でキャリアが後輩でも頭下げて、お願い1回やってみてって。それを舞台にして、僕がお願いしたやり方で反応があったときに、演者さんも納得してくれるんですよね。もちろん、逆もあります。演者さんからこっちの方がよくないですかって言ってもらって、ハッとさせられたり。そして、ことお笑いでいうと台本で取りたいなっていうのがあるんですよ。お芝居の役柄、キャラクターを好きになってもらった上で、そのキャラクターが言ってることがおもしろい!ってなってもらえるのがうれしいんです。"プリマ旦那の野村くんが今こんなこと言ったからおもしろい"ってお芝居の世界に入ってもらえてないじゃないですか?」


----しっかりお芝居を見てない感じですよね

「演出つけるとき"外に出る"って僕は使うんですけど、お話から外に出るのはやめましょうと。そうじゃなくて台本のなかで、お話しの世界にお客さんに浸ってもらったうえで、キャラクターを好きになったり、嫌いになったり、だからこそ笑えたり、っていうようなことを、演出ではいつも心がけてます」


----そこはお笑いとはまた違った楽しさですよね

「そうですね、お話の中を生きてる人のことなので」


----脚本・演出をしてご自分で出演もされてます

「僕は単純におもしろくて、その人がキャラクターに合ってたらなんでもエエやんって考え方やったんですけど、書いて出て、何より主役を張るって、お前どんだけ目立ちたいねん!みたいな、ネガティブなことを聞いたことがあって。なるほどそういうふうに感じる人もおるんやって思ったんです。それで一回目の公演のとき、ギリギリまで悩んだんですよ」


----そうだったんですか?

「僕が出るとお話自体に集中できない方も出てくるんじゃないか、それはイヤだなと思ったんです。でもこのお話を上演するにあたって、自分の言葉をこのキャラクターにのせるんやったら、自分がやるんが一番伝わるのかなって。演者さんに演出をつけたりするときも、ここはこういう意図があって...って、言葉である程度までは伝えられるんです。でも、人の気持ちってホンマのとこはわからない。頭の中を丸々...僕の耳に黄色と赤と白の線つないで、プロジェクターみたいに僕の目が光ってワーッてなるのを見てもらえたら、もしかしたら全部わかるかもしれませんけど。だからここは形にしたいなってところは、恥ずかしながら出させてもらおうかな、と」


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----その一回目の公演ですが、相方の河野さんの反応は?

「奥さんと見に来てくれて、奥さんが号泣してくださったみたいで。相方はそんなに泣いたりとかは無いんですけど、グッときて泣きそうなときに奥さんの嗚咽がすごくて引いてしまったっていう(笑)。でも毎回マメに観劇に来てくれてますね」


----河野さんに出演してもらうって話しにはならないんですか?

「いや、まあ〜〜〜〜(笑)。たまに聞かれるんですけど、今後無いことでは無いです。拒絶してるわけではないので、可能性無くはないんですけど、ただセリフはないと思います(笑)」


----河野さんの方から出たいというのは無いんですか?

「ラジオで最初はあったんですよ。お芝居が決まりました見に来てください、俺も出せ〜みたいなのが。でも芝居を見に来てくれたあとのオンエアで"出せ〜とかあんなこと言ってゴメンな"って言われて。あんなに一生懸命稽古もして、あんだけ笑って泣いてって、よう入っていけへんわって(笑)」


----でも、もしかしたら今後、共演はあるかもしれないということで?

「そうですね。いつかというか、まあ機会としては試みたいなというのはありますね」


----過去の作品には神様やタイムスリップなどが出てきますよね?

「あえて入れてる所と、好きで入れてる所両方ですね。人間って誰しもやり直したい、あの時こうしておけばよかったっていうことが場面場面であるはずなんですけど、毎日せわしなく生きてると見落とすこともあると思うんです。でも、みんな同じチャンスとか変われる機会とかが訪れてると思うんですよ。だから大げさに神様とか天使とか、時間戻るとか止まるとか、ファンタジー、SFとかが入ってくるのも、実はそれに近いことが身の回りに起きてるっていう自分の体感なんですよね。何かの働きかけがあってここにおるみたいな。たまたまこの人と今日飲むことになったのは、いろんなボタンのかけ違えやけど、いっぺん飲んだその人と次の現場でご一緒できるようになったりとか、そういうことを可視化するイメージがありますね。僕の中では決してファンタジーやSFってことじゃなくて。そこを共感していただけたらな、と」


----今回の芝居にそういう要素は入ってるんですか?

「そこまででは...ないですね。これまでのとはちょっと雰囲気は違うのかなぁと思います。でも、あったかくて笑えて最後ホロッと泣けるみたいな、なんとなくのコンセプトはありますよ。やっぱりコメディアンとして笑いは避けて通るつもりはないです」


----稽古はもうスタートしてるんですか?

「これがまたなかなか。メンバーのスケジュールもあり、8月から顔合わせと稽古っていう感じですね」


----じゃあ完成まで正味2カ月くらい?

「そうですね」


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----8月11日(土)にはプリマ旦那10周年の単独ライブも控えてます

「若い女の子の人気をもらうために、いろいろ無理したり嘘ついたりしてるとこが一杯あったんですけど、相方とお互い30歳を越えて、もうある程度スッポンポンで舞台に立てるようにはなってきたんかなぁって思ってます。10年やってきて、なんか...そうですね。今の若い子らからするとニーチャンか、下手したらオッチャンが一生懸命汗かいて、でもなんか形にしたいものがある。なんかホンマにその一晩、1時間半をいっしょに笑えたらなって思います」


----こちらの稽古は佳境に入ってる感じですか?

「まったくしてませんね。ウチはギリギリなんで。練習すればするほど、慣れた感じが嫌で。ギリギリまで何するかも言わないし、その分のびのび、その場の空気で」


----では今回のお芝居についてメッセージをお願いします

「恋の文、皆さんの身近に寄り添える、手紙をモチーフにしたお話です。一人の女の子の恋心、そしてその女の子を支える周りの人々、それはただの話の中の出来事であり、誰もが通ってきたような、もしくは今後あるような...。今回のお話を観たあとに皆さんが大切な人に、好きな人に、一筆書いて勇気を持って手紙を出したくなる気持ちになってもらえたらな、と思いながら作ってます。ご家族や恋人や大切な方と観てくれてもいいですし、1人で来て笑って泣いてくれてもいいです。ただ多分すごく泣くと思うんで、タオルケット持ってきてください」


----ありがとうございました!


【プリマ旦那・野村】


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劇団コケコッコー第二回公演「恋の文」

 

【場所】

ABCホール(〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島1丁目1−30

 

【出演】

野村尚平、鮫島幸恵、佐々木ヤス子、大西ユースケ、吉岡友見、洲崎貴郁、堀川絵美、伊丹祐貴、樋口みどりこ、中谷祐太、辻凪子、北野翔太

 

【料金】

前売2500円/当日2800円

【公演日時】

10月19日(金)

開場18:30/開演:19:00

 

10月20日(土)

①開場:12:30/開演:13:00

②開場:16:30/開演:17:00

 

【チケット発売】

8月4日(土)一般発売

チケットよしもと(Yコード:506117)

チケットぴあ(Pコード:488-576 )

ローソンチケット(Lコード:53410)

*Lコード予約(10時~20時):0570-000-407

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プリマ旦那単独ライブ

「プリマ旦那一大都市ツアー2018」

8/11(土)20:15開場20:30開演22:00終演

よしもと漫才劇場

前売1500円当日1800円

チケットよしもとにて発売中。