ハワイ公演も決定!おきなわ新喜劇をプロデュースするゴリが見どころを語る
ハワイ移民の3世が母親を探しに沖縄にやって来るというモチーフで、笑い満載の楽しい舞台となる、第5回おきなわ新喜劇ツアー『心がつなぐアロハイサイ!』公演が9月3日の東京公演を皮切りにスタートします。今回は東京、大阪、那覇、石垣に続き、なんとハワイ公演も決定! そこでおきなわ新喜劇をプロデュースするガレッジセール ゴリに本舞台の見どころ、そして今回のハワイ公演に向けた意気込みを聞きました。
――2014年に始まり、今回で5回目を数える「おきなわ新喜劇」ですが、吉本新喜劇と沖縄の方言・音楽・風習をミックスさせて、沖縄独特の文化・歴史を笑いながら学ぶというテーマで行われてきました。沖縄のお客さんのリアクションはいかがですか?
ゴリ:やはり沖縄の地元ネタをやると、皆さんすごく喜んでくれますね。俺たちの土地のことをいじってくれてるということで、みんなケタケタ笑いますし。東京や大阪の人が見たら、いったい何がおかしいんだと思われるかもしれませんが、皆さん本当にケタケタ笑ってくれていますね。
――やはり沖縄ならではの新喜劇だということなんですね。
ゴリ:ただ、本番前という緊張感をお客さんがあまりくんでくれないんですよ。本番前なのに、楽屋に何十人と役者の知り合いが入ってきて、「サーターアンダギー食べなさい」とか「天ぷら持ってきたよ」とか。こっちとしては着替えて、メイクとかもやりたいんですけど、「写真撮って」とか。おじいちゃんは「トイレはどっち?」と聞いてくるんで、「あっちです」とか言って。楽屋裏は大変ですね(笑)。
――第5回公演となる『心がつなぐアロハイサイ』は、戦後、戦争の被害が大きかった沖縄に、ハワイの移民が豚や洋服、ワクチンなどを送ったという実話がモチーフとなっていると聞きました。これは沖縄の方にとっては有名な話だそうですね。
ゴリ:もちろんです。ハワイから沖縄に豚が送られてきたというのは、沖縄の人はみんな知っている話なので。だからその話を入れながらも、根本的には笑ってもらうことが一番ですから。沖縄の人には笑っていただいて、そして東京や大阪の人には「沖縄の人って世界中に移民として渡っているんだな。そして戦後は、ハワイ移民が故郷のためにお金を集めて、豚だワクチンだ服だというものを送ったことがあったんだな」ということを知ってもらいたい。そういった沖縄の情報をひとつだけでも持って帰ってくれるだけで、僕はいいと思うんです。だからたくさんの知識を詰め込みすぎると結局、忘れてしまいますけど、とりあえず一個だけ。例えば空手がテーマだったら、実は沖縄が空手発祥の地なんだ、ということを一個だけ、持ち帰ってもらえればいいなと思って作っています。
――吉本新喜劇の伝統を守りつつ、沖縄らしさもミックスさせるということで。どれくらいのバランスで考えていますか?
ゴリ:基本的にやはり笑えないとお客さんは来ないと思うんで、吉本新喜劇の要素が6割。沖縄の要素が3割くらい。そして残りの1割が沖縄の豆知識という感じの配分でやっています。
――ゲラゲラ笑っていくうちに、いつの間にか沖縄の知識がスーッと入ってくるという。
ゴリ:そうですね。で、今回の幕間では、ひとりで三線を弾いている比嘉りゅうた(ありんくりん)が登場し、語り部をするという新しい試みをやります。そういうのは吉本新喜劇ではやらないことですからね。そしてゲストには、きいやま商店が来て、歌も歌ってくれるんで。そういう意味で、南国沖縄の爽快感みたいなものが出ると思います。そういう部分が「おきなわ新喜劇」らしさかなとは思います。
――第2回公演の時に、「香港、タイ、ハワイ、ブラジル、ペルーと沖縄県人会があるところ全てに行きたい」とゴリさんが意気込んでいたことがありましたが、今回、その中のひとつであるハワイ公演が見事、実現しましたね。
ゴリ:やっときました。沖縄移民の県人会がある場所に行ってやりたいという思いがあったので。これがひとつの成功例としてうまくいけば、ブラジルだ、アルゼンチンだ、ペルーだ、チリだと。沖縄の人がいっぱいいるところに行けると思うんで。本当にうれしいです。5年に1度の「世界のウチナーンチュ大会」に行ったときも、同じ沖縄出身で、世界中で生活している人がこんなにいるのかと。それくらいの人たちが集まりますからね。みんないろんな国の国旗を振っているんですけど、流れている血は沖縄ですから。移民として世界に渡っていって。そこで貧しい生活や重労働をしながら、なんとか頑張って生き抜いて。子孫を残して。自分たちの地位を確立している人たちなんで。そういう沖縄の人たちの力強さとか、そういう部分も僕は誇りに感じています。
――その景色は圧巻でしょうね。
ゴリ:そういう集まりを見たときに、今度は僕たちの方が、彼らが生活している国に行って、おきなわ新喜劇を観てもらいたいなと思ったんです。そこで「世界のウチナーンチュ大会」でもやらせてもらったんです。そうしたらその会場にも、世界中から来ている沖縄の人たちが来てくれて。言葉が分からなかったと思うんですが、それでもなんだか楽しそうに見てくれて。これだと思ったんです。だから今回、海外で見せられることになって、非常にうれしいですし。メンバーみんなも、ただただ仕事という理由でハワイに行けるということで、非常に喜んでいます(笑)。
――そういう意味で、ハワイの人たちも楽しみにしているんじゃないでしょうか?
ゴリ:今まで、沖縄の喜劇をハワイに持っていくということは、おそらくなかったと思うんですよ。沖縄とハワイは同じ南国ですが、なかなか頻繁に行き来できるわけではないので。だから僕らが沖縄の風を持ってきて。その上で自分たちのルーツである、沖縄の風と音楽と笑いを味わってもらって。やっぱり同郷っていいなというのをハワイで感じていただけたらうれしいなと思います。それにしても懐かしいですね、ハワイは、ゴリエちゃんのPVを撮った場所なので。
――ご縁があったんでしょうね。
ゴリ:本当にこの公演が決まるとは思わなかったですよ。こういうことが現実になるということはそう簡単にいくものでもないですからね。そういう部分で、沖縄県に対しても感謝ですし、そうやって尽力してくださった吉本のスタッフにも感謝ですし。その分、期待を裏切らない内容をしなければいけないなと思います。
――あらためて意気込みをお願いします。
ゴリ:今回は5周年という節目ですし、海外公演も決まったということですが、まだまだ、おきなわ新喜劇の知名度は少ないので。これからはおきなわ新喜劇を観たいから、沖縄に観光に来る、ということになれば、おきなわ新喜劇の意味があると思うんですね。こちらから東京や大阪に出かけていって、いろんな人に沖縄のことを知ってもらって。それをきっかけに、沖縄にも足を運んでもらえたらと思うんです。やはりなんばグランド花月を見ているとうらやましいですよ。1日に何回も公演をやって、全部が満席ですから。観光の一環として定着しているんですよね。だから沖縄もああいう風になるように、地道に頑張っていくしかないですね。
●日時・会場:
【東京】 9月3日(月) 19:00開場/19:30開演 @ルミネtheよしもと
【大阪】 9月5日(水) 18:30開場/19:00開演 @なんばグランド花月
【ハワイ】 10月17日(水)①15:30開演②18:30開演 @ハワイ大学
【那覇】 11月6日(火)・7(水) 18:30開場/19:00開演 @琉球新報ホール
【石垣】 11月28日(水) 18:30開場/19:00開演 @石垣市民会館 大ホール
●出演者:
ガレッジセール、普久原明、福田加奈子、宮川たま子、ありんくりん
田仲メリアン、宝眞榮日也美、仲地智子
●ゲスト:きいやま商店 ※ハワイ公演除く
●チケット料金
【東京・大阪】 前売4,000円/当日4,500円
【那覇・石垣】 前売3,500円/当日3,900円
(※中学生以下 前売3,000円/当日3,400円)
●チケット一般発売:
【東京・大阪】 好評発売中
【那覇・石垣】 8月18日(土)~
●チケット取扱:チケットよしもと 、ファミリーマート、ローソン、チケットぴあ ほか