おさむ&愛菜と人気劇作家4人の化学反応や如何に!? 「SMALL TOWN,BIG CITY~大阪でひろった4つの小石~」公演スタート
10月23日(火)、ABCホールで「SMALL TOWN,BIG CITY~大阪でひろった4つの小石~」の初日公演が行われました。この公演は9月29日(土)から11月4日(日)まで大阪府下の様々な会場で催しが行われている『大阪文化芸術FES2018』のイベント。大阪を舞台にしたオムニバスの短編人情コメディを、大阪で活躍する作家4人が東西南北をテーマにそれぞれ執筆したものです。東は劇団「空晴」の岡部尚子さん、西は「Piper」の後藤ひろひと、南は「玉造小劇店」のわかぎゑふさん、そして北をTHE ROB CARLTONの村角太洋さんが担当。それぞれの個性をたっぷりと堪能できるコメディに乱入(?)するのが、ザ・ぼんち おさむと福本愛菜。ひとくせもふたくせもある劇作家たちの舞台で、2人はどんな姿を見せてくれるのか。会場は開演前から熱気に包まれました。
まずは作・演出/後藤ひろひとの『THE ROVER 1 ~opening』。いきなり、持ち味全開のおさむ節からスタートします。すぐに愛菜も登場し、大阪を舞台にした4つの物語が幕を開けました。
続いては、作/わかぎゑふさん、演出/朝深大介さんの『ローカル線の男』。南大阪の人間なら、誰もが知っているローカル線が舞台です。期待に胸を膨らませている新米車掌・大上(長橋遼也さん・リリパットアーミーⅡ)と、すっかり枯れたベテラン車掌・冨田(うえだひろしさん・リリパットアーミーⅡ)が軽妙なやりとりを展開。思っていたのと違った職場に、鉄オタ女子(古谷ちささん・空晴)も現れて...というストーリー。モノマネや絶妙のボケ&ツッコミを折り込みながら、あっという間に観客を芝居の世界に引き込みました。
『きゃんが通る商店街』は、作・演出/後藤ひろひとの芝居。大正区を舞台に、地元のヒーローの帰りを待ちわびる比嘉(守谷日和)、金城(隈本晃俊さん・未来探偵社)の2人に、様子の怪しい男・伊藤(久保田浩さん・遊気舎)が絡み...というコメディです。キャラが立ちまくった登場人物たち、なかでも伊藤の姿に会場は爆笑。ホロリとさせながらも、ラストはやはり笑いで締めくくりました。
続いての、作・演出/村角太洋さんによる『高槻市駅の夜~パキーさんと僕~』は、深夜の高槻市駅のホームで繰り広げられる僕(高阪勝之さん・男肉 du Soleil/kitt)、とパキーさん(村角ダイチさん・THE ROB CARLTON)の会話劇。思わず聞き入ってしまうパキーさんのマシンガントークに、すっかり芝居の世界に引き込まれていると、想像もしていないベタ過ぎるほどベタな演出が飛び出すなど変幻自在。その大きすぎる振れ幅に会場はすっかり魅了されていました。
ラストは、作/岡部尚子さん、演出/上瀧昇一郎さんの『一番の誕生日!門真バージョン』は、一転ピリッとした緊張感に包まれたシーンからスタート。舞台は門真市のとある病院。慎吾(安川集治さん)、カメ(中村味九郎さん)、阿部(國藤剛志さん)たちの真剣で、時にバカバカしいやりとりに、会場は手を叩いて笑う人もあちこちに。まさかのラストに会場は再び笑いに包まれました。
おさむと愛菜の2人は、物語を一本の線で繋ぐ重要な役回り。おさむのいつもと違った一面が見られるシーンでは、今となってはレアな(?)愛菜の姿も同時に見ることができました。
芝居が終わり、4人の劇作家とキャストがステージへ姿を現すと、会場からは大きな拍手が。カーテンコールに応えて再び登場した後藤が「お楽しみいただけましたでしょうか?」と問いかけると、会場からは再び拍手が起こります。後藤は、この舞台は『大阪文化芸術FES2018』の演劇セクションでやらせていただいていると話したあと、来年への意欲を見せるひと幕も。そして、これを機に演劇に足を運んでいただきたい、と力を込めました。最後はおさむがシメの挨拶。大きな声で「ありがとうございました!」と叫んで、初日の公演は幕を下ろしました。
4つのストーリーは、あちこちに大阪ならではのレアでローカルなネタが散りばめられ、詰めかけた観客は思わずニヤリ、時には爆笑。登場人物たちも、強すぎるほど個性が強いのになぜか憎めない、人情味あふれる大阪人たちばかりでした。この「SMALL TOWN,BIG CITY~大阪でひろった4つの小石~」は、ABCホールで10月25日(木)まで上演中。関西を代表する劇作家たちと、おさむ&愛菜のコラボは見逃せません!
【ぼんちおさむ】【福本愛菜】【後藤ひろひと】【守谷日和】