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2018年10月27日 (土)

いよいよ10月27日(土)公開! 映画『サクらんぼの恋』桜井ユキさんインタビュー 

宮川大輔が初主演を務める映画『サクらんぼの恋』。お人好しな性格のせいで周囲からバカにされ、冴えない日々を送っていた45歳の童貞男が、大ファンだったAV女優・恩田リナと出会い、ピュアな恋に落ちる姿をハートウォーミングに、そしてリアルに描いた恋物語である本作のヒロインを演じるのは、今最も勢いのある女優として注目されている桜井ユキさん。そんな桜井さんに、本作についてお話を伺ってきました。

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ーー最初に今作のオファーがあった時はどう思いましたか?

台本を読む前は、宮川大輔さんが主人公だということと、ざっくりとしたストーリーを教えていただいたので、どちらかというとコメディ要素が大きい作品なのかなという印象を受けたんですけど、台本を読むとその印象は変わり、現場に入ってさらに変わり......という感じでしたね。

ーー主演の宮川大輔さんについてはどんな印象を持たれていましたか?

もともとすごく好きな芸人さんだったので、いろんな番組を拝見させていただいてたんですけど、テレビの印象のまんまってことはないだろうなと思っていて。「どういう方なんだろう?」って、お会いするのがすごく楽しみでした。

ーー実際にお会いしてみていかがでしたか?

静かな方でした、最初は。初日にキスシーンの撮影があるということもあり、お互い緊張していたので、初めてあいさつした時はお互いよそよそしい感じで。でもすごくこう......あんなに面白い話をたくさんお持ちで、いろんなことをされている方なのに、地に足が着いてる方だなって(笑)。本当に真面目な方だなという印象でした。

ーー宮川さんが「クランクインしていきなりラブシーンで、本当に好きになってしまった」とおっしゃっていましたが、クランクイン初日にいきなりラブシーンの撮影をするのは難しかったのでは?

難しかったですし、撮影スケジュールを見たときは「えっ!?」ってビックリしたんですけど、あとになってラブシーンを初日に撮れたのはありがたかったなって思いました。あれで距離を近づけられたというか。お互いの気持ちがくっつきそうでくっつかない、絶妙な距離感があのシーンのよさだと思うんですけど、仲よくなりすぎてしまうとその距離感って生まれないと思うんです。初対面の、お互いをまだ探り合っている感じの中であのキスシーンができるっていうのは、出そうと思って出せる雰囲気ではないので、それを初日に撮らせていただいたのはすごくよかったなって後々になって思いました。

ーー宮川大輔さんと共演してみて、いかがでしたか?

いやもう、大好きです! 

ーー大輔さんの方も好意を持たれていらっしゃる感じでしたが......(笑)。

(笑)。でも、公の場ではそう言ってくださるんですけど、宣伝のお仕事なんかでいろんなところに一緒に行った時に、キャストやスタッフさんと食事に行くんですけど、ちょっとお酒が入ってきて、フランクな雰囲気になった時でも「ユキちゃん、まだ大丈夫?」「ホント、もう帰っていいからね」って、気を遣ってくださって。すごく紳士な方なんです。そこも含めて、ただ面白いとか優しいだけじゃなくて、人間的にも素晴らしい方だなって......本当に大好きなんです(笑)。
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ーー大輔さんが演じている山川則夫という人物は、実際の大輔さんとはかなり違うキャラクターですよね。

そうですね。則夫と大輔さんは真逆なんですけど、根っ子には通ずる部分があると思います。意外とちゃんとドギマギというかアワアワしたり......。則夫はよくアワアワしてるんですけど(笑)、大輔さんも慣れてないことはちゃんと慣れてない感じが残ってて、たぶんそこが魅力的なんだと思います。全部をちゃんとこなせて、さばけて、割り切れる人に見えるじゃないですか、大輔さんって。私もそういうイメージがあったんですけど、ちゃんとそうじゃないところが残ってる感じがするというか。

ーー映画を拝見して、大輔さんとは全然違うキャラクターなのに、違和感を感じるどころか本当はこんな人なんじゃないかとさえ思ってしまいました。

だから、根本の部分は......3mmくらいは大輔さんなのかもしれないですよね(笑)。

ーー則夫のような人って実際にもいるんじゃないかと思いますが、桜井さん自身は則夫のような人のことをどう思いますか?

すごく素敵だと思います。ただ、あのまんまだとあのまんま終わっちゃう人なので、たとえば則夫のように、美咲(恩田リナの本名)のようなきっかけになる人と出会えれば、今まで閉じていたものが開く素直さをお持ちだと思います。いろんな人と出会うことが大切になってくるんだろうなって思いますけど。ただ、則夫に限って言えば、美咲に出会うまでの則夫はちょっとイヤですね(笑)。ウジウジしてる感じが。

ーーただ、あんなドラマチックな出会いってなかなか起きないですよね。

でも、聞いてるとたまにあるんです、本当に。「そんな映画みたいな出会いあるの!?」っていうこともあるので、必ずしもないとは言い切れないと思うし、ああいうことが現実でもあるかもと思うとちょっと夢があるなと思います。
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ーー演じられた恩田リナ(本名・相馬美咲)という役はAV女優という設定でしたが、どんな役作りをされたのでしょうか?

とりあえずAVは見ましたね。自分で借りるのは恥ずかしいので、男友達に「ねぇねぇ、ホントは持ってるでしょ? ちょっと貸してよ」って言って(笑)。インタビューシーンが見たかったんですよね。

ーーインタビューシーンって、絶対あるものなんですか?

あるみたいですよ。たぶん、その段階が男性は楽しいんでしょうね。服を着ている普通の状態を見ることで、さらに興奮する......みたいな。もちろんないものもあると思うんですけど、私が貸してもらったのはもれなく全部ありました(笑)。見たことがなかったので、どんなテンションかもわからなかったんですけど、やっぱりみなさんちょっと作っている感じはしましたね。受け答えなんかも、美咲もそうでしたけど、もちろん全部が全部本当のことを言ってるわけじゃないだろうから。なので、すごく勉強になりました。

ーーAV女優役というだけでなく、美咲はこれまでいろんな辛い経験をしてきた女性でもありますが、そういった女性を演じる上で心がけたことはありますか?

私自身、普段からあまり役作りというものをどうしていいかわからないタイプなので、そこはもう、いかにリアルにその出来事を自分の中に落とし込むかというか......。もちろん経験したことのある感情が知らずに結びついていたりということはあると思うんですけど「自分とリンクさせる」とかではないというか。特に「美咲はこういう過去を持ってるからこうしよう」みたいなことはなかったです。ただ、美咲はいつもコタツのある部屋にいて、あそこに置いてあるものだったり、そこでずっと暮らしている感じだったり、美咲をイメージする要素があの空間につまっていたので、あまり悩んだりはしなかったですね。あとはひたすら妄想妄想妄想で。

ーー自分まで役の気持ちに引っ張られたりしそうですが......。

あ、ありますね。でも、基本的にメイクを落として「お疲れさまでした!」って言って帰る時は比較的大丈夫なんです。撮影期間中は結構引きずってますし、終わってからも少し引きずってる感じはあるんですけど、しんどい役をやってる時にずっと辛いかって言ったらそうじゃないですし、切り替えないともたないと思います(笑)。服を着替えてメイクを落とすとか、そういうことってすごくありがたいスイッチというか、それでだいぶ(役の気持ちを)削ぎ落とす、みたいな。だから、服とメイクって大きいですし、私にとってはすごくいいスイッチになってます。
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ーーなるほど。ところで、古厩監督から「こう演じてほしい」などの注文はありましたか?

なかったですね。古厩さんは全体を優しく見守ってくださる方で、すごく素敵な演出だなって思います。「こういう風にして」じゃなくて「こういうのはどうかなぁ?」って、提案として演出をしてくださるんです。私たちは私たちで、役の思いを「こうだろうな」って解釈しながら演じているんですけど、決してそれを否定するのではなく「僕はこう思うんだけど、桜井さんはどう思う?」とか、そういう演出の仕方をしてくださるので、どちらかの意見を取るんじゃなくて、お互いの意見を織り交ぜながら、結果2人とも納得した着地点でやれるという環境でした。とても素敵な監督でした。

ーー特にお気に入りのシーンはありますか?

いっぱいあるんですけど、特に好きなのが、則夫と会ったばかりの頃、則夫が自転車を押しながら美咲と一本道を歩いていくところをワンカットで撮っている夜のシーン。2人の空気感が、2人の間に大きなボールが1個あるかのような、でもお互い近づきたいっていう、絶妙な感じがすごく......シーンとしても好きですし、撮影しているときの雰囲気もなんともいえなくて。お芝居をやっていて、たまになんともいえない気持ちになることがあるんです。まれなんですけど、芝居してるのかなんなのか、どっちかわからなくなる瞬間があって。それはすごく幸せなんですけど、あのシーンがそれに近い感じでしたね。

ーー逆に苦労した、大変だったシーンはありますか?


(フェリーのシーンでの)飛んでくるカモメが怖かったぐらいですね(笑)。噛まれると血も出るし、ツバがつくと感染するとか言われて。「エサをあげて」って言われたんですけど「絶対そんなのあげれないじゃん!」って思って(笑)。私は役のキャラクターをいいことに「いや~、私できないからあげて」って則夫に渡して、全部あげてもらっちゃいました(笑)。

ーーでは最後に、今作を観る方へメッセージをお願いします。

とにかく、則夫のピュアさに触れていただきたいですね。人と触れ合うっていいことだけじゃないし、リスキーなこともあったりすると思うんです。でも、この作品を観ることで「もうちょっと人に歩み寄ってみてもいいのかな」って思ったり、積極的に人とかかわっていくことをプラスに捉えられるきっかけになったらいいなと思います。
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『サクらんぼの恋』

10月27日(土)より、新宿バルト9他全国順次公開

監督:古厩智之
脚本:古厩智之 政池洋佑
キャスト:宮川大輔 桜井ユキ
草川拓弥(超特急) 前田公輝 佐野ひなこ 明星真由美 菅原大吉 柄本時生
音楽:上田禎
主題歌:「Baby good sleep」スキマスイッチ ©AUGUSTA RECORDS / UNIVERSAL MUSIC LLC
制作: よしもとクリエイティブ・エージェンシー テレビ東京
制作プロダクション:The icon
配給:KATSU-do
製作:吉本興業
http://sakukoi.official-movie.com/