笑いあり!涙あり?セリフなし!?『GABEZ theatre 2018』単独ライブレポート
9月9日(日)、東京・下北沢Geki地下Libertyにて、GABEZの単独ライブ『GABEZ theatre 2018』が開催されました。
GABEZは、MASAとhitoshiの2人からなる、パントマイムをベースとした、ダンス&サイレントコメディユニット。ダンスやパントマイム、お芝居をコメディタッチに作り込む2人が唯一決めているルールが「しゃべらない」ということ。
2017年、中国の7つの都市で敢行された舞台公演で、現地の方々から大好評を得たことでもその面白さは実証済みの彼ら。2018年もすでに中国、タイ、沖縄、台湾での公演を経て、今回9月5日~9日に行われた下北沢での単独公演に挑みました。
満員の観客が迎える中、まずは1曲歌って盛り上げるGABEZの2人。歌い終わると今度はお客さんに手拍子での参加を促しますが、左右に分かれて違うリズムの手拍子を叩かせるなど、どんどん難易度が上がっていきます。そのうち、音楽に合わせて手拍子をすることになり......。しかし、言われた通りにするだけで、音楽に複雑なリズムを乗せることができるという体験にお客さんも嬉しそうな表情を浮かべます。
続いて、おもちゃのアヒルを使ったネタを披露。おもちゃのアヒルを奪い合い、hitoshiが持ちますが、MASAは目には見えないが音はするアヒルを持っているようで......。アヒルの音や手拍子、ダンスを使ってさっそくGABEZワールドがスタートです!
なにやらラブレターを渡そうとしている女子(MASA)が、告白のシミュレーションをしているようなコントでは、その女子がその後美容室に向かいます。座ったイスの調子が悪く、あやうくイスから転げ落ちそうになりながらも、ヘアカタログを見て美容師(hitoshi)と相談しつつ、髪を切ってもらう女子。ノリノリの曲に合わせながら、ものすごい勢いで髪を切り出す美容師に笑いが起こっていました。
空港の持ち物検査場を舞台にしたコントでは、パントマイムではおなじみの、エスカレーターに乗っているような人物の動きで魅せたあと、持ち物検査の通り方をまったく知らないおじさん(hitoshi)が登場し、何度も検査をやり直すはめに。そのうち検査の機械に文句をつけ始め、保安官(MASA)を試しに通させますが......。サイレントでありながら、まるで会話が聞こえてくるかのような2人のやりとりに思わず引き込まれます。
『コーヒー・ルンバ』で踊りまくる女性(MASA)が客席にまで乱入するシュールなコントや、立てこもり犯を監視する刑事が撃たれそうになるのを警官が止めようとするさまをスローモーションで見せるコントなど、様々な趣向を凝らしたコントを次々に披露するGABEZの2人。
2人が小学生に扮したコントでは、横断歩道の前で、右を見て左を見て、もう一度右を見ると車が通ってしまい、何度やってもなかなか渡れないようすを演じます。そのうち、確認の仕方がどんどん複雑になっていき、しまいにはもはや踊ってしまっている小学生にお客さんは爆笑!
カッコよく1人ずつ登場する忍者コントでは、カッコよく登場したつもりが足をくじいたり、忍び込んだ屋敷で見つかりそうになり、忍法を使うものの失敗するなど、カッコ悪い忍者を演じるhitoshi。
最後には、これまでのコントで登場した人物が次々と再登場し、ひとつの物語を紡ぎ出します。いろんな物語にそれぞれのオチがついたところで、最後にダンスで魅せ、拍手喝采を浴びながら舞台は幕を閉じました。
アンコールで登場した2人は、「しゃべります!」と前置きをして、お客さんを笑わせます。「今回のライブでは、初めて演出からやらせてもらいました」と話すMASA。改めて自己紹介をし、持っていたアヒルを見せ「アヒルのピーちゃんです」とアヒルの紹介までし、笑いを誘います。
「面白かったと思ってくれた人はSNSなどでつぶやいてください。ありがとうございました!』と、サイレントコメディアンらしくおしゃべりはあまり得意ではないようで、短めに切り上げますが、お客さんの大きな拍手がライブの満足度を物語っていました。
【GABEZ】