「来年もひょっこりさせてください!」 書籍第二弾『もっとひょっこりはんをさがせ!』発売記念ひょっこりはんインタビュー
12月20日(木)に、書籍『もっとひょっこりはんをさがせ!』が宝島社より発売されました。
本作は、今年8月に出版された『ひょっこりはんをさがせ!』に続く第二弾で、日本各地の風景に溶け込んだひょっこりはんを見つけたり、ひょっこりはんを使った遊びがギッシリ詰まった一冊。
今回は、ひょっこりはん本人にインタビューを敢行し、本作へのこだわりに加え、年頭からブレイクをはたした1年を振り返ってもらいつつ、大御所との緊張の共演、同じサークル出身者の台頭、コンビ時代、さらには今後の展望など、たっぷり伺いました。
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――『もっとひょっこりはんをさがせ!』の出版、おめでとうございます!
ありがとうございます!
――まず、8月に出版された第一弾『ひょっこりはんをさがせ!』の反響はいかがでしたか?
すごいよかったです。子供に渡したら喜んでくれたっていう話から、SNSでもみんなでワイワイ楽しんでいますといった声が聞けました。芸能人でも買ってくれた方がいて、辻希美さんがブログに載せてくれたり。そうやって家族で楽しんでくれているのは、うれしいですね。
――5刷で10万部突破というのは、部数的にもすごいですね。
ありがたいですね。
――その好評を受けて、12月20日に第二弾『もっとひょっこりはんをさがせ!』の出版となりました。出来栄えはいかがですか?
めちゃくちゃいいですね。一作目の改善点も含めて、もっとこうしたいと思ったことや、一作目で出来なかったかった案を入れて、より深みも出たと思います。絵の中に物語の要素があったり、47都道府県の名産が隠れていたり、ちょっとしたお勉強にもなりますよ。写真の中からひょっこりはんを探す『ひょっこりはんをさがせ!リアル』は、もともと自分のSNSでやっていて、『おはスタ』でも企画にしてもらいました。あとは、アルファベットからひょっこりしている『ABCからひょっこりはん!』では、無茶なポージングをしているんですけど、アルファベットの勉強をし始める子供にはいいですよね。コピーしてトイレに貼ったり、切ってカードにしてくれてもいいですし(笑)。
――お子さんのほうが見つけるのは早そうですね。
そうでもないんですよね。うちの母親やおばあちゃんは、めちゃくちゃ見つけるのが早かったです。身内やからわからへんけど(笑)。
――よく見ると、ザ・ビートルズのパロディー(『アビイ・ロード』のジャケット)とか、大人じゃないとわからないネタも。
普通に見たら、ただ4人の男が歩いているだけですよね。
――いろんな要素が詰まっていて、幅広い方に楽しめそうですね。この1年を簡単に振り返っていただきたいのですが、ブレイクのきっかけは、やはり元旦放送の『おもしろ荘』(『ぐるナイ おもしろ荘 若手にチャンスを頂戴 今年も誰か売れてSP』)でしょうか?
それが全ての始まりかなと思います。1年前はブルゾンちえみが出ていて、毎年、誰かしら売れる芸人が出てくる流れのある番組ですよね。そこでインパクトを残せたのは大きかったです。放送直後からSNSでの反響が鳴り止まなくて、1月後半くらいからはバーっと仕事が入り、3月、4月くらいから休みがない状態が続いていますね。
――優勝したのは同期のレインボーさんでしたが、ブレイクしたのはひょっこりはんさんで、そのあたり、両者の間に気まずさみたいなことは生じていませんか?(笑)
僕は全然ないです(笑)。向こうはあるかなと思ったんですけど、芸風が違いすぎますよね。特に池田は、お笑いに対してストイックなんですけど、「ひょっこりはんが優勝なら素直に喜べる」って言ってくれて。でも、レインボーが優勝でよかったです。2組ともおいしいですし、僕は優勝するタイプではないと思うので。
――レインボーさんの「キレイだ」っていうキラーフレーズをひょっこりはんさんが、ものすごい勢いで上回った形でしたね。
コントのワンフレーズとキャラクターという違いはあるかもしれないですね。レインボーも仕事は広がっていますし、知ってもらうきっかけは大事だなって思います。
――確かに人気番組でインパクトを残したり、大きなコンテストで結果を残すのも、知ってもらうきっかけですからね。今年、一番大きかった仕事といえば?
全部、大きかったんですけど、なんでしょうねえ...。
――例えば、お笑いBIG3には、お三方ともお会いしましたか?
(明石家)さんまさんはお会いしていますけど、ビートたけしさん、タモリさんはまだお会い出来ていないです。さんまさんは衝撃的でしたね。『(さんまのお笑い)向上委員会』では、緊張でずっと震えていました(笑)。また、千原ジュニアさんや雨上がり決死隊さんがいる前でネタをやるっていう怖さもありますよね。
――緊張感が伝わってきます。他に大御所の方との共演というのは?
『ダウンタウンDX』で、アッコ(和田アキ子)さんからひょっこりしたり...その時もドキドキでした。乃木坂46とか若い子と共演するのはなんともないんですよ。ノリもいいし、動けるから、ちゃんとひょっこりはんが出来るんですけど、林家木久扇師匠とか、すごい難しかったです(笑)。まず、音に合わせて動くのが難しいですし、わかりやすくやって、ウケなきゃならないですからね。
――いずれは『徹子の部屋』で、黒柳徹子さんともひょっこりしてほしいですね。
一緒にひょっこりしたり、「面白いですね」って軽くあしなわれたり(笑)。呼んでいただけますかね?
――わからないですけど、見てみたいです(笑)。バラエティー以外に、ドラマにも出演されました。
結構評判が良くて、声のお仕事もしたんですが、結構特徴的な声らしくて、みんなマネしてくれるので、声とか演技のお仕事とか、そういう広げ方も出来たらいいですね。
――この1、2年で言えば、にゃんこスターのアンゴラ村長さんやハナコの岡部さんなど、ひょっこりはんさんと同じ早稲田大学サークル『お笑い工房LUDO』出身の芸人が台頭著しいのも、トピックではないでしょうか。
すごいですよね。僕が入った当時は、10人、20人しかいなくて、『スマブラ』ばっかりして、呑みに行っても烏龍茶しか飲まないような、そういう暗い面白さがある(笑)サークルだったんですけど、僕が3年か4年の時、(『平成30年度 NHK新人お笑い大賞』優勝の)Gパンパンダとかバーっと人が入ってきて、雰囲気とかがガラッと変わったんです。すごい盛り上がり始めて。そこがごっそり芸人を目指して、今、結果が出始めている感じですね。
――どちらかというと自由な風潮のサークルなんですか?
そうですね。かぶってはいませんが、後輩のアンゴラ村長とかカニササレアヤコとか、自由で面白いですよね。最初からお笑いを目指して、プロの世界に入ると、固くなっちゃうと思うんですよ。僕も、固くなりましたから。サークルではその自由な時間というか、面白いと思っているものをストレートに表現出来るんですね。そのあたりを大学時代に得たのは大きかったかなあと。
――ひょっこりはんさん自身、コンビ時代を経て、ピンになり、大学生時代の芸風に戻った感じですか?
確かに僕がピンになる時、大学時代を振り返りましたね。何をしてもよかった学生の時期に、何を面白いと思っていたのか...とか考えました。本能で動いていた時期を。
――『有吉ジャポン』では、元相方で構成作家の南部さんからメッセージが届いていましたけど、その後、連絡を取ったりは?
いや、何もないです(笑)。オンエア上は、数行だったんですけど、実はA4で2枚くらいの手紙をもらっていて、まだ読めてないんですよ(笑)。コンビって難しいですよね。でも、僕がこうなるには、必要な過程ではあったし、お笑いのことをいろいろ教えてもらったので、感謝しています。
――今後のお話もお聞きしたいのですが、まず『R-1ぐらんぷり2019』へはエントリーされますか?
今年は出ないですね。去年は、『おもしろ荘』のあとに予選へ出たんですが、1回戦敗退でした(笑)。そもそも比べるような芸風でもないし、コンテストというよりは、自分のペースでひょっこりはんを広げていこうと思っています。
――それからこの季節、屋外会場でのイベントなどは、寒くないですか? 細身ですし。
寒いっすね(笑)。営業は10分とかなので、まだいいですけど、外でのロケが怖い(笑)。ずっとこの衣装で外を歩いて、まわりも「大丈夫ですか?」って、気を遣ってくれるんですよ。それも申し訳なくて。
――裸芸人、薄着芸人が雪まつりへ出演するのも、ひとつの流れとなっていますが(笑)。
面白いとは思いますけどね(笑)。とにかく明るい安村さんに聞いたら、スタンバイしている時、ベンチコートを着ていても「着ていないと一緒だ」って言ってました。今のところ、オファーが来てるかどうかわからないですけど、「北海道」っていう案件がチラホラあって、怯えています(笑)。
――要注目ですね(笑)。最後に読者へのメッセージをお願いします。
はい。『もっとひょっこりはんをさがせ!』には、シールがついていて、前作の『ひょっこりはんをさがせ!』にも貼れて、オリジナル問題のコンテストもやっています。甥っ子、姪っ子へのプレゼントにもいいと思いますよ。あと、子供たちがこんなに「ひょっこり」してくれているので、いろんなイベントをやったり、地方や海外にも行って、もっとひょっこりはんを伝えていきたいです。ぜひ、来年もひょっこりさせてください!(笑)
【ひょっこりはん】