いよいよ開幕! 2丁拳銃の100分間ノンストップ漫才単独ライブ『百式2018』開催記念 2丁拳銃インタビュー
今年で芸歴25周年を迎える2丁拳銃が、12月21日(金)の名古屋公演を皮切りに、全国3都市で単独ライブ『百式2018』を開催します。
センターマイク1本を前に、100分間ノンストップでひたすら漫才をする驚異のライブとして好評を博してきた2丁拳銃の『百式』。今年で芸歴25周年を迎え、ますます磨かれ、円熟味を増した他の追随を許さない彼らの至極の漫才は必見です!
今回のインタビューでは、そんな彼らに、『百式2018』への意気込みはもちろん、これまでの25年を振り返ってもらいました。
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ーー芸歴25周年の記念の年に開催される今回の『百式2018』は、これまでのベスト盤的な内容ではなく、オール新ネタで行われるそうですが。
小堀裕之(以下、小堀) そうなんです。それに、今年は改めてコントにも挑戦したんですけど、コントのことを考えてる中で「これ、漫才でいけるな」みたいな思いになったりもしたので、漫才にもちょっとコントの血が入るのかな?という気持ちもあります。
ーーコントをやることが、漫才にもいい刺激になってる、みたいな。
小堀 なったらいいなってとこですね。
ーーネタはいつもどんなふうに作っているんですか?
川谷修士(以下、修士) ネタの叩き(部分)は小堀が考えて、それが出来上がりつつある頃に僕が入る、という感じです。この日は来てくれ、みたいに言われて、ちょこちょこ入っていく感じですね。
小堀 ある程度材料があって、「これ、どう?」って確認することもあれば、「これ、箱だけ渡すから、中埋めてきて」みたいなこともありますし、ネタによって違いますね。
修士 宿題形式みたいな。
ーー25周年ならではのネタなんかもありそうですか?
小堀 "ならでは"はあんまりイメージしてないですね。というより、"25年がんばって漫才やってたらこんなんなりました"っていうことなのかな?っていう。だから、「25周年の2丁拳銃ってこんなん」みたいな。それがたまたま、今年から本気でコントに取り組んだ25年目やからこんなんになった、ってことになると思います。
ーー芸歴25周年ということで、改めて振り返ってみていかがですか?
修士 「まだまだなんかなぁ」っていうのはありますね、僕の中では。漫才もコントも、人間的にもまだまだだなぁ、って(笑)。いろんなレジェンドもいっぱいいますし。最近一緒にやらせてもらってる(間)寛平師匠なんか、もうすぐ芸歴50周年なんですけど全然人間力が違うんで......。そういういろんな方を見てると、「まだまだだな」っていう気がします。"25周年"っていうのも、僕はあんまり好きじゃないんですよ、ホンマは。あんまりそれに重きを置きたくないというか。祝ってもらうのはいいんですけど、今まで応援してくれてたお客さんに対しての「ありがとうございます」っていう意味合いの方が僕は強いですね。自分らが25年やってきたことを「がんばってきたなぁ」じゃなくて、「25年間やらしてくれてありがとう」みたいな気持ちが強いです。先ほどコイツ(小堀)が25周年ということに対してコチョコチョ言うてましたけど、コイツ、「25周年」って付けたらチケット売れ行きよくなるんちゃうかっていうぐらいですよ(笑)。
ーー(笑)。でも確かに、周年ってみんな大事にするというか、ビジネス的にも利用する部分があったりしますよね。ミュージシャンなんかでもよくありますし。
修士 音楽のことでしょ?(小堀が)バンド、やってるじゃないですか。そういう脳ミソになってるんですよ(笑)。
小堀 (笑)。
ーーまた(修士の)奥さんに怒られたりして(笑)。
小堀 いや、ホンマですよ(苦笑)。
修士 まぁまぁ、でもホンマに、「まだまだだなぁ」という気はしますよ。
ーー小堀さんはどうですか? 改めて25年を振り返って。
小堀 そうですね。芸歴が長いことによっていいこともあるんですけど、でもそこに頼ってたらあかんなっていう自分もいて。キャラ的には「ヘドロパパ」ですから、あんまり崇められにくいところではあるんですけど(笑)。芸歴じゃなく、ちゃんと芸でみんなを納得させなあかんなっていうのはありますね。だから、プレッシャーでもあり、ありがとうっていう25年でもあります。
ーー25年は長かったですか? 短かったですか?
修士 これはよく言われることですけど......あっという間でしたね(笑)。
小堀 特に東京に来てからがあっという間ですね。東京に来て18年になるんですけど。「え? 18年もおったっけ?」って。
ーーでは、25年の活動を振り返って「いちばん思い出深いこと」といえば、どんなことが思い浮かびますか?
小堀 やっぱ大きいコンクールの決勝に出たっていうのが、2003年と2014年やと思うんですよ。「M-1グランプリ」と「THE MANZAI」。『百式』も2002年ぐらいから始めてると思うんですけど、"100分"っていう、陸上で言ったら長距離の(漫才の)体になってたところを、大会は4分っていう。もうホントに「競技が違う」っていう感じなんですよね。距離だけじゃなくて。短距離走と幅跳びぐらいの違いかもしれないですね。それをコンクールがあることでギュッとできた年なんですよね、2003年が。「M-1」はラストイヤーだったんで、そこでまたしばらく長距離の漫才をやってて、そしたら「THE MANZAI」が始まって、そこでまた体を作り直したりして。でもその時は全員が後輩、みたいな。正直な話、歳をとるのはイヤだなというか、ネタもずっと若くいたいところがあるんですよ。でもその年は華大(博多華丸・大吉)さんが優勝して、「コンクールって年取っててもいいんだ」みたいにも思って、ワクワクもあったり。そういうビックリがあった年なんで、漫才をやってる上では思い出深い年でしたね、2003年と2014年は。
修士 僕はやっぱり東京に来たことなんで、2000年ですね。東京に来て、仕事がなくなって、初めての壁というか、それを経験したのが2000~2002年あたりというか。それでも、僕らは周りから「ラッキーや」ってよう言われるんですけど、そこから変わったんじゃないですかね。僕はそれで『百式』が生まれたと思ってますから。
ーー『百式』の歴史イコール"2丁拳銃の東京での活動の歴史"というか、ライフワークみたいなものだと。
修士 そうですね。当時はまだ漫才師って言われてなかったかもしれないです。"アイドル芸人"とか(笑)。
ーー確かに、大阪時代はそんなイメージがありましたよね。
修士 人気先行型というか。かといってすごく人気があったというわけでもないんですけど、ネタがあまり認められてなかったという感じはあるんですよね。極端に言うとですけど。で、「M-1」の予選で落ちて出れないっていうのが2年続いて、「出れないんだ!」っていうのがあり、仕事も徐々に減っていき......っていう中で、漫才をもっとちゃんとやらなあかんのちゃうか、みたいな感じになって『百式』をやりだして。それから"漫才師"って呼ばれるようになったと思ってるんですよね、僕は。僕らが今、"2丁拳銃って漫才のイメージがあります"って言われるのは、東京に来てからかな?と思ってます。若い頃はたぶん、いわゆる"テレビタレント"になりたかったはずやと思うんですけど、「漫才って大変やし、でもすっごいオモロいな」って思ったのもたぶんその時期なんじゃないかって。で、漫才をがんばるようになって、そういうのを板尾(創路)さんが見ててくれたっていうのがあって、『火花』に出ることもできたんで、感慨深いものがありますね。
ーー自分が信じてやってきたことが報われるというか......。
修士 主人公とは年齢が全然違うのに、「この漫才の主役はおまえやねん。これまでずっと見てきたから」みたいなことを言われたときに、すごく嬉しくて。
ーー板尾さんに言われたら嬉しいですよね。
修士 そうなんですよ。高校生の頃からテレビで見てた、レジェンドじゃないですか。でも、「たぶん僕らのことはそんなに好きじゃないやろな」っていうのがあったんですよね。板尾さんってやっぱりセンス高い人やから、僕らは好かれないやろなぁみたいな気持ちがどっかにあって。交わらないだろうなと思ってたんです。そしたら「おまえはあんまり見てないと思ってたかもしれんけど、オレは見てたからなぁ」って言われたとき、ホンマに嬉しくて、「漫才師でよかった」って思いましたね。だから、近々でいうと、僕は去年から今年にかけても印象深いというか、ある種ターニングポイントになるんじゃないかなって思ってます。『火花』にも出れたし、10月からはBSフジの『中川家&コント』っていう番組にも出させてもらったり。Amazonで木村祐一さんが声だけの料理番組(『リアルクッキング』)をやってはるんですけど、そのアシスタント役にも選んでもらって。そういうのも始まったので、勉強やなって思ってます。
ーーなるほど。ところで、『百式』の醍醐味はどんなところにあると感じていますか?
修士 やっぱり、『百式』のコンセプトでもある"はけない"っていうところですね。自分でやってて言うのもあれですけど、好きですね。
小堀 100分もあって、僕らのイベントで僕らしか出ないんで、1個掘れるというか、時間をかけられるっていうところですね。コンクールならそれこそ4分にせなあかんところを10分でも20分でもやっていいし、そんなネタがあってもいいわけじゃないですか。そういう、いききれる感じが好きです。そのネタを劇場にかけるときは、短くしたり「これはちょっと言いすぎや」とか、ガマンしなあかんところがあるんですけど、ガマンせんといきたいところまでいけるっていう楽しみがあって。100分もあるんやからそんなんが10分あってもええやろ、みたいな。
ーーできるだけ全部、やりたいことはやれるみたいな部分というか。
小堀 だから結構、初日は長くなってしまうことが多いんですよ。120分ぐらいやったこともあったり。それで(ネタを)2本ぐらいカットしたりするんです。
修士 1回しかやったことないんですよ、100分ちょうどって。
ーーそうなんですか!? でも確かに、100分ちょうどなんて難しいですよね。逆に毎回きっちり100分だったらビックリします(笑)。
修士 (笑)。ホンマですよね。でも、目指してはいるんですけど、こんだけやってきて1回しかないんですよね。
ーー逆に、『百式』の難しい部分、苦労するところはどんなところですか?
小堀 去年ぐらいから、僕はちょっと、体力的にしんどさは感じてきましたね。後半わりと動くネタやったから、スーツの素材のせいかもしれないですけど、汗でビッシャビシャになって......(笑)。「オレ、こんな汗かいたっけ?」みたいな。そういうのはちょっと出てきだしましたね。
修士 体力的なものはありますね。僕は「100分間はけない」っていうシステムが好きなんですけど、体力的にいうとそれはまた別の話で。これはよしもとのすごいところやと思うんですけど、(劇場の)通常の出番が3回あったあとに『百式』やるときあるんですよ。劇場の1回の出番が10分として、その日は130分やってるんですよ。それはさすがにクタクタになりますね。
ーー確かにそれは大変そうですね......。では最後に、改めて意気込みとメッセージをお願いします!
小堀 今の僕たちにできる100分の漫才を切り取って出させていただきますので、しっかり目に焼きつけて帰ってください!
修士 会場をいっぱいにしてください(笑)! 友達、彼氏、彼女、ご家族、全員連れてきてほしですね。
小堀 あなたの100分を2丁拳銃に貸してください。「笑い」という利子を付けてお返しします。
【2丁拳銃】
『百式2018』
日時:12/21(金)開場:18:45 開演19:00
会場:名古屋・伏見JAMMIN
料金:前売り3800円 当日4000円(別途ドリンク600円)
日時:12/23(日)開場:18:30 開演19:00
会場:大阪・HEP HALL
料金:前売り3800円 当日4000円
日時:12/28(金)開場:18:30 開演19:00
会場:東京・ルミネtheよしもと
料金:前売り3800円 当日4000円
チケットよしもと/Yコード:999-050
☆チケットのご予約・お問合せ:
チケットよしもと予約問合せダイヤル 0570-550-100 (24時間受付※お問合せは10:00~19:00)