神保町花月今年最後の公演『愛ない逢いたい大晦日2018』に出演する冨田雄大、犬の心、コロウカン・川端、ぬるぬるオータカインタビュー!
12月28日(金)~12月31日(月)まで、東京・神保町花月今年最後の作品『愛ない逢いたい大晦日2018』が上演されます(※31日はカウントダウン特別公演)。
本作は脚本・冨田雄大(オコチャ)によるオリジナルストーリー。そば屋を営む夫妻の夫婦愛を中心に、店員や常連客たちの今年1年の人間模様を描いたハートフルな物語です。
ニュースセンターでは、冨田と元バンドマンの店主を演じる犬の心・押見、そば屋を訪れる劇団の座長役を務める犬の心・いけや、さらに、去年NSCを卒業したばかりのフレッシュなメンバー、劇団員役のコロウカン・川端とぬるぬるオータカに、演じるキャラクターや見どころについて尋ねました。
(前列左より:犬の心・いけや賢二、押見泰憲/後列左よりぬるぬるオータカ、コロウカン・川端武志、冨田雄大)
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――まずは、この物語ができた経緯を教えてください。
冨田:年末のカウントダウン公演をやるということが先に決まっていて、じゃあとことんそっちに寄せようということで、大晦日をテーマにしました。年越しそばのイメージで舞台をそば屋にして、基本中の基本に行こうと。そこから考えて、うまくいった1年の人、そうでもなかった人、代わり映えしなかった人、全員含めて"1年間お疲れさまでした"という話を書こうと思いました。
――キャストの皆さんは脚本を読まれていかがでしたか?
押見:僕は初日の本読みで涙が出ました。年齢なのか境遇なのかわからないですけど、涙が出たし、今でも稽古をしていて後半になると目が潤むので、本番までなんとかこの涙腺で行ってほしいなと思っていますね。
冨田:やりなれちゃうと困るからね。
いけや:僕はオコチャ作品もだし、神保町に出ること自体もすごく久しぶりなんです。楽しみにはしていたんですけど、台本を読んで「ああ、らしいな」と思いました。言葉の走りがオコチャ節だなっていうか。自分の役を見たら完全に気が狂った役だったので、まぁやりやすいなと思いました。
冨田:いけやさんの役が唯一のわかりやすいボケですね。
いけや:すごくいいですよね。スマートな感じでいられて、で、笑われるので。非常にやりやすいです。
川端:僕も1回目の読み合わせのときにめちゃめちゃ泣きそうになったんですけど、1年目で泣いちゃイカンと思って我慢しました。
冨田:泣いていいんだよー。
押見:いや、1年目は泣かないほうがいいな。
川端:終わったあと、押見さんが泣かれていたので「これは泣いてもよかったのかもしれない」とは思ったんですけど、よかったです。初めてこんな泣けるような作品をやれるので、すごく楽しみです。あと、僕は昨年までNSCに行っていたんですけど、いけやさんは授業でお世話になっていて。いけやさんが殺陣をつけた舞台にも立たせていただいたんですけど共演はなかったので、今回は一緒に出られることになってうれしいです。
ぬるぬるオータカ(以下、オータカ):僕は初めての本公演で不安だったんですけど、本読みさせていただいたときにめちゃくちゃいい話ですごく楽しみになって。僕もNSCのとき、(川端と)一緒の舞台に出たんですけど思いっきり動く役ではなかったので、今回いけやさんにかっこいい殺陣つけていただいてやるのがすごく楽しみです。
いけや:最後の卒業公演は、川端に主役をやらせてて。オータカはもうなんだか覚えてないですけど(笑)。
オータカ:俺は端役でしたから。
――キャラクターはある程度、アテ書きなんですか?
冨田:犬の心さんの役は、僕の中にいるおふたりに寄せて書いていましたね。そういう意味では限りなくアテ書きに近いかもしれないです。僕が笑っちゃうおふたりの部分をしっかり出したいなと。
――それもあって、押見さんはぐっとくるものがあったのかもしれませんね。
押見:より近いとあんまりよくないですよね、この役は。でもまぁオコチャの意図しているところとしてはわかりますね。カタギじゃない感じの仕事している人みんなに共通する何かがあって。わかるぞっていうことがありすぎて、それが涙の理由なんでしょうね。俺も女を泣かしてきましたからね。
川端&オータカ:ははははは!
――奥さんに迷惑かけてきたなとかいう思いでもあるんですか?
押見:奥さんにも迷惑かけてますし。だから、エライもん書いてくれたなっていうのがありますよね。今ちょうど奥さんと知り合って以来の一番大きいケンカをしている最中なので、タイミングとかも全部エグいんですよね。
冨田:おお......(笑)。
押見:この芝居、奥さんには見せられないです。
――いけやさんはご自身と重なる部分というのは?
いけや:まぁ、でもあんな感じなんじゃないですか、俺って。かっこつけてヘンなこと言ってる、みたいな。
冨田:押見さんは困ってると面白くて、いけやさんは"そんなにかっこいいと困る"っていうぐらいかっこよくするとキマるんです。(いけや演じる)鬼ヶ島みたいな人って、わりといると思うんですよ。これをかなり薄めたような感じの人。
押見:口だけ番長みたいなね。
――川端さん、オータカさんの役の見せ所について、それぞれどう感じていらっしゃいますか?
川端:僕らの役はずっといけやさんについていってるんですけど、ひとつきっかけがあって、そこでいけやさんに対しての感じが変わるんですよね。
オータカ:そうですね。ガラッと一瞬変わるところがあって。途中まで従順だったのが変わるその瞬間は見てほしいです。
川端:あと、僕らは滑舌が大事なところがあるので、そこを頑張っていますね。
押見:難しいよな、言葉の羅列って。でも芸歴1年目は責任を感じてやっていると思うし、絶対覚えられるよ。これが5年目ぐらいになると適当にやりだすんだろうけどね。
川端:大先輩の皆さんと一緒なので、どちらかというと素直にうれしさで舞い上がっています。
オータカ:自分もそうですね。ずっと本公演に出たかったんですけど、NSCでも演技選抜には入っていなくてあんまりお芝居には自信がなくて。今回はオーディションみたいな形でこういう風に出演させていただくことになったので、うれしいです。稽古でも「うわ、すごいなぁ、こんな感じなんだ。がんばらなきゃ」って思ってます。
冨田:稽古が楽しいってとってもうれしい言葉ですね。15年ぐらいその言葉聞いてない。確かに1回目は初めてでうれしかったなって、その頃を思い出しました。
押見:ウソついているんじゃない?
川端:いやいやいや!
オータカ:なんでですか!
押見:稽古は稽古だからね。でもこういう1年目なんて、お笑いへの憧れが強くて1つひとつの仕事が楽しい時期なんだろうなぁとは思います。
いけや:教え子との共演っていうのは照れくさくはありますけど。殺陣の授業では基礎しか教えていないので、今回はバシバシっとちゃんと育てたいですね。
――では、いけやさんと押見さんの見所は?
いけや:僕はやっぱり殺陣を見てほしいです。ふたりがついてこられる範囲でやろうかなと。手数少なく動けるようにやりたいなと思います。
冨田:殺陣の前のかっこいいセリフを見てほしいですね。
押見:いけやはオコチャ独特のセリフ回しがやりにくそうだけど。台本覚えにくいってよく言ってるよね。
いけや:うん、覚えにくい。
冨田:クセがあるみたいでね。でも、いけやさんは最後にバシッと決めてくれますから。観れば、きっと「フゥー!」っていう歓声を上げると思います。
押見:僕はこの劇場とずっと関わらせていただいていて泣くシーンもけっこうやってきましたけど、今回初めて本当の涙が流れるかもなって、自分に期待しているというか。稽古の段階では我慢しているので、本番で涙がポロリと流れたらいいなと思います。
――冨田さんのオススメのシーンはどこでしょうか?
冨田:犬の心さんはじめ、うるとらブギーズさんとか工藤(史子)さんとか巧みな方たちと、1年目のフレッシュさの交わり具合っていうのが年末にふさわしいのかなと思います。あとは、押見さんが無駄な努力をするので......。
押見:今年2本、神保町で出ているのはどっちもオコチャの作品なんですけど、マジでその後何の役にも立たないような無駄な努力をさせるんですよ。前回はダンスで、三浦大知と欅坂46を踊って。一応、吉本坂46のオーディションがあったので踊ってみたんですけど、きっちり落とされました。今回も何かしらがある予定です。
冨田:その辺を観ていただければと思います。
押見:あと今回、工藤(史子)さんがいいですよね。もう10年以上のつきあいですけど、お互い老けたなと。でも、ちゃんと老けて、それがいい味になっているんですよ。
冨田:31日のカウントダウン公演は、その前日までとは違うわちゃわちゃバージョンになっているんです。すごくいいことを思いついていて、それができそうなのでぜひカウントダウン公演にも来ていただけたら。僕、今年40歳になったんですけど、40年の中で一番いいアイデアっていうぐらいのことができそうなんです。それをぜひ見届けてください。
押見:俺、41歳だけど、「これ最高だ!」と思ったやつがそうでもなかったりするから。だって自己新でしょ? 世間的な一番かどうかは知らないけどっていう。
冨田:そう、そうです。"40年の自己新だと思ってるものでさえ大したことないんだ"っていう感想を持ってもらってもいいですし。
押見:でも、今回の作品は本当にいいお話なので、ぜひたくさんの人に見てほしい。ただ、メンツがね、地味なんですよ。食べ物で例えると、色味は茶色いんだけど食ったらすごく旨いやつ。スクールゾーンがちょっとだけ色ついてるのかなと思ったんですけど......。
冨田:橋本は鮮やかだね。
押見:でも久しぶりに会ったら茶色くなっていました。明るい茶色と濃い茶色みたいな、それぐらいの違いです。でもおいしいです。茶色い食い物って旨いですからね。
冨田:おいしい。
押見:うるとらブギーズが一番茶色いかな。同期の中でも特に茶色いからね(稽古場にいたうるとらブギーズ・八木に「同期、誰?」と声をかけると「オリエンタルラジオです」と答える)。......ね、もうエライこっちゃでしょ?
冨田:ずっと這いつくばってきたすごさですよね。真っ茶色になっちゃった。
――(笑)。皆さん、いい味が出ているというっていうことですよね。
押見:いい味、いい味です、マジで。本当にいい味のお芝居なので、いろんな方に来ていただきたいです。
【犬の心】【押見泰憲】【いけや賢二】【コロウカン】【川端武志】【ぬるぬるオータカ】【冨田雄大(オコチャ)】
『愛ない逢いたい大晦日2018』
日程】
12月28日(金)19:00開演
12月29日(土)14:00開演/17:00開演
12月30日(日)15:00開演
【作・演出】
脚本:冨田雄大
演出:山下哲也
【出演】
犬の心、うるとらブギーズ、スクールゾーン、細いとメガネ、大原さくら(たいやき)、川端武志(コロウカン)、ぬるぬるオータカ、久川みみ子/工藤史子(ロリータ男爵)
【あらすじ】
何処にでもあるような蕎麦屋で、何処にでもいるような男が迎えた大晦日。
荷物を持ち立ち去る嫁を引き止めることが出来るかな? 後悔ばかりが頭をよぎる。
大晦日くらいは「今年の自己採点は甘めにして、来年の自分に期待しましょう! 一年お疲れ様でした!!」
【会場】
神保町花月
【チケット】
前売2800円/当日3300円
【Yコード】
999ー070
▼詳細ページ
http://www.yoshimoto.co.jp/jimbocho/kouen_schedule/pc/2018/12/2018.php
▼神保町花月ホームページ
http://www.yoshimoto.co.jp/jimbocho/
▼チケットは【チケットよしもと】にて発売中!
http://yoshimoto.funity.jp
『愛ない逢いたい大晦日2018~カウントダウン特別公演~』
【日程】
12月31日(月)22:00-24:15(開場21:45)
【作・演出】
脚本:冨田雄大
演出:山下哲也
【出演】
犬の心、うるとらブギーズ、スクールゾーン、細いとメガネ、大原さくら(たいやき)、川端武志(コロウカン)、ぬるぬるオータカ、久川みみ子/工藤史子(ロリータ男爵)
【芝居&ネタ出演】
御茶ノ水男子
【ネタ出演】
サンシャイン、スカイサーキット、ワラバランス、ゴールドバーグ、天龍、プール、まんぷくユナイテッド/フルーツ おじさんとっしー
【あらすじ】
何処にでもあるような蕎麦屋で、何処にでもいるような男が迎えた大晦日。
荷物を持ち立ち去る嫁を引き止めることが出来るかな? 後悔ばかりが頭をよぎる。
大晦日くらいは「今年の自己採点は甘めにして、来年の自分に期待しましょう! 一年お疲れ様でした!!」
カウントダウンだけのちょっとだけ特別なお芝居。
【会場】
神保町花月
【チケット】
前売2800円/当日3300円
【Yコード】
999-070
※18歳未満(高校生を含む)の方の入場は不可となります。
※入場時に確認をさせて頂きますので、年齢が確認出来る物をご持参下さい。
【詳細ページ】
http://www.yoshimoto.co.jp/jimbocho/talk_schedule/pc/2018/12/2018-1.php