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2018年12月30日 (日)

乱歩の名作にかたつむり・林&ヒラノ&安達が挑む! 神保町花月本公演『贋作 黒蜥蜴』インタビュー

2019年1月5日(土)から1月7日(月)まで、東京・神保町花月にて、『贋作 黒蜥蜴』が上演されます。

本作は、江戸川乱歩の名作を大胆に脚色した白坂英晃さん(はらぺこペンギン!)作・演出の"贋作"シリーズ第2弾。前作に引き続き、かたつむり・林大介が明智小五郎、ヒラノショウダイが小林少年を演じ、新たに加わった安達健太郎が物語の鍵を握る重要な役どころに扮します。
今回は稽古も大詰めを迎える白坂さん、林、ヒラノ、安達を直撃し、本作の見どころについて大いに語っていただきました。

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(向かって左から:白坂英晃さん/ヒラノショウダイ/かたつむり・林大介/安達健太郎)

 *  *  *  *  *  *

――『贋作 D坂の殺人事件』に引き続き、今回は『贋作 黒蜥蜴』ということですが、なぜ数ある乱歩作品の中から『黒蜥蜴』を選んだのですか?

白坂:『〜D坂』って元々すごく短い話で、小説だと何十ページくらいなんです。それを1時間半に膨らませたので、今回はちゃんと長編の原作の中でトリックがしっかりあって、浮き沈みがあってというような作品を選んで味付けしたいなと思いました。さらに、前回怪人二十面相と戦ったので、今回は違う敵がいいなと思って『黒蜥蜴』を選んだんです。

――明智小五郎のキャラクター付けなどは、前回通りなのでしょうか?

白坂:そうですね。女好きだとかそういう設定は原作にはないものですけど、それはそのまんまやらせてもらっていますが、"贋作"シリーズならではのキャラクターですね。

――キャストの皆さん、ご自身の役どころについて教えてください。

林:今、白坂さんがおっしゃったようにキャラクターとしては、前作そのままの明智小五郎になっています。ただ、今回は『〜D坂』の時より話が難しくて、登場人物がどういう立ち位置にいるか、ちゃんと読み込まないと入ってこない。それだけ深いお話になっているんですけど、みんなで表現できれば前回よりさらに面白くなると思うので、白坂さんと連携してしっかり作り込んでいきたいですね。

――明智小五郎らしさ、スマートさというのは意識されているんですか?

林:僕、恥ずかしながら原作を読んだことはなくて。逆に言えば、先入観なしに台本や白坂さんが思う通りの明智にしていければなと思っています。
白坂:原作で、明智さんってけっこうカタい人なんですよね。やるんだったら崩したいなと思った時に、林さんなら一番イメージを覆せるかなって。もし明智がこんな性格だったらというラインに、林さんがいちばんハマったんです。
ヒラノ:僕も前回に引き続き、小林少年を演じています。白坂さんの脚本・演出の公演だと毎回、最初に長ゼリフをしゃべるのが恒例化してきていて、もはやイジリかなって思ってるんですけど。何ですか、あれは?
白坂:最初の頃はもっと一生懸命覚えてたんですけど、最近サボりだしたみたいで(笑)。
林:確かにそこは見え隠れしてますね。「あ、サボってきているな」って。
ヒラノ:いやいや! だって、どれだけ最初に読み込んで覚えていっても1回、チェックしたら二度と稽古しないじゃないですか。
白坂:あの緊張感がいいんだよ。最近は笑ってごまかそうとしてるでしょ?
林:ショウダイがやってくれることによって、こっちも「ちゃんとやらなきゃな」って思えてたのに。
白坂:上の代をキリッとさせるために、いちばん後輩の君が完璧に仕上げてくるっていう振りが必要だったんだよ。
ヒラノ:そこまで読みとれてなかったですね......。なので、本番で僕ができることは何もない、と。
白坂:そんなことはない(笑)。
ヒラノ:以前やった作品と同じ設定の人物を、違う作品で演じるっていう経験は初めてなんです。なので、前回を思い出しつつも新しい部分を出していければなと思っています。
白坂:彼は、上の代の人たちにも刺激を与えられるマジメさがあるかなと思うんです。小林少年って明智さんにくっついて一生懸命いろんなことやるっていう印象があると思うので、林さんとは逆に原作に近いイメージになっていますね。

――おふたりのコンビネーションはいかがですか?

林:ショウダイとは、これ以外でもよく一緒になっているのでやりやすいですね。
ヒラノ:僕としてもやりにくさはないです。何が飛び出してくるかわからないので怖いですけど。
林:長ゼリフのところで、僕がちょこちょこ入るんですよ。それでショウダイが崩れていくっていうのはありますね。
ヒラノ:ははは!
林:それが僕は楽しいです。

――では、今回から加わる安達さんは?

安達:はい。まさかこんな大役......ナウシカでしたっけ?
白坂:いやいやいや!
林:さっきまで稽古してただろ!
安達:ふふふ......、あのアニメ作品をどこまで舞台でやれるのかなって。
林:文章になった時、スベるやつだぞ。
安達:大丈夫っす。一生懸命、風の谷の平和を守ります!
白坂:(笑)。安達さんの役は、原作には出てこないんですよね。違う小説に出てくるキャラクターなんですけど、あえてごちゃまぜにして組み込んでみたら、こういう役に仕上がりました。
安達:ナウシカじゃなかったんですね......?

――(笑)。大正らしさであるとか、そういった独特な雰囲気は、あとから加わった安達さんからご覧になっても感じられますか?

安達:そうですね。台本が全部、旧かなづかいなので......。
白坂:ウソをおっしゃい!
安達:ふふっ、すげぇ読みにくくい。その辺からも大正時代の感じが出ていますね。
林:まだ衣装を着て稽古していないので、今日の稽古でも「そういえば大正時代は腕時計なかったね」とか、そういう改めて感じる時代感みたいなものはありました。
白坂:たぶん、本番近くなって衣装着て稽古し出した時、一気にそういった雰囲気が出るのかなと思います。
ヒラノ:前回は客席の上に提灯が飾られたりしていたので、今回、そういうところからも大正らしさは感じていただけるんじゃないかと思いますね。

――神保町花月の作品をたくさん手がけられている白坂さんが思う"神保町花月らしさ"というのは、どういうところですか?

白坂:僕が思っているのは、"芸人らしさ"を一瞬でも出してほしいっていうことですね。役を離れるわけではないけど、予期できない面白さが出せたら。カチカチに決めていく役者の芝居では、見られないものだと思うんです。今回カッチリと決まった世界ではあるんですけど、それでも遊ぶところはある。そういうところは、神保町花月でしか見せられないものだと思います。

――稽古でもそういう感じはもう出ていますか?

林:ボケたりするっていうことですか? 僕はもう台本通り......。
白坂:いやいや、ボケる筆頭だよ。
林:まぁ、僕は白坂さんとは何度もやらせていただいていますし、その辺のさじ加減はわかっているかなと勝手に解釈しています。ふざけてみて「ここまではやらせてくれるかな」「これ以上は伸ばしてもキリがないな」というのは、なんとなく判断できますね。
白坂:うん、大丈夫だと思います。

――では、物語の見どころを教えてください。

林:トリックが難しいので1回観ただけではわかりづらいですけど、2回観ると「こことここが繋がる」ってスッキリすると思うんですよ。そういうところは、今までにない作品にできあがっているのかなと思います。
ヒラノ:神保町ではなかなか見られない、エロいシーンがあるのは見どころですね。あとは、あしな(しゅうすけ)さんが1人でいろんな役割を背負っているので、そこも注目してほしいです。
安達:雨のシーンは実際に雨が降ったり、客席のイスがひっくり返ったりするしね。
林:だから、着替えを持ってきたほうがいいですよ。
安達:受付でカッパ配るみたいなので。
白坂:ないない、問題になります! けど、そのまま書いてください。

――わかりました(笑)。

林:神保町花月の年明け一発目なので、気合いが入りますね。僕らにかかっていますからね、神保町花月の全てが。だから、とにかくやりきるだけです。
安達:僕も全てをぶつけます。年明けなので、着物を着てきてくれたお客さんには台本をプレゼントします!
白坂:勝手に決めないで!

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『贋作 黒蜥蜴』
1月5日(土)19:00開演
1月6日(日)14:00開演/19:00開演
1月7日(月)19:00開演

原案:江戸川乱歩 
脚本・演出:白坂英晃(はらぺこペンギン!)
出演:林大介(かたつむり)、ヒラノショウダイ、樽見ありがてぇ(ホープマンズ)、御茶ノ水男子、おだいらつかさ(えりんぎ)、スカイサーキット、あしなしゅうすけ(さざんかポニーズ)、大谷麻乃、山田裕磨(いまさらジャンプ)、ジョー(トーキョー少女)、夏瀬ゆの(Showtitle)/安達健太郎
会場:神保町花月
チケット:前売2800円/当日3300円

神保町花月HP詳細:http://www.yoshimoto.co.jp/jimbocho/kouen_schedule/pc/2019/01/post-87.php

チケットは、チケットよしもと(http://yoshimoto.funity.jp)にて発売中!


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