推理と心理戦の駆け引きが光る「人狼王決定戦!~今夜No.1決定!初代王者は誰だ!?~」
12月30日(日)、よしもと沖縄花月で「人狼王決定戦!~今夜No.1決定!初代王者は誰だ!?~」が行われました。
「人狼」は大勢で行うゲームの1つで、大きく「市民」と「人狼」の役に分かれ、参加者が話し合いによって人狼と思われる1名をゲーム外に排除することができる「昼」と、人狼が活動し人間を襲う「夜」のターンを繰り返し、参加者の言動から的確に人狼を選んで排除できれば市民側の勝ち、最後まで人狼が残っていれば人狼側の勝ちというゲームです。今回は参加者を普通の人間「市民」役、市民でもあり、指名した人が人狼か人間かを占うことができる「預言者」、同じく市民でもあり、前日に排除された人が人間化人狼か知ることができる「霊媒師」、同じく市民でもあり、自分が選んだ人を被害にあわせない「ボディガード」、普段は人の姿をしているけれど夜になると人を襲う「人狼」役、そして市民だが人狼側についている「裏切り者」の6つの役に分けてゲームを進めました。
よしもと沖縄花月では決定戦の開催のため、1ヶ月前から予選を行っており、ゲームの進め方に応じて参加者にポイントが与えられ、見事予選を通過した12名と、敗者復活枠で参加が決定した2名の計14名がこの日の舞台に立ちました。
場を取り仕切るゲームマスターを務めるのは利根川ホプキンスの岩田。客席に向かって「人狼のルール、知らない人います?」と声をかけると、前列の男性がゆっくり挙手。観光で沖縄に来ており、たまたま花月があったから入った、という話に岩田は「お笑いライブじゃなくてごめんなさい」と謝り、ありんくりんクリスは「まだ返金できますよ!」、初恋クロマニヨン比嘉は「いやいや、帰るんじゃなくてちゃんと楽しんでいってもらおうよ」と、それぞれ個性的に弁明していました。その後、岩田は役が書かれた紙の入った封筒が置かれた椅子の上に参加者を座らせ、それぞれに「役職は周りに見られないように、すぐ片付けること」と指示しましたが、一筋縄ではいかないのが花月流。ステージに登場した瞬間から格好がおかしいマルキヨビルしょうへいや、封筒を空けた瞬間「ちょっと~、俺Tカード出てきたんだけど?!」とネタを仕込む比嘉など、笑いをとりにいく気満々の様子です。しかし、予選を1位で通過したクリスが「お笑いのノリでやったら負けるよ?」と、その様子に釘を刺していました。
やっとゲームが始まり、最初は昼のターン。3分間参加者が全員討論した後、追放者を1人決めるのですが、なにしろ最初は全く情報がないため、普段から挙動不審でこの日もそわそわしているなみちゃんと、意見が的確すぎて参加者を操ろうとしているのでは?と疑われたプレイングサポーターが疑惑をかけられます。このターンでは多数決でプレイングサポーターが退場することになり、参加者全員が顔を伏せて夜のターンへ移ります。
夜のターンではゲームマスターに呼ばれた役名の人だけが顔を上げ、人狼は襲撃する人物を決めたり、預言者は人狼かどうか疑わしい人を占ったり、ボディガードは守る人を決めたりと、昼のターンへ向けて準備をします。
ステージ横のモニターには役職名が書かれた配置図が映され、それぞれがどのような意図で動いたのか観客に分かりやすいようにしており、今まで人狼というゲームを知らなかった人も楽しめるように工夫されていました。
2日目の昼のターンになり、オーシャンの心輝が人狼に襲われ退場。残った参加者は「夜のターンでさきはまのメガネが落ちたから、夜動いていた証拠なんじゃないか」と、さきはまっくすを尋問します。しばらく話し込んだ後、クリスが「俺が人狼だったら、メガネの話で3分のばすよ」とさきはまっくすの潔白を証明するような助け舟を出します。人狼側から見て、市民を特定していくクリスが邪魔だったようで、夜のターンで襲撃する人物に決められたのはクリスだったのですが、ボディガードも「クリスを守っておかなきゃ!」と気付いたようで、夜のターンの防衛成功。犠牲者を出さずに次の昼のターンを迎えることができます。
しかしボディガードは連続で同じ人を守ることが禁止されているため、次の夜のターンでクリスが襲撃され退場。ここで残った市民役が結束するべく、ハイビスカスパーティのゆかと魁バーバリアン与儀が、自分が霊媒師と預言者だと告白。ぐりんのーと津嘉山が慌てて「自分も預言者だ」と名乗りますが、情報の撹乱に失敗し、退場になります。
そして次の朝に襲撃のために退場になったのは与儀。これがきっかけで「与儀が予言者なのは本当だった」と証明されたため、人狼の絞り込みが進み、1ゲーム目は市民が勝利をおさめました。舞台袖に隠れていた参加者は再び全員舞台に上がり、プレイングサポーターは「俺、最初からなみちゃんが怪しいって言ってたのに最初に退場させやがって~!」や、心輝は「市民が勝ったのに嬉しくない!!」(最初の犠牲者だったため)を叫んでいましたが、比嘉が2人を「必要な正義の犠牲だったんだよ」となぐさめていました。また、告白と犠牲がどちらも最高のタイミングだったということで、与儀にMVPが贈られました。
続いて2ゲーム目がスタート。ランダムに座った椅子に封筒が置かれており、中の紙で役職が決まるのは1ゲーム目と同じですが、変わったのは夜のターン。モニターを映さず、緞帳も締めてゲームマスターと役ありの人が話し合うことで、観客も一緒に人狼の予想ができる、という形式にし、わくわく感をさらに上げました。
2ゲーム目で大活躍したのはプレイングサポーター。1ゲーム目の1ターンで最後まで残った人狼、なみちゃんを言い当てていただけあり、観察眼がすごく鋭く、「普通、紙を見たとき周りの人を気にするんですよ。でもさっきのなみちゃんみたいに、紙を見て(自分に役職があるからそれに納得して)、周りを見ようとしない人がいる。今はイーシャンテン又吉がそうだった」と話し、又吉の追放を決定。また、別のターンで与儀が犠牲者になった後、プレイングサポーターがカシスオレンジあらたに向かい「あらた、与儀が連れて行かれたとき驚いてなかったよね」と指摘し、あらたの追放を決定するなど、参加者を納得させゲームを引っ張ります。ボディガードであることを早い段階で口にし、犠牲者になった心輝や、霊媒師かつゲームを進めるのが上手いため人狼に狙われたクリスを失った穴を埋めるべく健闘しましたが、4回目の夜のターン前に「次は俺が犠牲者になるはず」の言葉通り、あえなく人狼に襲撃されてしまいました。
残ったメンバーはさきはまっくす、ゆか、又吉、なみちゃん、ハイビスカスパーティちあき、津嘉山。ここで昼のターンになみちゃんとちあきが2票づつ退場指名を受けるというハプニングが起こります。このまま意見が変わらず同じ票を獲得した場合、2人同時に退場になるということで、「市民が2人一度に退場になるのは痛手だから」とどちらを退場させるかヒントを探る中、津嘉山が「2人退場させたほうがいい」と意見を出します。「2人退場させたい、というのは人狼の意見だからじゃないのか?!」と疑惑が持ち上がる中、このターンではちあきの退場が決定。夜のターンでゆかが犠牲になり、残り4人での人狼探しが始まります。ここでやっと大谷が自分が預言者だと告白。今まで指名した誰も人狼ではなかったことを明かしたため、3人に「このポンコツ!」と責められます。結局有効なヒントがつかめないまま退場者を決め、さきはまっくすが退場することに。そして残る3人の中に人狼が残っていたため、2ゲーム目は人狼の勝利となりました。
あらためて全員がステージに上がり、今回の人狼はなみちゃん、憲吾、又吉だったことを種明かし。ゲーム中に津嘉山が2人退場させたい、と言ったのは「あの2人のどちらかが人狼だと気付いたから、どっちも退場させて市民側を勝たせるつもりだった」と話したり、大谷がクリスに「2人に2票づつ入ったんだから、残ったなみちゃんを占えばよかったのに」と指摘されて肩を落としたり、最後に退場させられたさきはまっくすは市民だったけれど実は裏切り者役だったりと、ゲーム内でかなりの駆け引きが行われていたことが明かされました。
そしてポイント集計の結果、1位はさきはまっくすとなりました。撹乱させるような言動は少なかったものの、ずっとただの市民として潜伏できていたことがかえって高ポイントとなったようで、人狼の奥深さが客席にも伝わったようでした。
ステージ上で「またやりたいね」「今度は1位を目指す」など、出演者がそれぞれ今後の抱負を語りながら、「人狼王決定戦!~今夜No.1決定!初代王者は誰だ!?~」は幕を閉じました。