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2019年1月30日 (水)

「参地直笑 祭 in 西淀川区」で桂文枝が創作落語「しあわせのアイランド」をお披露目!

1月27日(日)、大阪市の西淀川区民センターで、「参地直笑 祭in 西淀川区」が開催されました。桂文枝の大阪市24区創作落語プロジェクトとして、これまで住之江区、大正区、港区、此花区、旭区で行われてきた同イベント。毎回、各区の名物や名所をたっぷり盛り込んだ落語が披露されますが、ここ西淀川区ではどんな噺が聞けるのでしょうか。

まずは西淀川区住みます芸人・スキンケア大学が登場。28年間、西淀川区に住んでいるという地元っ子・吉野の住所を完全にバラすというボケで笑わせたあとは、「スキンケア大学を見たことがある人」と質問を。チラホラと手が上がり、ふたりは「増えてきた!」と喜びます。さらに、「西淀川区には何でもある」とローカルなスポット名を連発するトークや、元気なコール&レスポンスでも盛り上げました。

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続いて本日の主役、桂文枝によるオープニングトークが。「西淀川区に来るのを楽しみにしていた」という文枝は、区民ホールの館長が大学の後輩であることを明かし、事前にホールの下見に訪れた際の出来事をおもしろおかしく語ります。落語を作るにあたっても「5回ほど足を運んで、いろんな方にお話を聞いた」そうで、「『ほんまに来てるんかいな』『見たことないで』という方もおられるでしょうが、ちゃんと来てますねん」と、取材時に撮影した写真をスライドで紹介。江崎グリコの江崎記念館では、トレードマーク(ゴールインマーク)にまつわるトリビアも仕入れたようで、観客はときに笑い、ときに感心しながら見入っています。同区西端にある矢倉緑地にも足を延ばしたという文枝は、「人より野鳥の方が多かった」と笑わせつつ、「素晴らしいところなのでぜひ行ってみて」と区民の皆さんにメッセージも。最後は「(西淀川区の落語は)なかなか難しかったが、一生懸命作ったので、大いに笑っていただきたい」と挨拶しました。

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落語お披露目の前にも、お楽しみが満載です。トップバッターのspan!は、水本99kg・マコト45kgで「体重の差が倍以上のコンビ」と個性をアピール。験担ぎにマコトを肩にかついで沸かせたほか、「人の心を読む」というマコトの特技でも笑いを起こし、観客のハートをがっちりつかみました。

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桂三実は「松山鏡」を口演。まだ鏡が一般的ではなかった時代、お上から褒美として鏡を授けられた正直者の正助と、周囲の人々のやりとりを、軽妙に演じました。

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いよいよお待ちかね、文枝が高座へ。マクラでは、「寒くなっても風邪が引けない商売」と自らの身の上に触れ、数日前に熱っぽさを感じて病院を訪ねた折のエピソードを。息子に代替わりして現在は引退しているという、80代の医師の診察ぶりをコミカルに再現すると、観客は大笑いです。

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この後「もしも、その先生の聴診器がしゃべれたら...」という話から、「落語というのは不思議な芸で、噺の中では人間だけでなく動物でも何でもしゃべる」と切り出し、ネタ「しあわせのアイランド」へ。古代には「難波八十島」と呼ばれたほど多くの島があった西淀川区。今も17町中8町に島の名前が残っていますが、「その島が集まって会議をしたら?」というのが今回のテーマ。なんと「島がしゃべる」という奇想天外な設定で、観客を不思議な世界へいざなっていきます。

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名付けて「第1回 西淀川区島サミット」の発案者は「大和田」。同区の中ほどに位置するこの町はかの万葉集にも登場するそうで、文枝がその歌をそらんじると、客席から拍手が。「大阪市島町名会」会長の中之島を筆頭に、さまざまな「島」名を持つ町からのメッセージでも笑いを誘います。

同区の「島」たちのキャラクターもじつに多彩。江崎グリコの本社を擁する歌島が「我こそはリーダーである」と主張すれば、竹島は「電車の路線がふたつも走っているのに駅がない」とボヤキ節。外国人の住民も多い出来島は語学教室の誘致を狙い、中島は「電車は走っておらず、走っいるのはトラックばかり」と嘆きます。西島が「自慢は矢倉緑地があることだが、交通の便が悪く、子どもやお年寄りが来られないのはおかしい!」と力説すると、「そうだ!」とばかりに拍手と歓声が上がりました。

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唯一の女性キャラ・姫島は「やりなおし神社」とも呼ばれる姫嶋神社に「そのうち元貴乃花親方が来るかも」とつぶやくなど、時事ネタもチラリ。百島が「最寄り駅が遠すぎる」と涙ながらに訴えると、御幣島は「区役所もあり、西淀川区のウォール街と言われている」ゆえリーダー候補の歌島に待ったをかけ...という具合に、8つの「島」が大激論! サミットは大混乱となり、思いも寄らぬサゲまで爆笑の連続となりました。

締めくくりは、同区の塩屋幸男区長と文枝のトークで。今回の取材・創作を経て、「もう西淀川区のどこへでも住める。どこに何があるか知っている」と自信をのぞかせる文枝。此花区の創作落語では鰻がしゃべりましたが、「島がしゃべる噺は初めて。いかがでしたか?」と呼びかけ、大きな拍手を浴びます。

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塩屋区長は、「隅々まで地名を覚えていただき、本当に感心しました」と感激しきり。文枝は「大野川緑陰道路や矢倉緑地など素晴らしい施設があるので、子どもやお年寄りが気軽に行けるようにしてもらいたい」と改めてリクエストし、「西淀川区の人に知ってもらうというよりも、大阪府下の皆さんに広く『来てください』というアピールをしてほしい。『やりなおし神社』もぜひ全国に!」と期待を寄せました。

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まだまだ続く「大阪市24区創作落語プロジェクト」ですが、今回の西淀川区のネタについては「またどこかでやって、西淀川区の宣伝をしたいと思います」と文枝。塩屋区長は「タイトル通り『しあわせ』な時間を作っていただきました」と感謝し、花束の贈呈をもってこの日のイベントは幕となりました。これからも、「参地直笑 祭」に、どうぞご注目ください!

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