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ライブレポート2011/07-12月

2011年10月12日 (水)

【ライブレポート】泥の97年デビュー組・二期会 秋の泥祭り2011

10月11日(火)、品川よしもとプリンスシアターにて、『泥の97年デビュー組・二期会 秋の泥祭り2011』が行われました。

人気バラエティ『アメトーーク』でもおなじみの“泥の97年デビュー組”とは、東京NSC2期生と、その同期でよしもとに所属している芸人たちのこと。同期デビューのパンクブーブー・黒瀬がM-1制覇、あべこうじと佐久間一行がR-1制覇を成し遂げたものの、まだまだ泥に浸かったままのメンバーも多いということで、今宵も二期会メンバーが大集合し、賑やかな宴を繰り広げました。

この日のオープニングは、デビュー15年にして初MCとなるカラテカ・入江が仕切ることに。
やる気まんまんの入江でしたが、ここ一番のところで噛んでしまったり、言い間違えてしまったりで、メンバーからはツッコまれっぱなし。さらに、メンバー紹介では各々が持ちギャグを披露したうえ、同期ならではのおなじみのくだりもやりたい放題で、大騒ぎに! なんとメンバー紹介だけで約30分もの時間が経ってしまい、入江は「疲れるな…」としみじみつぶやいていました。

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というわけでやっと本編へ。ライブは、ネタとコーナーが交互に行われました。

カリカ解散後初の二期会ということもあって、この日のコーナー企画は“やしろの今後”が大きなテーマに。

『やしろの今後緊急会議』と題したコーナーではまず、なぜピンになって“マンボウやしろ”という芸名にしようとしているのか、というとこから議題がスタートします。これに対してやしろは、元相方の林も自分も、すぐに衝撃で死んでしまうデリケートなマンボウのエピソードが好きだったこと、そして林に「コンビ名をマンボウにしないか」と持ちかけたことも告白しました。しかし、その提案をしたところ、林からこっぴどく怒られたそうです。

林はそれでやめたんじゃないかという疑惑も持ちあがる中、ピンのいいところ、悪いところをそれぞれあげていくメンバーたち。しかし、やしろはどこかのコンビに入れてほしいという気持ちがあるんだそう。これに対してガリットチュウ・福島が、「やしろさん入ってほしいなって一瞬思ったけど、むっちゃ遅刻するから、僕、殺しかねない」と言うと、「俺、別にガリットチュウ入りたいって言ってねぇから!」となぜかキレるやしろ。ここであわや大ゲンカの大参事になりかけましたが、ガリットチュウ・熊谷の「俺は福島だけだよ!」という心温まる一言で、なんとかその場は丸く収まりました。

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さらに、『やしろの相方オーディション』のコーナーでは、相方候補の佐久間一行、くまだまさし、レイザーラモンHG、ニブンノゴ!・大川&Bコース・ハブ、しんじがスーツ&メガネの“やしろ好み”の姿で登場。それぞれ、やしろがツッコミの場合、ボケの場合を想定してやしろと共にネタを披露しました。

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七三にすると意外と林に似ていた佐久間、ピン芸人ながら漫才の経験もあることをアピールしたくまだ、やしろが大いに食いついたハードゲイならぬハードレズ(=HL)キャラをプレゼンしたHG、奇抜なネタで会場をざわつかせた大川&ハブ、やしろに噛みついただけのしんじという魅力的な5人がそろいましたが、残念ながらやしろの答えは「ごめんなさい!」。結局、気に入ったハードレズキャラだけを持ち帰ったやしろなのでした。

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最後に行われたコーナー『ポコポコくんが行く!』では、カワイイ“ポコポコくん”にふんしたガリットチュウ・福島が、突然パイプ椅子に座っていたデッカチャン、ギンナナ・キクチらをふっとばし、パイプ椅子をふたつも壊してしまうというハチャメチャな展開に。

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約3時間に渡ったライブのエンディングでは、ニブンノゴ!・大川のウソ告知で大盛り上がり。
“秋の泥祭り”は、97年デビュー組らしく、最後まで大騒ぎのまま幕を閉じたのでした。

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【ギンナナ】【ニブンノゴ!】【Bコース】【増谷キートン】【佐久間一行】【しんじ】【バッドボーイズ】【井上マー】【くまだまさし】【カラテカ】【デッカチャン】【カリカやしろ】【ガリットチュウ】【レイザーラモンHG】

2011年10月11日 (火)

【ライブレポート】L.A.F.U.×KABUTO

10月10日(月・祝)、品川プリンスシアターにて『L.A.F.U.×KABUTO』が開催されました。

L.A.F.U.とは、2000人以上が参加したオーディションを勝ち抜いたイケメンユニット。芸人だけではなく、ダンサー、俳優などさまざまなジャンルで活躍が期待される新鋭16人が歌に、ダンスに、コントにと多岐にわたった活動を繰り広げています。

そして、KABUTOとはピン芸人・畑中しんじろうこと“ちゃんのしん”をリーダーとする若手芸人のアイドル軍団。ピンクのタンクトップ&はちまき、白の短パンという出で立ちの歌って踊れるユニットとして、人気を博しています。

そんなよしもとを代表する(?)2大ステージユニットが今宵、夢の共演を果たしました!

まずは、L.A.F.Uが登場。切れ味の鋭い迫力あるダンスで、会場を一気に包み込んでいきます。気持ちよく踊れたようで、“ハイスクール”というストーリー性のあるダンス後には暗転のなか、メンバーから「楽しい〜!」という声も挙がりました。

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「L.A.F.U×パフォーマンス」では、さまざまな特技を披露するメンバー。
トップバッターのKan&TACKTによるボイスパーカッションは成功に終わったのですが、てっぺーの三線演奏、ムラジュンのバイオリン演奏はお世辞にも上手いとは言えない結果に。仲間の散々な出来に「俺も怖くなって来た……」とつぶやくユーキでしたが、aikoさんの「ボーイフレンド」をピアノで演奏します。すると演奏中、可愛いとチヤホヤされるユーキを意識しているらしいりょうが、突然乱入。「ホントに邪魔だった!」と、困惑の表情を浮かべるユーキでした。

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華麗なダンス後は、オリジナルソング「L.A.F.U.YELL」「Still in Love」「Wonderland」を披露しました。

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暗転のなか、客席でピンクのペンライトが光り始めると、続いてKABUTOが登場。

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「す〜ごい人数だね。300万人は入っているのかな? 今日は僕達のためだけにありがとう」と、お決まりのセリフを口にするリーダー・ちゃんのしん。「L.A.F.U.もカッコいいけど、俺らもカッコいい?」と副リーダーのにしじ(エリートヤンキー・西島)に訊かれると、「カッコいい!」とキッパリ答えます。
「けど、ハゲてる人もいるよ」とにしじから名指しされたのは、GHS(トレンディエンジェル・斉藤)。頭を隠さず、口元を隠すという謎の行動で会場を沸かせました。

メドレーでは「ステドリ」「過去未来」「君が好き」「ワンステップ」「君に元気」を披露しました。

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また、アコースティック・バージョンでは文様(囲碁将棋・文田)のギター演奏に合わせて、GHSとCHS(ジャングルポケット・斉藤)が「Thanks for you」「ステドリ」「ワンステップ」を熱唱。その横では、このユニットでは食いしん坊キャラのこんちゃん(バース・近藤)が、焼きそばを無心に食べ続けていました。

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いじめられるだま君(ジューシーズ・児玉)を助けるマイケル・ジャクソン。最初はちゃんのしんが扮していたのですが、イノッチ(井下好井・井下)に変わって……というダンス調のユニットコント後は、さらに歌とダンスを披露。「虹に願いを」「sweet sweet baby」「マッチョ未来」、アンコールでは「過去未来〜大阪Ver.〜」を熱唱し、KABUTOのステージは終了しました。

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それぞれのライブ後は、合同企画「L.A.F.U.×KABUTO 7番勝負」がスタート!

1番勝負は「腕相撲バトル」。腕に覚えアリのメンバーが3名ずつ参加し、勝ち抜き戦へ。トップバッターのGHSがあっさりと負けてしまったため、KABUTOは追いかけるかたちとなりましたが、最後の砦・だま君が2人を倒して最終決戦へと持ち込みます。が、「若い頃はケンカばかりしていました」というヒロが、圧倒的な強さを見せてL.A.F.U.を勝利へと導きました。

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2番勝負は「モノマネバトル」。3対3の対決となりましたが、L.A.F.Uチームは大将がアニメ『ちびまる子ちゃん』に登場するさまざまなキャラクターを1人でモノマネ、KABUTOチームはCHSが「踊るポンポコリン」に合わせて氷室京介さん、松山千春さん、山崎まさよしさん、森本レオさんのモノマネを披露し、会場を沸かせます。結果、多彩な芸を見せたL.A.F.U.チームの勝利となりました。

3番勝負は「クイズバトル」。5人の勝ち抜き戦は序盤、KABUTOチームが劣勢にたちましたが、L.A.F.U.チームのアンカー・みずきが最後まで正解できず、逆転に成功します。

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4番勝負は「ラブソングバトル」、5番勝負「女子歌バトル」は、L.A.F.U.チームのSori、TACKT&大将というイケメン相手に健闘したKABUTOチームのCHS、GHSに、それぞれ軍配が上がりました。

6番勝負「運だめしバトル」。1つだけ入っている鳴らないクラッカーを手に取ってしまったほうが負けというなか、各チーム5人がランダムにクラッカーを選択します。BGMに合わせて踊りながら、クラッカーを鳴らしていく両ユニットメンバーでしたが、L.A.F.U.チームが華麗なダンスを披露するたびに絡んでいくKABUTOチームの文様。にしじに「デブなのに、なんで出て来るの?」とツッコまれても、全くひるみませんでした。
このバトルは最後の1人ずつまでもつれ込みましたが、てっぺーがクラッカーを鳴らしたL.A.F.U.チームが勝利を収めました。

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最後の勝負「大縄跳びバトル」は、そのタイトル通り、大縄跳びで飛んだ回数が多いチームが勝ちというもの。KABUTOチームの人数に合わせて、L.A.F.U.チームはYU、なる、みずき、ジャン、りょう、ムラジュン、てっぺー、G.Meeが挑戦。……ですが、G.Meeはなぜか気まずい表情を浮かべています。
実は、KABUTOメンバーでもある彼。仲間にぐいっと前へ押し出されると、客席からは「あ〜〜〜〜!」という非難の声が。さらに、「あれ? しんちゃん、あの人知ってる?」(にしじ)「誰だっけ? 同級生の鈴木くんかな?」(ちゃんのしん)と冷たい態度を取られてしまいました。

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先攻のL.A.F.U.チームは、結果16回。なんとか勝ちたいKABUTOチームは、誰が縄を回すのか、誰がどのポジションに入るのかで揉め始めます。そんな様子に、いつもチームを仕切っているにしじは「え? 俺がいないと、こんなにぐだぐだなの?」と呆れ顔。揉めに揉めたKABUTOチームでしたが、最後は見事なチームワークを見せ、18回に成功。7番勝負を見事に制し、先輩ユニットとしての威厳を見せつけました。

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エンディングでは、L.A.F.U.が「ステージオブドリーム」、KABUTOが「Wonderlad」と、それぞれのオリジナルソングを歌い合います。お客さんの温かい手拍子を受けて、ライブの成功を喜び抱き合う両リーダー。

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「KABUTOはたちが悪いから、今後“Wonderland”を自分らのライブで歌う可能性があるよ」と、ニヤニヤするにしじ。ちゃんのしんが「交換として、“メッセージオブドリーム”あげる!」と言うも、「いや、1曲だけじゃ申し訳ない」と文様。「じゃあ、“過去未来”も“ワンステップ”も“マッチョ未来”もあげる!」と大盤振る舞いするちゃんのしんでしたが、L.A.F.U.メンバーはただただニコニコと笑うだけです。

そんななか、1人号泣するG.Mee。「どうしたの? なんで泣いてるの?」と口々に訊ねられ、「こんなかたちでKABUTOさんと共演できるなんて……」と顔を覆うと、KABUTOメンバーからは「お前もKABUTOじゃねーか!」という愛のあるツッコミが入りました。

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●L.A.F.U公式サイト
http://lafu.laff.jp/


【畑中しんじろう】【西島永悟】【エリートヤンキー】【文田大介】【囲碁将棋】【児玉智洋】【ジューシーズ】【かたつむり林】【斉藤司】【トレンディエンジェル】【近藤裕希】【バース】【井下昌城】【井下好井】【斉藤慎二】【ジャングルポケット】

2011年10月10日 (月)

【ライブレポート】肉体の悪魔

10月8(土)、9日(日)の2日間にわたり、神保町花月にて『特別講演 肉体の悪魔』が行われました。

これは「MONO-KAKI大賞」でシナリオ部門大賞受賞作品を舞台化するという企画。なお「MONO-KAKI大賞」とは、神保町から優れた人材・作品を発掘・発信すべく昨年から設けられた賞で、 第一回目となる昨年は脚本・シナリオ大賞として行われました。そのシナリオ部門で大賞を受賞した、戸田章宏さんの作品を、カリカやしろが演出。はんにゃとちすんらの出演で舞台化したものです。

物語は、鮮烈なキスシーンから始まりました。下校の時刻を告げるアナウンス、そして現れた二人の女子高生サオリ(ちすん)とレイコ(児玉絹世)。「あたしだけを好きでいてくれる?」「当然でしょ」二人が禁断の恋に落ちた様子が描かれます。しかし、それが周囲にバレてしまったことから、二人は引き裂かれ、そして…レイコは高い場所から身を投げてしまったのでした。

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続くシーンは、サオリのその後。中学校の先生となったサオリのクラスにやってきた転校生のナカガワマサヒコ(はんにゃ・川島)が、なんとレイコの生まれ変わりだというではないですか! サオリは婚約者(はんにゃ・金田)のいる身でありながら、レイコの生まれ変わりと恋に落ちてしまう…。そんなストーリーの中、やはりひときわ異彩を放っていたのは川島。「ここはあたしの特等席よ、サオリ!」と、完全に“女の子”として語る川島に、会場からは思わず笑いが。しかし、さすがにストーリーがシリアルなものなだけに、次第にお客さんも慣れていった様子。そして、担任の先生として、ナカガワくんの家庭訪問にやってきたサオリは、彼の家がレイコの住んでいた家と同じであることに戸惑いつつ、ナカガワくんの部屋(レイコの部屋と同じ)へと入り懐かしさに胸をアツくします。とそこへ、外出していたナカガワくんが帰宅。「先生が部屋で待ってる」と聞いたナカガワくんが自身の部屋に入ると、そこにはこわい顔したレイコの姿が。「悪魔は天使の顔をしてやってくる」――。

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とここで、会場には思わぬアナウンスが! 「はんにゃ・川島の学ラン、女口調の組み合わせがあまりにも違和感を生み、ストーリーあ頭に入ってこないことを深くお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした」。ええー!? そんなことを言ってしまうの? 会場は突如として爆笑に包まれます。 すると、スポットライトで照らされた川島の姿が浮かび上がりました。「マジで? 女口調でさ、13歳の設定でさ…ぼくは本当に一生懸命やったんですよ。すみませんでした!」。ここでまたアナウンス。「それではただいまより、キャストを代えて再演させていただきます」。

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そして始まったのは、レイコの生まれ変わりに金田が扮するという物語(しかも設定が高校生に!)。たしかに、なんら違和感なくストーリーは進んでいき、なんだか一粒で二度楽しんでいる印象です。なお、川島は金田がやったサオリの婚約者として登場。サオリとレイコの生まれ変わりであるナカガワくん(ときとして児玉絹世が金田にシンクロして登場)との蜜月も、ナカガワくんが“秘伝のレシピ”で特製ハンバーグを作って食べさせるシーンなどが展開されます。

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さらに今回は、ストーリーの中断はなし。なぜナカガワくんの部屋に入ったサオリが、こわい顔になったのかが明らかになります。それは…サオリが、その部屋でレイコの生前の日記帳を見つけたからなのでした。「悪魔は天使の顔をしてやってくる。あなたは、レイコの日記を見て、完全にレイコになりすましたのね!」そう叫ぶレイコに、ナカガワくんはそっと悲しい表情を浮かべます。そうして、二人の関係は破局に。ナカガワくんは両親の住むシンガポールへと旅立つことになったのです。と、そんな彼の元へ、一本の電話が。「サオリ? どうしたの?」「日記帳を送ってくれてどうもありがとう。わたし、何日も徹夜して全部読んだわ。でも…特製ハンバーグのレシピがどこにも書いてなかったの! どうして…」「当たり前よ。レシピはあたしの頭の中にあるんだもん」「…レイコ、いまどこにいるの!? 教えて」「さよなら。今度こそ、本当に」。泣き崩れるサオリ…。

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哀しくて、途中は笑いに溢れ、でもやはり悲しい物語はこうして幕を閉じたのでした。

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出演者のあいさつで、「どうでしたか? というか川島の女はムリありましたかね?」と金田が呼びかけると、うなづきとともに「あったあった」との声まで飛び、ショックを受ける川島。「これが本当の肉体の悪魔です」と、目鼻が書かれたお腹をむき出しにするも、会場は苦笑。一方、全編に出演していたちすんは「稽古の日数が少なかったんでたいへんでした」とするも、満足げな表情をのぞかせます。脚本のシリアスさはそのままに、巧みに笑いも織り交ぜ、新しい演劇のカタチを垣間見せてくれたような公演でした。

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2011年10月 4日 (火)

【ライブレポート】アメリカ大使館宿舎@ほーむ寄席

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9月29日(木)、都内にあるアメリカ大使館宿舎にて『@ほーむ寄席』が開催されました。

「@ほーむ寄席」とはお客様の地元や生活圏にこちらから出向いて、お客様の日常の生活感のなかで落語や漫才などの演芸を楽しんでいただこうというプロジェクト。なんと今回ははじめて、外国の方の日常へとおじゃますることとなりました。なお今回は、吉本興業と縁のある民主党所属の最年少国会議員、松岡広隆議員が大使館職員の方とお知り合いだったことにより実現したもの。会場となった集会所には、宿舎で暮らす方たち、およそ50人ほどが集まってくださいました。

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大使館職員の方の説明があった後、登場したのは本日の案内人でもある桂かい枝です。彼は「繁昌亭大賞爆笑賞」など数々の賞を受賞するほどの実力者として知られますが、なんと国内にとどまることなく、世界に「RAKUGO」を広めようと、1997年より海外公演を開始。イギリス・カナダ・インド・ブルネイ・フィリピンなど、世界12カ国34都市で高座を披露している「英語落語」の第一人者でもあるのです。そのため、のっけからアメリカ人のハートをガッチリとキャッチ。ほとんどの人が「落語ははじめて聴く」という状況の中で、まずは空気を作ってみせます。ちなみに、公演は職員の方の説明からはじまり、もちろん全編英語にて行われます。

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そしてまず高座へ登場した演者が、カナダ人の落語家・桂三輝(サンシャイン)。カナダオンタリオ州トロントに生まれながら、2008年に桂三枝に弟子入り。現在は上方落語会初の外国人噺家としても注目を集めている彼は、いつもは日本語で生活し、修行を行っているわけですが、ネイティブの前とあってまさに水を得た魚のよう。マクラとして、師匠のもとでの修行の様子や、言葉の発音で苦労したことなどをフリつつ『動物園』へ。無精な男が、動物園のトラが死んだために募集された“トラの皮をかぶってトラになる”という仕事にありつく様子を、さまざまなエピソードとともに演じます。もちろん落語なので、コスプレをするわけでもなし、座ったままでの口演ですが、アメリカ人のお客さんはイマジネーションを広げて大ウケ。すんなりと噺の世界に入っていっていました。

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幕間の映像として、落語の歴史をレクチャーするビデオを流された後、いよいよ真打、桂かい枝の高座です。まずは落語の所作として、みんなでうどんをすする仕草を実演すると、全員ノリノリ。子供たちはやんやと歓声をあげ、大喜びです。と、そんなかい枝が続いて入っていった噺が『いらち車』。急いで教会に行こうとする男が(本来は駅ですが教会というところが英語落語ならでは)、人力車に乗ろうとするのですが、最初に見つけたのはめちゃくちゃ遅い車。怒って車から降り、今度は「一番早いのはオレだ」という威勢のいい車に乗るのものの…という内容の噺ですが、映画『スピード』さながらの大きなアクションに満ちた噺に、お客さんも爆笑につぐ爆笑。最後、わけのわからないお花畑についたことをとがめる乗客が「ここ教会ちゃうやろ!」と言うと「無事に天国に着きましてん」というサゲでは、なんとお客さんもいっしょに「ヘブン」と唱和! 直後、万雷の拍手に包まれたのでした。

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なお、公演終了後は同じく集会所にて、いなり寿司や巻き寿司をまみながらの親睦会。かい枝、三輝らは積極的に記念撮影に応じ、大いに歓談。アメリカ人のお客さんに混じって、高座を見ていた松岡議員も、公演の大成功に大満足といった表情を浮かべて歓談の輪に加わっていたのでした。

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桂かい枝
「いやあ、今日はほんまにあったかいお客さんでしたね。子どもたちも大喜びしてくれたんで、よかったですわ。でも、ぼくは全米を回ったからわかるんですけど、落語ってね、ちゃんと外国の方にも伝わるんですよ! きちんと想像を働かせてくれますしね。だからもっともっと落語の良さを広めていきたいなと思います。それに震災があって、アメリカの人にはたくさん助けてもらったから、いつか恩返しができればなと、ひとりの日本人として思っていたので、今日はこんな機会をいただけてほんまによかった! 三輝と一緒に、いつか全世界を回りたいですねえ」

桂三輝
「ぼくはカナダ人ではありますけど、あまりネイティブの前でやる機会ってそんなにないんですよね。だから緊張しましたけど、かい枝兄さんがうまくリードしてくれはって。ほんまに楽しくできました! 今度、ぼくの故郷であるトロントでもやるんですけど、すごく楽しみですね。落語の腕はまだまだだとは思いますが、落語を世界へ広めていくのに、お役に立てればと思います!」

松岡広隆(衆議院議員)
「今回の落語会は、ぼくが吉本の方に『英語落語』があるというのを伺い、大使館の方にお伝えしたのがきっかけです。でも、こんなにアメリカ人の方に笑っていただけるとは驚きましたね。大成功です! ぼく自身こういう文化を通じての人と人の交流も、立派な外交だと思っているんです。今後もこうやって、人を繋ぐお手伝いを積極的にできればとあらためて思いました。あとそれとは別に思ったことなのですが…英語落語って、日本人の英語の教材にもうってつけですね! 噺が面白いので、すんなりと英語が入ってきやすいと思いました。そんなことも含めまして、易々と国境を越えてしまう笑いって本当に面白いな、奥が深いなと思い知った落語会でした」

2011年10月 3日 (月)

【ライブレポート】LLRとしずるのトークライブじゃないトークライブ

10月3日(月)、品川よしもとプリンスシアターにて『LLRとしずるのトークライブじゃないトークライブ』が開催されました。

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第一回目となるライブだけに、会場に集まったお客さんたちは「そもそも“トークライブじゃないトークライブ”とはどういうことなのか?」という疑問を抱いていたはず。果たしてどんなライブになるのでしょうか?

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と、まずは本日のメンバーであるLLRとしずる、そしてゲストであるギンナナ、グランジ・佐藤、犬の心、クレオパトラ・桑原がずらっと勢ぞろい。LLR・伊藤の仕切りで、テーマを設けてのフリートーク。たとえば「秋」というテーマであれば、「秋の女の子のファッションがカワイイ」「やっぱニーハイがいいよね」などと、一見普通にトークが展開? しかし! ここで「秋といえば山登りとかいいよねえ」という声を皮切りに、なんと設定だけがざっくりと決められたフリーなコントへと突入!! “山で遭難したサークル員たち”という中で、それぞれが思い思いに行動を取っていく様子がなんとも新鮮。さらいは、それぞれの思いが異なるために、思惑自体も交錯。たとえば「遭難した人の幽霊」なろうとしていた犬の心・押見でしたが、ギンナナ・金成の「ホラ、おいで!」という呼び声とともに、いきなり金成の飼い犬に。というように、芸人でさえも先が読めない展開なので、お客さんも「ええー?」などと、困惑したり爆笑したり。そして、頃合いを見計らって、伊藤が中断の合図。「もうなにやってるんですか! トークをするはずでしょ!?」とツッコむという繰り返しで、まさにトークライブじゃないトークライブの姿が現前したのでした。

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そして第二部は、しずる・村上のしきりによるトーク。こちらも「異性と二人きりで食事に行くのは、浮気か浮気じゃないか?」というテーマから、二組に分かれてのディベート…と思いきや! 今度は「なんでも思ったことは、それぞれが先輩後輩やコンビの枠を気にせず言っていい」という裏設定が明かされます。「『うぉー!』と叫んた後に、みなさん思ったことをなんでも言ってください。ただし、そこでの言葉は、誰も聞こえてないということにします。ディベートには影響しませんし、みなさん楽屋まで引きずってはいけません」と、村上からのアナウンス。すると…たとえば、グランジ・佐藤が「俺は彼女が男と、食事に行くとしたらイヤ」ということを言えば、金成が「うぉー!」。「こいつが女の子をどうとか語るのが、なんかイヤ!」と叫びます。しかし、いったん言い終わると、なにごともなかったようにトークが再開。しかし、途中からは、緊張気味のクレオパトラ・佐藤への応援合戦と化したり、ギンナナ・キクチへの苦言を呈したりと、しまいには“心の声”で会話となってしまう始末。これには村上も思わず「うおー!」と叫び、「なんだかこんな展開になるはずじゃなかった!」と言うほどの異様な盛り上がりを見せたのでした。

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ということで、あっという間の90分がこうして終了。ギンナナ・金成も「これは新しくていいね! すごい楽しかった」と振り返ったように、閉演後のお客さんも口ぐちに「予想外で面白かった!」と語りながら会場を後にしたのでした。LLRとしずるが生みだした新たなライブ『トークライブじゃないトークライブ』、今後思わぬ広がり方をするかもしれません!

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【LLR】【しずる】【ギンナナ】【グランジ】【佐藤大】【犬の心】【クレオパトラ】【桑原尚樹】

【ライブレポート】『林将軍にお話を献上する』

9月24日(土)、浅草花月(5656会館)にて、カリカ・林克治のラストステージとなる『林将軍にお話を献上する』ライブが行われました。林はこの日をもって芸人を辞めるということもあり、補助席なども多数出されるほどの超満員。

まず、舞台上に現れたのは『お話を献上する』側の若手芸人たち(グランジ、ピクニック、LLR、ライス、畑中しんじろう、御茶ノ水男子)。そこへ「しずまれーーい!」と登場したのはガリバートンネル・三須。本日の進行を芸歴七年目にして初めて任されたとのこと。

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その後、ようやく登場したのが、この日の主役・林将軍(カリカ・林)。林将軍曰く、もともとこのライブは「畑中くんとか、えーっと“おちゃだん”(笑)? そういう接点のない人とやってみたかった。だって、ピクニックとなんて一年に二言三言しかしゃべんないもんね」という目的で開催されるはずだったそうです。それが「事情が事情でこんな(超満員)になったけど、普通の状態だったらこんなには入ってない。というか、お客さんが増えた分のギャラ、オレに振り込まれるのかな?」と林将軍らしいトークで笑いを取ります。

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ライブの内容はというと、与えられたテーマに沿った話を若手芸人が話し、その内容に林将軍が満足したら飴玉、満足しなかったら銃で撃たれるというシンプルな構成。

雑学やゾッとする話などさまざまな話が繰り出されましたが、この日ばかりは印象に深く残っている話と言えばやはり林将軍に関するものばかり。いくつか紹介すると……

LLR・福田:「タクシーに乗ったとき、タクシー運転手時代の林さんを知っている運転手さんだったんですよ。その人が俺に「あいつ、全然おもしろくないでしょ?」と言ってたから、後日、林将軍にそれ、笑い話として伝えたんですよ。そうしたら、林将軍がマジな顔で「誰だ! そいつは!!」って犯人探し始めちゃって(笑)」。

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ピクニック:「林さんを怖がっている人がいるんです。それは佐久間一行さん。佐久間さんと林さんのツイッター上でのやりとりは有名ですけど、僕と佐久間さんでお茶してたときに「佐久間さん、写真撮ってツイッターにUPしていいですか?」と聞いたら、佐久間さんが「やめて! 林さんがリツイートしてくるからやめて!」と本気で嫌がってました。ちなみに、佐久間さんは林さんのツイッター上でのノリに返すのは2回までって決めてるらしいです(笑)」

そのほか、シュール5などでも交流があったライス・関町は「カリカトーク」というライブでいつもやっていた“全力のあっちむいてホイ”を披露、グランジ・遠山は2008年キングオブコントの追加合格の話、グランジ・五明の浅草での仕事帰りに飲みに連れて行ってもらった話などなど、まるで別れを惜しむかのように壇上の芸人たちは林との思い出や林らしさを感じさせるエピソードを次々に語っていました。

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そして、この日、会場がもっとも沸いたのは、ピクニックの「なぜ僕が林さんと一年で二言、三言しか話せなくなったか」の話。

ピクニック:「僕のツイッターを先輩である林さんがフォローしてくれてたんです。こんなありがたいことはない!だから、林さんにツイッター上で「フォローありがとうございます。僕もフォローさせてもらいます」と送信。それに対して林さんから返って来た三文字の答えに僕は震えました……それは『殺すぞ』です……」

これには客席も大爆笑。しかし、笑いに包まれているその間に林将軍はそんなピクニックを銃で撃つという仕打ち。

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さらに、倒れたピクニックに駆け寄ったグランジ・大も銃で撃たれる。

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その後に続けとばかりに「銃で撃たれる」ことを欲しがるライス・関町に対しては、関町がどんなに欲しがっても敢えて(銃で撃つことを)しない林将軍。この見事なまでのSキャラぶりに会場のお客さんも大いに沸いていました。

たくさんの話で盛り上がり、ライブが終わりかけたそのとき、サプライズで登場したのは相方であるカリカ・家城。林将軍にお話しを献上するためにと軍服を身にまとい、なぜか小脇にメロンを抱えての登場でした。

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家城:「ある場所にふたりでピエロをやっている男たちがおりました。一人が辞めることをある日のライブで発表すると、ひとりのお客様が辞めないほうのピエロに向かって言いました……「マンボウだけはやめてくれ。ダサすぎる」と。そしてその女性を追いかけたのですが、路地で姿が消え、そこにはたったひとつのメロンが残されていたのです」。

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ここで語られているマンボウとは、家城が今後の芸名を「マンボウ家城」にすると言っていることによるもの。この話を受けて、林は「マンボウに関しては誰も賛成してないけどね。単純にマンガ喫茶しか浮かんでこないよね」とコメント。

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それでもなお「40歳、50歳になったときにマンボウ師匠と呼ばれたいんです!」と力説する家城に対し、冷静に「いや、たぶんみんな家城さんって呼ぶと思うけどね」とツッコむ林。こんななんでもないやりとりに、彼らがともに歩んできた“カリカ”という長い歴史を感じるとともに、このやりとりがもう見られなくなってしまう寂しさも感じました。

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ちなみに、最終的に林将軍がいちばんお気に召した話をしたピクニックには“林景荘”(林の実家)への二泊三日シングル宿泊権がプレゼントされました。家城曰く「ゆっくり殺されるよ(笑)」とのこと。

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そしてとうとう終演を迎え、芸人たちが舞台袖にはけ、照明が落とされてもなお、客席からは鳴りやまない拍手。それに応えるように登場したのがカリカのスライドショーでした。M-1の舞台に立つカリカ、SM衣装を身にまとった林、テレビ番組収録中のカリカ、などなど、今までのカリカ林を写真でふり返り、ライブは終了しました。

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幕が降りた後の舞台には、家城が林に献上したメロンだけがぽつねんと……。それはまるで、山口百恵がマイクを置いて引退したかのごとく、また、ブレーメン解散でスター関根がサングラスを壇上に残して行ったかのごとく……カリカ林という芸人の生きざまをメロンが物語るということなのでしょうか? さすがシュール(?)です。

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全体を通して、センチメンタルな演出や涙を誘うような話などはなく、林が最後の舞台ということを除けば、ごくごくいつも通りのお笑いライブの雰囲気でした。そんなところもある意味で林らしい最後だなと思わずにはいられませんでした。

そして、そういう林の思いを知ってか知らずか、一緒に舞台に立つ後輩芸人たちがいつも通りに笑いを取ることで林を送り出そうとする姿がとても印象的だったと言えます。

カリカ、14年間お疲れさまでした!

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【ライブレポート】ニワトリの資格

10月2日(日)、ココリコ・遠藤とライセンス・井本によるトークライブ『ニワトリの資格』、その第一回がヨシモト∞ホールにて行われました。

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まずは登場していきなり、会場を見渡した遠藤。「今日はちょっといつもよりお客さんの年齢層が上な感じですかね? みなさんバツがある感じですか?」と語りますが、井本からはすかさず「そんなわけないでしょ。そんな集いイヤですわ(笑)」とツッコミが入り、早くもプライベートでも仲の良いという二人の関係性をうかがわせる、気取らないやりとりでスタートします。40歳と33歳の二人のトークということで、遠藤の予想では「男ばっかりやと思ってたけどなあ」ということですが、客席は大半が女性。「ま、全員ストライクですから(笑)」と笑って見せる遠藤です。

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と、ここで井本が「さっきスタッフにも訊かれたんですけど、この僕らのトークライブのタイトルはなんだと」と、たしかにパッと聞いただけではわからない公演名のついての話に。しかし、ここで遠藤が「でもこれ、ほんまは違うんですよね。『ニワトリ“と”資格』なんですよ」と驚きの発言。井本も「そう言うたんですけどね」と応じ、どうやら正式タイトルは『ニワトリと資格』である様子。なお、そのココロは「『ニワトリ』は、ココリコの由来がフランスでのニワトリの鳴き声」(遠藤)、「資格は、ライセンスでしょ」(井本)。すると客席からは「あ~!」と感嘆の声があがります。「でも『の』で繋ぐことで、遠藤さんのライブになってしまう(笑)」と言う井本に、遠藤は「そやねん! せやからバツイチの集まりにしようと…」とすれば、もちろん井本「なんでやねん!」。

なおトークは、「トークライブを立ち上げたのは、遠藤さんがこういうライブをやりはらねんからお誘いした」という井本が「遠藤さんの私生活ってみんな知らないでしょ?」と、遠藤の日常を探っていく展開に。「毎夜、お風呂で自分自身を励ましている」という遠藤の、自宅の近くでドラマの撮影があるとフラッと遊びに行く、などのプライベートを引き出していきます。「遠藤さん…ヒマですか?」と思わずツッコんだ井本に、遠藤はすぐさま「オレ、ヒマやねん(笑)」。場内は大爆笑に包まれたのでした。

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以降も、「どんな芸能人に会ったことがあるか?」という話から、若かった遠藤に尾行癖があることが発覚したりと、二人のトークは縦横無尽。それに乗って、井本も某女優さんをTV局で見かけたときは思わず「柱の陰から見てしまった」などと明かし、思わぬ一面を垣間見せたのでした。また、二人の繋がりのきっかけとなったという、ココリコのラジオ番組を若きライセンスが引き継いだという話では、遠藤が涙ぐんで見せるような一幕もあったり、時間軸さえも二人にとっては、ネタの宝庫。興味深い話が盛りだくさんです。

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さらに、新幹線や飛行機などで「ルールですから」という縛りによって、イラっとした話については、遠藤の「空港で足止めを食った」件を皮切りに、井本からは対応に激怒した話が出るわ出るわ。遠藤も「うわ、そんなんされたらそうなるわ…。ほんまキツイな(笑)」と応じ、気の合ったやりとりが全開。笑いっぱなしで、あっという間にお開きの時間となってしまったのでした。

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「あー、もう一個面白い話があるねんけどなあ。それは次回か。というか、もう今後は今日来たお客さんもメンバーやから、誰かの家でやるような日があってもええと思うねん」と、楽しそうに言う遠藤。「なに言うてるんですか(笑)。みんな毎回は来れませんよ」とツッコんだ井本ですが「とはいえ、これからも長いこと続けて行きましょう。続けていくことが重要ですから」と出ごたえを感じつつ、意気込みを語り、大充実のトークライブは終了。

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しかし! 彼らのトークライブは月イチでやっていくとのことなので、存在を知らずに悔しい思いをした方もご安心を。次回は11月6日(日)21時30分より、同じくヨシモト∞ホールでの開催が決定しております! 長い付き合いと芸歴だからこそ醸し出せる、どこにもない二人のトークをぜひご堪能ください。

●芸人顔検索 遠藤章造
http://search.yoshimoto.co.jp/#/r/s=w=311/r=005

●芸人顔検索 井本貴史
http://search.yoshimoto.co.jp/#/r/s=w=198/r=074

【ココリコ】【遠藤章造】【ライセンス】【井本貴史】

【ライブレポート】10/2「THE MANZAI 2011」本戦サーキット・東京ラウンド

10月2日(日)ルミネ the よしもとにて、ついに2011年で最も面白い漫才師を決定する大会『THE MANZAI 2011』の本戦サーキットがスタート! 決勝大会進出をかけたアツい戦いの火ぶたが切って落とされました!!

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ここでシステムについて説明します。応募総数1516組により7月までに予選1回戦&2回戦が行われ、結果50組の「認定漫才師」が選ばれました。ここから、認定漫才師たちは今回の東京ラウンドを皮切りに、5ヵ所で行われる「本戦サーキット」のうち2回に出場。各ラウンドの順位によって与えられるポイントの合計で本戦サーキットランキングを決定し、上位15組が決勝大会へと駒を進めることができるのです。また、その後は惜しくも15組に入らなかった16位~25位により、あらたにワイルドカード決定戦で、つまりは敗者復活枠の1組が決定。12月に行われる決勝は計16組によって争われることになるのです。

ということで、いよいよ始まる本戦サーキット。会場となったルミネ the よしもとには、たくさんのお笑いファンが詰めかけ、立ち見も出るほどの盛況ぶり。年齢層も幅広く、注目度の高さを伺わせます。なお第一回目の本戦サーキットのMCを務めたのは中山功太。「いつものルミネに来てくださるお客さんとは、だいぶ雰囲気が違いますね。みなさん僕のこと知ってますか? 場違いやと思うてませんか?(笑)」と和ませつつ、いつもと違う劇場の雰囲気を目の当たりにし、やや緊張の表情を浮かべます。

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今回登場したのは19組。まず最初のブロックとして登場したのはトレンディエンジェル、ぽ~くちょっぷ、ザ・パンチ、アルコ&ピース、バッドボーイズ。なお本戦サーキットではネタ時間が4分間となります。

サンミュージック所属のぽ~くちょっぷは、群馬と埼玉の出身ということから群馬いじりをするものの、最後はボケてもないのにビンタされまくるという衝撃の展開。マジビンタの連打に、事務所の先輩・カンニング竹山ばりのキレ芸が炸裂し、笑いを誘います。

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こちらは太田プロのアルコ&ピース。あの『キングオブコント2011』でダウンタウン浜田に指名され、松本から「解散やな」とイジられた二人ですが、この二人の漫才ネタが新鮮。ボケ&ツッコミではなく、説教する者&される者というネタで、見る者の度肝を抜きました。

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バッドボーイズは、清人が低い声でゆったりと不思議なボケを連発。「七味唐がらしを食べると八味する。どこか悪いとやろか?」というやりとりから畳みかけるさまはさすがの一言。

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続いてのブロックは囲碁将棋、ハライチ、東京ダイナマイト、アメリカザリガニが登場。

囲碁将棋は、心理テストをするという入りから奇想天外なボケが繰り出される独特の風合いで魅了。

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M-1決勝進出者のハライチは“ノリボケ漫才”の進化形態で勝負。驚きの中にも安心感すら漂わせるネタを披露しました。

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そして第3ブロックは、エルシャラカーニ、マヂカルラブリー、U字工事、POISON GIRL BAND、はりけ~んずの5組。

こちらはサンミュージックのエルシャラカーニ。すごい数の言葉を畳みかけながら、基本的にまったくコミュニケーションが成立しない、という戦慄のネタを披露。赤いタンクトップがチャーミングです。

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マヂカルラブリーは、暴走する野田のボケが体の動きとともに切れまくり。不思議なつぶやきも含めて受け止める村上のツッコミ具合もバッチリでした。

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こちらも決勝進出組のU字工事は、栃木ネタからの脱却を匂わせる横浜ネタから入りつつ、さらにはハワイにも触れつつ、やっぱり栃木だったというグローバル栃木漫才で新境地を垣間見せます。

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そして最後のブロックも5組。Hi-Hi、スパローズ、ハマカーン、グランジ、博多華丸・大吉が登場しました。

浅井企画のスパローズ。芸歴16年でまったく売れてないという状況を思い切り自虐的にイジり倒しますが(スタートは福岡吉本とのこと!)、さすがの芸歴で、どんどん笑いを増幅させていく手腕がさすが。お客さんも大ウケでした。

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ハマカーンは、浜谷のキレ芸が炸裂。一発目の「下衆の極み~!」では拍手が起きたほどで、以降も浜谷がキレまくりますが、途中神田がキレ返そうとする展開にビックリ。

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本日唯一のトリオであるグランジは、3人で話しつづけるかと思いきや、途中で舞台からハケてみせたりと、彼らならではの奔放さ。

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トリとなった博多華丸・大吉。「争うのが好きじゃないけんね」という、癒やし系の入りを見せつつ、華丸のボケ倒し、大吉のツッコミ&いなしと、硬軟自在。安定感抜群の舞台で締めくくってみせました。

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そしてサーキット終了後は、早速集計。上位3組だけが名前をコールされました。その結果とは…

1位 ハマカーン
2位 マヂカルラブリー
3位 アルコ&ピース

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残るサーキットは計4回! 果たして決勝に進出するのはどの組なのか!? 目が離せません!!

●本戦サーキット日程
◎10月16日(日) 京都ラウンド 会場:よしもと祇園花月
◎11月6日(日) 東京ラウンド 会場:ルミネtheよしもと
◎11月19日(土) 大阪ラウンド 会場:5upよしもと
◎11月27日(日) 東京ラウンド 会場:ルミネtheよしもと

●『THE MANZAI 2011』公式サイト
http://www.themanzai.com/

2011年10月 1日 (土)

【ライブレポート】∞ホールOSAKA大感謝祭SP!~大人気芸人のネタと過去の人気コーナーを行います~最終日

9月29日(木)より2日間にわたって開催される「∞ホールOSAKA大感謝祭SP!」。ラストとなる30日(金)のステージも、満員のお客様が集まられた中、幕を開けました。昨日同様、まずは人気芸人たちのネタでスタート。

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トップバッターのギャロップは、毛利が「もっと売れるためには敏腕マネージャーについてもらいたい」と言いだします。そこで、林がマネージャー役をすることに。ゴールデンタイムの人気番組ゲスト出演を次々と取ってくるマネージャーですが、次第に「阪神VS巨人戦の7回からのリリーフ」や「ドラえもんの声で声優デビュー」など、内容がハードになっていき…。

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続いて登場したのはダイアン。美容院に行くのが緊張するという津田に、西澤がカリスマ美容師役で練習をすることに。しかし、やたらと「いらっしゃいませ」を繰り返し、「桂南光のヘアスタイルにするにはオペが必要」など、ハチャメチャな対応をするカリスマに津田はブチ切れ。

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3番手には麒麟が登場。まずは、∞ホールにはコンビでは立ったことがなかったなど、ホールの思い出を振り返ります。そしてネタは、田村が憧れのサッカー選手を演じ、川島が試合の模様を実況します。しかし、緊張のPK前に、田村の悪口をさんざん言うなど、田村の思惑とは違う方向に進んで行きます。

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そして、昨年の「M-1」王者、笑い飯は、「鶴の恩返し」や「浦島太郎」、「シンデレラ」などの名作には、必ず〝ハエ〟が出ていたという、ハエに焦点を当てた漫才で会場を沸かせていました。

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4組のネタが終わると、前半メンバーによるコーナー「リサイクル大喜利」がスタート。まずは本人たちが各お題の答えをスケッチブックに書いて答えていきます。その後、そのスケッチブックをシャッフル。他の芸人が書いた内容で、新たなお題に答えていくというもの。

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「孫社長がツイッターでつぶやいた衝撃の一言とは?」などに、哲夫はダイアン・西澤の答えで、西田は川島の答えで発表していきます。そして、バッファロー吾郎・木村の審査で、このコーナーのトップ賞は、序盤からイジられまくっていた麒麟・田村に決定しました。

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ネタの後半は、プラスマイナスから。岩橋の24時間がテレビで密着されている様子を、兼光が絶妙なモノマネで演じます。

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続く、かまいたちは、濱家がヤンキーというだけで給食費を盗んだ疑いがかけられ、そこで山内が生徒を信じる教師を演じますが、どう見ても濱家を疑っている言動をとり、その独特なキャラに客席は大爆笑。

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そして、ファミリーレストランは、「あっち向いてホイ」部に生徒を戻そうとする熱血教師の奇想天外なやり取りをコント仕立てで披露。

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ラストのテンダラーは、「母の日」を遠まわしに伝える方法、そして、白川のディナーショーで浜本が司会を務めます。41歳の白川が、得意の歌とダンスを披露しますが、浜本のツッコミの応酬で盛り上がりを見せていました。

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後半の企画は、リー5世を迎えて「英語を聞いてポーズをそろえましょう」ゲームからスタート。目隠しをした芸人たちが英語のお題を聞き、その意味をジェスチャーで表現します。

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その後は「イングリッシュ ジェスチャーゲーム」。英語の2単語を組み合わせた内容を体で表現し、その意味を当てていきます。これには「Crazy Gorilla(クレイジーゴリラ)」や「Old Idol(昔のアイドル)」などが飛び出し、そのジェスチャーに一同が四苦八苦していました。このゲームで勝利した浜本チームには、∞ホールのポスターが贈られていました。

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2日間にわたって開催された∞ホール大感謝祭SP。これまで足を運んでくださった皆様、ありがとうございました。

2011年9月30日 (金)

【ライブレポート】∞ホールOSAKA大感謝祭SP!~大人気芸人のネタと過去の人気コーナーを行います~

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 9月30日をもって、惜しまれながら幕を下ろすことになったヨシモト∞ホールOSAKA。これまで若手芸人を中心に、ユニークかつ実験的なイベントが多数行われてきた場所――そんな愛すべきホールのフィナーレを飾ろうと、ゆかりのある人気芸人が大集合しました! 珠玉のおもしろネタはもちろん、過去に∞ホールで行われたイベントの名物コーナーを復活させちゃおうという試みも。ここでは2日間にわたる「大感謝祭」の初日となる9月29日の公演の様子をレポートします。

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 まずはオープニングで、MCのバッファロー吾郎がステージに登場し、イベントの内容を説明。「普通こういうときは、大勢の芸人が集まって、年表見ながらトークしたりするもんですが、今日はネタとコーナーです!」(木村)と、予想外に普段通り(?)の構成に驚きを隠せない様子。とはいえ出演者の紹介では、木村が「僕がお客さんなら絶対来ますね! この中で嫌いなのはスーパーマラドーナの武智ぐらいです(笑)」と豪華さをアピールしていました。

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 さっそく前半戦がスタート! 各コンビの紹介VTRでは、過去に出演した∞ホールでのイベントのリストが映し出されるなど、フィナーレにふさわしい演出が。トップバッターは藤崎マーケット。「ハリウッドもののアクション映画にハマっている」という田崎とともに、名場面を次々と再現していく藤原。しかし、緊迫した雰囲気を脱力させてばかりで……。

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 二番手のヤナギブソンは和服姿で舞台へ。ご存じ坂本龍馬に扮して、なんとツイッターに興じるという奇想天外なネタを披露しました。幕末の志士たちの「つぶやき」にはツイッター「あるある」も満載で、客席は笑いの渦に。

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 「まいどー!」と元気いっぱいの掛け声で沸かせたストリークは、さっそく阪神ネタでグイグイ観客を引き込みます。途中から、小学校のころの思い出話に話題を変えようとする吉本でしたが、気づけば山田のペースで野球トークに……。

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 お次はシャンプーハット。懐かしのファミコンゲーム「スーパーマリオブラザーズ」が得意だというてつじに、小出水が教える裏技とは!? マリオでもルイジでもない驚愕の新キャラは、抱腹絶倒の個性派で……。

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 ここで最初のコーナー、ヤナギブソンが浅越ゴエとともに∞ホールで行っていた「ライトトーククラブ」の人気コーナー「みんなで重箱の隅をつつきましょう!」に突入――と思いきや、照明がつくと、小出水が袖にはけずに横たわったままになっており、場内騒然! 本人はちょっとしたボケのつもりだったようですが、本当に倒れたのかと勘違いした木村から大目玉をくらっていました。
 このコーナーでは、世の中の気になることや腹が立つことをぶちまけていき、最も客席の支持を得られた人が優勝となります。「ノンアルコール・ノンカロリービールのルールがわからない」(田崎)、「変な歌詞が多すぎる」(山田)、「ヤクルトは本当に適正な量なのか」(てつじ)など次々と上がる意見に、メンバーたちはああでもない、こうでもないと独自の意見を披露。ヤナギブソンの「日曜日の時点での『来週の水曜日』はいつ?」という疑問には、木村が深く同意して、思わず「木村ポイントを差し上げます!」と意味不明な得点を与えたり、客席でアンケートをとったりして大盛り上がり。一方で、小出水は「う○こにニオイは必要か?」という疑問を詳細なイラストとともに提示して、木村から「知らんわ! そんなもん!」と一刀両断されていました。最後は何故か回答ボードを全員でシャッフルし、藤原の「チャーハンの価格は高すぎる」を引いた田崎が優勝するという、謎の結末に。

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 ネタ後半戦はスーパーマラドーナからスタート。「カラオケが好きだがどの歌も長すぎる」と主張する田中が、ヒット曲・名曲をどんどん短縮していくものの、いずれも武智から厳し~いツッコミが入ります。

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 続いての天竺鼠は漫才での登場。不可解な行動を繰り返す川原に、翻弄されるばかりの瀬下。言われるがままに二人で「鼻」と「メガネ」を演じますが、川原の指示に応えるうち状況はますますカオス化し……。

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 土肥ポン太は、客席と立ち話を楽しむかのごとくトークを展開。後半では自らが経営する八百屋さんでの人物観察から生まれた、ショートコントの数々を繰り出しました。

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 トリを飾ったのは千鳥! 「温泉旅館の予約の仕方がわからない」という大悟に、ノブが見本を見せることに。ところが電話に出た女将には全く話が通じず……。息もつかせぬ怒涛のやりとりで、この日一番の大爆笑をさらっていました。

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 二つ目のコーナーは、「base VS AGEAGE」からのゲームバトル。竹若、土肥、天竺鼠の赤チームと、千鳥、スーパーマラドーナの青チームに分かれて対決します。2人ずつが新聞を破れるまで引っ張り合い、手元に残った紙面から「最もセクシーな言葉」を選ぶゲームでは、赤チームにほとんどを持って行かれて青チームが大ピンチに。しかも大悟と川原の見分けがつかないと愚痴るノブに、川原が「わしゃノブじゃ!」と応えてさらなる大混乱となりました。
 ほかにも、お題に沿ったひとことを、しりとり形式で交互に応えて行く「タイムリミットひとことバトル」や、頭の上に加熱式弁当などに使われている熱源を乗せての「ロシアンぽかぽかゲーム」などが続き、結果は青チームの負け。罰ゲームとして、指示された人物になりきっての即興芝居に挑戦しました。アントニオ猪木さんや松浪健四郎さん、ラ王(?)などのキャラクターが入り乱れる舞台は破綻寸前……と、そこでノブに扮した大悟が「罰ゲームのクセがすごい!」の一言で場をさらい、チームの窮地を救いました。
 最後までアットホームな雰囲気で、客席も一緒になって盛り上がったひととき。∞ホールらしい締めくくりの一夜となりました。