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2016年3月31日 (木)

ピース・又吉、「アンリアレイジ」デザイナー・森永さんと同世代トークに花を咲かせる!

3月22日(火)、東京・伊勢丹新宿店本館2階 センターパーク/TOKYO解放区にて29日まで行われていた期間限定イベント「アンリアレイジ フラワーショップ」にて、ピース・又吉直樹とファッションブランド「アンリアレイジ(ANREALAGE)」のデザイナー・森永邦彦さんによるトークセッションが開催されました。

会場となった伊勢丹新宿店本館2階では"花を贈るように、花を着る"をコンセプトに、ファッションアイテムとして身につけられる花々が登場しています。会場には「バーチャルなお花見ができる」という桜の木が。肉眼では真っ白に見える桜ですが、スマートフォンでフラッシュを使って撮影すると、白い花が色鮮やかな花に変化するという驚きの仕掛けがなされています。

フラッシュで花が咲くTシャツなども販売されており、「どんなシステムなんですか?」と興味津々の又吉。実際に光を当てて、どのように光るかを実演した森永さんは「宣伝みたいになってすみません」と恐縮します。
「お話ができるの、嬉しいです。1980年生まれで同い年なんですよね? よく行く洋服屋さんでも森永さんのお話を聞いていたんです」と話しかけた又吉は、森永さんから「同世代の表現者は元々気になっていたんですけど、最も気になっていたのが又吉さんなんです」と返されると「嬉しいですねぇ」としみじみします。
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「初歩的な質問ですけどいいですか? 洋服を作りたいというところから、どうやってブランドを立ち上げられたんですか?」という又吉の質問に、「友達とか好きな人に自分が作った洋服を着てもらいたいというパーソナルなところから始まって。(近しい人が)自分の作っている洋服を着ているということが特別な感情になって、そこにもう少し自分の表現を入れたいと思うようになって、ブランドを立ち上げました」と答えた森永さん。その返しに「途中はしょってますよね?」と笑う又吉に「そうですね」と素直にうなづいて、目指すべき先輩の存在が大きかったことを語り始めました。
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「そういう師弟関係って、ファッションの世界にあるもんなんですか?」と問いかけた又吉に、「ないと思うんですけど、僕にはなぜかあった。先輩はプロではなかったので、僕が求めるうちにそうなっていった」と振り返る森永さん。又吉が「自分の話で申し訳ないんですけど、僕が書いた『火花』っていう小説は若手芸人の話で、芸歴が違う4年上の先輩に憧れるけど、先輩も売れてなくて......。森永さんのそのお話と重なるところがありますね」と声をかけると、深く頷く森永さん。「そうなんです。(読みながら)僕、自分にかぶせちゃって......精神性は共通していて......いやぁ、よかったです」と感情を込め、「感想を述べていいですか?」と前置きして『火花』の感想を。
笑いながらも泣けたそうで、「面白いところが泣ける、そして、泣けるところが面白いという逆説的な創作性がすごかった。何度もみてきた言葉が、全く違う意味をもって自分の中に落ちてきた。その言葉に対して普段は心が動かないのに、今までにないほど心動かされました。」と話します。
また、小説の中に出て来る洋服の描写が気に入ったようで、「洋服の描写すべてに線を引きました」と語ると、又吉は「最初は同じ世代が反応できるようにと思って、もうちょっと細かく書いてたんです。けど、編集の方に指摘されて、誰が読んでもわかりやすくするために(描写を)減らしました」と明かしました。
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森永さんは、ものづくりのスタンスとして「死ぬ気で考え、生み出した洋服が、店頭に並ぶとしてもたった3ヶ月間。すぐセールが始まって売れなければ売り場から消えてしまう。だから、半年間で(そのアイデアや価値観を)捨てなきゃいけない、そうしないと進めない。そのスピード感に憧れている自分もいます。しかし、その中でも残るものがあって、それが歴史や文化になったりしていく。そういうものを作るのは難しい」とストイックな姿勢を。又吉が着用していたアンリアレイジのシャツについて、「7年前につくったものですけど、未だに店頭に置いて売り続けているもの」と説明します。
全てのボタンを留めると球体になるというデザインだそうで、又吉が「僕、200歳まで生きたら人は球体になると思ってるんです」と語ると、客席からはくすくすと笑いが。森永さんも笑いながら「何十億人いても、誰一人として似合わない形をつくりたいと思ったんです。球体の人はいないので。誰もフィットしないというところに、洋服の新しい可能性がを見いだしたりするんですよね」と語りました。
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「発想を広げるためには、他ジャンルを観たほうが活かされることがある」という又吉の意見に、同調する森永さん。「又吉さんは全部コントに使おうと思って(物事を)観ていると思うんですけど、僕も"これを洋服でやりたい"と思いながら、いろんなことを観てます。例えば、ペットボトルの造詣をみて、それがつくられた真空成形法を応用して洋服の形を作りたいとか」と言いながら、布でやりたいと思ったらすぐさま、つくりたいものを生み出している会社へ連絡するそうです。フラッシュで鮮やかな色が出るという生地も、そういう視点からつくられたものだそうで、あまりの探究心の深さに「すごいですねぇ......」と感嘆する又吉でした。
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ほかにもそれぞれのファッションの目覚め、コントと小説のポジションについて、ファッションの変容についてなどさまざまな視点のトークが繰り広げられます。
興味深い2人のトークセッションとあって、あっという間に終了の時間に。「お話しできて良かったです。本当に刺激になります」と静かに呟く森永さんに、「ありがとうございます。いい関係でいたいですね」と語りかける又吉。「何か機会があれば、ぜひ一緒に」と切り出すと、森永さんも「はい。ぜひやりましょう」と大きく頷き返しました。


【又吉直樹】【ピース】