青春への熱い思いをぶつけた怒濤のコント!サンシャイン主催の『青春コント「この高鳴りをなんと呼ぶ」』レポート
5月28日(木)、東京・ヨシモト∞ホールにて『青春コントライブ「この高鳴りをなんと呼ぶ」』が開催されました。
こちらは、サンシャイン主催のコントライブ。オープニングで登場した坂田は、客席を見渡しながら「青春を引きずってる人が来てますよ」とニヤリ。続いて、「主催のね! ライブなんで高ぶってますんで!」と高揚する気持ちを抑えられないように言葉を連ねながら、ライブタイトルをなぜか2回コールします。
「単独ライブはこれまでもやらせてもらってますけど、自主的な企画ライブをやるのは今回が初めて。マジで嬉しいです!」と喜びを爆発させながら、「青春を引きずってる人や何かしらの......何かしらのもやもやがあって、みなさん来てると思うんですけど、僕なりに28年生きて来て、青春っていうのは学生時代だけのものではなく、大人になってもおじいちゃん、おばあちゃんになっても(あるもの)。例えば、悔しかったり、仕事でミスしたときのもどかしい気持ち、人を好きになったりするときのぐわっと心臓がちぎれそうになるのもね、僕は丸ごと青春と呼びたい!」と高らかに宣言。青春へのたぎる思いを「僕は歌手ではないから歌にはできん。だから、コントにぶつけようと思ってるんですよ!」と力強く語ると、彼の気持ちを汲むように客席からは温かい拍手が起こります。
そんな坂田の隣りで、若干戸惑っているような表情を見せているのは相方・信清。Twitterで日々発表している「今日の動き」を披露するも、坂田は「今日はそういうんじゃない!」と一喝。「お客さんも、今日はこういうので笑わないでください」と喚起します。
熱い気持ちが止まらない坂田。「200度の青春を」などとなんとかうまく喩えようとし、テンションに付いていけない信清に「なんにも喩えられてない」と鋭く指摘されても気に留めず、「心臓だけ傾けてくれ。今日はそんな夜なんだ。鼓膜は停止していいんだ」と鼓舞。抽象的な台詞に「え? 伝わってんの?」とツッコまれると、「伝わってんだろうがー!」となぜかキレ気味に身を乗り出す坂田。「終わった瞬間、金麦を持って走り出すような夜にしたい」と語りかけました。
トップバッターのジェラードンは、学生コント。学校一のマドンナへ告白するという入り口から、思春期らしい初々しさや淡い思いを感じられる展開を見せます。続く、スパイクはアイドルデビューを目指す2人の女性の甘くも辛い女性らしい攻防を。お互いへの憧れを吐露し、オルゴール調の音楽が流れると、客席からは恥ずかしさに満ちた笑いが起こります。
「青春のない人生を歩んだら不幸? つまらない? 青春ってなんなんだろうかと考えながら、ご覧いただければ」と紙芝居を披露したのは、大谷健太。じんわりとした温かい物語かと思いきや、最後の最後でどんでん返しが! 前半最後はラブレターズ。学生時代の男子ならではの、思春期にある爆発的な思いが露になると、会場は笑いに包まれました。
後半は、GAG少年楽団からスタート。病院の屋上で起こる先生2人と患者1人の思わぬ恋模様は、残虐さとドラマティックさを融合させて、お客さんを惹き付けます。続く、サンシャインは付き合って10年のカップルによる、まさかのトラブルを描いたコント。熱のこもった演技、耳に残る数々のフレーズ......主催者ならではの魂のこもったネタでぐいぐいと惹き付けます。
だーりんずは結婚式前日の父親と息子のやりとりを。父親のある告白から驚きの展開が起こるのですが、男同士ならではのおかしみに満ちた会話が魅力的です。トリのしずるは、友人同士の会話劇。他人からすればどうでもいいと思われても仕方がないような世界観を、本気且つバカバカしく見せていく様は圧巻でした。
全員のネタを終えて、再び登場した坂田。「珠玉の、でしたねぇ」と満足そうです。
エンディングでは波の音が聞こえるなか、青春を意識したちょっとクサい話し方で会話する面々。ラブレターズはその設定に乗っかって告知します。
ジェラードンはかみちぃと西本がおなじみの蘇るパフォーマンスを。スパイクはラブレターズ・溜口さんを巻き込んで女子っぽいやりとりを繰り広げたのち、中島みゆきの「ファイト!」と全員で歌い出すという不思議なノリも起こります。
GAG少年楽団・福井が客席を海に見立てて「いってぇ、クラゲがいるよ!」と言うと、相方・坂本が海に落とすパフォーマンスを。落とされた福井は、なぜかしずる・池田を指名して「あなたが落としたのは金色の斧ですか? 銀色のアクセサリーですか?」と質問。全員が戸惑うなか、かなり急な展開ながらも乗っかった池田は「金色のほうだ!」と答えて、手を差し伸べます。
その手を取った福井は池田に抱えられた瞬間、素に戻ってしまったのか、顔をうずめて「すいませんでした」と陳謝。思わぬ展開に会場爆笑! 「謝ったら恥ずかしいだろ!」と言い聞かせる池田に、GAG少年楽団・宮戸は相方・福井をフォローするように「青春に失敗はつきものだろ!」と叫びます。
ここで終わるかと思った茶番劇ですが、最後にもう1つ展開が。
「カラオケ行くか!」という誘いを合図に舞台袖へ出演者がはけていく中、最後に残った坂田は「ちょっといい?」とスパイク・松浦を呼び止めます。「ごめーん、先に行ってて!」と声をかけて2人きりになると、坂田は意を決したように愛を告白! 戸惑い気味の松浦から「ありがとう......」とお礼を伝えられたものの、「光くん(坂田)の"俺の魂を浴びてくれ"とか"この夏は、俺にまみれてくれ"とか......今日の感じ? ちょっと無理ー!!」と断言して走り去ります。
しょっぱい失恋を噛み締める坂田が「あぁ、予想だけど、このあと俺、タバコ吸いに行くわ」と呟き、青春だらけのライブは幕を閉じたのでした。
こちらのライブ、日程はまだ決まっていませんが、今後も開催予定だとか。さまざまな"青春"を感じられる芸人たちによるコントを、ぜひとも次回開催の際に味わってみてください!
【サンシャイン】【スパイク】【ジェラードン】【GAG少年楽団】【大谷健太】【しずる】