桂文枝「たったひとり会」に、歌舞伎俳優の片岡愛之助がサプライズ登場!
桂文枝が、自身の誕生日でもある7月16日に恒例の独演会を開催。今年は「たったひとり会」と題し、2本の創作落語と古典の「皿屋敷」をネタ下ろし。さらに最後にNHK大河ドラマ「真田丸」で共演してから交流のある歌舞伎俳優・片岡愛之助さんが花束を持って駆けつけるうれしいサプライズも! ドラマでの撮影秘話から片岡愛之助さんの結婚生活に至るまでトークに花を咲かせ、最初から最後までお客さんを大いに沸かせました。
オープニングは、ステージの大画面に黒いスーツ姿の文枝と白いスーツ姿の文枝が登場。黒い文枝と白い文枝によるトークというユニークな幕開けです。「ただいまからトークコーナーでございまして、ゲストはなんと六代 桂文枝さんでございます。他人なら聞きにくいことでも、私は他人ではありませんのでズバッと聞いていきますよ!」と黒い文枝。続いて白い文枝が現れると、元気の秘訣について話に花を咲かせます。その後、白い文枝に対して「それではみなさんの前に、近くへ移動してもらえますでしょうか」と促すと、「Happy Birthday」のBGMで白いスーツ姿の桂文枝がステージに登場! 誕生日を迎えてお客様への感謝の言葉を語りました。すると黒い文枝から「話が長いし真面目すぎる! ひとつぐらい笑いを取ってもらわんと」と厳しいツッコミが。さらに「今年、今までをふり返ってみていかがでございますか?」と尋ねられ、やや間を開けながら「今年は...ふり返りたくないです」と意味深に答えお客さんは大爆笑! 「とにかく前向きにがんばりたいです」と意気込んでいました。
さらにNHK大河ドラマ「真田丸」での撮影をふり返る一幕も。黒い文枝が「私、毎週楽しみにしていました。千利休を演じられていかがでしたか?」と尋ねると「NHKから『千利休をやってくれ』と去年の10月にオファーがありまして、私も堺の北野田の生まれなんですけど、千利休さんは420年ほど人生の先輩ですが堺の人間で、うれしかったですねぇ」としみじみ。お茶を点てる際の撮影秘話も披露し、お客さんを喜ばせていました。
まずは文枝作の創作落語「天国へのメロディー」。「身体を鍛えるというのはいちばん大事なことでございます」と、日頃から歩くことを習慣としているという文枝。散歩中に喫茶店に立ち寄るのが楽しみだそうで、そこで出会うかくしゃくとした94歳のご婦人とのエピソードで客席を温めつつ、「そろそろネタに入らせていただきます」と、演目「天国のメロディー」へ。音楽を交えたテンポのいいネタで1席目からお客さんを大いに笑わせます。
2席目では、まず「独演会では3席必ずやっていたんですけど、今日は3席と、その前(オープニング)にいろいろやりましたので、なかなかこれが。最後まで完走できるかどうか...。場内にお医者さんはいらっしゃいませんか? その時はよろしくお願いします」と客席を沸かせつつ、古典落語「皿屋敷」へ。
中入りをはさんで3席目は三枝時代の創作落語「誕生日」。「なんとか乗り切れそうです」と切り出し、お客さんは大笑い。「今、73歳でございますが、毎年誕生日にここでやろうと。喜寿の時もここでやろうと思います。その次は米寿を目指して」と話すとお客さんから大きな拍手!「その時は創作落語も300を超えてると思いますので、やりたいなぁというのが希望です。そして白寿になっても99歳でここでやろうと思うんですけど、ただお客様が少なくなってるかも。お客さんは私の99歳のときもできるだけみなさん揃って。本当に長生きしてくださいね」と語り、お客さんから大きな拍手が起こりました。うれしい宣言が飛び出しつつ、演目「誕生日」へ。88歳の登場人物とその家族との滑稽なやりとりで、会場を爆笑の渦に。
3席を無事にやりきり、最後のご挨拶。幕が下がるかと思いきや...! 文枝が「幕を下げないで」とジェスチャー。舞台の下手から、大きな花束を持った片岡愛之助さんが登場! 「これは! 今、話題の方じゃないですか!」と感激しきりの文枝。愛之助さんから「誠におめでとうございます」とのお祝いの言葉とともに花束を受け取ると「ありがとうございます!」と満面の笑顔を見せていました。
そして愛之助さんのことを「こんなに素晴らしい人はいないんです。優しいてねぇ。私は大河が初めてで、芝居のことがわからへんのにずっと楽しくやらせていただいた。なのに、なんかドラマになったらこの方が切腹を申してね。それに『よーい、スタート!』となったら目つきがクッと変わるんです。えらいもんでんなぁ」と愛之助さんをべた褒め。それを受けて愛之助さんも「師匠もなかなか眼光が鋭かったですよ。切腹を申しつけたとき『怒ってはるんかな?』とドキドキしました」と愛之助さん。さらに撮影秘話に花を咲かせ、お客さんも興味津々で聞き入っていました。
さらに「それよりも...この度はおめでとうございます!」と文枝が切り出すと、お客さんから大きな拍手! 愛之助さんも「ありがとうございます」と笑顔を見せていました。「本当は皆さんに言えないようなことをアドバイスしてたりしてたんですけど、仲良くお願いしますね」と妻の藤原紀香さんとの新婚生活を気遣いました。さらに文枝が「早く子供さんを...というのもね。どうですか?」と尋ねると、「(紀香さんが)今、ミュージカルをやっていて今日も京都にいるんです」と愛之助さん。現在、紀香さんはミュージカル「太平洋」で多忙な日々を送っているようですが、「家にいるときはいろいろやってくれてます」と笑顔で語りました。さらに文枝は「僕も『太平洋』のポスターを見せていただきましたけど、奥さまはグラマラスですから、ボンッとこう見せてますよね。なんというか、『人に見せるなよぅ』とかは思わないもんですか?」と質問。すると愛之助さんは爆笑しつつ「まぁ、役ですからね。あれで道を歩いてたらびっくりしますけど(笑)」と語り、お客さんを沸かせていました。最後に文枝は「これからも、どうぞお幸せに!」との言葉を贈ると、愛之助さんは満面の笑みを浮かべていました。
73歳を迎え、ますます磨きがかかる六代 桂文枝の活躍にご期待ください!
【桂文枝】