河内家菊水丸が今年も「三陸海の盆」に出演!太鼓正からの太鼓寄贈も継続
吉本興業グループでは、2011 年より「よしもとあおぞら花月」と題して、東日本大震災の被災地に継続してタレントを派遣してきました。その活動の一環として、今年も伝統河内音頭継承者・河内家菊水丸が、8月27日(土)に宮城県南三陸町にて行われる第6回「三陸海の盆 in 南三陸」に出演します。「三陸海の盆」は、東日本大震災で犠牲になった人々を永遠に記憶し、風化させず、被災地と支援地、三陸が一体となって被災者を供養するため、さらに各地の郷土芸能の復活・郷土の復活を願い、2011年より毎年開催されているイベント。これまで同様、大阪の老舗太鼓メーカー・株式会社太鼓正さんより、地元の郷土芸能に携わる皆さんへ、太鼓の寄贈も行われます。8月23日(火)に行われた記者会見には、真新しい太鼓を携え菊水丸らが出席。同イベントへの思いを語りました。
「初年度は大槌町、2年目が釜石、3年目が大船渡。4年目の山田町には参加できませんでしたが、その後の気仙沼、今年の南三陸と引き続き参加させていただき、河内音頭を歌わせていただいています」と菊水丸。「河内音頭は先祖供養の盆踊り歌で、亡き人を偲んで歌うもの。それに加え、僕が十八番として演じている『九代目横綱』が、気仙沼出身の力士・秀ノ山雷五郎の若き時代を綴ったものというご縁もある」と同イベントに出演する意義を語ります。震災後の新盆となった2011年8月11日に大槌町で披露して以来、毎年この「地元の英雄」の物語を口演しており、「今回の南三陸でも、もちろん聴いていただきます」と意気込みました。
太鼓正さんによる太鼓の寄贈は、「津波で太鼓が流されてしまい、古いタイヤを重ねて太鼓の代わりにしている」状況を目にしたことから始まったもの。毎年、立派な太鼓を寄贈いただき、「現地の民謡復興の一助となっている。僕も端で見ていてうれしい。太鼓の打ち初めは毎回ステージで行うことになっているので、今年も張り切って現地に行きたい」と菊水丸。太鼓正代表取締役・南本庸介さんは「我々は舞台芸能の裏方だが、震災に際して何ができるかということで菊水丸師匠にご相談したところ、お話をいただいた」と経緯を説明。5回目の寄贈となる今年は、「原点に返り、シックな感じに。これぞ和太鼓というものを用意させてもらった」と話しました。
毎年、ともに出演している河内家菊水丸一座のギター・石田雄一さんは、「今年もこのような意義のあるイベントに参加できてうれしい。自分も阪神・淡路大震災で、鷹取商店街の実家が全焼。その経験もあるので、なおのこと精魂込めて弾かせていただきたい」とコメント。
太鼓の三条史郎さんは「こんなすばらしい太鼓を現地で叩かせていただくのは、太鼓叩き冥利に尽きる。来たる27日には、被災地の復興と震災被害者の方々への鎮魂の思いをこめて、思いきり打ち初めをしてきたい」と力を込めました。
ここで、ひと足早く三条さんによる試し叩きで音を披露。聴いていた菊水丸は「(太鼓を聴くうち)歌う準備ができたのに、そこで終わってしまった。消化不良みたい(笑)」と笑わせつつ、「この太鼓の胴は本けやき。けやきというのは値段も特上ですから。この太鼓は胴をたたくとキレイなカーンとした響きになると思う」と大絶賛。「上等な太鼓をありがとうございます」と三陸の皆さんに代わり南野さんに感謝を述べていました。
質疑応答で、『九代目横綱』秀ノ山の魅力についてきかれた際は、音頭で歌われる大関がかかった大一番でのエピソードを紹介し始め、なんと結末まで語りきってしまうひと幕も。それほど思い入れの強い人物であり作品だけに、地元での口演には力が入ります。また、同じ"祭り"としてオリンピックに話を向けられると、「大阪オリンピックでないのが残念。近畿でやる試合の歓迎セレモニーの、せめて余興ぐらいで呼んでほしいなあ(笑)」と悔しそうに話していました。
● イベント情報
第6回 三陸海の盆 in 南三陸
日時:8月27日(土) 10:00開演
会場:志津川仮設魚市場跡地
※ 菊水丸は11:10ごろの出演予定です。