井下好井「ルミネの近くにいるならぜひ来てください!」明日2日、コンビ結成10周年記念単独ライブを開催! 破格の漫才CD発売も!!
明日11月2日(水)、東京・ルミネtheよしもとにて『井下好井 10th Anniversary Live「THE 井下好井」』を開催する井下好井。
今年で結成10周年を迎えた2人にとって、ルミネtheよしもとで単独ライブを行うのは今回が初めてのこと。1年目から10年目までに披露してきた中から厳選した漫才、さらに新ネタ、コーナーなどアニバーサリーにふさわしい、盛りだくさんの単独ライブとなりそうです。
今年はNetflixドラマ『火花』での好演でも注目された好井ですが、コンビとしての活動も大切にしており、今年はこれまで3回の単独ライブも開催してきました。とにかく漫才に対して熱い思いを持っている2人。インタビュー中の発言には、ルミネでの単独への並々ならぬ気合いがほとばしりました。
(向かって左:好井まさお/右:井下昌城)
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――単独ライブの開催が差し迫っていますね(註:インタビューは10月下旬)
好井 今は最終調整をしてる段階で。今回の単独ライブでは1年目から今までのネタをダーッとやるんで、どんなんやってたかなと昔のネタ帳を観てみたんです。動画があんまり残ってなくてメモを観ながら憶えてるネタを中心に選んでいったんですけど、なかなか......。練習せんでもいけるかなと思ってたんですけど、記憶的に難航中です。
――憶えている憶えていない以外に、何か選ぶ基準はあるんですか。
好井 その年ウケてたもの、ですよね。勝負するときにやるんはこれかなっていう」
井下 そういうのを2人で話し合って。
好井 1年目から10年目までのネタから7~8本やろうと思ってるんですけど、劇場の本公演でやってる漫才もあるんで、"それやとお客さんも観てるしなぁ、どうしようかな"とかいろいろ悩みました。ネタも、時期によって変わってきているというか。今は僕が喋るネタが多いんですけど、昔は井下と半々くらいで喋ってたから1時間くらいで2人の立ち位置が変わっていくんですよ。やから、ウケへんのちゃうかなと。3年目と4年目のつなぎが特に変で、(4年目になると)無理してたキャラがぱたりとなくなってました。
――無理するっていうのは?
好井 嘘のネタってあるじゃないですか。例えばタバコを吸ってないのに、「タバコ辞められへんわ」から始まるネタとか。今回やろうとしてる中に、ある食材をずっと言うてまうっていうネタがあって。初めてテレビにガッツリ出させてもらった漫才なんですけど......ちょっとハズいんですよ。
井下 そうなんですよねぇ。当時つくっている段階でもそういうことを思ってたんですけど、改めてやるとなったら余計恥ずかしくて。あと、僕らの事情もいろいろと変わっていて、好井が結婚して子供も生まれたからできひんネタもあったりして。
好井 1本やりたい漫才は、娘が生まれたらこんな感じで育ててこういう名前をつけようっていうヤツで。でも、実際の名前はちゃうし、双子やしあかんなって。そういうのってやったら変ですかね?
――注釈があるのならいいのかもしれないですね。例えばオープニングVTRとかで「過去のネタもあります」と説明してしまうとか、そこにどうしてもやりたい理由があればいいんじゃないですか?
井下 ただ、僕はツッコみにくいんですよ。もう違う名前つけてるやんってなるし。
好井 僕も娘に嘘をつきたくない。人を笑かすために嘘をついて......そんな汚い金でミルク飲ますんかってなるじゃ......。
――じゃあ、やめましょう!(笑)意外とベストネタライブって難しいですね。
井下 ほんまに難しいです。
好井 楽やと思ってましたけど、そうじゃなかったですね。これええやんって思ったアリネタは改良したくなりますし......。まぁ、ネタは結構やるつもりで、集中力の切れにくい20~30分の漫才を3ブロックで見せていこうかなと。あとはVTR、コーナーもやります。で、Tシャツをつくったりするのはやめようと。
井下 (笑)。
好井 スタッフさんから「グッズつくりましょう」って言われた瞬間、2人とも「いや、いいです」って即座に断りました。僕らのTシャツなんかいらんでしょう? あぁ、でもグッズというか、単独ライブ限定のCDは出します。50分くらいの聞いて楽しめる漫才が入っていて。最近のネタが多いんですけど。
井下 昔のネタも結構入ってますね。
好井 2人で聞く漫才としてベストなものをチョイスしました。税込1000円で、100枚限定です。これ、いろいろ選ぶんがしんどかったんで、絶対に買って欲しい。マジで買って欲しいです! 生半可な気持ちで出すものじゃないんで。
井下 もちろん、単独ライブは本当に来て欲しいです!
好井 うん、かなり気合い入ってます。......今日は僕、今まで又吉さん(ピース)とファッションのイベントに行ってたんです。そこですごく憧れてるデザイナーの方とお会いできて「今から飯行こうか」ってなったんですけど、取材に遅刻して印象悪く書かれるかもしれんと思って久々に10分前に着きました。
――遅刻したからといって、印象悪く書くことはないですけど......(笑)。ともあれ、単独ライブにはたくさんの方に来て欲しいですよね。
好井 来て欲しいです。僕らの良さっていうのは、無名やけどしっかりウケるところやと思うんです。
――それ、自分で言っちゃいますか。
井下 ふははは!
好井 テレビはもちろん、ルミネとかの劇場で僕らのことを知らんお客さんの前でも笑いが取れることを想定してネタをつくってるんです。そこは唯一、コンビで目線が合っているところ。2人とも将来NGKで漫才をやって飯を食っていきたいっていう目標がありますし、僕らの漫才はフラッと来たお客さんでも笑ってもらえるはずです。もちろんお笑いなので、お気に召さない可能性はあります。けど、独創的なマヂカルラブリーさんよりはウケるはずです!......ふふふ、大好きなんですけどね、マヂラブさん。
――自分達のことを知らないお客さんも笑えるネタをつくっているということですけど、その4年目以降、ネタに関して無理がなくなったというのもその辺を意識してのことなんですか?
好井 そうかもしれないですね。僕、中川家さんとか、華大さん(博多華丸・大吉)、阪巨さん(オール阪神・巨人)とかが劇場にいらっしゃったら、絶対観に行くんですよ。めちゃくちゃ面白いでしょう?
井下 僕もテンダラーさんとか、大阪で長く漫才師として活躍されてる方々が好きです。
好井 変わってるか変わってないかでいうと、僕は普通の人間やなって日々思うんです。けど、芸人という職業を選んでいる時点でちょっと変なヤツじゃないですか。変わったことを無理にせんでも変わった方向になるやろうなって思うようになって、今回もそういう視点で選んだら、それぞれの年に残ったネタばっかり選ぶ結果になりました。まぁ、後半は人の悪口を言うネタばかりですけどね。
――昨年11月にルミネで開催された『ネタ仕分イベント~博多大吉が後輩芸人のネタを観て仕分をするのをスペシャルゲストが温かく見守る会~』で、M-1グランプリでの勝負ネタについて大吉さんが「コンテスト向きではない。けど、このネタで進めなかったからといって、ここで腐るか腐らないかはあなたたち次第。テレビで売れようとするなら、きちんと選択したほうがいい。いいネタはほかにあるはず」と言われていたのが印象的でした。(註:ライブレポート=http://news.yoshimoto.co.jp/2015/12/entry41182.php)
好井 あぁ、言われましたねぇ。あのときは「そうかぁ~」って......。目の前のお客さんを笑かすことが多いから、戦いどころでそっちに寄ってしまうんだなと。もっと先のことを考えなあかんなと思いましたよね。中川家さんとか華大さんとかって、テレビがどうとか舞台がどうとかじゃないし、こうやったら面白いとかこんなんやったらウケるとかじゃなくて、「聞いてくださいよ」っていう視点から漫才を生み出している。そこに到達するまでには、全然ウケへんとか苦渋を舐めてきたはずやと思うんです。先輩方はほんまに面白いから、今32歳の僕が何を言うたら面白いんやろ?とかも考えたりして。......昨日も朝まで、作家と井下と3人でそういうことを話してたんですよ。で、僕らの漫才は怒っていろいろと訝しそうに言ってる僕を井下が遠巻きで観てるっていう感じがウケてるってことは、それが僕らの自然なんやろなって思ったんです。
井下 面白いかどうかは僕ら、そんなに離れてないんですよ。
好井 うん。お互い「何言うてんねん、こいつ」みたいな感情はないです。感覚が似てるからこそ、あかんやろなっていうネタも大体わかるから、無駄なネタ合わせはしなくなりました。井下に提案するまでに、4つくらい検問があって。今回、新ネタも3~4本はやろうと思ってるんですけど、井下に出すまでに20本くらいボツにしてます。
――10年一緒にやってきたからこそできたサイクルなんですね。振り返ってみると、どんな10年でしたか?
井下 東京に住んで10年。上京してからずーーーっと芸人なんですよ。住み始めたとき、まさかこんなに続けられると思ってなかった。あっという間でしたね。
好井 有り難いことに、バイトで"これくらい稼ぐのはしんどいな"って思う金額くらいは稼げるようになって......。ただ、こんな楽しい仕事が一生続けられるとは思ってない。そんな幸せな時代が長く続く訳がないと思ってるんです。もちろん続けられたら最高ですけど、今は芸人を続けられてるっていう有り難い時間を謳歌しようと思ってます。......まぁ、もっと忙しくなりたいから、やっぱり売れたいですけどね。
――賞レースへの参加権利もまだあると思うんですけど、先の『キングオブコント2016』で少し先輩のライスさんが優勝したっていうのは、お2人にとっても刺激になったんじゃないですか?
好井 ほんまに良かったですよねぇ。2人とも好きな先輩やし、2人ともめちゃくちゃ面白い。見習わなあかんところがいっぱいある。面白い人はやるべきことをちゃんとしてる。ちゃんとしてたら、ああいう感じになるんやなと。やから、僕もちゃんとしようと思いました。
井下 ライスさんはず~~~っと同じようにコントをやっていたんで、僕らも積み重ねていくしかないんかなと。いいときも悪いときも我慢しながらやっていくしかないんやなって思いました。
好井 あとねぇ、今回を最後に単独ライブはもうやらないと思います。
――えっ!? 新ネタライブみたいなものも、もうやらないんですか?
好井 そうですね。ルミネとか沼津(沼津ラクーンよしもと劇場)とか幕張(よしもと幕張イオンモール劇場)の本公演で、新ネタは試していくと思います。ネタをいっぱいつくったから来てっていうライブは、もういいのかなと。僕は怠慢やからネタをつくる口実として単独ライブをやってたんですけど、そういう目標がなくてもネタをつくれる人間になれた気がするんです。今まで単独ライブがないときも週4回くらいファミレスに行ってネタつくってましたし、絶対にやらないということではないけど、ルミネで単独をやらせてもらえるなら今回が最後でもいいのかなと思ってます。
――井下さん、それでいいんですか?
井下 僕がやりたいって思っていても、ネタをつくってるのは好井なんで。......ふふふ、頭おかしいでしょ? ネタもつくってないのに単独だけやりたいっていうなんて。
好井 そんなこと言い出したら、マジでキレます!(笑)まぁ、今後も月に1~3本くらいは新ネタをおろすと思いますよ。
――先ほど井下さんは「こんなに長く続けられるとは思ってなかった」と、好井さんは「こんなに幸せな時間は長続きしない」と言ってましたけど、最終的な目標はNGKの通常公演に出られるような漫才師になりたい訳ですよね。
好井 そうですね。NGKに出てる方々はゴリゴリのスターばかり。そこへ立つためにも、どのみち1回はスターにならないといけないんです。そのためには『火花』もそうでしたけど、なんでも挑戦しようと思ってます。それもまた、NGKへの道です。僕、70歳くらいになったとき、(劇場出番後の)16時くらいに迎えに来た孫と一緒にオムライスを食って帰るような生活がしたいんですよ。昔、NGKの近くでそういう光景を観たんです。さっきまで舞台に出てた落語家さんがちっちゃいお嬢ちゃんと喫茶店に入っていって......この時間に仕事終わるねや。俺もそうなりたいなって。
井下 ふふふ......だいぶ先ですけどね。
好井 芸歴50周年の頃にはNGKと祇園花月を行って来いで、へとへとになってて......「おじいちゃん、ろれつ回ってないよ」って孫に言われる。そういう生活ができたら最高です。
――芸歴50年をそんなふうに迎えるためにも、この10年間のネタをどんなふうに今回の単独ライブで見せるのか、注目ですね。
好井 とにかく多くの人に観に来て欲しいです。これ読んでくれた人も、明日19時くらいにルミネの近くにおるなら来て欲しいなぁ。置きチケっていう魔法の言葉があるんで、「好井で置きチケ」「井下で置きチケ」って伝えてもらえれば、当日200円も安くなりますから。とにかくなんでもいいから来てください。途中から入ってきても全く問題ないので。
井下 はい。ぜひ観に来てください!
井下好井 10th Anniversary Live「THE 井下好井」
日時:11月2日(水)開場19時/開演19時30分
会場:ルミネtheよしもと
料金:前売2500円/当日2800円
チケットよしもと(http://yoshimoto.funity.jp)で絶賛発売中!!