金メダル級の芸人たちが集結!? パラアスリートたちと楽しんで学ぶ「神戸トヨペット×よしもと パラスポーツフェスタ」
11月13日(日)、ワールド記念ホールで「神戸トヨペット×よしもと パラスポーツフェスタ」が開催されました。2020年の東京パラリンピックの競技をパラアスリートたち、芸人たちと行う《パラスポーツ体験教室》と、現役パラアスリートによるトークショーを実施。パラスポーツの魅力を楽しみながら知ることができるイベントです。
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総合MCを務めるのは、ペナルティ。開会式にヒデが「お笑いのメダリスト」と称する芸人たちが呼び込まれました。
「クリスマスケーキのシーズンが近づいてて忙しいんじゃない」(ワッキー)と名前をイジられながらモンブランが、ワッキーから「塩酸で顔を洗ってるの?」と稲田の顔色の悪さを指摘されアインシュタインが登場。ミルクボーイは体を鍛えている駒場に代わって、内海が弾けたお腹をバーンと見せつけます。「スポーツのイベントでユニフォームを揃えてくるコンビ初めて見た」とヒデを驚かせたのは、銀シャリ。「新調してきました」(鰻)といつもの青スーツを青フリースに変えて意気込みます。レギュラーは、お馴染み"あるある探検隊"を準備体操代わりに披露。
さらにMCとして長野オリンピック・スピードスケーター銅メダリストの岡崎朋美も登壇、「わからないパラ種目もいっぱいあるので、楽しみにして来ました」とにっこり。
いよいよ開会宣言に移ります。その前に共に盛り上げようと、神戸トヨペットの地域貢献メンバーのみなさんが駆け付けてくれました。代表して山田さんから「今日の体験でパラスポーツの魅力を友人や周り方々に伝えてもらえたら。一緒に楽しみましょう!」と参加者にメッセージを贈ります。
その流れに乗りワッキーが「今日は1日、頑張るぞ!」とムードを高め、なかなか叫ぶことのない「ヒーーーー!!」の掛け声で開会を宣言しました。
アスリートらのトークショーとスポーツ体験エリアでの体験教室が交互に組まれたスケジュールでイベントは進みます。
1回目のトークショーでは、ボッチャ競技日本代表ヘッドコーチ・村上光輝さんとデフバスケットボール男子日本代表監督・上田頼飛さんがそれぞれの種目について語りました。先ごろのリオオリンピックで日本代表が銀メダルを獲得し注目を集めている「ボッチャ」は、カーリングやビリヤードに近しいもの。「メダルを獲らなければ、ここにも呼んでもらえない」と村上さんは知名度が少しアップしたのを噛み締めながら「思ったことは実現する」と実感していると話します。加えて「ロンドンに行きたい。リオでメダルと獲りたい」と毎日、神頼みしていたというお茶目なエピソードも。これに微笑みながらも岡崎朋美は「目の前のものからクリアして諦めない」大切さ、「小さな目標から大きな目標になっていく」素晴らしさに元アスリート目線ならではの共感を覚えていました。聴覚障がい者がプレーする「デフバスケットボール」では、チームメイト同士が手話や唇を読み取って互いにコミュニケーション深めプレーにつなげると上田さん。はっとした表情でヒデは「(コミュニケーションを深めた甲斐あって)相方のSOSも目でわかるようになってきました!」と自分たちとの共通点を発見。ワッキーは「普通よりも(精神が)研ぎ澄まされている感がありますよね」と尋ねると、そうなんですとうなづきながら上田さんは「普段からすごく研ぎ澄ますのが必要な職業なんです」と答えます。実は、お坊さんとの兼業。これにはみなびっくりしていました。
2回目のトークショーには、パラ陸上選手・芦田創さん、視覚障がい者陸上選手・谷口真大さん、パラトライアスロン選手・山田敦子さん、アイススレッジホッケー選手の円尾智彦さんが登壇。芦田さんは銅メダル、円尾さんは銀メダルとそれぞれの出場種目で獲得しています。MCのヒデが「メダルに触ってみたくない?」と促すと、子供たちがワッとステージ前に飛び出します。滅多にないチャンスを前に子供たちは「(デザインが)ふにゃふにゃ」「重かった!」と口々に感想を述べていました。紅一点の山田さんは「水泳、バイク、ランニングの練習ができる」と、バリエーションの豊富なトライアスロンが運動嫌いの自分には向いていると断言します。それに「美容にいいんです。全身を使えるので」と女心くすぐるフレーズで競技をPR。聞き捨てならないとばかりに岡崎は「本当ですか? (アイススケート選手だったので)脚が太くて水に浮かないんですよ」と猛反応。「ウエットスーツがあるから大丈夫!」と山田さんは岡崎に転向をプッシュしていました。
3回目のトークショーには、車椅子バスケット選手の齋藤祐介さん、佐藤太一さん、ブラインドサッカー選手の天川敬史さん、森岡健一さん、今嶋善幸さんがステージに上がりました。どちらの競技も"格闘技"といわれるほど、激しいぶつかり合いが付きもの。今嶋さんは「ブラインドサッカーはみんなアイマスクをするので怖い時もありますけど、その分お互いが声を掛け合う」とチームワークの良さが必須とし、「うまいチームほど当たらない」と解説。「チームワークの素晴らしさを感じられるのがいいですよね」と岡崎は団体競技の良さを強調します。佐藤さんは「車椅子でスピードを体感でき、障がいを抱えているのを忘れ去ることができる」と車椅子バスケットの魅力を口にしていました。齋藤さんは足を傷めて以降は自暴自棄気味だったのが、車椅子バスケットに出会い人生がガラリと変化。「週4で練習に通っている」ほど熱中し、スポーツができる喜びを満喫しているのを伝えました。
スポーツ体験エリアでは《パラスポーツ体験教室》5種目と、ゆるスポコートで「スポーツかるた」が各3回開催。参加対象は小学3〜6年生の子供たちです。
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「車椅子バスケ体験教室」には、銀シャリと和牛が参加。子供たちが口を真一文字に結びリキみながら車椅子走行の練習をしたり、車輪を回しながらパスを交わしたりと思った以上にパワフルな競技です。シュートを決めるにも車椅子に固定されているので身体のバネが使えずハードルが高い中、銀シャリはフリースローを決めセンスの良さを見せていました。和牛・水田が腕組みをしてコーチ然としていると、隣の少年もマネをします。「弟子ができましたー!」と水田が謎の報告をしてしまうぐらい、一体感が出ていました。
「ボッチャ体験教室」は、レギュラーが盛り上げます。チーム分け時、松本は「入りたい方でいいよー。ちなみに西川くんはワキガヤで」とマイナス情報を与え子供たちを呼び寄せる姑息さがチラリ。コートに置かれた白いボールに投げたボールが近いチームが勝利となるので、みな力加減を調整しながら投球します。うまく投げた後は、西川が手を差し出しハイタッチで迎える場面も。コンパスのようなものでボール間の距離を測る際、子供たちは腰を落とし微妙な差にヤキモキしながら見つめていました。「耳が熱くなるぐらい楽しかった」と興奮を伝える少年から、熱中ぶりが伺えます。「次も参加したい人?」と松本が問うと「はーい!」と子供たちは元気良く返していました。
「ブラインドサッカー体験教室」は、ミルクボーイがお手伝い。競技には視覚障がいの方だけでなく、アイマスクをすれば誰でも出場できます。きちんとストレッチを終えると、選手が音の鳴るボールとゴールネト裏に控えるガイドの声に導かれ、3人の間をするりとドリブルで抜けていくデモンストレーションを。まるで見えているかのよう。子供たちはパス練習からはじめます。アイマスクで足元もボールの行方もおぼつかず、四苦八苦する子供らにミルクボーイの駒場&内海は声援を送ります。
「タンデムバイク教室」では、モンブランが活躍。パラサイクリングやパラトライアスロンでのバイクは前に健常者、後ろに視覚障がいの選手のコンビで二人乗り仕様の自転車を漕ぎます。平地で時速40キロ、最高で70キロのスピードになるそう。選手らが子供たちを後ろに乗車さて、まずは感覚を味わってもらいます。慣れてきた頃、モンブランが子供を後ろに乗せて走行することに。「イケてるな」と木下は順調に進み、いけっちは後ろの少年にペースをつかまれ「ちょっと早いな」と焦るひと幕も。前後を子供たちだけで乗車するチャレンジャーも出てきて、すっかり乗車のコツをマスターしていたようです。
「デフバスケットボール体験教室」には、アインシュタインが加わります。聴覚に障がいを持つ選手がプレーすることもあり、合間に指で数字をカウントする「手話」を交えての練習が行われます。はじめこそ慣れない様子ですが、すぐに子供たちは順応していきます。ドリブルシュートの練習では大盛り上がり。小さな女の子には選手が抱えてダンクシュート体験をプレゼント。シュートが外れたボールを、ゴール下に居た稲田が腕でサッと輪を作り受け止めるファインプレーで優しさを見せます。河合はシュートを決めようと息巻く少年の腕をトントンとしながら、「頑張れよ」とエールを。最後は選手vs参加者+アインシュタインでミニゲームを行い、白熱プレーを繰り広げていました。
ゆるスポコートでは「スポーツかるた」を。床に並んだ大きなカルタ札にはお題が書かれています例えば「め」の札には「目を閉じてその場で足踏み10秒」のイラストが描かれており、札を取ったチームが実行&クリアして得点をゲットする遊びです。司会者が手札を読み上げると、我先にと子供たちが駆け出します。"ゆるスポ"ながらも、子供たちはパワー全開で臨んでいました。
どの体験教室でも修了すると、子供たちに金メダルが手渡されます。光り輝く頑張った証を首からぶら下げて、どの子も顔をほころばせていました。
閉会式では、「出演芸人によるサイン色紙」もしくは「よしもとグッズ」が当たる出演者勢揃いのジャンケン大会でひと盛り上がりした後、神戸トヨペット代表取締役社長・西村公秀さんから開催にあたっての感謝のことばが述べられました。
「はじめての試みだったので心配でしたが、たくさんの子供たちが競技に参加してくれて盛り上がりました。これからもパラスポーツを地域のみなさんと一緒に体験、勉強して子供たちに伝えていければ。障がい者のみなさんが努力をして、ものすごいエネルギーと希望のチカラを持っていろんなことをやっている姿を見ていただきたい。もっともっと知られるようになってほしい」と、西村さんは会のさらなる発展を願っていました。そして、「2020年東京オリンピックでの選手の活躍に期待しながら、みなさんのチカラでスポーツを盛り上げていってほしい」と語気を強めながら岡崎朋美が締め括りました。
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