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2017年1月16日 (月)

自身の子育てから幼児教育、「そうまハウス」設立へ... 今季、現役を引退した相馬崇人が語る「これからのこと」

今シーズンをもって、14年にわたるプロサッカー選手生活にピリオドを打った元ヴィッセル神戸の相馬崇人さん。「後悔なくやりきった」と言いきるその決断の向こうには、何が待っているのでしょうか。相馬さんが見つけた新たな目標「そうまハウス」と幼児教育について、そこに至る経緯や思いを語ってもらいました。

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●きっかけは海外生活と「脳科学」との出会い

結婚と同時にポルトガルのCSマリティモへ移籍したんですが、そこではどこに行くにも何をするにも「家族一緒に」が基本でした。チームメイトたちとプライベートで「飲みに行こうよ!」という話になっても、「じゃあ家族を連れて行くよ」という感じ。とにかく、すごく家族を大切にするんです。

子育てに関しても、日本と全然違いました。ドイツ(エネルギー・コットブスに所属)では子供を近所の保育園に通わせていたんですが、教育内容がすごく進んでいて驚きました。例えばクラスは年齢ごとの横割りじゃなく、いろんな年齢の子供たちが混在する縦割りなんですよ。お兄ちゃん、お姉ちゃんが小さな子の面倒を見て、彼らが卒園したら、年長になった子がまた下の子を世話する。そういう生活の中で、弱い者を助けるとか、責任感といったものを自然と学べるシステムになっていました。おもちゃのブロックひとつ取ってみても、建物の構造まで学べる仕組みになっていたり。本当に、すべてが驚きで、こうした海外での経験が、「家族のあり方」や「子育て」について考えるきっかけになった気がします。

もうひとつ、「脳科学」との出会いも大きな転機でした。妻が妊娠してから「自分たちの子供をどのように育てていくか」を常に話し合っていました。これまでの子育てって、「自分が親からされた教育が良かったから同じように」とか、逆に「こうされたのが嫌だったから別のやり方を」というのが主流だったと思うんですが、そんな時、知り合いから録画を送ってもらって見ていたテレビ番組『ホンマでっか!?TV』を通じて「脳科学」の存在を知ったんです。脳科学の分野では、きちんと検証して「1000人中900人がこうなった」という"結果"が出なければ正しいと認められない。やがて「これを子育てに取り入れることができたら、子供の能力を伸ばす手助けになるんじゃないか」と思い始めて。もっといろんな話が聞けないかと、出演されている脳科学者の澤口俊之先生にコンタクトを取りました。

オフを利用して先生にお会いし、お話をうかがってみると、やっぱりすごく面白いんですよ。「叱る時はどうすればいい?」「子供を萎縮させないためには?」などいろんな質問をさせていただくうちに、もっともっと教育のことを知りたいと思うようになりました。もともとは自分の子供のためだったんですが、いつしか「こうして知ったいろんなことを、キッズスクールという形で広く還元できたらいいな」という夢を抱き始めたんです。

そんな流れを経て、ヴィッセル神戸への移籍が決まり日本に帰国した2011年、「そうまハウス」を立ち上げて、キッズスクールとサッカールクールをスタートさせました。

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●脳科学も取り入れサッカーの上達をサポート

「そうまハウス」では、澤口先生が主宰されている「人間性脳科学研究所」のサポートを受けながら、キッズスクールはもちろん、サッカースクールにも脳科学のノウハウを取り入れています。

いまトップにいる選手たちが、なぜあそこまで上り詰めることができたのかっていうのが、以前からすごく気になっていて。偶然そうなったのではなく、技術の習得や体力面においても、共通かつ合理的な方法があるんじゃないかと思っていたんですよ。そこで澤口先生に相談したところ、脳の力を高めることで、より速くスムーズに上達したり、吸収力を高めたりできるんじゃないか、と。それを聞いて非常に面白いなと思い、サッカースクールのカリキュラムに取り入れています。

設立から5年を経て、通っている子供たちの数もかなり増えました。いちばん最初に入ってきた子たちが、もう中学生になっていますから。例えば、最初の頃は泣いてピッチに入ることもできなかった女の子が、INAC神戸のジュニアユースに入ったり...「自分たちがやってきたことは正しかった」と思える子たちが、しっかり育ってきている。それがすごくうれしいですね。

僕自身も、普通だったら触れることのない、他のご家庭の悩みだったり子供への思いなんかを間近に見ることで、成長した部分があると思う。自分の家庭や子供たちへの思いも含め、いろいろ勉強させてもらったな、と感じています。

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● 「諦めず努力できる子」を育てたい

今は、何かものごとをやってみても、できなかったらすぐ諦めちゃう人が多いでしょう? だからこそ、僕としては、たとえ困難に突き当たっても、諦めずに努力して頑張っていける子を育てたいという思いがすごく強いんです。

子供たちは本当に十人十色で、お花屋さんになりたい子、総理大臣になりたい子、サッカー選手になりたい子、アーティストになりたい子、お笑い芸人になりたい子など、進みたい方向もさまざまですよね。何かを目指す時、大変なことはあるかもしれないけど、自分の目標に向かってしっかり突き進んでいける子が、「そうまハウス」から出てきてくれたらいい。その手助けとして、脳科学からのアプローチがあるわけだし、うちのスクールを通してそういう子がひとりでも多く輩出できればいいなと思います。

今、選手としては後悔なく「やりきった」という思いなので、これを区切りに、今後は全面的に「そうまハウス」と幼児教育に取り組みたい。次の人生に向けて、とにかく一生懸命やっていかなくちゃいけないなという気持ちでいっぱいですね。



そうまハウス キッズスクール http://somahouse.jp

そうまハウス サッカースクール http://www.sh-footballclub.jp

【相馬崇人】