沖縄の今帰仁村に元メジャーリーガーがやってきた「なきじんオープンスクール」開催
2017年3月11日(土)、「島ぜんぶでおーきな祭~第9回沖縄国際映画祭~」のプレイベントとして、野球のワークショップ「なきじんオープンスクール」を今帰仁総合運動公園にて開催しました。講師として登場したのは石井一久と岩村明憲さん。そしてカシスオレンジが盛り上げ芸人として参加しました。メジャーリーグでも活躍した2人の講師によるレッスンを受けたのは、今帰仁村の少年野球チームに所属する子どもたち約85名です。
あいにくの雨となったこの日ですが、グランドに集合したカシスオレンジと少年たちは早速ウォーミングアップを開始しました。雨の中でのジョギングでしたが、少年たちは元気いっぱいの掛け声をあげながら、これから始まる一流アスリートのレッスンに期待を膨らませドキドキしている様子。しかし、なかなか雨がやまないため、急遽体育館に場所を移し講師の登場を待つことになりました。
体育館へ移動を終えセッティングが整うと、いよいよ講師の2人が登場しました。はじめに登場したのは、岩村明憲さん。そして次に石井一久が登場しました。司会を務めるカシスオレンジから、お二人の野球経歴が紹介されると、子どもたちも保護者も聞き入るようにその偉大さを改めて実感している様子でした。
紹介の後には限られた時間を有効に活かすため、さっそくレッスンが始まりました。まず最初にキャッチボールを行いました。石井と岩村さんは子どもたち一人ひとりの投球フォームを見て周り、投げ方や姿勢などを修正していました。
キャッチボールの後に行われたのはバッテリーチームと野手チーム、2つのチーム分けです。そしてバッテリーチームを石井が、野手チームを岩村さんが指導します。
野手チームでは二手に分かれてノックが行われました。岩村さんは「この練習はWBCの選手も同じことをやっているんだよ」と、子どもたちのやる気を引き出します。岩村さんの言葉で子どもたちの表情も真剣になっていきます。岩村さん自らノックを行いながら、子どもたちへ直接指導を行いました。
バッテリーチームでは、石井によるピッチングの指導が行われました。実際に子どもたちのピッチングフォームを確認しながら、体の使い方や、リリースポイントに関してなど細かなアドバイスを行っていました。「いろんな投げ方があって構わない、誰か好きな選手の真似から入るのでもいいんだよ」という石井の言葉を、子どもたちは真剣な眼差しで聞いていました。
その後、バッテリーチーム、野手チームがひとまとまりになり、ティーバッティングの練習を開始しました。あいにく体育館での実施となったため、遠くにボールを飛ばす練習(ロングティー)はできませんでしたが、会場にセットされたネットへ向けて力一杯のバッティング練習を行いました。5列ほどに分かれて行われたこの指導では、一人ひとりがバッティングフォームを見てもらえる最大のチャンスだとして、子どもたちの顔も真剣です。それとともに、自分の番が来るのが緊張している様子も伺えました。石井も岩村さんも子どもたち一人ひとりへ直接声をかけ、気になる点や直したほうがいい点を細かく指導していました。二人から直接指導を受けた子どもたちは、メジャーリーグでも活躍した二人の価値ある指導に、満足げな笑顔を浮かべていました。
すべての指導工程を終えると、質疑応答の時間が設けられました。「何を食べてそんなに大きな体を作ったのですか」という質問に対して石井は、「主に肉を食べていました。沖縄でのキャンプの時にはよくアグー豚を食べていましたよ」と返答。岩村さんは「魚とお肉をバランスよく食べて、ご飯も2杯3杯お代わりしてください」とアドバイスしていました。
最後に石井は「僕は中学までは野球はうまくなかった。高校でうまくなったんですよ。だから今は補欠でも努力しだいで上手になることを忘れないで。そのためには練習はすごく大事。あきらめないことも大事です。今は補欠でも、努力がいつか実を結ぶときがきます。地道に練習をこなすことで、うまい人を逆転することがあるんだよ。一番になれるチャンスは誰にでもある、うまくなりたいという気持ちを持って練習に挑んでください」とメッセージを送りました。
岩村さんは、「福島県の独立リーグで監督をしていますが、福島をはじめ東北の子どもたちは雪のためになかなか外で野球ができません。沖縄の子は外で野球ができることを感謝してください。一年を通して目一杯練習ができる環境だから、いっぱい練習をして強い選手になってください。」と子どもたちへ向けてエールを送りました。そんな二人の力強いメッセージを子どもたちは食い入るように見つめていました。
イベントの最後には二人からプレゼントがありました。石井とじゃんけんし勝った10名へ、岩村さんとじゃんけんし勝った10名へ、それぞれサインボールのプレゼントです。このときばかりは、子どもたちも無邪気な顔を見せ、プレゼント欲しさに大歓声を上げていました。見事じゃんけんに勝ってサインボールを手にした子は、もらったサインボールを何度も見て満面の笑みを見せていました。最後には全員で集まって記念撮影をし、イベントを締めくくりました。