ロバート・秋山が"パンツ総番長"コスプレで登場! 映画『夜は短し歩けよ乙女』公開記念舞台挨拶
4月8日(土)、東京・TOHOシネマズ新宿にて『夜は短し歩けよ乙女』公開記念舞台挨拶が行われ、星野源さん、花澤香菜さん、ロバート・秋山竜次、湯浅政明監督、原作者・森見登美彦氏が登壇しました。
累計130万部を超える森見登美彦氏の同名ベストセラー小説が原作である本作。京都を舞台に描かれた、どこかファンタジックな青春恋愛物語であり、森見作品の中でも特に人気のある作品が、満を持しての初映像化となりました。
クラブの後輩である"黒髪の乙女"に思いを寄せる"先輩"が、『なるべく彼女の目にとまる』よう"ナカメ作戦"を実行して日々空回りし続ける姿と、天真爛漫に歩き続ける"乙女"の模様を描いた本作は、湯浅監督が手がけた人気テレビアニメ『四畳半神話大系』と同様、脚本をヨーロッパ企画の上田誠氏、キャラクター原案を中村佑介氏、主題歌をASIAN KUNG-FU GENERATIONが担当することも話題となっています。
主人公の"先輩"を星野源さん、"先輩"が想いを寄せるヒロインの"黒髪の乙女"を花澤香菜さん、"先輩"の学友・パンツ総番長を秋山がそれぞれ演じました。
自身が演じたキャラクターをイメージした衣装で舞台に登場したキャストたち。なかでも秋山が演じたパンツ総番長の再現度が高いと他のキャストからも絶賛を受けたのですが、本人は「これ、映画観てから『あ、さっきの人!』ってなるやつなのに、映画観る前に出てきてもお客さんピンとこないよね。逆コスプレというか、先に見せる感じで恥ずかしい」と、舞台挨拶が上映前だったことを残念がります。すると監督がお客さんへのフォローなのか「これ(秋山)をアニメ化した感じです」と説明したため、「いやそれおかしいでしょ!」と秋山からツッコまれてしまう羽目に(笑)。
また、なぜか湯浅監督も"先輩"のコスプレで登場していて、しかも花澤さんの着ているワンピースのベルトの赤い紐の先と監督のシャツの裏から出ている赤い紐が結べるようになっており、2人が赤い糸でつながることができることを監督が説明すると、客席からは「おぉ~!」とざわめきが。すると星野さんが「ちょっと待ってくださいよ。これ、僕の立場がまるでないじゃないですか! いいなぁ」と不満そうに言い、客席から今度は笑いが起こります。これらの服は本当に販売されるとのことで、どうやら監督は宣伝のため(?)に着ていたようでした。
そんな監督は「結構スピードが早い映画なので、観ていて振り落とされるお客さんもいると聞いたんですけど、先入観なしにフリーな気持ちで観てもらうと、最後まで楽しく観られると思いますので、そんな風に楽しんでください」と観客へのメッセージを述べます。
作品にちなんで、「印象深い夜の思い出は?」と聞かれると、夜ふかしが大好きで、翌日に何もないと朝の4時くらいまでテレビを観たりゲームをしているという星野さんは、「去年の大晦日に紅白歌合戦に出させていただいたんですけど、その後すぐにTBSの『COUNT DOWN TV』に出ることになっていたので、紅白が終わった瞬間に走ってNHKを出て、車で移動したんですね。紅白から違う番組に移動して『間に合いました~!』っていうあれを体験できて、素敵な夜でした」としみじみと語り、「車中で年越しをして、数名のスタッフと『明けたね~』って言い合ったことも思い出深いです」と年越しの瞬間を振り返っていました。
一方花澤さんは、数日前に寝ぼけながらレコーダーに録画した番組の整理をしていた際、あやまって「全部消す」を選択してしまったことを告白し、「私の吉本新喜劇が全部消えちゃって! 本当に苦い思い出です......」と悲痛な面持ちで語ると、秋山に「新喜劇好きなんですか!?」と笑われます。さらに星野さんに「そこにある"乳首ドリル"が全部消えたんですね」と同情(?)されると「ホントですよ~!」と心の底から残念そうに話す花澤さんに、客席からもクスクス笑いが起こっていました。
秋山は「僕、今は大丈夫なんですけど、幼少時代は夜になると『ヒューッ』って言い始めるんで、いつもお母さんやおばあちゃんにおんぶされて子守唄を歌ってもらって。大丈夫だと思ったらまた『ヒューッ』って言い出すという......。それとずっと闘ってきまして。夜といえばこんな思い出です」と、喘息持ちの辛かった子ども時代を振り返りますが、星野さんから「なんか、この格好からしても、秋山さんが昔話に出てくる子どもに見えてきました」と言われ、「やべぇだろ、こんな子どもいたら(笑)」と思わずツッコむ一幕も。
と、ここで原作者の森見登美彦氏が登場。お客さんには森見氏の登壇はシークレットだったため、客席からは大きなどよめきと歓声が起こりました。
監督に花束を渡した森見氏が、映画の感想を聞かれ「箱入り娘と思って(作品を)大事にしすぎていたので、最初に観た時はビックリしてしまって、監督に感想をうまく伝えられなくて申し訳ないことしたなぁと思って。何回も見るうちに、これは中毒性の高い、楽しい作品だなと。観れば観るほど面白くなるんです」と感想を述べると、監督が「森見さん、初回で振り落とされたクチなんです」とさっきの話を持ち出し、観客を笑わせます。
星野さんは「原作は森見さんの心の中の世界に連れて行ってもらえる感じがしてすごく好きなんですけど、映画は湯浅ブーストがすごいかかってて、本当にこの世じゃないところに最終的に連れて行ってもらえる。僕も最初から最後まで通して観た時に『なんじゃこりゃ!』って思ったんですけど、そういう『なんじゃこりゃ!』っていう面白さが大好きで。本当にいろんな要素が詰めに詰め込まれた作品です」と、作品への熱い愛情を語っていました。
秋山は、自身が演じたパンツ総番長の役柄にちなんで「この期間中くらいはパンツを履き替えずに観てもらうのもいいんじゃないかなって思ったりする自分がいて」と話したあと、タイトルにちなんで「夜は短いかもしれないですけど、公開してる期間は長いんで......。『期間長し、来てよねお客』」と大真面目な口調で言い放ったため、客席からは爆笑が起こります。
最後に星野さんが、「劇中、乙女がどう街を歩くのか、そしてどう街や人を変えていくかを見届けていただければと思います。2人のミュージカルシーンなんていう面白いところもたくさんあるので、ぜひ最後まで訳のわからないところに思う存分連れて行かれてください。そういう映画が僕は大好きで、もっともっとこういう映画が増えればいいと思っています。ぜひ、みなさんの知らない京都に遊びに行ってください」と観客へのメッセージを伝え、舞台挨拶は終了。
映画『夜は短し歩けよ乙女』は全国公開中です。
イラスト:中村佑介
【ロバート】【秋山竜次】