「大阪を歌謡曲の聖地に」作曲家・中村泰士の熱い想いが実現した『第1回レインボー 1万人の歌謡曲』大成功!
ちあきなおみさんの『喝采』や細川たかしさんの『北酒場』など数々の名曲を手掛ける作曲家・中村泰士と関西を主な拠点にカラオケ事業を全国展開する株式会社レインボーエンタープライズがタッグを組んだイベント『第1回レインボー 1万人の歌謡曲』が4月9日、大阪城ホールで開催されました。
イベントは第1部がゲストライブで、夏川りみさん、小柳ゆきさん、LE VELVETS、林よしこさんらが出演。また、オール巨人と水谷千重子も登場したほか、中村が新たに手掛ける新人歌手、エンジュも出演し、デビュー後初めてその歌声を披露しました。
巨人はヒットした自身の持ち歌『男の子守歌』を歌った他、上田正樹さんの『悲しい色やね』も朗々と歌い上げました。また水谷は『キューティーハニー』と『天使のかわりはいませんか』を歌い、司会者の野村啓司さん、アシスタントの小川恵理子さんとのトークではお決まりの"千重子節"で会場を和ませました。また、中村がプロデュースしたエンジュも4月7日にリリースしたばかりのデビュー曲『いとおしい』を歌い上げ、お客様にご挨拶。温かい拍手に包まれました。
『喝采』もカバーした小柳ゆきさん、中村泰士が製作総指揮を執った流行歌生誕百周年記念アルバム『むかしは、今』からも披露し、圧巻の歌声で聴かせたLE VELVETS、『涙そうそう』など名曲で魅せた夏川りみさんらのステージで会場のテンションも急上昇。
その熱狂冷めやらぬままいよいよ1万人の歌声が響き渡る第二部へと突入しました。第二部の冒頭では、お客様に声を出してもらうためのウォーミングアップが。
そして中村が『1万人の歌謡曲』を開催するきっかけを語りました。「僕は歌謡曲が好きで、歌謡曲に育てられて、歌謡曲愛が強いのですが、時代をくぐって残った歌謡曲は皆さんの心の中に宝物のようにしまわれています。その歌謡曲にもっと愛を通わすためにイベントができないかと考え、今日に至りました。本当にできるのか?という声もありましたが、こうしてたくさんの方が集まってくださって本当にありがとうございます。大阪から人々の心の中に眠っている歌謡曲を引き上げて、"歌謡曲は大阪のもんや!"と言ってきましょう!」と声を大にしました。
また、中村の盟友とも言える浜村淳さんが急きょ、お祝いに駆けつけてくださり、若かりしエピソードで笑わせ、浜村さんの名調子で第二部へと誘われました。
ストリングス、ブラスも交えたビッグバンドの生演奏でスタート、ゲストでクロマチックハーモニカ奏者の南理沙さんのソロが始まると一気に音の世界へと引き込まれました。そして『青い山脈』のイントロが。『1万人の歌謡曲』という世界で初めてのイベントだけに、最初はお客様も恐る恐るといった感じでしたが、すっかり和やかな雰囲気に。『いい日旅立ち』『木綿のハンカチーフ』など往年の名曲が登場するごとに歓声が。手拍子はもちろん、ステップを踏む人、指揮者になりきる人、体を横に揺らす人など、思い思いに楽しんでおられました。
中村の指揮にビッグバンドの生演奏、響くのはマイクを通さないお客様の歌声だけという環境に、お一人お一人が主役になりきっていきます。ステージ奥のモニターに会場の様子が映るたび、満面の笑みで楽しそうに歌われているお客様の姿が印象的でした。また、最初は硬かった歌声も気が付けば朗らかに、声量も増す一方です。7曲目の『365日の紙飛行機』を終え、中村がステージ袖へ移動すると、アンコールと言わんばかりに手拍子が沸き起こり、もっと歌いたいというお客様たちの逸る気持ちで覆われていました。
後半は『時の流れに身をまかせ』『さよならの向こう側』など昭和の名曲が続きます。そして14曲目の大ラスは中村泰士が作曲し、日本レコード大賞も受賞した大ヒット曲『喝采』でした。会場が一つになり、見事なまでの大団円で幕を閉じ...と思いきや、すぐさまアンコールへ。中村泰士作詞作曲の『大阪ヒューマンランド~やんか!~』を、第二部の合間にステージを彩ったダンサーの皆さんも一緒に大合唱。振付もレクチャーし、サビでは1万人の皆さんの振りも楽しめました。それでも鳴りやまない拍手。「もう終わり!」と話しかけながらも、最後の最後に中村自らが『喝采』を歌い上げ、大きな拍手に包まれました。
イベント終演後には、会見が行われ、ご挨拶をしました。
「みんなで歌うと楽しいよ」と約2年くらい皆さんに言ってきて、今日やっとその楽しさが分かってもらえたかなと思います。まだまだこれからもやりたいなという思いがいっぱいしました。1曲目からですが、1曲1曲皆さんの声を聴いて一番感動をしていたのは僕で、こんなに心を温かくしていただいたのは本当になかったなと思います。皆さんに歌ってほしいと思って、アレンジと演奏も頑張りましたが、こんなに皆さんがストレートに受け止めてくださって、歌ってくださって、本当に嬉しかったです」
ステージを終えた直後のコンディションについては「いやらしいことに大丈夫やね(笑)。くたばることもなく。でも、どこかで年寄がこんなに頑張っていていいのかなという後ろめたさも実はあります。若い人たちにどんどん席を譲って、それを影で応援するという年頃だし、そういう役目だとは思いますが、背中を押してくださるカラオケレインボーの琴平さん、仲間たち、今回、吉本興業さん、キョードー大阪さんが一丸となって、スタッフたちも背中を押してくれました。頑張りましょう、やりましょう、楽しいですよ!と押してくれました。それでようやくできたかなと思います。今、終わった瞬間に来年もやりたいと、もうすでに思っています」
そして『1万人の歌謡曲』の素晴らしさを伝えてほしいと言葉を続けます。「今日来ていただいた方には分かっていただきましたし、感動してくださったと思いますが、今日は僕ではなく、一般の皆さんの歌謡曲への思いが集まったということを伝えてほしいと思います。僕がやりたくてやったというのではなく、お客様の本当に歌いたいという思いがあると伝えてくだされば嬉しく思います」と話しました。
前日、開催発表後にコーラスグループの皆さんに開催を知らせに行った中村。「ありがたいことに1カ所行くと、10カ所くらい広がって。近畿には300ぐらいのコーラスグループがあって、1万人、2万人というすそ野があります。指揮をされている先生、定期的にコンサートをされている先生、コーラスが大好きな女性たちが上手い具合につないでくださって、草の根のようにこっちの伝えたいことがうまく伝わったかなと思います」と振り返りました。
イベントに関しては、実は頸椎の手術直後だったことをステージ上で明かした巨人。当日の音合わせまで知らなかったという中村はステージ上での告白にも驚いていましたが、改めて「(出演してくださり)ありがたかったです」と感謝を述べました。「水谷千重子さんも来てくださり、関西の色がどうしてもほしかったので、出てくださってありがたかったです」と語りました。
今回のステージを終えてすでに課題も見つけているという中村。「組曲を演奏中、お客様をほったらかしにしている感じがするので、もう少しお客様に寄り添った方がいいことと、コーラスをされている方はちょっと難しい方がいいので、できたら300人ぐらいの女性コーラスグループを作って、ステージ上で一緒に歌っていだだいて、コーラスグループの方々はハーモニーをするというようになれば、もっと楽しくなるかな」と展望を語りました。
1万人のお客様が歌っているという光景をステージ上から見てとても気持ちよかったと目を細めます。「僕は今まで6000人まであったけど、1万人は初めてでした。でも、コンサートの嬉しさとは全然違います。来てくれてありがとう!という感じと、歌いに来てくれたという今回の喜びはちょっと違いましたね」
来年も暖かい時期に開催したいそうで、全国ツアーも視野に入れたいと早々に意欲を見せます。「この楽しさが全国に伝われば(ツアーも)あると思うし、僕がステージをやったときは3分の2はみんなで歌うというメニューにしていきたい」と更に拡大を図るための策も明かしました。
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