沖縄を新たなエンタテインメント育成の場に!人材の宝庫・沖縄の可能性を見通すシンポジウム開催
4月22日(土)、那覇市の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハで記念シンポジウム「沖縄の未来をつなぐエンタテイメント産業と人材の育成について」が行われました。総合司会のガレッジセールのゴリは、あいにくの雨模様のなか来場された出席者に気遣いながらも「他の会場が外でやっている中、室内で良かったです」と笑いを誘い、場の堅い雰囲気を和らげていました。
知念覚那覇市副市長の挨拶で開演したシンポジウム。慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の中村伊知哉教授がモデレーターとして登壇。「沖縄はエンターテインメントの人材の宝庫として全国でも認識されている。音楽、ダンス、お笑いなど様々な人材を沖縄で育て、この産業と未来を担う位置になり得る」と話し、沖縄はポテンシャルを生かす人材育成の場として最適であるとの認識を示しました。
"沖縄で人材育成の学校を作るならば"をテーマにしたパネルディスカッションでは、様々なメディアで活躍する方々が登壇。週刊少年ジャンプの元編集長で海外向けのサイレントマンガオーディションを手がける株式会社コアミックス代表取締役社長の堀江信彦氏は「世界で今枯渇しているのは、ゼロから1を生み出すこと。それが出来る人を育てたい」と話し、又吉直樹の「火花」をドラマ化したプロデューサーで株式会社ザフール代表取締役の古賀俊輔氏は「技術力だけではなく人間力、社会力が必要。コンクリートの割れ目から葉っぱが出てくることが気づく人間になるため感性を磨く術を日常生活で努力し癖にして欲しい」と伝えました。
また琉球大学観光産業科学部の下地芳郎教授は「新しい時代を生き抜くためには異文化の人に自らアプローチしコミュニケーションを取れる人材を作ることが重要」と話し、『ラブライブ!サンシャイン!!』の音響監督で映画の音響プロデューサーを務める長崎行男氏は「個性豊かな人材の必要性が求められる中、沖縄は人材の宝庫。今までにない新たな息吹を声優の世界に持ち込めるような教育の場を作って欲しい」と訴えました。
そして海外のカンファレンスで取材をしているメディア研究者の志村一隆氏は「世界中に繋がる時代に作品を発表できる場がある。ありのままの自分に自信を持って欲しいし、沖縄に学校が作られると、更に自信をつけられるよう送り出し、みんなにチャンスがあるんだよと伝えたい」と話しました。
高校生からの質問で「沖縄の良いところと悪いところ」と聞かれたゴリは、「沖縄の人は寛大でいろんな文化を受け入れることができるが悪いところは外に出たがらない。県の条例で20歳になれば実家を出るというのを作って欲しい」と力説。またガレッジセールの川田は「沖縄の人は地元愛が強い」と話しますが、ゴリから「悪いところは?」と振られると「地元愛が強すぎる」と返答して、ゴリから「何で実家を出ろって言わないんだよ!」とツッコまれ、流れを読まない川田の珍解答に会場は笑いに包まれました。
ディスカッションの後にはハリウッド俳優のマシ・オカ氏と三度のエミー賞を受賞したヒントン・バトル氏が日本人の可能性についてビデオメッセージで伝えました。また、国連広報センターの根本かおる所長が舞台に上がり、人間が平和に住むための「持続可能な17の目標」について話し、吉本芸人が出演した普及のビデオも上映されました。
最後に、これまで吉本興業が手がけたスクール事業を振り返るとともに、直接プロからマンガやCG、アニメ、パフォーマー、クリエイター、ライブスタッフの要素を1日体験ができる「Laugh & Peace TOUR 2017」の紹介がされ、中高生を対象に今年8月以降から沖縄県41市町村と全国5大都市(東京・大阪・名古屋・福岡・札幌)で行われることが発表されました。