入学したてのNSC生が1日で舞台デビュー! 『TOPPA!!』(5/17)レポート
5月15日(月)~17日(水)の期間、在学生のNSC東京23期生による1日完結型ライブ『TOPPA!!』が、東京・野方区民ホールにて開催されました。
プロの指導のもと、ワークショップからリハーサル、ショー出演まで、1日でエンタテインメント体験を行う『TOPPA!!』。
今回は、今春入学したばかりのNSC生を対象に開催され、芸人を志す者たちが、丸一日をかけて、歌、ダンス、お笑いに打ち込みました。
ここでは、5月17日(水)の様子をお伝えします。
参加したNSC生たちは、講師のサポートをするボーイフレンド、西村ヒロチョらメンター芸人に出迎えられると、『TOPPA!!』総合演出のまちゃあき(エグスプロージョン)から激励を受けた後は、さっそく全員参加のワークショップを実施。
初めは、おばら(エグスプロージョン)が講師を務める「ダンス」で、硲陽子さんによる「歌」に続き、ワッキー(ペナルティ)による「お笑い」ではギャグの創作、発表のワークショップが行われました。
お昼休憩を挟み、午後から始まった個別レッスンでは「新喜劇」「殺陣」「ダンス」「歌」の4コースに分かれ、配役なども決められ、より本番に向けた稽古を実施。
そして、本番と同じステージを使った「リハーサル」で、全体の動きやセリフ、音楽、照明を合わせた後、いよいよ本番の「ショー」が幕を明けます。
一般客も来場するなか、開演時刻を迎えると、まずはMCを務める芦澤和哉が「NSC『TOPPA!!』ショー公演にようこそ!」と挨拶をし、趣旨説明やトークで客席とのコミュニケーションをはかり、場内は和やかな雰囲気に。
ショー前半は、ワークショップの講師を務めたプロによるプロショー。西村ヒロチョのロマンティック漫談に続き、ボーイフレンドは東京観光をテーマにした漫才、前半トリのエグスプロージョンは、「ピスタチオ」をモチーフにしたダンスで会場を盛り上げました。
そして遂に、NSC在学生が出演するショー後半が、吉本新喜劇のおなじみのテーマ曲とともに開幕。
『すべての道は恋愛に通ずる!?』と題された新喜劇をベースにした今回のショーは、公園にうどん販売所を構える芦澤演じる店主と、げんき~ず・宇野演じる常連客、さらには次々訪れる人々によって珍騒動が巻き起こります。
珍客として、プール・小海が講師を務めるKSC(こうみスタークリエーション)の生徒たちによる大喜利大会が開かれたり、ボーイフレンド・黒沼率いるヤクザ軍団も加わるなど、笑いどころは満載で、終盤での素人名人会のシーンでは、ダンス、歌、殺陣と見せ場の連続。
タイトルにもある恋の行方は、突如出現したフラッシュモブ風のダンサー集団に後押しされる形で、宇野が同じ常連客のギャル風の女性に告白します。
見事、成就したかと思いきや、結局はストーカーのごとく宇野に付きまとっていた独特な口調の女性と結ばれるというハッピーエンド(?)でフィナーレ!
エンディングでは、宇野から想いを寄せられるヒロインを演じた女子生徒が「うれしいです!」と歓喜の一声を挙げれば、ダンスのメンター芸人として盛り上げたげんき~ず・たつやからは「本番が最高だったぞ!」との褒め言葉も。
そして総合演出のまちゃあきは、NSC生が起こしたミスを先輩のメンター芸人がカバーするという一幕を「本番は魔物が棲んでいますね(笑)」と振り返りつつ、「今度は、これからみんながそういう立場になっていかなきゃならないからね」と改めて激励し、会場全体での「3、2、1、TOPPA!!」の掛け声と、拳を突き上げるTOPPA!!ポーズで締めくくりました。
終演直後に行われた「振り返り」では、参加したNSC生たちに向け、講師らが総評とともに最後のメッセージを送ります。
まず、ダンス講師のおばらは、「今日1日でダンスを上手くさせようとか、プロダンサーとしてパフォーマンスさせようとか思って、ダンスを教えたわけではありません」と前置きし、苦手な仕事が来たとしても「自分に何が出来るのか」を考え、「例えば、今日はテンション高く、お客さんを巻き込むつもりでやってくれって伝えました」と柔軟な対応力の必要性を訴えかけました。
続く歌の講師の硲さんは、「本番に臨む気持ちだったり、お客さんにアピールするというのが、これからみなさんの職業になっていくと思うので、そこをちょっとでも感じてくれたら」「歌を歌うというのは、(芸人と)同じ種類の芸事でありますので、ぜひポイントで言ったこととかを、日々実践してみて、歌もちょっとずつ練習していったら、もっと芸の幅も広がると思います」と、具体的にアドバイス。
殺陣を担当したカートヤングからは、芸歴を重ねていくに連れ、仲間が辞めていく事実に触れて、「どうしていいかわかんないよと思っても、創意工夫で面白くやらないとやっていけないと思いますし、最初の志を忘れずにやっていってほしいです。3年、5年、貧乏したっていいじゃない」と継続する大切さを熱弁します。
また、「こんな情けない姿、見せたくないよと思うかもしれない。僕もそうでした。でも、この情けない姿を友達でも親兄弟でも見てもらって、俺はここから這い上がってみせるんだという気持ちを持って、来年、再来年進化させて見せるという気持ちを持って欲しい」と厳しい口調で説いたカートヤング。
新喜劇の講師を担当した芦澤は、「ウケた子は気持ちよかったと思います。ウケなかった子は悔しかったと思います。それで自分の気持ちの中に何か芽生えたと思います。まさに何かがTOPPAした感覚を持ってくれたら」とシリアスな口調に訴えかけながらも、最後に「みなさん、売れたら使ってください(笑)」と付け加えて笑いを誘いました。
そして総合演出のまちゃあきは、自身の経験を踏まえつつ、エンタメ業界の仕事を続けることについて、「覚悟を持つしかないんだよね。みんなはお笑いの世界で勝負するという気持ちで入ってきているだろうから、今、この気持ちを忘れず、レベルアップすることに貪欲になれば、この2点だけで全然道が変わってくるから」と力説。
さらには、「無理かな」「限界かな」と思った時でも、「何かをきっかけに絶対突破できると思うから、諦めずに戦い続けてほしいなと思っています」とエールを送ります。
充実した表情で、「はいっ!」と元気いっぱいの返事をしていたNSC東京23期生たちの今後にご注目ください。
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