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2017年7月14日 (金)

霊験あらかたなケヤキの神様が現れた!? 9回目を迎えた『中田はじめのだんじり新喜劇~ケヤキの神編~』

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7月9日、なんばグランド花月で『中田はじめのだんじり新喜劇~ケヤキの神編~』が行われました。今年で9回目となる『だんじり新喜劇』。いまやすっかり、なんばグランド花月に夏の訪れを告げる風物詩です。だんじり祭りは9月ですが、『中田はじめのだんじり新喜劇』は毎年7月。なぜ2ヶ月前かというと、季節が本番を迎えると岸和田の方は忙しく、イベントに足を運べないからなんだそうです。

『だんじり新喜劇』の舞台は喫茶ベレッサ。これははじめの実家が営んでいた喫茶店の名前で、岸和田にありました。今は閉店し、ベレッサに会えるのは年に1度、『だんじり新喜劇』の日だけなのです。マスターはもちろん、はじめ。そこにアルバイトの森田まりこや、酒屋の高井、町の警察官の諸見里など、様々な人物が入れ替わり、立ち変わりやってきます。オープニング後しばらくしてマスター・はじめがステージに現れると、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。

「今年もたくさん入ってくれて、ありがとうございます」と挨拶するはじめ。会場と一体感を出したいと、「せーの!」「ちょい!」とだんじり風のコール&レスポンスでも盛り上げました。

物語は始まったばかり、はじめの恋人役である井上安世が登場しましたが、二人の間ですれ違いが生じているようで、ぎくしゃくしています。そんな中、はじめが刺されて倒れてしまい、「これをもちまして、本日の公演は...」と終演のアナウンスが流れ始めました。戸惑う会場、そこへ全身タイツの吉田裕と太田芳伸が幕前に現れ、はじめが刺された事情を説明し始めました。ストーリーテラーの二人に誘われ、舞台は3日前に巻き戻されました。

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再び、幕が開き、まつりの前日に。喫茶ベレッサを中心に、いつもと変わらぬ日常を過ごしています。そこへ映画のロケ隊がこの町へやったきたとざわつき、クリーニング屋の浅香あき恵、工務店を営む今別府と啓之の親子、そして和子のおばちゃん(桑原和夫)といった癖の強い面々がやってきます。映画のロケ隊も登場、監督は石田靖で、出るなり「アンパンマン」いじりではじめを振り回します。そのほか、女優や芸能マネージャーのやすえ(未知)などもやってきました。

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スペシャルゲストの山崎銀之丞さんは、前半で登場。歌を歌いながらステージへ颯爽と現れました。そこへ銀之丞さんの大ファンのあき恵がおめかしをして現れ、果敢に銀之丞さんを追いかけまわします。そんなあき恵を靖がロックオン。あき恵は靖にジャイアントスウィングを仕掛けられる羽目に。その数、20回転。壮絶でした。

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はじめがチンピラに刺されるに至るまでをじっくり描き、幾重にも重なる人間関係も丁寧に描き出した本作。ベレッサのアルバイト、まりこが島田一の介扮する父に不本意なお見合いを勧められていること。それがいやで、ダミーの彼氏としてはじめを一の介に紹介。恋人同士のように振舞う二人をの姿を目撃した安世は怒り心頭。はじめと安世の間に亀裂が入ったのは、これが理由でした。また、忠志に事務所移籍を迫る中條健一とプロダクションの社長、若井みどり。映画ロケで訪れていた女優たちにちょっかいを出す、チンピラたち。忠志の所属事務所の社長である末成由美など、次から次へとキャラクターが登場。そして、まりこと忠志は高校の演劇部の先輩後輩という関係ながら、実は恋人同士でもあったこと。また、二人して交際に猛反対する一の介と由美が、過去に何かしらの関係があり、今は犬猿の仲になっていることなど、様々な事実も明るみに。一の介と由美のバトルでは二人が歌舞伎の見得を切り、舞台もいっそう華やかになりました。

空気をがらりと変えて山田花子がすたすたと舞台へ。道を聞いたと思ったら突然倒れてしまい、「久しぶりに地上を歩いてふらつきが...」と意味深な言葉を残してベレッサの奥へと運ばれる花子でした。また、「神様を探している」と通りすがりで出てきたのは、やなぎ浩二と太田芳伸。一瞬のシーンも豪華メンバーが担い、目が離せませんでした。


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そして、ついにはじめが刺される当日のシーンへ。ここで再び、全身タイツの裕と太田が登場。『だんじり新喜劇』のオープニングシーンを丸々再現。瀧見信行と小西武蔵がベレッサのテーブルに座っている場面で一時停止し、説明し始める裕と太田ですが、瀧見と小西は空気イス状態。会場の一番後ろからでも分かるほど、二人の体が小刻みに震えていました。はじめが刺された真相も明るみに。実はこれははじめの芝居、高井たちが安世と仲直りをするために仕組んだものだったのです。仲直りのシーンですべての視線が注がれる中、台詞を何度も噛んでしまったはじめ。いいシーンにも関わらず、笑いが沸き起こりました。

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ここからは、チンピラたちのバトルへ。忠志の移籍問題がまだ片付いておらず、それどころか物騒な問題へと発展していました。忠志を自分のプロダクションへ引き込もうとするみどりに由美も黙っていません。みどりVS由美、一触即発の雰囲気の中、みどりが連れてきた吉田ヒロらチンピラと、はじめ、高井、安尾と岸和田の男達によるバトルが勃発。やすえと由美は「これをやってみたかったんや~!」と吉田裕に乳首ドリル! 「あ~楽しいね!」と満足げな表情を浮べた由美でした。はじめは空手を使ったアクションを惜しみなく披露。見せ場で決めました。

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男達の乱闘は高井と安尾が腕を負傷したことで収まるも、翌日のお祭りでだんじりを引くことができなくなりました。「悔しいな、神も仏もおらへんわ」と高井が嘆くと、「神はいますよ」と花子が登場。実は花子こそ、ケヤキの神様!? そして「本当の姿を見せる」と言って姿をくらませ、変わりに登場したのがもうお一方のスペシャルゲスト、角田信朗さん! 角田さんは『傾奇狂い歌』を披露されました。

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ケヤキの神様の歌声で高井と安尾の怪我も治り、一の介と由美の40年にわたる確執も解消、忠志とまりこの結婚も許しが出てと大団円。そんな感動的なシーンで桑原和夫が「神様~!」と叫び、『だんじり新喜劇』が9年間続いたことへの謝辞を述べました。

エンディングでは、生のだんじり囃子が舞台上から聞えてきました。お囃子をBGMに「皆様のおかげでやりきることができました。来年は10周年、特別な年になると思います!」と早くも未来を見つめて挨拶をしたはじめ。ゲストの角田さん、山崎さんからもコメントをいただき、舞台を盛り上げた吉本新喜劇の座員たちや、だんじり囃子を披露された岸和田・沼町青年団の皆さんへ拍手を送り、「またこのメンバーでできたらうれしいです!」と言葉を残し、幕を閉じました。


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